プロジェクトチーム編成とチームメンバーコミュニケーションのコツ

私はこれまで、システム開発・システム導入・業務改善と多くのプロジェクトに携わってきました。
それらの経験から、いかにプロジェクトの立ち上げ期にうまくチーム編成できるかがプロジェクト成功の大きな鍵を握っているということがわかっています。
今回は自身のプロジェクトマネジメント経験を踏まえて、プロジェクトチーム編成とチームメンバーコミュニケーションのコツについてご紹介します。

チーム編成に大事な3つのポイント

意思決定者に何をして欲しいのか?それにどれぐらい工数がかかるかをきちんと伝える

プロジェクトマネージャーは基本的には意識決定権を持っているものの、全部ではありません。

例えば、私が会計システムの導入のプロジェクトマネージャーをしていたときは会計に関する開発要件の仕様は経理部長のAさんが最終意思決定権を持っていました。

そのような場合、経理部長をプロジェクトのメンバーとして編成する必要があります。

そして、自部署以外の人にプロジェクトに参加してもらうためには、2つのポイントを計算し、明示する必要があります。それは、

  1. 「プロジェクト目的を踏まえ、その人に何をして欲しいのか」
  2. 「どれぐらいの工数がかかりそうなのか」

という2点です。

自部署以外の人をプロジェクトメンバーに参加してもらったときに起きる問題のひとつに、
他のタスクがあり、本プロジェクトのタスクに工数をかけられないケースが発生します。

これが起きる要因として、前述の内容を丁寧に説明していなかったり、工数をきちんと計算していなかったりするケースが多分にあると思います。

その人の立場ではなく、その人の「スタンス」と「スキル」を見極める!

各チームメンバーの「スタンス」と「スキル」を見極めることはとても重要です。

私が言うスタンスとは仕事に対する取り組みの姿勢を言います。
具体的にはスタンスのうち、次の3つをよく観察しています。

  • 与えられたタスクに対して、納期と品質をきちんと守ろうとしているか?
  • 本プロジェクトに対して高いモチベーションを持ち続けているか?
  • 難題が発生したときに自ら解決しようとするタイプか?

そして、スキルとは各タスクができる能力を持っていることを指します。
例えば、「データ移行のタスクについてはデータベース操作の経験があるか」などです。

私は経験上、よくスキルのみをみてチームメンバーを編成しがちになりますが、なるべくスタンスを重視したチームメンバーを編成するようにしています。

スタンスが悪い人たちで構成されたチームは、最悪の場合、コミュニケーションがうまく機能せず、プロジェクト全体進行に支障が発生することがあります。

もちろん、スキルも大事ですがスキルはたとえその時点ではなくとも、有識者を捕まえてすぐにキャッチアップしてもらう方法もあります。

なので、私はチーム編成の段階では各メンバーがどんなスタンスで仕事を取り組んでくれそうか? を日々観察しています。

チームメンバーがプロジェクトにも集中してもらうための施策

1-1.でプロジェクト参加メンバーにプロジェクトの目的や、その人に何をして欲しいのかを
きちんと伝えておくことが大切だと書きましたが、本パートは少し強制力を働かせるための施策となります。

具体的には、評価項目に本プロジェクトでその人が担うタスクを入れること(他部署の場合は他部署の評価者に)もプロジェクトチーム編成時のポイントとして重要なことだと私は考えています。

なぜなら、既存業務と関係ないタスクをこなし、またそれが評価に繋がらないとなると、既存業務が忙しくなったときにはどうしてもそちらを優先しまいがちになります。

コミュニケーションルールのコツ

ある相手と自分とのコミュニケーションの量は、信頼関係の良さと反比例する

これは私が仕事をしてきて感じたコミュニケーションの法則だと思っています。

上長やメンバーとコミュニケーションが上手くいっていないと、
「成果物が求めたものとは異なる」「納期を過ぎても連絡もない」といったトラブルが発生します。

結果、成果物の摺り合わせやスケジュール調整に時間が取られてしまいます。

これらは一例ですが、プロジェクトマネージャーは多くの人と関わり合いながら仕事をすることが多いのでコミュニケーション能力は必須だと私は考えています。

具体的には、一緒に働く人たちに自分が求める成果物や期限をきちんと伝えるだけではなく、メンバーからの発言をきちんと理解する必要があります。

今回、私が取り組んでいるコミュニケーション術を3点をご紹介します。

会議体で報告・共有・相談がある場合は、簡潔に伝えてもらうよう工夫する

プロジェクトに関する打ち合わせで、上長やメンバーと話す内容は大きく3つに分類できます。

  • 報告(上長に求められた内容に対する回答)
  • 共有(参加者にある内容を認知してもらいたい)
  • 相談(何かしら意志決定をしていただきたい)

私は自分が会議で話すときはもちろん、メンバーに対しても上記どの分類に該当するのかアジェンダの冒頭で伝えてもらうようにしています。

また、なるべくA4一枚のサマリー用フォーマットを用意し、簡潔に報告・共有・相談ができるようにするとベターです。

私の経験上、短い時間しかないと多くの人は簡潔に伝えようと意識します。

さらに会議前にサマリー用フォーマットがあると、それに事前に書くことで自身の思考を整理できます。

会議中に考えをまとめていない、ということが発生しなくなります。

連絡事項は基本、参加メンバー全員に連絡する(該当者はToに、それ以外はCcにする)

メンバー編成した以上、基本的には関係ないようなことでも連絡をするよう心掛けています。
具体的には、システム部に向けた、データ移行タスクの注意点が書かれたメールをプロジェクトに参加している経理部メンバーや事業管理メンバーもccに入れて送るようにしています。

理由としては、周りに対して各メンバーの活動が可視化され、「共有」がされている状態になることでコミュニケーションロスとコストが下がるからです。

案外、個人間同士でしから参照できないようなメールの方がプロジェクト遂行上、貴重な内容が書かれていることがあります。

評価や人選に関わる内容は共有できないですが、プロジェクトのタスク進捗等が、なるべくオープンに情報交換することをプロジェクトマネージャーは心掛けてください。

こまめにメンバーと話をする

時間が許す限り、私はなるべくメンバーと仕事の話だけではなく、ちょっとした世間話でも話すよう心掛けています。

プロジェクトマネージャーに話しかけやすい雰囲気を作っておくことは大切だと感じています。
なぜなら経験上、プロジェクトに関するマイナス情報は自分以上に現場の人たちが的確に把握していることが多分にあることを知っているからです。

そのため、定期的に話しをしながらコミュニケーションしやすい雰囲気を作ることがプロジェクトマネージャーには求められると考えています。

まとめ

私が考えるプロジェクトチーム編成とチームメンバーコミュニケーションのコツは以上ですが、いかがでしたか?

プロジェクトの性質上実施することが難しいものもあるのかもしれないですが、私は少しでもプロジェクト成功の確率をアップしたく実践してきました。

皆さんも、ぜひ実施してみてください。

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