プロジェクト管理と言えば、ガントチャートを使って管理を進めていくことが当たり前になっています。しかし、そもそもプロジェクト管理にガントチャートは必要でしょうか?
本記事では、プロジェクト管理におけるガントチャートの必要性とおすすめのプロジェクト管理ツールをご紹介をします。
プロジェクト管理にガントチャートは必要か?
ガントチャートの必要性を考える前に、まずは「プロジェクト管理」「ガントチャート」の言葉の意味を整理しておきます。
プロジェクト管理
プロジェクト管理とは、文字通りプロジェクトを管理することを示していて、具体的には予算や納期、品質、メンバー、タスクの進捗などプロジェクトに関わる全てをマネジメントすることです。またプロジェクトの全体像を見て、進捗や進行などを管理する役割のプロジェクトマネージャーがいて、プロジェクト管理はその人がコアになって進めていきます。
またプロジェクト管理の開発手法も時代の変化と共に変わっていったので、代表的な2つの開発手法についても簡単に触れておきます。
ウォーターフォール型開発
ウォーターフォール型開発とは、水が上から下へと流れていくように作業の工程を順番に進めていく方法です。あらかじめ時系列順に工程を組みこんでいき、要件定義→設計→開発…のように一段階ずつ順々に開発を進めていきます。1つずつの期間がきっちりと決められているのでガントチャートを使って長期的に進めていくのが一般的です。ただしウォーターフォール型開発では、急に方針や予定が変わってしまったときに、もう一度工程を組み直さなくてはならず、対応しにくいというデメリットもあります。
アジャイル型開発
アジャイル型開発とは、イテレーションと呼ばれる短期間(1~4週間)でプロジェクトを区切って素早く回して管理する手法です。ウォーターフォール型開発とは違い、もともと多様な変化に対応できるような開発手法になっているので、急に方針や予定が変わってしまっても柔軟に対応することができます。ただしアジャイル型開発で進めていく場合、チームメンバーを正しくリードしていく能力に加えて、素早い決断力などを兼ね備えた優秀なプロジェクトマネージャーやメンバーがいないと上手に回すことができないデメリットもあります。
ガントチャート
ガントチャートとは、あるプロジェクトにかかる作業の工数を、タスクや担当者別にまとめた一覧表のことです。ガントチャートを使うメリットは、一目で全体の進捗や作業量を把握できること。
ガントチャートは、期間の長いプロジェクトとの相性が良い反面、短期間のプロジェクトには対応しづらいというデメリットもあります。
プロジェクト管理にガントチャートは必要か?
結論として、プロジェクト管理にガントチャートは必ずしも必要ではないといえます。
その理由としては、
- 時代の変化に伴い開発手法やプロジェクトの進め方も変化している
- タスクを細分化することも必要
この2点を挙げることができます。
時代の流れと開発手法の変化
1つ目は、時代の変化に伴い開発手法が変わってきたことにあります。プロジェクト管理の開発手法でも紹介したように、昔の開発手法はほとんどウォーターフォール型でした。
ただ時代の変化やテクノロジーの発展などに伴い様々な変化が発生しました。その中でも消費者ニーズは多様化し、複雑化をしてきました。いままでは決められたものを作れば良しという時代から、より消費者にとって反応のいいものや使いやすいものを作らなくてはならず、変化に対応しないと物は売れないし、会社がつぶれかねないという不安定で複雑な時代になりました。このように途中で作る方針や予定を変えなくては今の時代、ユーザーに対して対応できないという背景があるためアジャイル開発という開発手法も生まれてきたのではないかと自分は考えています。
今まではほとんどがウォーターフォール型開発だったためガントチャートを使うことで効率よく進めることが出来ていましたが、消費者ニーズは多様化し、複雑化した結果アジャイル型開発という手法が生まれてきた今は、むしろタスクをどれくらい細分化して振り分けていくかなどの細かいタスク管理が必要になっていったため、ガントチャートではなくタスク管理機能が入っているようなプロジェクト管理ツールの人気が高まっていっているのではないでしょうか。
>>業務コミュニケーションのしやすさに特化したタスク管理ツール「TeamHack」とは?
結局タスクの細分化が必要
2つ目の理由はガントチャートを作る際には結局タスクの細分化が必要だという点です。
ガントチャートを制作していくためには、「WBS」が必要になります。WBSとは、プロジェクトを進めるにあたってどのような作業が具体的にあり、その作業にはどのくらいの時間を有し、誰がその作業を担当するかなどを事細かにリストアップしたものです。(もっと詳しく知りたい方は「プロジェクト管理に役立つ! WBSの使い方とツール」をご覧ください)
ガントチャートを作る上でWBSは欠かせないものになっていますが、裏を返せば、どれくらいの仕事量が必要になるのか、誰がその工程を担当し、どれくらいの時間でできるかなどをタスクとして落とし込んでいるのがWBSです。それを棒グラフにして見やすくしたものがガントチャートになっています。だとするならばわざわざガントチャートを作って管理する必要はあるのでしょうか。先ほども述べたように一度ガントチャートを作ってしまうと修正しづらいという点があります。一方タスクなどを管理できるもので管理してしまえば、タスクが増えようが減ろうが管理しやすく、タスクの細分化も進めることができるでしょう。
そのような理由からガントチャートを作る際に必要なタスクの細分化さえ行なえていれば、タスク管理機能を備えたものであればプロジェクト管理を進めることができるのでガントチャートを使う必要はありません。
このように上記の2つの点から、プロジェクト管理をするためにわざわざガントチャートを使って管理をする必要がないと言うことを結論付けることが出来ます。むしろ急に方針や予定が変わってしまう位ならば、進捗管理をするよりもタスク管理が出来るような機能があれば、「これを変えてほしい」と言われたタイミングであってもすぐに対応することができ、それに応じてタスクの追加も削除もできるので、プロジェクト管理もできるのではないでしょうか。
自社でも使っているプロジェクト管理におススメなツール
さてここからはガントチャートを使わずともプロジェクト管理のできるおススメなツールをご紹介します。
今回紹介するのは、「TeamHack」というツールです。メリットや特徴などを要点ごとにまとめていきます。
1.プロジェクトごとに分けて管理ができる
上記の写真のようにプロジェクトごとに分けてタスクの登録とチャットを行なうことができます。そのため「このタスクってどこのプロジェクトに関わってたっけな…」などと忘れてしまったときにも、プロジェクトごとに分かれて管理されているため、タスクの親を調べることでタスクがどこと結びついているのか分からず探すという手間を省くことができます。また検索機能も備わっているため、本当に分からなくなってしまったときにも、簡単にお目当ての情報までたどり着くことができます。終了したプロジェクトに関してはCSVファイルとして出力しておけば、次回同例のプロジェクトを担当する際の参考にすることもできます。
2.仕事の「見える化」で効率的にプロジェクト管理を行なう
各タスクや作業を誰が担当するかを決めることができるので、仕事の見える化を図ることができます。進捗管理グラフやタイムトラッキング機能が搭載されているため、作業の進捗や作業にかかる時間を容易に把握することができます。そのためタスクに時間がかかりすぎていたり、手が空いている人などを簡単に把握することができるのはプロジェクトマネージャーにとっては、うれしい機能なのではないでしょうか。
3.ワンクリックレビューとソート機能
ワンクリックレビューでは、確認を促すメッセージがレビュー側、つまりプロジェクト管理者に的確に届くため、タスクやメッセージの見落としを避けることができます。またソート機能を備えているため、「作業状況」、「担当者」、「期限」などのカテゴリーで検索することですぐに目的の情報へとたどり着くことができます。
4.組織としての土台作りにも対応可能
組織としての土台作りにも対応可能です。プロジェクトマネージャーを管理している役職の人に、プロジェクトの全ての権限を持たせることで、プロジェクトマネージャーだけではなく、その上の役職の人たちも、各部署・各プロジェクトごとに何をやっているかが明確化します。もしタスクに問題が起きてしまったても、レビュー機能を使っていち早く知らせて決定を下せたり、チャット機能を用いてタスクごとにアドバイスを行なえたりなど、上の役職の人たちの距離を近づけることで、意思決定の早さを高めるなどの組織の改革も行なうことができます。
このようにTeamHackを導入することで得られるメリットがたくさんあります。無料版も備えているので、一度使用してから有料の購入を検討ください。
自分は仕事だけではなく、プライベートにも積極的に使っています。ぜひ挑戦してみてください。
ガントチャートを使ってプロジェクト管理する時代はもう終わった
「ガントチャートを使ってプロジェクト管理する時代はもう終わった」ということをご理解していただけたのではないでしょうか。様々なユーザーやクライアントのニーズを実現するためにもガントチャートを使って管理するのはやめて、プロジェクト管理ツールを使って管理していくべきです。少しでもプロジェクトの管理が上手くいったという声が聞ければ幸いです。