チームメンバーの力を最大化するための「心理学」〜『リフレーミング』という技術を知ろう

チームメンバーの力を最大化するためにはどうすればいいのか? リーダーであれば、誰もが考えるテーマでしょう。本稿では、その手段としてリフレーミングという心理学を紹介します。新しいアプローチからマネジメントを見つめ直せば、必ず新しい発見があるはずです。

リフレーミングを始める前に

コミュニケーションで相手に何かを働きかけるためには、まず、相手が自分に対して心を開いていなくてはなりません。相手が心を開いている状態、信頼感や安心感のある打ち解けた状態のことを「ラポール」といいます。ラポール(rapport)はフランス語で「関係」という意味を持ちます。それでは、ラポールを築くためにはどうすれば良いのでしょうか? そのための方法は2つあります。

バックトラック(backtrack)

バックトラックは相手の言葉を反復することで、心を開いてもらう手段です。バックトラックには、いくつかの方法があります。例えば、相手の直前の語尾を返したり、相手の話を要約したり、相手のキーワードを使って返したり、などです。

ペーシング(pacing)

コミュニケーションにおいて、いろいろな要素を相手に合わせることをペーシングといいます。人間は、自分と似ている人、共通点の多い人に安心や親しみを感じるため、相手に合わせることは、心を開いてもらうために大変効果的です。合わせる要素とは、具体的にいえば、「姿勢」「話し方」「言葉」「呼吸」「感情」などを指します。

バックトラックとペーシングによって、相手の心を開くことができて始めて、相手を導くことができます。相手を導くことを「リーディング(leading)」といいます。人は論理だけでは動かず、熱意だけでも動きません。そのような時は、論理に誤りがあるわけでも、熱意が足りないわけでもありません。ラポールがないのです。メンバーを自分の思う方向にマネジメントしたいと思うなら、まずはラポールを築くことに専念しましょう。

「快」のマネジメント

プレッシャーやペナルティーを与えて、モチベーションをあおるマネジメント法のことを「痛みのマネジメント」といいます。これは、プレッシャーやペナルティーというネガティブな動機をベースとした手法です。多くの企業では、このような「痛みのマネジメント」を使っているのではないでしょうか。

確かに、「痛みのマネジメント」には即効性があるというメリットがあります。なぜなら、最も人が避けたい感情は「痛みを避けたい」という恐怖によるものだからです。しかし、この方法で長く継続的にモチベーションを維持することは困難です。過度のストレスは、精神的にも肉体的にも持続可能ではないからです。

一方、「快の感覚」を味わう時には、脳内に免疫機能を高めるホルモンが分泌され、体は活性化します。このような「快」をベースにしたマネジメント手法を「快のマネジメント」といいます。快のマネジメントをするためには、メンバーが楽しく仕事をしていて、コミュニケーションにおいてもラポールがある状態でなければなりません。「快のマネジメント」を実践することで、メンバーは疲れにくく、集中力が高い状態で仕事をすることができます。つまり、メンバーの力を最大化することができます。

これからのリーダーには「痛みのマネジメント」ではなく「快のマネジメント」をすることが求められるでしょう。メンバーの力を最大化することで、チームとしての成果も大きく向上することができます。

リフレーミングの種類と進め方


人は、さまざまな物の見方・視点を通じて、出来事を体験します。物の見方・視点のことをフレーム(frame)といい、フレームを変えることをリフレーミング(reframing)といいます。リフレーミングをすることで、嫌だと感じていたものが、いいと感じるようになったり、やりたくないと思っていたことを、やりたいと思うようになります。つまり、リフレーミングをすることで、感情や行動を変えることができるのです。

リフレーミングは、メンバーをマネジメントする時に大きな効果を持ちます。例えば、メンバーが嫌々やっている仕事に新しい見方を提示するリフレーミングを行うことで、メンバーはその仕事に意味を見出して、やる気になってくれます。当然、生産性はあがります。リフレーミングの技術を身につけることができれば、メンバーの持っている潜在能力を最大限に発揮させることができます。

リフレーミングは大きく分けて2つの種類があります。

「状況」のリフレーミング

すべての行動には、その価値を生かせる状況があります。ある状況では役立たない行動でも、別の状況では役立ちます。このように、役立つ状況をみつけるリフレーミングのことを「状況」のリフレーミングといいます。例えば、「頑固である」ということに対して、頑固が役立つ状況について考えると、「交渉」という状況をみつけることができます。そして、「頑固であることは、交渉の時に役立ちますね」という風にリフレーミングすることができます。

「内容」のリフレーミング

内容や意味を変えるリフレーミングのことを「内容」のリフレーミングといいます。例えば、「頑固である」ということに対して、他にどのような意味があるかを考えると、「意思が強いのですね」という風にリフレーミングをすることができます。「内容」のリフレーミングをするためには、「他にどのような意味があるのか?」という視点で考えることが重要です。

ここで注意しなくてはならないのは、何でもリフレーミングすれば良いというものではないことです。例えば、「お客様から理不尽なクレームがきてます」というメンバーに対して、「そのお客さんは人にはっきり物をいうことができる人なんだね」と言ったところで、メンバーから望む反応を得ることはできません。そのため、まず、ラポールが築けていることは前提ですが、その上で、相手の役に立つフレームを提示しなければなりません。それが、良いリフレーミングであるといえます。

リフレーミングを続けるために

ここまでの内容で、リフレーミングがメンバーの力を最大化するための強力なツールであることは理解してもらえたかと思います。それでは、メンバーに高いパフォーマンスを発揮し続けてもらうためにリフレーミングを続けていくには、どのようにすれば良いのでしょうか?

それは、リフレーミングをして部下の行動や思考を正しく変えることができた時の経験を記憶しておき、折に触れてそれを思い返すことです。成功体験を繰り返しイメージし続けることによって、きちんとリフレーミングをすることができれば、高い成果を上げることができる、という思考を脳に焼き付けることができます。これが、リフレーミングを続けるインセンティブになります。

また、リフレーミングはNLP(神経言語学的プログラミング)の応用例の一つですので、リフレーミングを習得することができたら、学習範囲をNLPに広げて、ノウハウを学び続けることも大切でしょう。NLPに関しては、書籍やセミナー等、学習の機会は多くありますので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

「チームメンバーの力を最大化するための「心理学」〜『リフレーミング』という技術を知ろう」についてのまとめ

本稿ではメンバーの力を最大限発揮させる手段として有効なリフレーミングと、その実践方法について解説しました。リフレーミングを正しく身につけるためのきっかけとして、本稿を参考にしてみてください。

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