女性だらけの職場で生きる術 男性リーダーが意識している3つのポイント

ついに元号が令和へと切り替わりましたが、30年続いた平成は女性活躍が一気に進んだ時代でしたね。一方で、多くの男性上司が女性メンバーのマネジメントに頭を悩ませた時代だったともいえます。最近でも2018年12月『ダイヤモンドオンライン』に、「女性部下を苦手な男性上司が95%!」という見出しの記事が掲載されました。確かに女性に対してセクハラやらパワハラなどと言われる時代になってきたので、女性部下との関わり方が難しいと思う方も多くいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、職場で6人の女性に囲まれて働く私が、女性メンバーと仕事をするうえで意識しているポイントをお話しします。

女性だらけの職場で生きる男性リーダー


まずは私の自己紹介を少しだけ。関西在住、30歳の既婚男性です。

現在、従業員数900人規模の会社で、社長秘書兼人事チームのリーダーとして働いています。少し特徴的なのは、社長も人事チームのメンバーも全員女性ということ。オフィス全体でみれば男性もいますが、肩を並べて働くのは6人の女性という職場環境です。

ちなみに、前職では求人広告のコピーライターとして、個人プレイ寄りの仕事をしていました。私服勤務で、イヤホンで音楽を聞きながら原稿を書いていた私が、いまでは四方八方から同時に話しかけられる日々を送っています。

女性だらけのチームで生きることになった男性リーダーが、職場にいる女性とのコミュニケーションから得た気づきを、3つのポイントにまとめてお伝えしたいと思います。

ポイント①:女性スタッフに職場で家事をさせない

はじめにお伝えしたいのは、職場で家事をさせないことで、女性メンバーに高いパフォーマンスを発揮してもらう方法です。

この方法を意識するきっかけになったのは、ママさんスタッフ2人とランチに行ったときに聞いた話でした。1人のスタッフが「私たちはここで、もう1人の自分になるために仕事をしてるんです」という話をしてくれました。

「家にいるときは母として妻として、子育てや家事をしなければならない。仕事をしているときだけ、自分個人に戻れる。家にいる自分とは違う、もう1人の自分になって社会に関われることが楽しいんです」

そう語る姿を見て、なるほどなと思いました。こんな思いで働いているから、限られた時間の中で楽しそうに一生懸命、仕事に取り組んでくれるのかと。

ランチから帰る最中、私はほかのメンバーの考えも気になり、オフィスに戻ってからみんなに聞いてみました。

すると、「職場でまで家事みたいなことばかりしたくないという思いは確かにありますよ。それに母でも妻でもない自分に戻って仕事ができるのが楽しいというのも、言われてみればそうかもしれません」と、口々に話したのです。

その日から私は、女性メンバー5人に任せきりだった家事のような雑務を一緒にやり始めました。

たとえば、自動販売機の横であふれそうになっているゴミ袋の交換や、来客対応の準備・後片付け、朝と昼にみんなが使うポットのお湯の補給など。気がつくところからやっていったのです。

まず、メンバーたちからは「何やってるんですか」とか、「黒木さんがやる仕事じゃない」とか、いろいろ言われました。次に女性メンバーたちは、雑務を取り合うように素早く終わらせるようになりました。理由は、放っておくと黒木がやりだすから。

正直なところ、それまでは雑務に対して、「会社でまでこんなことをするのは面倒だな」「だれかやってくれないかな」という思いがあったそうです。

しかし、自分が気づいたときにやらないとリーダーがやりだすということで、見つけたらすぐに、できるだけ時間をかけずにやろうと考えるようになったと言います。

女性メンバーたちは「うれしいですよ、人事の仕事に集中できる時間が増えたのは。仕事のやりがいを実感できる場面も増えました。でも恐縮なのでやめてください」といってくれます。それでも私は、日々こっそり家事っぽい仕事をして見つかって、女性メンバーから怒られています。

「家事みたいな仕事は慣れている女性がやればよい」もしくは「雑用は新人やパートがやって当然。リーダーがやることじゃない」と思う気持ちもあるかもしれません。

立場に応じて人件費が異なるという観点から、役職者がやるべきではないという考え方も納得できます。しかし、結局のところ女性メンバーのほうがよく気が回るのは事実で、最終的にリーダー・マネージャーが減らしてあげられる雑務は全体から見るとほんの少しです。

それでも、リーダーが雑務を引き受けようとするアクションは、女性メンバーに刺激を与えることになります。私の仕事には、以前よりほんの少し、メイン業務から外れるものが増えましたが、これにより、女性メンバーのモチベーションは確実に向上しました。

女性メンバーに活き活きと働いてほしいと考えるなら、家事のような仕事を代わりにやってみてください。驚いて声をかけてくれた女性メンバーに「仕事でしか発揮できない価値を発揮して」といってあげれば、段々と笑顔で仕事をする時間が増えていくはずです。

ポイント②:女性社長との話は本題に雑談を挟む「ねぎま」スタイルで

私の会社の社長は女性で、私はその秘書なので、私の上司は女性です。ところで、女性の思考回路が男性と違うと感じたことはありませんか。ここからは、女性の上司に報告をするときの伝え方について、ちょっとしたコツを紹介したいと思います。

もし上司に報告あるいは相談したい内容が3つある場合、みなさんはどうしますか。

おそらくというか、私自身がそうだったのですが、まず3つの本題を順番に伝えます。そして、伝えなければならないことをすべて話し終えてから、その流れで雑談に入っていきます。

しかし、私の上司であるところの女性社長の場合、上記の方法では時々、最後まで報告を聞いてもらえないことがあります。つまり、業務報告3連続はつまらないという反応をされるのです。

そこで行き着いたのが、「ねぎま」スタイルでした。報告を3つ立て続けに伝えるのではなく、1つひとつの話の間に雑談を挟んで、飽きずに楽しんでもらえるようにします。

焼きとりのねぎまのように報告(肉)→雑談(ネギ)→報告(肉)→雑談(ネギ)→報告(肉)とすれば、報告がスムーズにいくのです。

男性同士のコミュニケーションでは、「雑談をする前に本題を先に全部済ませろよ」といいたくなるかもしれません。ですが、女性上司がいつもつまらなそうに自分の報告を聞いている気がするという方は、ぜひこの方法を試してみてください。

肉(報告)とネギ(雑談)の最適な量には個人差があると思いますが、それまでとは少し違う反応があると思います。

また、私はこのねぎまスタイルを部下への依頼や指示の際にも取り入れています。矢継ぎ早に複数の依頼をするよりは、少し時間がかかってでも、雑談を挟みながら内容を伝えたほうがプラスに受け止めてもらえます。

時間がないときや急ぎの案件では、男性は要点だけ伝えて、わからないことがあったら聞いてというコミュニケーションをとってしまいがちです。

女性からすると、わからないことは話をしている最中に出てくるもので、突き放されて1人で悶々と考える時間にストレスを感じてしまうようなのです。ですから、私は女性の部下へ仕事を任せるときには、雑談混じりに伝えるようにしています。

女性の上司がなかなか話に食いついてくれないという方、部下に対してついついドライに接してしまうというという方は、ぜひこのねぎまスタイルをご活用ください。

ポイント③:チームランチの下準備でみせるリーダーシップ

私のチームでは月に1回ほど、チーム全員でランチに出かけます。パートメンバーのシフトの関係で、全員が集まれる日に行くのですが、だれかが弁当を持ってきている日には公園で外ランチという場合もあります。

そしてこのチームランチこそ、私がリーダーの力を発揮する絶好のチャンスなのです。具体的に何をするかというと、他部署への依頼を買ってでます。

私のチームは人事チームなので、人材会社や求職者からの電話など、外部から連絡が一日中寄せられます。さらに法人への問い合わせについても対応しているため、人事メンバーが全員いなくなるというのは、他部署の従業員からすると非常に面倒なのです。

こういった事情があるので、チームランチに行くときには、事前に他部署に対してメンバー全員が不在になることを伝え、代理対応を依頼しなければなりません。

そして私はこの依頼を絶対に自分で行ないます。優しい女性メンバーから「代わりに内線しましょうか?」と言われても、絶対に譲りません。

理由は、なにも悪いことをしていない彼女たちに「お手数をおかけして申し訳ありませんが、よろしくお願いします」と言わせたくないからです。

普段一生懸命がんばっている仲のよいメンバーが月に1回集まれた日に、「自分たちは身勝手なことをして周囲に迷惑をかけている」なんて、考えてほしくないと思いませんか。メンバーに不必要なお願いや謝罪をさせないことこそ、リーダーの役割だと私は考えています。

「◯◯さんは物腰柔らかで面倒事のお願いが上手」もしくは「自分は不器用だから、うまく依頼できる部下がいて助かる」という思いがあっても、チームの依頼はリーダーがするべきです。

だれだって人に何かを依頼するときには、気をつかうものです。もしあなたの職場に、いつも快く周囲にお願いをしてくれる女性メンバーがいるなら、ぜひ「いえ、それは私から話しますよ」と言ってあげてください。きっと、安心した顔をすると思いますよ。

まとめ

「女性だらけの職場で生きる術 男性リーダーが意識している3つのポイント」、いかがだったでしょうか。最後に、3つのポイントのおさらいです。

ポイント①:女性スタッフに職場で家事をさせない
女性は母でも妻でもない自分になれる仕事を楽しんでいます。家事のような仕事からはできるだけ遠ざけてください。

ポイント②:女性社長との話は本題に雑談を挟む「ねぎま」スタイルで
本題(肉)と本題(肉)の間には雑談(ネギ)を。管理職であってもメンバーであっても、女性は肉ばかりでは飽きてしまいます。

ポイント③:チームランチの下準備でみせるリーダーシップ
人に頭を下げるのが得意な人なんていません。心優しい女性メンバーが頭を下げなくてもいいようにするのが、リーダーの役目です。

共感できるものからで結構です。上記のポイントを意識してみてください。きっと、女性メンバーとの距離が縮まるはずです。仕事をがんばる女性が職場にいることを幸運だと思って、彼女たちのパフォーマンス向上を支援してみてください。

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