デジタル技術が進み、誰もがスマートフォンを手放せなくなっている昨今。一方で、タスク管理やスケジュール管理などは、スマートフォンなどを使ったデジタルよりも、手帳派の人が多いようです。なぜペーパーレスの時代に人々は手帳を使い続けているのでしょうか? それはやはり、タスク管理やスケジュール管理には手帳がもっとも適したツールであるからでしょう。
手帳を使えば、自分の仕事も、プライベートも、可視化して、わかりやすく管理することができます。ここでは、手帳派の方も、もう手帳を手放してしまった方も、やっぱり手帳に戻そうかと思っている方にも参考になる手帳術をご紹介します。
人生の変化と時間管理
手帳メーカーのセールスとして働いていた筆者は、いわば手帳を使いこなすことも仕事のうちであったわけなのですが、仕事を辞めるときには、それまで10年近く使い続けてきた、一日の予定を時間軸で記入できるバーチカル・ウィークリータイプの手帳を使うこともやめることにしました。
代わりに、日付の入っただけの日記を使ってみました。なぜならば、自分の時間を、会議やアポの時間にあわせる生活をいったん止めて、時間を気にせずゆったりとした生活を体験してみたい、と思ったからです。仕事をしない時期には、手帳がなくとも、Todoリストを書くメモや、日記などがあればこと足りると思っていました。
しかしながら、その思惑はすぐ崩れました。仕事を辞めたあと、子供ができ、出産して母親業が始まったとたん、時間をしっかりと意識した生活が新たに始まったからです。赤ちゃんが産まれたばかりの数ヶ月は、睡眠や授乳のリズムが一定せず、難しい面もありますが、その数ヶ月をすぎれば、決まった時間にお散歩、お昼寝、食事をするといった生活のリズムがとても重要なのでした。そして子供が赤ちゃんではなくなり、幼稚園生や小学生になった今は、さらに時間管理が重要となりました。
子供二人の帰宅時間までに、仕事や必要な家事をすませ、お迎えの時間を守り、子供が帰宅したら習い事や宿題をさせる時間、夕食の時間、寝かせる時間と、一日部屋の中心にある掛け時計を気にしながらTodoをすませていく毎日を送っています。
こうして筆者は、仕事をしていても、そうでなくても、どのような立場であっても、スケジュールや時間を意識して行動することが、日々を充実したものにし、目標を叶えていくためにも重要であることに気づきました。仕事と家庭でのすべきことを把握して時間管理し、スケジュール管理やTodoリスト作成をしたほうが、毎日の時間のたつ慌ただしさが減り、ゆとりや余裕を持って行動できるのです。そうするためには、やはり筆者には、手帳の存在が必要でした。
年度始まりが近づいているいまこそ、手帳を使ってスケジュール管理とTodoリスト作成を習慣にし、充実した毎日を送るために手帳を相棒にしませんか?
Todoリストを作成して頭のなかをスッキリと
仕事も、プライベートでも、すべきことやしたいことなど、様々なことがあるときに、延々と頭の中でそれらのことを考えてはいませんか? 頭ですべきことをハードリピートしていると、だんだん「嫌だな」とか「面倒だな」など、余計な感情が付随して浮かんできてしまうときがあります。同時に、しなくてはならないことをずっと考え続けていれば、単純に疲れてきてしまいます。いざ、すべきことをしようとすると、すでに疲れているために、仕事のスピードが落ちてしまいがちです。そして、頭のなかですべきことを堂々巡りさせているうち、すべきことが漏れてしまうこともあります。重要なことを取りこぼしてしまうことは大変リスキーです。こういったことを避けるためにも、Todoリスト作りを強くおすすめしたいと思います。
仕事上の資料作成でも、子供から頼まれた買い物でも、思い浮かんだTodoはすべて羅列します。それはメモでもよいですし、手帳のメモ欄でも、携帯アプリケーションのひとつであるEvernoteなどのツールにあるメモページなどでもかまいません。ペーパーでも、デジタルでもいいので、とにかくリストをし、そのTodoが完了したらチェック印をつけたり、上書き線で消せたり、Evernoteにあるようなチェックボックスを使用してチェックをつけれらたりといったように、完了したことに対して消す、またはチェックマークをつけて終わった、という印がつけられるツールを使うことがお勧めです。
もしデジタルでリストをつくったときに、Todoを終えられたらそのリストを消す、という人もいらっしゃるかもしれませんが、消さないで、リストにチェックをつけたり、打ち消し線を上から引いて、終わったTodoを確認できるほうが、「これだけTodoを完了出来た!」という達成感やスッキリ感を持つことができると筆者は考えています。
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Todoリストを手帳に落とし込んでいこう
Todoリストを作成したら、その項目を一日のスケジュールに落としこんで行きましょう。手帳は、好きなタイプの手帳でかまいませんが平日出勤、土日休みの場合はウィークリーの手帳がよいでしょう。書き込みたい内容が沢山ある人は、デイリーの手帳がおすすめです。マンスリーの手帳は、一ヶ月の予定を俯瞰で確認するのに大変便利です。Todoを書き込めるスペースはないと思われるので、Todo用のメモなどを別にとりましょう。
企画書作り、原稿書きなど、集中して作業する時間が必要な仕事は、だいたいその仕事にかかる時間を予想して手帳に記入しましょう。休憩も加味してスケジュールを決めるようにしましょう。どんなに集中しても、パソコンでの作業は1時間半以上続けてしまうと、首や肩に大きな負担がかかります。それ以上の同じ体勢での仕事をするのは避け、5~10分程度、お茶を入れにいったり少し歩いてみたりと、体を動かしましょう。
会議やアポイントメントなどのように、場所や開始時間が決まっている仕事は、移動時間も含めて手帳に記入していきましょう。移動時間が見えれば、移動中電車やタクシーで座ることができれば、その間にできることなども考えて行動しましょう。
Todoが、ランチの時間のついでにできる買い物やコピーなど、短時間でできることなどがあれば、それも手帳のなかにしっかりと組み込みましょう。このようなこまかなTodoこそ、忘れがちなものです。しっかりと把握を心がけましょう。例えば、職場の近くのスーパーで売っている子供に頼まれた漢字ノートをランチの帰りに買っておくことができれば、仕事から帰ったあとに、あわてて自転車でノートを買いに行かないで済む、というものです。
Todoが一週間見開きやデイリーの手帳に組み込めないものについては、マンスリーの手帳、または手帳の付録にあるマンスリーページに組み込みましょう。例えば、旅行計画をたてる、ちょうどいいビジネス用のカバンを探す、など、日程や時間がしっかり固まっていないことも書き出しましょう。
Todoが完了していない、持ち越した場合には、完了するために必要な事柄があれば、それもまたTodoに加えましょう。時期が不十分ためTodoが完了出来なかった場合は、翌月に持ち越しできるようにマンスリーページに記入しましょう。いつしかわすれてしまうTodoにならないように、記入漏れのないようにしましょう。
Todoリストとバレットジャーナル
Todoリストを作ることは、充実した毎日を送るためにとても役立ちます。それを手帳に落とし込むかわりに、バレットジャーナル(Bullet Journal)を使ってみよう、という方もいらっしゃるのではないでしょうか? バレットジャーナルとは、アメリカのライダー・キャロル氏が考案した、ノートとペンを使ったタスク管理システムです。
このシステムは、Todoリストやメモを書き留めて、それに決まったマークをつけて記録するもので、この数年、海外中心に流行してきています。Todoをきれいに装飾文字で書いたり、カラフルなペンで記入わけしたり、デザインにこだわって記入することができるため、美しいバレットジャーナルページをインスタグラムに掲載する人も多く見られます。そのため、記入ページを綺麗に書くという、セラピー的な要素も少々感じられます。かといって単なる日記的で自己セラピー過剰なものではなく、Todoの進捗を整理し、持ち越しすることについては、翌週なのか、次月なのかなど、精査して進捗についての記入を厳密に行うことから見て、Todoをすすめる効率の生産性も十分意識できる管理術であるともいえます。
具体的記入方法としては、年間スケジュール(Future Log)・マンスリー・デイリーの項目について、「key」と呼ばれるアイコンを決め、そのKeyを使って書きたいことを書いていきます。たとえば、タスクには□、アポイントメントは◯、などの記号をを自分で決めて、その記号を使用し記入していきます。基本的に、従来のようなフォーマットの手帳ではなく、好きなノートに年間スケジュール・マンスリー・デイリーの日付を自分で書くため、書くことが好きな人、自由なデザインを好む人や、手帳を使っているうちに、自由なページが足りない、もっと項目を増やしたい! と感じることが多い人にもよい管理方法だと思います。デメリットとしては、日付や文字をキレイに書いたりする労力に対してのメリットを感じない、記号を決めて記入するのが面倒という方もいらっしゃるかもしれません。
タスク管理は、やっぱり手帳が一番いい! のまとめ
日々のTodoをまとめて、リスト化してから手帳に落とし込むと、タスクの内容や、状態(完了したのか、持ち越しているのか等)が一目で分かります。頭の中にもやもやと混在していたTodoをすっきりと整理することができます。タスクを可視化することで、今の自分や周囲の現状が一目で分かり、理解が深まるため、タスク完了のために、今後具体的にどのようなアクションをすべきか見えてきます。このような手帳の使い方の習慣を持って、使いこなし、満足のいく毎日を過ごす手助けとしていきましょう!