中途半端なマルチスキルを持ったフリーランスって?
前回の記事でいまベンチャー企業の中で、フリーランスの評価と需要が爆上がりしているについてお話をしました。
ボク自身はリモートも出社も併せた働き方をしているので、自分には関係のない事業部や社内の状況を少し知ることができます。そのなかでベンチャー企業の特徴は、施策に合った最適な人を探すのに困っている、ということです。
お金のある企業ならBtoBになるのですが、成長段階のベンチャー企業はさまざまな施策を打ちたいので、1つひとつの施策はできるだけ費用を抑えたいのです。その際にフリーランスが活躍してきます。
ボク自身もフリーランスになので、フリーランスで活躍されている方を紹介を求められることがあるのですが、絶対に外せない条件なのが「その施策を成功させられるのに最適な人なのか?」という1点のみです。これが題名の「中途半端なマルチスキルを持ったフリーランスに、企業案件は振れない」理由です。
絶対に成功させるためには、それを極めたプロが必要です。
紹介すること自体は簡単ですが、紹介をしたボクにも責任が掛かってきます。紹介してもらった人の納品物や成果が全然よくなかった、となれば紹介したボクの評価も下がることになります。
また紹介した人が、その施策の効果を最大限に出してくれる人であるということを説明する必要があります。そして企業側もそういう人のほうが依頼はしやすいです。
例えば以下のような事例がありました。
事例:Instagram運用をしていくのに写真素材を提供してくれる人が欲しい。
フリーランスA:『ライティングもデザインも動画制作もできます。あっ写真撮影もやっています!』
フリーランスB『写真撮影を専業にやっています。』
という2人がいたときに、間違いなく後者に仕事が与えられます。前者の人ってなんかいろいろできるけど結局なには一番得意なの? となり、もっと最適な人がいる場合に企業案件であれば話を振る理由がないですよね。
企業案件は質が担保されていることが大前提になります。そのあとは金額交渉です。仮にもっと安くしてくれとなった場合は、実績をこれから積んでいきたいカメラマンに頼みますよね。
安いけど専業でやっている人の方が質は良い
その人の実績作りに貢献したい
このインセンティブが働き、マルチスキルの人には仕事が回ることはありません。
マルチスキルを身に付けようと思った時にいま一度考えて4つの欲しいこと
1.その仕事ならあの人だよね!という状態になっているか?
業界や小さな経済圏のなかで、この仕事が発生したらとりあえずあの人に聞いてみよう! という認識を与えられているか? ということを考えましょう。
例えばオンラインサロン内で、ライティングの仕事を募集していたのに自分には話がなく気づかなかったのに、他の人がしていたという状態ならば、あなたのその仕事に対する信頼やできるという認知が広まっていません。
できるできないに関係なく、そういった仕事があるのに声が掛からなかったのは自分自身に問題があります。
- 仕事にできるまでの質ではないのか
- そもそもできることを周りが知らないのか
- 誰かと比べられて負けてしまったのか
原因を究明し解決し、まずはその仕事を取れるようにすることが先決です。
2.インフルエンサーの“多動力”という言葉の意味はまんま受け入れない
キンコン西野さんやホリエモンが「これからは多動力の時代」と言っています。これはたしかに間違いないです。しかし、彼らの多動力と自分の多動力が同義語になるかは疑いましょう。
彼らは発言力と影響力があり、こういうことをしたい! となったときにそれに協力してくれる人がたくさんいます。実際にキンコン西野さんやホリエモンがすべてをやっているわけではなく、得意な分野にコミットし、苦手な部分や作業ベースの所は他の人がやっているのです。
彼らの多意味する動力は
『自分がやりたいと思ったことが、すぐに実行できる仕組みや組織を持ち、いつでも使うことができる』
ということです。なんの実績も信頼も積み増していない人が多動力を発揮しても仕事ばかりが増えるので気を付けましょう。
3.マルチスキルや安い単価でめちゃくちゃ働く危険性もある
いろいろできる人って全部中途半端なんで、価格競争に巻き込まれやすいんですよね。
趣味や副業・兼業程度ならプロと同等のものは提供はできないので価格は下がりがちですよね。それをめちゃくちゃ持ってるのって安い仕事をたくさん受ける状態を自分で作っているんですよ。
ボク自身はコンテンツマーケティングのなかでもさらにSEO対策・GA分析・戦略策定に特化しています。たまにライティングや編集もしますが、他に最適な人がいれば振ってしまいます。とにかく自分が得意なことを掘り下げています。
結果週2日で20万円や週2時間で5万円などの仕事を請け負っています。他の人よりその分野で提案できる内容の幅が広いか、深い造形があるかが自分の労働価値を上げる方法です。
4.施策に対する手法は2つ持っていれば十分
例えばWebマーケティングは以下のフェーズで進みます。
ボクのオウンドメディア運営でのコンテンツマーケティングは認知と集客の部分にあたります。手法はコンテンツマーケティングになります。
コンテンツマーケティングを細分化
・調査
・構成案作成
・執筆
・校閲・推敲
・SEO対策
・GA分析
・修正
・戦略策定
ボクは執筆や修正を除いた部分を担当しています。
しかし、このコンテンツマーケティングもテキストによるものですが、ほんとはもっとさまざまな手法があります。
・イラスト・マンガ
・動画
・デザイン
などあります。そしてボク自身ももう一つなにか付けなければ、後発に負けるという危機感を持っています。そのときにマルチスキルを身に付けることが重要です。
テキストとの相性がよいコンテンツを作ることで付加価値が付けられます。そこでやっと差別化ができるようになります。
しかし増やしすぎるとまた労働単価が下がるので、施策に対して提案できる手法は2つで十分です。
もしそれで刺さらなかったら諦めましょう。仕事はたくさんあるので、自分に最適なものを選択していきましょう。企業に自分が無理に合わせる必要はないです。
しかし、フリーランスが必要な絶対スキルは、発信力・拡散力・影響力
発信力と影響力はフリーランスの必須スキルです。それは自分で仕事を獲得するのもそうですが、企業側にとっても自社のサービスや商品を宣伝して欲しいと思っています。それがインフルエンサーマーケティングという手法が成り立つ要因です。
消費者の広告嫌いや賢くなりクリックしないという傾向が顕著に表れ、広告以外の手法で人を呼ぶ必要が出てきています。例えば、ライターの仕事は以前までは企業から依頼された内容を書いて納品すれば良かったです。
しかし、現在はそれを拡散するところまで求められています。フリーランスのライターさんが書いた記事は広告のようないやらしさがないので、準SNS広告と位置づけることができます。
またフリーランスにしてもクレジットを載せ制作実績を作ることができます。それが新しい仕事につながっていきます。
発信力や拡散力はある種のマーケティングなのです。これができるだけでマルチスキルの達成です。
ボク自身もSNSでの発信力や拡散力に課題を感じているので、ここは強化していかなければいけません。これからは影響力がベースになる働き方となるので、コツコツと積み上げていきましょう。