ToDoリストは、今すべきことを見える化し整頓するのに最適な手段です。また、複雑な表の作成や専門知識は不要なので、タスク管理初心者でも気軽にトライできます。
本稿では、ToDoリストを上手に管理し仕事を効率化するために、ToDoリスト作成のポイントやおすすめの方法をまとめました。この記事を読めば、ToDoリストの作成や管理の方法がわかるはずです。
ToDoとは
「すべきこと」「しなければならないこと」を意味する言葉が「ToDo」です。「この程度の期間内に終わらせる」という漠然とした目処はあるものの、具体的な期限が決まっていないものを指します。「フォルダ内の整頓」「資料の見直し」のような作業は、ToDoの一例です。
ToDoとタスクの違い
「ToDo」と同じニュアンスで使用される言葉に「タスク」があります。「やるべき仕事や作業」を意味するという点では「ToDo」同様です。
しかし、タスクには完了すべき具体的な期日が決められています。例えば、イベントで使用するアンケートの作成は「タスク」ですが、アンケートの集計は「ToDo」になります。
「ToDo」を書き出しリスト化したものは「ToDoリスト」と呼ばれ、「やることリスト」としてタスク管理に使用されています。
ToDoリストを活用したスケジュールの作成の仕方
ToDoリストは作業を洗い出し細分化するために役に立ちます。ToDoリストを用いることで作業の見落としを防ぎ、全体を俯瞰してみることができるので、スケジュールを作成する時にとても役に立ちます。
本稿ではToDoリストの活用方法のひとつとして、ToDoリストを用いたスケジュールの作成方法を、順を追ってみていきましょう。
持っているToDoを全て書き出す
まず、手元にあるToDoを全て書き出します。
後から見返した時に内容を思い出せるよう、可能な限り具体的に書き出すことがポイントです。また、業務の流れをイメージしながら時系列で考えると、書き出し忘れを防ぐことができるでしょう。
「アンケートの作成」の場合、
- 集めたい情報のリストアップ
- アンケート用紙、もしくはアンケートフォームの作成
- アンケート回収を促すポップの作成
など、実際の作業レベルまで分解して書き出します。
ToDoを整理しタスク化する
ToDoが多い場合は特に、カテゴリーや難易度など、判断軸を決めて整頓します。この時、大枠となる作業を大項目とし、階層を作ることも有効です。大項目をさらに細分化したものを中項目、さらに細分化できるものは小項目と、ワンアクションで完了できる粒度まで整理をしましょう。
次にスケジュールに落とし込めるよう、ToDoごとに期限を設定しタスク化しましょう。締め切りが決まっていないToDoは、後回しになりがちです。放置していつまでも残ることのないよう、仮の期限を記入しておくことが大切です。
スケジュールを作成する
期限が決まったタスクをスケジュール化するために、着手する日時を決めます。日にちしか決めていないと、手をつけられないまま終わってしまうかもしれないので、工数を見積もって「2月10日10時〜11時」というように、具体的な時間まで当てはめましょう。
ただしスケジュールを立てた後に、急ぎのタスクやトラブル対応が飛び込んで来ることは珍しいことではありません。予定通りにタスクが進まないこともあるでしょう。
そのためにも、タスクをスケジュールに落とし込む時には、イレギュラーのタスクを見越して、予定を入れない時間も持っておきましょう。
もし急ぎのタスクやトラブルがなければ、作業の前倒しや雑務に使えばいいのです。
また、スケジュールを作成するにあたって「重要度」と「緊急度」によるタスクの振り分けは欠かすことができません。
タスク管理やプロジェクト管理など、さまざまなビジネスシーンで必要とされる手法のため、「重要度」と「緊急度」について詳しくまとめた以下の記事もぜひご覧ください。
参考:重要度と緊急度のマトリクスとは? タスクの優先順位の付け方や進め方のコツを解説
完了したタスクを削除し整理する
タスクが完了したら、チェックマークや打ち消し線を記入します。この時、反省点や課題、作業の不足が見つかればメモをしておきましょう。
追加の作業が発生したらToDoリストに追記し、更新作業を行います。「重要度」と「緊急度」でタスクの優先順位を判断し、スケジュール全体の見直しを行うといいでしょう。
ToDoリスト作成のポイント
ToDoリストはとてもシンプルな作りをしていますが、作成時に気にかけて欲しいポイントがいくつかあります。ポイントをおさえることで、作業効率やパフォーマンスの向上が期待できるはずです。
全てのやるべきことを洗い出す
頭の中に浮かんでいるToDoは、些細なことも全てToDoリストに洗い出しましょう。「これは書き出すまでもないかな」「付随するタスクとまとめてやればいいや」など、一部のToDoを書き出さないでいると、うっかり忘れてしまうリスクを背負います。
また、全てを洗い出すToDoリストには、思考を整頓してクリアに保つ役割を持ちます。そうすることで、集中力アップや優れた思考力を発揮するでしょう。
ToDoは動詞で書く
ToDoリストを作成する時には、作業は動詞で書くと行動力が高まるといわれています。動詞で書かれたToDoの方が、目に入った瞬間に自分がすべきことは何か、脳が判断しやすくなるのだそうです。
「アンケート」ではなく「アンケートを作る」と書くよう、ToDoリスト作成時には意識しましょう。
ToDoはできるだけ細分化する
ToDoは大枠ではなく、ワンアクションで完了できる作業レベルまで細分化することをおすすめします。これも「ToDoは動詞で書く」同様、行動力を高めるためのポイントです。
「アンケートを作る」というToDoを例にとると
- アンケートに必要な項目を関係者にヒアリング
- 質問に対する回答となる選択肢の検討
- アンケート用フォーム作成
- アンケートの入力テスト
のように細分化するといいでしょう。
追加されたToDoはすぐに書き留める
作業の途中でひらめいたToDoや割り込みで依頼があった緊急のToDoは、すぐに書き留めます。「全てのやるべきことを洗い出す」の項目でも説明した通り、ToDoリストの作成には思考を整頓してクリアに保つという目的もあります。
頭の中にとどめておくと忘れてしまう心配はもちろん、忘れないようにすることで脳のリソースを余分に費やすことになります。
タスクの追加があれば、作業の途中でも書き留めるよう心がけ、ToDoは頭の外に出しておきましょう。
定期的に見直しを行う
週に1度ほどを目安に、ToDoリストの見直しをすることをおすすめします。
- 重要度や緊急度は的確だったか
- 期限に無理はなかったか
- 無駄なToDoはなかったか
- わかりやすいリストが書けていたか
など、さまざまな観点で振り返り、ToDoリストの精度をあげることはもちろん、作業の改善に役立てましょう。
ツールを活用する
適切なツールの活用もToDoリスト作成のポイントです。
メモやホワイトボードなどのアナログなツールから、アプリやソフトなどのデジタルツールまで、適したツールは人・チームの特性や環境によってそれぞれです。
この章で説明したポイントを確実に実行するためにも、ToDoを管理できるツールをフル活用しましょう。
ToDoリスト作成におすすめの方法
ToDoリストを上手に作成する人は、どのような手法を使っているのでしょう。ToDoリストを作る時におすすめの方法をアイテム別に紹介します。
ホワイトボード
ホワイトボードは、複数名からなるチームのToDoリストの作成に適しています。やるべきことの洗い出しや、重要度や優先度の振り分けなど、ToDoを整頓する時にも役に立ちます。
メリット
複数名で共有しやすい
ToDoの追加や削除がしやすい
デメリット
持ち出すことができない
履歴の振り返りや保存ができない
ノート
いつでもどこでもリストを作成できるのが、ノートを使った方法です。持ち歩くことができるノートは、出先の隙間時間などにToDoリストを作成したり見直したりできるので、時間を有効活用できるでしょう。日頃からペンと紙を使用して書くことに慣れている人は、負担なくはじめられるのではないでしょうか。
メリット
持ち運びできる
見直しやすい
使いやすいようにカスタマイズできる
デメリット
ToDoの修正や並び替えがしにくい
カレンダー
スケジュールに落としこんだToDoを管理する時には、カレンダーなどの日時の入ったアイテムを使用し、ToDoリストを作成するといいでしょう。時系列でToDoを見える化できる方法です。
メリット
同時にスケジュール管理ができる
完了期限がわかりやすい
デメリット
ToDoの修正や並び替えがしにくい
付箋
ToDo全体を俯瞰したりグループ分けや並び替えを行ったりする際には、付箋がおすすめです。ひとつの付箋にひとつのToDoを書き出すことで、付箋の枚数がタスクのボリュームとなるため、抱えている業務量を直感的に把握できるでしょう。また、緊急度の高いToDoを書き出して目につきやすい場所に貼ることで、対応忘れを防ぐことができます。
メリット
ToDoリストを見直しやすい
他のアイテムとの併用がしやすい
デメリット
紛失しやすい
エクセル
デジタルツールでToDoリストを作成するには、エクセルが便利です。数式や条件付き書式を用いることで、高度なカスタマイズが可能です。オンライン上のフォルダに入れておくことで、どこからでもアクセスしToDoリストの確認ができます。
メリット
ToDoの書き出しや修正がスピーディー
並び替えや修正が容易
デメリット
デバイスを立ち上げないと閲覧や編集ができない
エクセルを使ったToDoリストの作成は非常に便利ですが、複数のデバイスからリアルタイムで確認することには適していません。そこでおすすめなのが、クラウド上で管理のできるタスク管理ツールです。
ToDo管理のおすすめツール5選
複数のデバイスからアクセスしToDoリストの閲覧や編集ができること、チーム内でリアルタイムに共有できること、リマインダー機能があることなど、ツールを用いたToDo管理にはメリットがたくさんあります。
今回は、ToDo管理におすすめのツールを5つ選んでみました。ツールの詳細は、製品ページにてご確認ください。
Google ToDoリスト
Google Todoリストは、GoogleカレンダーやGmailなど、各種Googleのツールと併用ができるToDo管理ツールです。Googleアカウントを持っていれば使用できます。
特徴的なのはGmailで受信したメールをタスクに変換できる機能で、必要に応じてワンクリックでToDoリストとメールを行き来できます。
ToDoリストの管理に特化した非常にシンプルなツールなので、個人でのToDo管理に適しています。
Microsoft To Do
OutlookやMicrosoft Teamsなど、Microsoftのツールと連携したToDo管理ができるのがMicrosoft To Doです。使用するにはMicrosoftのアカウントが必要です。
期限の設定やリマインダーなど、機能を最小限に絞り込んだシンプルな作りが特徴で、直感的に操作ができます。
Microsoft社によるタスク管理ツールなので、セキュリティ面でも安心して使用できるでしょう。
TeamHack
ToDoリストにコミュニケーションツールを紐づけることができるToDo管理ツールがTeamHackです。ToDoごとにチャットのやりとりができるため、チャットに一貫性が生まれ、情報の錯綜を防ぐことができます。
ToDoの進捗や工数を把握できるタイムトラッキング機能、ToDoや人ごとに作業の達成度を見える化する集計機能が搭載されているのも特徴です。ToDo管理と同時に、作業効率アップが期待できるでしょう。
Trello
Trelloはカンバンと呼ばれるカードにToDoを書き込み、ドラッグ&ドロップで動かすことでToDo管理をします。重要度や緊急度、進捗状況に合わせて動かすことができるので、ToDoを見直す時にも便利です。
個人・チーム問わずToDo管理がしやすく、カンバンのフィルタリングや関連するファイルの添付など、機能も充実しています。さらに、さまざまな拡張機能のためのプラグインがあるので、ToDo管理の目的や社内の環境に合わせて適宜カスタマイズが可能です。
Todoist
TodoistはToDoリストの管理に特化した管理ツールです。さまざまなデバイスから使用できますが、特にApple Watchなどのウェアラブル端末からも利用できるのがTodoistの特徴です。
シンプルなものが多いToDoリスト管理の中でも、期限や優先順位、カテゴリーを設定したりルーティーン化したToDoをテンプレートとして登録したり、比較的多機能なツールといえます。
タスクの達成度合いをグラフで表示したり、完了したToDoの個数を記録できたりと、作業の進捗を見える化します。
まとめ
ToDoリストは仕事の効率アップに有効な手段といえます。また非常にシンプルなので、導入のしやすさも魅力です。
ToDoリストによる業務の管理は、本稿を読み終わったあとすぐにでもはじめられる手軽さであるものの、より楽に、そして上手に管理したい人は、TeamHackersの以下の記事も読んでおくといいでしょう。
▶︎ToDoリストをアナログで管理するかデジタルで管理するか迷っている人
デジタルよりアナログ派? 紙でタスク管理をする方法やメリット・デメリットとは
▶︎ToDoリストに適したタスク管理ツールを探したい人