「月間売上100万円」「新規顧客30件獲得」といった目標設定は、仕事のパフォーマンスを高めるために必要不可欠です。同時に、目標を達成するためには「どのような行動を起こすべきか」を考える、行動計画を立てることも大切です。
この記事では、目標を達成するために欠かせない行動計画について解説します。行動計画のメリットや設定方法を知ることで、よりスムーズに目標達成を目指せるでしょう。
目標達成に必要な行動計画とは
行動計画とは、目標を達成するための方針や戦略とともに、具体的にどのような行動を起こすべきかをまとめた計画です。別名「アクションプラン」とも呼ばれています。
何かを成し遂げるためには、目標を設定することは大切です。しかし、目標を設定したことに安心してしまい、その後の行動が伴っていなければ、目標達成は難しいでしょう。「努力しているのに目標が達成できない」と悩んでいる場合、目標達成するための行動計画を立てていないケースや、または行動計画を適切に立てられていないケースがあります。
行動計画とは、目標達成までの道筋です。行動計画を立てた時点で、目標達成までの道筋を明確にできなければ、いくら頑張ってもゴールは見えないままでしょう。つまり、目標から逆算した行動計画を立てる必要があります。目標を設定するとともに、達成までの道筋が明確となる行動計画が立てられるかどうかが、目標達成を実現する鍵となります。
会社と個人の行動計画
行動計画とは、目標達成のためにどのような行動を実施するかを明確にする計画です。ビジネスシーンにおいての行動計画は、大きく分けて二つあり、一つは会社の行動計画、もう一つは個人の行動計画です。会社と個人では目標が異なるため、行動計画も会社と個人で分けて作りましょう。
会社の行動計画(経営計画)
会社の行動計画は、言わば会社の将来的な経営を示す経営計画です。年度毎に立てる短期的な行動計画に加え、会社として将来達成すべき目標を目指すための、中期的、長期的な行動計画も立てる必要があります。
会社の行動計画は、社内の意識統一を図るためにも有効です。進むべき道筋が定まっていなければ、社員それぞれが別の方向に進んでしまい、まとまりのない組織になりかねません。行動計画で社内の意識を統一し、効率的に目標達成を目指すことは、会社の成長につながります。
個人の行動計画
会社が掲げた目標は、部署やチームの目標へと落とし込まれ、さらに個人の目標へと落とし込まれます。会社の目標に比べ、個人の目標は小さなものになりますが、目標達成を目指すことに変わりはありません。個人の目標を達成するためにも、個人の行動計画が必要です。
チームの目標を達成するために、チーム全員に同じ行動計画を立てるケースもあります。一人一人のスキルは異なるため、チーム内で共通の個人の行動計画を設定する場合は、全員が達成を目指すことができ、且つ低すぎない行動計画を立てましょう。
行動計画を設定するメリット
日々の業務に追われていると、「行動計画を立てる時間がもったいない」と思うかもしれません。ですが、行動計画を設定することで得られるメリットがあります。ここでは、行動計画を立てる3つのメリットについて解説します。
やるべきことが明確になる
行動計画を立てる最大のメリットとして挙げられるのが、目標達成までにやるべきことが明確になることです。行動計画では、目標を細分化した上で、それらを達成するために必要な行動を考えます。目標設定だけでは見えなかった、達成までの道筋が明確になるでしょう。
モチベーションが向上する
目標に向かうスタート時点では、誰しもやる気に満ち溢れているものです。しかし、ただひたすら目標に向かって走り続けるだけでは、途中で退屈さを感じたり無気力になったりと、次第にモチベーションは低下してしまいます。
行動計画では、目標達成を実現するためにタスクを可視化します。このタスクは、目標達成までの中継地点のようなものです。タスクを一つずつクリアすることは、着実に前進している実感を持つことができ、目標達成へのモチベーションも向上するでしょう。
現状や問題点を客観的に分析できる
行動計画では、目標と現状のギャップを分析し、そのギャップを埋めるための行動を考えます。今の自分には何が足りていないのか、または無駄な作業に時間を費やしていないかなど、現状や問題点を客観的に分析できます。もし、目標と現状のギャップが大きすぎるのであれば、目標設定を見直してみましょう。
行動計画の立て方・設定方法
目標設定まではスムーズに行えたものの、行動計画の立て方が正しくなければ、上手く活用することはできません。ここでは、行動計画の立て方や設定方法について確認しておきましょう。
目的・目標を明確にする
まずは、行動計画を立てる前に、ゴールとなる目的と目標をはっきりと定めておきましょう。最終的に成し遂げたいことが目的、目的を果たすために設定するものが目標です。
ゴールがぼんやりとした状態では、具体的な行動計画は立てられません。「どのようなことを実現したいのか」「何を目指すのか」という目的と目標は、行動計画の軸になります。
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現状を整理し、課題を明確にする
より現実的な行動計画を立てるためには、現状を整理しましょう。現状を整理するには、さまざまな角度から分析することが大切です。自分の強みや弱みなどの内部環境だけでなく、市場動向やライバル企業など外部環境の現状も整理しましょう。
現状を整理できれば、自然と課題が明確になります。課題は可視化することが重要です。課題が明確となれば、より具体的な行動計画の設定が可能となります。
目標達成に向けたタスクの洗い出し
目的・目標を具体的に設定し、課題を明確にしたあとは、その課題をクリアできるよう、タスクをすべて洗い出しましょう。
タスクには大きなものから小さなものまであります。手当たり次第に洗い出していては、うっかり忘れてしまうタスクもあるでしょう。すべてのタスクをピックアップできるよう、まずは、大きなタスクの洗い出しからはじめ、順に小さいタスクへと移行すると、漏れなくタスクの洗い出しができます。
担当者と期限の設定
組織やチームなどで行動計画を立てる際には、担当者を設定しましょう。業務に複数人が関わる場合、「誰かがやってくれるだろう」と他人任せになりがちです。このような状態では、せっかく立てた行動計画を活かすことはできません。担当者を中心とし、チーム全体を牽引していく状態にすることで、協力しあって目標達成を目指せます。
また、行動計画には期限を設定することも大切です。期限の設定がされていない行動計画は、優先順位が低くなりがちです。後回しにされ、いつまでたっても実施されないこともあるため、必ず明確な期限を設定しましょう。
振り返りを行う
行動計画は立てて、実行するだけで終わりではありません。目標達成を実現できた時も、できなかった時も、必ず振り返りを行うようにしましょう。
振り返りは、その時に気づけなかったことに気づくことができます。時間配分に無理があったり思ったよりも時間がかかる作業だったりと、振り返ったからこそ気づけることは、意外と多いものです。振り返りで気づいたことは、見直しや軌道修正などを行い、次の目標達成へと活かしましょう。
行動計画作成の5つのポイント
行動計画を立てるメリットや立て方を理解した上で、実際に行動計画を立ててみましょう。とはいえ、「何から取り組めばよいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。ここでは行動計画作成の5つのポイントを解説します。
タスクは具体的にする
行動計画を作成するために洗い出したタスクは、なるべく具体的にすることが大切です。できるだけ数値化し、タスクを可視化しましょう。
例えば、「英語スキルを高める」といったタスクは、具体的とは言えません。具体的ではないタスクは行き当たりばったりの行動となるため、結果にムラが生じる恐れがあります。「英語スキルを高めるために、毎朝1時間勉強時間を設ける」というように、タスクはできるだけ具体的にしましょう。
組織の目標と個人の目標に一貫性を持たせる
組織の目標を落とし込んだものが、個人の目標です。個人の目標を遡れば、組織の目標にたどり着かなければなりません。組織の目標と個人の目標には、一貫性を持たせるようにしましょう。
組織の目標と個人の目標に一貫性がなければ、いくら目標を達成したとしても、企業の成長にはつながりません。個人の目標達成が、組織の目標達成につながっていることを実感できれば、次の目標達成へのモチベーションも高まるでしょう。
スキルとチャレンジのバランスが取れた行動計画にする
どれだけ頑張っても達成できないような高すぎる行動計画は、やる気が不安やストレスへと移行し、やがてモチベーションが低下してしまいます。反対に、頑張らなくても達成可能な低すぎる行動計画でも、やりがいがなく退屈さを感じてしまい、結果的にモチベーションの低下につながります。
「頑張れば手が届きそう」というイメージができるような、スキルとチャレンジのバランスが取れた行動計画を立てましょう。
行動を記録する
行動計画で取り組むタスクの内容や担当者、期限などは、チームで共有できるよう記録しておきましょう。記録するのは、タスクだけではありません。進捗状況や達成度など、行動の結果も記録します。
「どのくらい進んでいるか」「達成まではあとどれくらいか」などを可視化することは、行動計画を円滑に進めるためのモチベーション維持に有効です。予定よりも遅れが生じている場合にも気づくこともでき、早めの軌道修正が可能となります。
ツールを活用する
行動計画は自己流で作成するのも良いですが、便利な目標管理ツールやタスク管理ツールを活用すると、より行動計画が管理しやすくなります。ツールはそれぞれ特徴が異なるため、導入する際は最適なツールを選択しましょう。無料で使用できるお試しプランを活用するのもおすすめです。
目標管理ツール
Resily
目標管理フレームワーク「OKR」に特化したアプリです。全体の活動の方針、進捗、ムードをツリー状のマップにし、ひと目で可視化できます。
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banto
目標の進捗管理を、Slackと連携してシームレスに行えます。bantoの質問に答えるだけで、管理画面に自動で反映されるので、無理なく管理ができます。
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wistant
組織で働く人のパフォーマンスを最大化できるアプリ。進捗の更新がしやすく、日頃から目標を意識した行動が取れるようになります。
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タスク管理ツール
Asana
チームのプロジェクトと個人のタスクを、簡単に管理できるアプリです。操作がしやすく、はじめてタスク管理を行う方でも導入しやすいでしょう。
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TeamHack
チャットで情報集約する管理アプリです。基本操作は複数ツール間を横断することなく、一つのツールでタスク管理や情報共有ができます。
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Jooto
基本操作はカンバン上で行うドラッグ&ドロップのみ。直感的に使えるレイアウトと使いやすいシンプルなデザインが特徴です。
▶︎Jootoの詳細はこちら
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まとめ
目標を達成するためには、「どのような行動を起こすのか」が鍵となります。行動計画は、目標達成までの道筋を示すものです。行動計画を立てたとしても、ぼんやりとした内容では意味がありません。行動計画は、一歩一歩確実に目標に近づいていることが実感できるよう、明確である必要があります。できる限り具体的な行動計画を立て、目標達成を目指しましょう。