好きなこと VS 得意なこと、 どちらを仕事にするのが正解?

好きで得意なことを仕事にできることは、多くの人にとっての理想だと思います。しかし、なかなかそうはならないのが現実。

シンプルに考えると、「得意なこと(できること)」を仕事にする場合は、即戦力として活躍できる可能性が高く、会社からの評価も高くなることが予想されます。それに伴い、多くの報酬を得られるかもしれません。

しかし、得意なことであっても、その仕事があまり好きじゃない場合は、気づかぬうちにストレスになってしまっているということも考えられます。

今回は、「好きなこと」と「得意なこと」のどちらを仕事にするのが良いのかという視点から、自分にとって「幸せな働き方」を見つける方法について考えていきます。

充実度 VS 報酬額、幸せな働き方はどっちで決まる?

薄給だけど時間を忘れて没頭できる仕事をしている人と、仕事と割り切って得意分野で安定的に稼いでいる人、どちらがより幸せな働き方をしているのでしょう。

今回、好きなことを仕事にしたA子さんと得意なことを仕事にしたB子さんのお二方にお話しを伺いました。どちらの働き方の方がより良いと感じるかは人ぞれぞれなので、読者のみなさん自身が、どちらのタイプに近いかといった視点も合わせながら読み進めていただけたらと思います。

好きな世界に身を置きたい!「好き」を仕事にしたA子さんの場合

はじめにお話をお伺いしたのは、漫画家を目指しているA子さん(26)です。

― 大学は美大に通っていました。就職活動も人並みにしてデザイン会社の内定をいただくことができたのですが、漫画家になる夢をあきらめられず就職はせずに卒業しました。

卒業後は出版社に企画を持ち込んでデビューを目指す傍らで、イラスト素材をネットで販売したり、先輩漫画家のアシスタント業務を担う仕事を3年以上続けています。一人暮らしをしているので、生活費に困らないよう週2回は量販雑貨店のアルバイトもしています。わたしは漫画以外のことにさほど興味がないので物欲も低く、交際範囲も狭いせいか、この稼ぎ方でも金銭的に苦しいと感じることはなく貯金もそれなりにできています。友人や親戚から仕事のことを聞かれた時は、名乗れる肩書がなく気まずいなぁ・・・と思うこともありますが、デメリットといえばそれくらいなものです。

将来に向けてもっと不安や焦りを感じるべきなのかもしれませんが、わたし自身は今のスタイルでとくに困っておらず、むしろ気に入っているというのが正直な気持ちです。正社員や派遣で安定した収入を得るよりも、大好きな漫画に携われていられることの方がわたしの人生には意味があることのような気がしています。あまり興味のないことに一日を費やしてお給料を得たところで、漫画関係に散財してしまうのは目に見えています。それならば好きな世界に身を置いて、それを中心とした生活をする方が楽しく幸せだとを感じられるのです。

わたしの場合は、自他ともに認めるマイペースな性格なので、大きな組織やチームプレイで働くこととなれば、それだけで疲弊してしまい仕事のモチベーションを保てないのではないかと思います。もちろんプロデビューできるかどうかわかりません。ですが、好きなことに突き進んでその先になにが待っているかと見えない不安に苛まれることよりも、今のスタイルの生活を楽しいと感じることの方が遥かに多いです。好きなことを仕事にするという考えは今後も変わらないと思います。

人から求められたことで充実した日々に激変!“得意”を仕事にしたB子さんの場合

次にお話しを伺ったのは、舞台女優になる夢を25歳の時にあきらめ、現在はダンススクールを運営する会社に勤めているB子さん(27)です。

― 大学時代から小劇団に所属し、将来は舞台女優になって活躍するのをずっと目標に掲げていました。大学卒業後は劇団員の収入のみでは不安定なため、アルバイトをしながら生活していましたが、劇団仲間との飲み会や芸の肥やしと銘打って国内外を放浪しているうちに、気がつけば貯金も底をつき、生活はとても荒んだものになっていました。ちょうど体調もすぐれない日々が続き、自律神経失調症と月経異常も重なりました。名もなき劇団員が誰からも期待されずこのままお金や時間だけを消費していっていいのだろうか・・・そう考え始めた時には、もう私に残っているのは夢や希望や情熱ではなく、鳴かず飛ばずのまま辞めるのが格好悪いという小さなプライドだけになっていたのです。

25歳の時に半ば勢いで決心し、劇団を辞めてダンススクールを運営する会社に就職しました。劇団の中でもアイデア出しや段取りを組むのが得意だったので、それが活かせる仕事がしたいと面接の時にPRし、スクールの内容を企画するチームの一員として採用してもらいました。今年からはキッズを対象とした新プログラムのレッスンコーチとしても週2回スクールに出ています。日によって頭を使う仕事とカラダを使う仕事ができるこのバランスがとても気に入っていますし、企画したものが実際に形になったり、教えたことで子供たちが輝きだしたりと自分が人から求められている実感があることをとても嬉しく思います。

劇団にいた頃は、自分が何者にもなれず誰からも求められていないことがずっと苦しくて殻にこもる時も多かったのですが、今は職場の同僚やレッスン生たちとコミュニケーションで仕事が成り立っていくので、やっと自分の居場所が見つけられたようで幸せに感じています。とはいえ、友人が出ている舞台を観に行ったあとは、大好きだった芝居の世界に自分はもう居ないんだ…と悲しくなったりもします。しかし、あのままずるずると身を置いていたらわたしの性格上、破たんしていたのではないかと考えるだけで怖くなります…。1人きりで対峙しなければならない仕事よりも、周囲とわいわいしながらチーム一丸で向上していく方が私には合っているということも今の仕事を通して知ることができました。

幸せな働き方は「働いていない時間の過ごし方」に答えがある!?

好きなことを仕事にしたAさんと、得意なことを仕事にしたBさん。お二方の話を比較して将来的に成功するのはどちらなのかという答えはありません。

しかし、両者に共通して言えることは、ご自身の性格や行動様式にあった働き方のほうが、より幸福感や充実感を感じているということでした。お二方の特徴を比べた時に、その違いは働き方よりもむしろ「働いていない時」にどのような時間の過ごし方をしているのかに違いが見られました。下の表を参考に、読者の皆さんもご自分がどちら寄りかを考えてみるもの良いかもしれません。

 
「好き」を仕事にしたAさんの場合「得意」を仕事にしたBさんの場合
休日の過ごし方家にこもる外出する
仕事終わりのスケジュール直帰する買い物・観劇・会食
ないと困る時間1人でぼんやりする時間気兼ねない友人と会う時間
お金を投資する先趣味を極めるモノへの投資体験を買うコトへの投資
1日の振り返り方起きたことを分析する起きたことから着想が沸く
ON/OFFの切り替え特になし(規則正しい)平日は働き、休日は遊ぶ

まとめ

仕事を「好き」と「得意」のどちらで選ぶかというテーマでお話ししましたが、また違った視点から考えてみると、会社員かフリーランスか、出社型か在宅型か、など働き方が多様化していく中で何通りものスタイルが存在します。そこから自分に合う働き方を自問自答して見つけていくことが「幸せな働き方」に繋がっていくのではないでしょうか。

そのためには、仕事を選ぶ基準として給料や雇用形態だけはなく「自分が何をしているときが最も幸せと感じるのか」を意識して考えてみてください。すぐに答えは見つからないかもしれませんが、自分としっかり向き合うことで、何か新しい気づきが得られるかもしれません。

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