社会生活を送る上で、部活やスポーツ、職場など、チームで行動する機会は多いものです。チームで出す成果は、個々のパフォーマンスだけでなく、チーム内の連携や団結が欠かせません。
チームで大きな成果をあげるためには、「チーム力」の高さが鍵を握ります。では、いったいチーム力はどのように高められるのでしょうか。
この記事では、チーム力の基本から高める方法までを詳しく解説します。
そもそもチーム力とは?
チーム力とは、チームの団結力や総合力、結束力などを表す言葉です。スポーツでは野球やサッカーなどの団体競技、ビジネスでは「〇〇課」やプロジェクトチームなど、チーム力は一つの目標に向かう組織において重視されています。
チーム力は、組織の成果につながる能力です。つまり、チーム力は「組織力」と言い換えることができるでしょう。一般的に、チーム力が高いチームは高い成果を残すことができ、チーム力が低いチームは思うような結果が残せない傾向にあります。
チームワークとの違い
チーム力と似た言葉に「チームワーク」があります。どちらの言葉もチームで何かを成し遂げる際に欠かせない概念ですが、言葉の持つ意味は異なるため、正しく理解しておきましょう。
チームワークは、個人では成し遂げられない目標を達成するために、お互いに協力し合いながら相乗効果を導く共同作業を意味します。チームワークは、チーム力の一部として考えると良いでしょう。すべてのチームワークが集結した結果、チーム力が高まり、大きな成果が残せます。
チーム力が重要となる背景
チーム力を高めるためにも、チーム力が重要となっている背景について知っておきましょう。
現代は、将来の予測が困難な「VUCA(ブーカ)の時代」と言われています。VUCAとは、予測が困難な要因となる、4つのキーワードの頭文字から成る造語です。
・Volatility(変動性)
・Uncertainty(不確実性)
・Complexity(複雑性)
・Ambiguity(曖昧性)
IT技術の進歩やパンデミックなど、社会を取り巻く環境は目まぐるしく変わっています。今までの常識や既存のビジネスモデルが、現代では役に立たないこともめずらしくありません。予測できない環境で生き抜くためには、柔軟性やスピーディーな意思決定、より高い生産性が求められるようになりました。
個人のスキルも大切ですが、それだけでは予測困難な将来に対応するのは難しいでしょう。そこで重要となるのがチーム力です。異なる強みを持つメンバーがチームとなり、協力しながら進めるチーム力の向上が、VUCAの時代を生き抜くために欠かせなくなりました。
働き方の多様化により、チーム内の意思疎通の難易度が上がったことも、チーム力が求められるようになった一因といえるでしょう。
チーム力が高い組織の特徴
チーム力が高い組織の特徴には、大きく分けて二つあります。
メンバー個々のスキルが高い
チームは、1つの目標を達成する意思のもとに集まった、または集められたメンバーによって構成されています。そのため、チーム力には、メンバー個人のスキルが大きく影響します。専門知識や経験、パフォーマンスなど、メンバー個々のスキルが高いチームは、チーム力も高い傾向にあります。
メンバーの連携による総合力が大きい
チーム力が高い組織は、メンバー間で円滑な連携がとれているため、総合力が大きいという特徴もあります。具体的な例として、以下が挙げられます。
・明確な目標が共有されている
・それぞれの役割が決まっている
・タスクの進捗状況などの情報が共有されている
・フィードバックが適切に行われている
どれも基本的なことであり、難しいことではありません。しかし、基本的なことをきちんと行っている組織はチーム力が高い傾向にあります。
エンゲージメントが高い
ビジネスシーンでは、エンゲージメントの高さもチーム力の高さにつながります。
エンゲージメントとは、「深いつながりを持った関係性」を意味する言葉です。ビジネスにおいてのエンゲージメントとは、企業と従業員の間に信頼感がある状態をイメージすると良いでしょう。
エンゲージメントが高い組織では、企業の成長のために、従業員が自発的に行動します。生産性やサービスなどが向上し、結果的にチーム力の高さにつながります。
チーム力を高めるための方法
個人の努力だけでは、チーム力は高められません。では、いったいどのような方法でチーム力を高めれば良いのでしょうか。ここでは、チーム力を高めるための具体的な方法について紹介します。
目標を設定する
まずは、メンバーで目指す目標を設定しましょう。目標は、数値化したり期限を明確にしたりなど、できるだけ具体的に設定することが大切です。ぼんやりとした目標では、人によって捉え方が異なる可能性があります。メンバーによって目標のイメージが違っていては、目標達成も難しいでしょう。
目標設定までのプロセスや設けた数値や期日などを裏付けるデータなど、目標に関する情報をオープンにすることも、チーム力を高めるために有効です。
各メンバーの役割を明確にする
チーム力を高めるためには、メンバー全員の積極的な行動が必要不可欠です。そのためには、メンバー一人ひとりの役割を明確にしましょう。
役割が定まっていない場合、「誰かがやってくれるだろう」と他人任せになってしまう可能性があります。そのような状況では、チーム力は弱まってしまうでしょう。自分が何をすべきなのかを自覚し、自主的に行動することが、チーム力の向上につながります。
プロジェクト管理・タスク管理を行う
漠然とゴールを目指しているだけでは、チーム力は高まらず、大きな成果をあげることもできません。目標を明確にしたあとは、チーム全体やメンバーのプロジェクト管理やタスク管理を行いましょう。
プロジェクト管理やタスク管理を行う最大のメリットは、やるべき作業を可視化できることです。「何をすれば良いのか」「いつまでに行うのか」が明確となるので、効率的に作業ができ、チーム力も高まります。
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チームや個人で起こる問題の把握
チーム内での情報共有も、チーム力を高めるためには重要です。業務やタスクの進捗状況だけでなく、チームで起こる問題についても把握しておきましょう。
チーム全体に起こる問題はもちろん、個人に起こる問題も把握することが大切です。個人に起こる問題でも、他のメンバーやチーム全体に悪影響を及ぼす可能性もあります。問題を把握していれば、被害を最小限に抑えたり新たな問題の発生を防いだりと、早期対応や早期解決ができるでしょう。
問題の解決
チームで問題が発生した場合、後回しにすることなく積極的に解決しましょう。とはいえ、チームは個の集まりです。習慣や思考などは人によって異なるため、チームで問題を解決するにあたって、意見のすれ違いが生じる可能性もあります。
しかし、意見のすれ違いによって、新たな発想が生まれたり結束力が高まったりとプラス要素も期待できます。問題の解決は、チーム力の向上を目指すチャンスとしてポジティブに捉えると良いでしょう。
リーダーに求められるチーム力を高めるコツ・ポイント
組織やチームなど、複数人のメンバーをとりまとめるには、リーダーの存在が必要不可欠です。リーダーには、ただチームをまとめるだけでなく、より良い成果を残すためのチーム力の向上も求められています。
ここでは、リーダーがおさえておきたい、チーム力を高めるためのコツやポイントについて解説します。
組織のビジョンの共有
チーム力を高めるためには、メンバーが同じ方向に向かって進めるよう、ビジョンを明確にし、共有することが大切です。曖昧なビジョンでは、メンバーに迷いが生じてしまい、まとまりのないチームとなりかねません。リーダーシップを発揮し、ブレないビジョンを掲げましょう。
問題が発生している場合は、フォローしたり役割の再分担したりなど、リーダーがメンバーをサポートすることも、チーム力を高めるポイントです。
心理的安全性を高める
リーダーは、チームの心理的安全性が高い環境づくりも意識しましょう。心理的安全性とは、組織の中で自分の考えや気持ちをメンバー誰に対しても安心して発言できる状態を指します。
心理的安全性が低いチームの場合、「質問しづらい」「どうせ自分の意見は聞いてもらえない」など、メンバーが発言を諦めてしまいがちです。チーム力を高めるためにも、リーダーが率先してメンバーを認め合い、尊重し合える関係性を構築しましょう。
こまめなコミュニケーションを心がける
チーム内の円滑なコミュニケーションは、チーム力を高めるために欠かせません。リーダーは、挨拶やちょっとした声かけなど、こまめなコミュニケーションを心がけると良いでしょう。
コミュニケーションをとればとるほど、信頼関係が生まれ、チーム内に話しやすい雰囲気が生まれます。メンバーの心身の不調や悩みなどにも早めに気付き、フォローすることができるでしょう。
なかなか顔を合わせる機会がない場合は、気軽にコミュニケーションがとれるチャットツールを活用するのもおすすめです。
意見が言いやすい環境づくり
職場の上司と部下、部活の先輩と後輩など、チーム内では役職や年齢などで発言が偏りがちなので注意が必要です。チーム力を高めるためには、フラットな関係での意見交換が必要であることを、リーダーからメンバー全員へ理解を促しましょう。
会議やミーティングで、急に意見を求められても、本心を伝えられない人もいるものです。リーダーは、日頃からメンバーとのコミュニケーションをとり、場所や時を選ぶことなく意見が言えるような環境づくりを目指しましょう。
メンバーの特性を活かす
人にはそれぞれ短所と長所があり、持っているスキルや得意分野も異なるでしょう。メンバーの多様性を発揮することは、チーム力を高めるポイントの一つです。
リーダーは、メンバーの特性を活かした役割分担を行いましょう。自身に適した作業に従事できれば、ストレスなく作業が進み、自然とチーム力が高まります。
また、自身の特性や強みに期待されることは、モチベーションの向上につながります。期待に応えようと自発的に努力する姿勢になることも、チーム力の向上につながります。
まとめ
「チームワークの良い職場をつくる」「団体競技で結果を残したい」といった目標には、チーム力が欠かせません。チーム力を高めるためには、目標の共有やメンバーの役割分担に加え、タスク管理を行うことでメンバーの状況や進捗状況が把握しやすくすることも大切です。
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