キャリアアドバイザーが伝授!「仕事を辞めたいけど辞められない…」という人のための処方箋

「仕事が合わない」「上司からパワハラを受けた」等、様々な事情で仕事を辞めたいと思っている人がいます。仕事を辞めたいなら辞めれば良いのですが、一方では、仕事を辞めたいけど辞められない人がいるのも事実。辞めたい理由を解消できないといつまで経っても辞められません。

仕事を辞めたいけど辞められない人にとって、どうすれば辞めることができるか? キャリアアドバイザーからの処方箋となるような記事をお送りします。

辞めたいけど辞められない会社で働き続けるリスク

仕事を辞めたいけど辞められない状態で働き続けると、心に負荷がかかります。ストレスを抱えたまま仕事をすることのリスクと、そのリスクはどういうものがあるか、解説していきます。

ストレスを抱えたまま仕事をする

仕事を辞めたいけど辞められない状態で働き続けることは、ストレスを抱えたまま仕事を続けることと同じです。仕事を辞めたい事情は様々ですが、例えば上司からパワハラを受け続けた人で言えば、職場に行く度にストレスを受けるので、嫌な思いをしながら働くことになるでしょうし、ストレスの多い職場では集中できず効率的な仕事ができません。

仕事にはストレスがつきもので、ビジネスパーソンはストレスと付き合いながら仕事をしています。しかしそれは、ストレスに終わりがあるから言えること。終わりなきストレスを抱えたまま仕事をすることはデメリットでしかありません。

うつ病などのメンタルヘルス不調を引き起こすことも

ストレスを抱えたまま仕事をし続けていると、心身に不調が現れます。不調が悪化するとうつ病や不安神経症等のメンタルヘルス不調に陥ることもあり得ます。

ストレスを抱えたまま仕事をすることのリスクと、メンタルヘルス不調を引き起こすリスク、いずれもビジネスパーソンにとってはデメリットです。「仕事を辞めたいけど辞められない」状態から脱出し、少しでも早く職場から離れることでストレスやメンタルヘルス不調のリスクから身を守ることが肝要です。

労働者には会社を辞める権利が保障されている

仕事を辞めたいけど辞められないビジネスパーソンの中には、どう退職したら良いのかが分からない人もいると思います。そもそも、辞めたいと思って辞められるものなのでしょうか? 法的には、労働者には辞める権利が保障されています。

正社員なら2週間前に申し出ることで辞められる

退職とは、労働者の意思に基づく労働契約の一方的解約を意味します。ここでいう退職は自己都合退職を指します。つまり退職は労働者の権利なのですが、いつでも辞めて良い訳ではありません。民法に退職に関するルールがあり、雇用期間に定めのない労働者(いわゆる正社員)は、退職したい日の2週間前に会社に申し出ることによって辞めることができるのです。

引継ぎやトラブルを防ぐためにも就業規則に従って辞めた方が良い

退職するにあたって、民法のルールを説明しましたが、引継ぎやトラブルを防ぐためには、就業規則に従って辞めた方が良いでしょう。退職後に業務を引継ぐ人にとって、きちんと引継ぎをしてもらわないと業務が回らなくなります

また、2週間前に辞めることができると言っても、まともに引継ぎもせずに辞めてしまうと労使間トラブルを招きます。会社から損害賠償を請求されることすらあり得ます。引継ぎをしっかり行って就業規則に従って辞めた方が無難です。

雇用期間に定めのある労働者:契約期間中は辞められない

民法や就業規則のルールに従えば、基本的にはいつでも辞めることができるのが労働者の権利。しかしそれは、雇用期間に定めのない労働者に限ってのものです。雇用期間に定めのある労働者(契約社員、嘱託社員等)は、「やむを得ない事由」がある時を除いて雇用期間満了まで辞めることはできません。やむを得ない事由とは、妊娠・出産、介護、あるいは過労死ライン(80時間)を超えた時間外労働が継続すること等を指します。

仕事を辞めたいけど辞められない5つの理由

ビジネスパーソンが仕事を辞めたいけど辞められない時には、何らかの理由があります。例えば、次のような理由が考えられると思います。

  1. 会社が人手不足である
  2. 会社から引き留めに合う
  3. 経済的事情がある
  4. 家族から転職に反対される
  5. 転職先が決まらない

「1. 会社が人手不足である」と「2. 会社から引き留めに合う」の2つは、会社側の事情でビジネスパーソンが辞められない場合。そして、「3. 経済的事情がある」「4. 家族から転職に反対される」「5. 転職先が決まらない」の3つは、ビジネスパーソン本人の事情で辞められない場合のように、分けることができます。これより先は、理由のそれぞれについて、キャリアアドバイザーから、辞めたいけど辞められないあなたに向けた処方箋をお送りします!

キャリアアドバイザーからの処方箋「会社が人手不足である」

会社が人手不足なので、自分が辞めると会社に迷惑がかかるんじゃないか…と思って、退職に二の足を踏んでしまう人もおられると思います。人手不足の会社でも円満に辞めることができる処方箋をお伝えします。

引継ぎのためにマニュアルを作成する

引継ぎを受ける者が容易に引継げるようにマニュアルを作成すれば、人手不足の会社でもあなたが辞めた後の穴を埋められます。マニュアルを見ながら引継ぎ者に業務を教えれば、理解が早まりますし、あなたの退職後はマニュアルを見ながら業務を進められます。ざっくりとしたマニュアルよりも、内容は精緻で、シンプルな言葉でマニュアルを作り、あなたが辞めた後も引継ぎ者が1人で業務を進められるように配慮して下さい。

時期に余裕をもって退職を申し出る

人手不足の会社では直ぐに人材を補充ができないことがあります。補充を待つ義務はありませんが、退職時期は就業規則に従って辞めるか、就業規則よりも多少余裕をもって退職を申し出ることで、人手不足を考慮した辞め方を心がければ良いと思います。

キャリアアドバイザーからの処方箋「会社から引き留めに合う」

いざ退職を申し出たのに引き留めに合い、ずるずると退職を引き延ばしてしまった結果、辞められない場合があります。会社から引き留めに合うので辞められない会社でも、円満に辞めることができる処方箋をお伝えします。

退職の意思を強く申し出る

ずるずると退職を引き延ばされる場合、あなたの退職の本気度を会社が疑っている可能性があります。「課長、先日お渡しした退職願いは人事部に届いているでしょうか?」と、念押しするくらい強い退職の申し出が必要です。

待遇改善をチラつかされても動じない

「退職したい」と申し出た途端に待遇改善をチラつかされることがあります。特に退職理由が待遇の不満にある場合、「待遇を改善する」と言われると心が揺れ動いてしまいますよね。しかし、あなたが退職したいと言わなければ動かない会社だと割り切り、待遇改善に動じないようにします。

場合によってはボイスレコーダーで録音する

会社からの引き留めが執拗だと感じた場合は、ボイスレコーダーで録音します。引き留めの程度にもよりますが、根拠なく「辞めるなら損害賠償を請求する」と言って脅したり、恫喝したりすれば録音した内容を元に労働基準監督署に相談することも手段の1つです。

キャリアアドバイザーからの処方箋「経済的事情がある」

現職の賃金でないと家計が回らないので、辞められない場合があります。このように経済的事情があって辞められない場合でも、辞めることができる処方箋をお伝えします。

家計を見直す

経済的事情があって辞められない場合でも、支出を減らし、多少賃金が下がっても成り立つような家計にします。転職後の企業の賃金が現職より低くても対象に入るため、転職の選択肢が増えます。

家族に働いてもらう

経済的事情を克服するには支出を切り詰めるだけではありません。家族に働いてもらうことも検討します。あるいは、副業を認めている会社を探すことも良いでしょう。そうすれば収入を増やせます。

現職と同程度の賃金をもらえる転職先を探す

現職と同程度の賃金がもらえるなら、経済的事情も克服できます。賃金に拘り過ぎるとなかなか転職先が決まらないこともあり得ますが、家族に働いてもらえなかったり、支出を切り詰められなかったりする事情がある場合は、現職と同程度の賃金を保証してくれる転職先を探すことが賢明。

キャリアアドバイザーからの処方箋「家族から転職に反対される」

仕事を辞めたいと思っても、転職の足かせとなるのが家族の場合もあります。家族の反対に合う場合でも、辞めることができる処方箋をお伝えします。

自分が置かれている事情を詳しく説明する

家族から転職を反対される人にキャリアアドバイザーがアドバイスしているのは、会社で自分が置かれている事情を、家族に詳しく説明して下さいということです。家族も理由なく転職に反対している訳ではないので、事情を伝えれば共感してくれることでしょう。

転職後にやりたいことを伝える

家族に、現職におけるあなたの事情を説明した後は、転職して何をやりたいのかを伝えて下さい。現職で働くことが辛いことに共感してもらうだけでは、転職して何をしたいのかというビジョンが見えません。あなたの転職を応援してくれる家族だからこそ、何をしたいのかを伝えましょう。

転職することのメリットを伝える

家族には転職のメリットを伝えて下さい。その際、いくつかの企業の求人情報を元に、転職するとどんなメリットがあるかを説明します。転職のメリットを知れば、家族もより安心することでしょう。

キャリアアドバイザーからの処方箋「転職先が決まらない」

仕事を辞めたくても、転職先が決まらないと不安です。転職が決まらないのではないかと不安でも、辞めることができる処方箋をお伝えします。

在職中に転職先を決める

仕事を決めないで退職すると、収入がなくなるので一気に不安になります。不安が募ると転職先に求める基準を下げることになりがち。すると転職先にも不安を覚え、また辞めてしまうことに。そうならないように在職中に転職先を決めることがベストです。

キャリアアドバイザーに相談する

キャリアアドバイザーにコンタクトを取れば、親身になって相談に乗ってくれます。在職中に転職するノウハウも知っています。結果、転職が決まりやすくなります。

応募書類の指導をしてくれる

履歴書や職務経歴書等の応募書類は、どう書いたら良いのか最初は分からないでしょう。しかし、キャリアアドバイザーに相談すれば、書類選考に通過しやすい書類の書き方を指導してくれます。アドバイスを得ることで、「転職先に何を求めるか」「自分は何をしたいのか」といったことも整理されます。

自分に合った企業を紹介してくれる

キャリアアドバイザーはあなたに合った企業を紹介してくれます。あなたに合った企業は、あなたの希望と完全にイコールではないこともありますが、応募してみると意外とすんなりと内定を獲得し、楽しく働けているというケースもあります。アドバイザーとしっかり相談しながら企業を紹介してもらって下さい。

待遇面の交渉をしてくれる

求人広告から直接企業に応募すると、待遇面の交渉は自分で行わなくてはなりません。しかし、キャリアアドバイザーから紹介された企業なら、アドバイザーがあなたに代わって交渉してくれます。

まとめ

仕事を辞めたいけど辞められない状態は、非常に辛く、苦しいです。しかしキャリアアドバイザーからの処方箋を読んで頂ければ、こうすれば辞められるんだ! ということが分かると思います。キャリアアドバイザーは転職したいビジネスパーソンのあらゆる悩みの相談に乗ってくれますから、1度はコンタクトを取り、アドバイスを受けてみると良いでしょう。

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