20代で管理職に抜擢。同じミレニアル世代だから感じる若手のマネジメントの難しさ

新卒で入社した会社で働き始めること数年。日々の業務には慣れ、気づけば中堅社員として、後輩に教えることも多くなってきたこの頃。

ついにマネージャーとして任命されることになった。急にマネージャーとして人に動いてもらう立場になった時、戸惑いはなかっただろうか?

今回は20代〜30代のミレニアル世代の「はじめてのマネジメント」について、私自身の経験を元に考えてみようと思う。

ミレニアル世代のマネジメント

人の上に立つ立場になると、当たり前のことだが「人に指示を出す」ことが増える。会社におけるさまざまな業務は、自分の手から離れ、チームにこなしてもらうことが多くなる。

自分と同じようなパフォーマンスができない、または何度言っても同じ失敗を繰り返すチームに対して、厳しく当たってしまうこともあるだろう。そんな時、

  • さっきはキツく叱りすぎてしまった
  • あの子に嫌われてしまうかも
  • もし辞めてしまったらどうしよう

などと、はじめてのマネジメントでは自分を責めてしまうことがあるかもしれない。

また、社会は日々変化しており、私たちの世代やさらに年下の世代では「嫌なら辞める」という選択が当たり前にできるようになっている。

働き方が変化し、副業を許可する企業も増えたことで、複数の仕事を持ち、会社以外に居場所がある人もたくさんいるだろう。その一方で、会社にしがみつき実際の業務は何も行わず、ただ定年を待っているだけの「使えない年配の社員」もまたいると思う。

ひと昔前とは、会社での「マネジメント」のやり方は異なるし、先輩の真似をただしているだけで良いとも思えない。

では、私たちはこれからどう、「チームをマネジメント」していけば良いのか。

嫌われることを恐れない

2016年、アドラー心理学をまとめた『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社刊)という本が大ヒットした。

「人からの評価」を異常に気にしてしまう私たち日本人の琴線に触れ、100万部以上売れた本だが、はじめてのマネジメントで躓いたときにも多いに参考になる。

アドラーは「すべての悩みは対人関係にある」という立場をとっており、「悩まない自分」に生まれ変わるために、物事の解釈を考え直していこうとこの本では説いている。

思えば私たちは小さい頃から、「他人と違うことをするのは悪」として教育を受けてきたようだ。「普通」でない人は、個性のある尊い存在であるにも関わらず、学校ではいつも差別の対象だったし、いつの時代も、街には「〇〇ブーム」で同じファッションや同じ髪型で溢れ帰っている。

キョンキョンカット、アムラー、AKB、TWICEと、時代が変わろうとも、私たちの本質はほとんど変わっていない。だから目立つことも恐れるし、人前で声を上げることも苦手で、人から嫌われるのが怖い。

しかし、嫌われることを恐れていては、人の上に立つことはできない。チームにとって、会社にとってよい選択は必ずしもすべての人にとって良い選択とは限らないからだ。

誰がどんな想いをしたとしても、時には厳しい判断を下し、嫌われ役にならなければいけないときもある。

良い人にならない

世界中の人が、西欧のもっとも裕福なレベルの生活をできるようにはきっと一生ならないし、世の中にはそこまで多くの資源も存在しない。

チームの社員全員にとって公平で「良い」選択など無いのだから、マネージャーとして認められた以上、会社にとって1番最適と思われる選択をするしかない。

会社にとって1番最適な選択、とは利益だけでなく、時に「会社を支える幹部の自分にとって都合の良い選択」でもある。

マネージャーである私たちは、チームに与えた仕事とその責任に幅広い裁量を持っている。大切な仕事を遂行するためにも、自身の信頼する人を身近に置くのは、政治家でも、大企業の社長でも誰もがしていることだ。

能力が高いからといって、自分と合わず、管理のできない人材であれば居ない方が精神的にも楽である。あくまでも、自分はマネージャーとして会社を支える立場で、チームは自分と一緒に物事を達成するために存在しているのだ、という考え方を忘れてはいけない。

有能な人材をスカウトしてもよいし、一から育てるのもいい。嫌われたらそれはそれで仕方ないし、上手くいかなければチームを去ってもらえばいい。チームのマネージャーは、「ただの良い人」では務まらない。この小さな会社(チーム)の経営者は自分なのだ、ということを忘れないようにしよう。

20代後半で管理職になった私の苦悩

私は実務経験が数年と少ないにもかかわらず、中間幹部に抜擢され年齢だけでなく、勤務年数も自分より多い人たちを管理する立場にある。

実務が少ないが故に「自分より能力の高い、経験のある人」を採用し、業務のサポートをしてもらうことで、チーム全体のレベルを高めようと考えたことがあった。

そして実際に、これまで「自分より能力や経験が高く、年齢の上の人材」を2名採用してきた。「年齢」は私にとって無関係だが、2人のうち、1人とはどうしても馬が合わなかった。

話をしてるだけでストレスが溜まる上に、自身の仕事が減らないばかりか増えてしまったので、試用期間後に辞めてもらった。その後、別の人材を採用したところ見違えるように業務が捗るようになった。「自分より経験のある人がチームにいて、上手くリーダーシップが取れなくて辛い。辞めたい。」などと落ち込む必要はない。

この小さな会社(チーム)の経営者は自分なのだから、「自分と合わない人が、辞めればいい」のだ。

自身の考えを相手に伝える

普段、チームのメンバーに自身が考えていることを伝えているだろうか。なんだかこの話は言いづらいから後で事後報告しておけばよいか、などと考えているうちに人づてにバレてしまい、気まずい思いをした経験は無いだろうか。

私は、営業マネージャーという仕事柄海外出張が多い。ひとりで行くこともあるし、アシスタントを連れて行くこともある。「海外出張」は、通常業務が増える上に、新しい仕事も増え(そのために行くので当たり前だが)、時にはクレーム処理のために客先に頭を下げることもあり、仕事に責任を感じている私からすると、出張手当をもらっていてもキツイ仕事である。

しかし、チームのメンバーはその点をよく理解しておらず、会社のお金で飛行機に乗って、いつもと違う場所にいき、おいしいものを食べて帰ってくるなんていいなあ、と旅行気分であるため、毎回出張が近づくと、「誰を連れて行くのか」でコソコソしだす。

以前、入社してから日の浅い社員を、他の社員へ相談せずに決め、連れていったことがあったが、その際には大ブーイングを受けた。

最終決定は自分がすることなので、「相談」をする必要は無いのだが、自分のスケジュールや、何故この人を連れていくのが最適だと思うのか、という自身の考えを、一緒に働くチームのメンバーに共有し、よくコミュニケーションを取ることでわかってもらえるのではないかと思う。

当たり前だが、思っているだけ、考えているだけでは、相手に通じることはない。面倒でも、気まずくとも、「自分の考えを相手に伝える」ことで初めて、相手に気付いてもらえるのである。

みんなが当事者になる仕組みを作る

前項の「自身の考えを相手に伝える」と少し似ているが、チームの一人ひとりが「当事者になる仕組みを作る」ことは、チームを運営する上で非常に大切なことである。

例えば、部下に仕事を頼むとき、その仕事の「理由」や「経緯」についてきちんと話をしているだろうか。「XX書類の数字をXXに変更しといて!」などと、物事が変わるたびにただ押し付けてはいないだろうか。

人に物を頼むとき、私は「この仕事をお願いする理由」や「前後関係(経緯)」をきちんと伝えるようにしている。その作業自体が簡単なものでも、きちんと説明をすることで相手にも責任を感じてもらえるし、仕事が楽しいと思ってもらえることもある。

例えば、

継続的に発注のあった商品の値段を、訂正する時。

「xx円に変更しておいて」とだけ伝えれば簡単ではあるが、

「今年は原料が高騰した関係で、先日出張に行った際に、xx社と話をしてきたよ。結局、xx円上げさせてくれることになってさ、これで昨シーズンよりも利益率がxx%あがったよ!だから、この値段はxx円に修正してもらえるかな。」などと詳しく話をする。

時間をかけて話をすることで、相手にとってこの金額修正は、ただの数字変更ではなくなり、ストーリーとして印象に残る。

結果として、ミスも減るのである。

まとめ

今回は、ミレニアル世代のマネジメントとして「嫌われることを恐れない」「良い人にならない」で、組織としての自分の立位置を再確認しつつ、「自身の考えを相手に伝える」「みんなが当事者になる仕組みを作る」で、人にうまく働いてもらうことについて考えてきた。

アドラーの言うとおり、「すべての悩みは対人関係にある」のかもしれない。人と働くことは面倒で、消耗することも多い。

しかし、人と働くことでしか達成できない大きな目標や、充実感も、必ずある。失敗を繰り返しながらたどり着いた私の「はじめてのマネジメント」が、もし誰かの役に立つことがあれば幸いです。

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