今年の夏は酷暑でした。暑さに辟易とし、涼しく過ごしやすくなる秋の本格的な到来が待ち遠しいこのごろです。この夏は、水分補給をして熱中症を防ぐために、例年の夏よりも外出先の自動販売機で飲料を購入した回数が多かったのではないでしょうか。
自動販売機を利用すると、人気のスポーツドリンクなどの飲料が売り切れとなっていることに気づくときがあります。しかし、自宅近くの自動販売機を観察してみても、朝売り切れだった飲料が午後には補給されて売り切れが解消されていることに驚きます。今年の夏、自動販売機関連の運営・管理業務に就いている方は本当に忙しかったのではないでしょうか。そんななか、ある自動販売機関連会社において、リーダーからだされたクイズに全問正解しなければ有給を取得できず、その上不正解の場合は降格もあると銘打ってメールを従業員に送ったとされるニュースが報じられていました。
働く環境や働きやすさが重要視されているこのご時世、有給も自由に取れないような労働環境では、在職中の社員のモチベーションをキープすることも、新しい社員を獲得することも難しいことでしょう。ここでは、気分よく働くことができる働きやすい職場つくりに何か必要であるのか、考察していきます。
働きやすい職場とは
働きやすい職場とはどのようなものでしょうか?それは人によって全く違った答えになるのではないでしょうか。職場に安定を求めるタイプ、出世を求めるタイプ、労働環境を重視するタイプなど、ビジネスパーソンが仕事に求めることによって、様々な考え方があると思います。しかし、どんなタイプの人材でも、嫌な思いや不快なことがなく、自分に成長をもたらしてくれる職場を求めているのではないでしょうか。そしてそのような職場作りに必要なものとはなんでしょうか。
職場の雰囲気の重要性
みなさんの職場の雰囲気はどのようなものでしょうか?自分のデスクについたときに感じる冷たい雰囲気に憂鬱になったりしていないでしょうか?雰囲気の悪い職場で仕事をするほど、ストレスがたまることはありません。同僚・社員の一人一人とコミュニケーションをとってみれば、ごく普通でストレスも感じないのに、いざ職場でデスクを並べて仕事をしてみるとふいに感じてしまう雰囲気の悪さ。それはコミュニケーションの不全が引き起こしているものかもしれません。コミュニケーションは、立場や仕事内容によって緩急をつけることが望ましいものです。コミュニケーションは、ありすぎても、少なすぎても困るという、バランスを取ることが難しいものでもあります。
コミュニケーションスタイルが雰囲気を変える
以前、友人が勤務する企業の雰囲気の悪さについて、話しを聞く機会がありました。
その企業の社長は、社員を大切に思うあまり、一人一人との対話を重要視していました。ランチやミーティングなど、順番に社員から日頃感じている仕事や職場への疑問や問題、同僚に対しての不満など、あらゆることを一人一人から社長が話しを聞いていたのです。
同時に、社員に対しても、社長から社内の問題について答えを求められることもあったそうなのですが、それについて社員が解決法を自分なりに考え、話しをしても、話しを聞いてもらえるだけで、解決法は採用に至る事はなかったそうです。そういった状態が続いていくうちに、だんだん社長とのコミュニケーションにフラストレーションがたまってしまうようになったとのことでした。
社長はあくまで社員の意見を聞きたいがために、そのようなスタイルをとっていたのかも知れませんが、一社員からしてみれば、一対一で社内の問題解決について問われたとすれば、その社員には当然、他の社員に対しての優越感が生まれることも否定できません。しかし結果的に残念ながら、コミュニケーションが社員に優越感を植え付けただけで終わってしまい、問題解決策が採用されないために、その社員は会社自体に不信感を持ちはじめてしまいます。そして他の社員にも同様なことを社長が行っていたために、話しを聞くだけで、採用してもらえず、結局社長がすべてを決めるだけなのだ、と、社員たちの士気を下げてしまうことになり、結果職場の雰囲気が悪くなっていったようなのでした。
社長が決断を行う、ということは全く自然なことですが、ここで問題なのは、社長の問題提起や情報収集の方法です。たとえば、問題を社員に指摘させたいのであれば、一対一のコミュニケーションでなくとも、部署や業務ごとに行うほうが効率もよい場合もありますし、解決の糸口も発見しやすいことでしょう。
一対一というコミュニケーションスタイルが生み出す緊張感や特別観をもっと有効に使えるように考えるべきではないでしょうか。
不機嫌な人とどう接するか
職場の雰囲気が悪くなる原因のひとつに、いつも不機嫌な同僚の影響を思い起こす人もいるかも知れません。
たとえば、女性において言えば、常にではなくとも、一月に一度は月経という女性ならではのバイオリズムにより、イライラしがちな時があります。そのときは、なるべく周囲にわからないようにしたいものですが、その日の体調によって、どうしてもイライラしたり憂鬱になってしまうこともある程度はやむを得ません。それ以外のときに、つい憂鬱になったり、不機嫌になってしまうときは注意が必要です。
それが仕事のせいでそうなっているのか、プライベートのことが影響してそうなってしまうのか、あるいは仕事もプライベートも両方問題があるのか、または周りに不機嫌な人がいるためその影響を何となく受けてしまっているのか。不機嫌や憂鬱のスパイラルにはまってしまったときは、自分を客観視してみましょう。そして、不機嫌に仕事をしても何も自分にメリットがないことを思い出すのです。
不機嫌の原因が仕事だったら
もしあなたが会社で不機嫌になってしまう理由が会社にあるのであれば、その理由を改善する努力をしましょう。雰囲気が良い職場で働く事の素晴らしさを体験するのです。
今は、どの企業も働きやすい職場を作りたいと願っている時代です。もし不機嫌の理由が、長時間労働や休み辛さなどに問題があるのであれば、業務のやり方を見直すことで、無理なことや無駄なこと、そして仕事のむらを減らすように努力し、周囲にも働きかけましょう。そのような細かい働きかけの相乗効果で、長時間労働が是正され、徐々に「働きやすい職場」に変化することができるのです。そして、その働きやすい職場は、利益を生み出しやすく進化していくことができます。
コミュニケーションや目的を明確に
無理なことや無駄なこと、そして仕事のむらとは、どのような理由で出てきてしまっているのでしょうか。本来、仕事はコミュニケーションが最も重要な肝と言われます。しかし、実際のところは、コミュニケーションの方法や一人一人のスキル、理解によってひとそれぞれに認識が変化してしまい、結果業務が不十分になったり、予想と異なった結果が発生し、やり直しや付け足しをしたりして、コストの浪費や時間の無駄となってしまうことが少なくありません。
無駄をなくすために重要なことは、明確性です。今行っている仕事の軸となる真の目的や、かかるコスト、目指す利益など、明確な数字や具体的な目標を必ず設定しましょう。人は、自由になにかしてよいうと言われると、何をしていいのかわからなくなる時があるものです。明確な目標やクリアな目的を設定し、モチベーション維持・向上をもっと意識しましょう。
まとめ
誰もが貴重な時間を、有効につかって結果を出したいと願っています。限られた時間のなかで、不機嫌に仕事をしたい人はいません。目標を達成し仕事の生産性を向上するための手段の一つとして、職場環境を整えて、働きやすく気持ちのいい職場作りを行っていきましょう!