私ってどんな人? 今日からはじめる自己ブランディング

企業が当たり前のように設定している「ブランディング」ですが、近年、個人でもライフプランを見据えたブランディングを考える人が増えています。ブランディングなんて企業が考えるもの、一個人には必要ないものと思っていませんか? ブランディングを必要とする理由やその方法、活用の仕方をより身近な目線で考えてみました。

自己ブランディングとは

ブランディングの中でも、企業や商品ではなく、自分を対象としたブランディングのことを特に「自己ブランディング(セルフブランディング)」と言います。wikipediaによると、ブランディングとは、「ブランドに対する共感や信頼など顧客にとっての価値を高めていく企業と組織のマーケティング戦略のひとつ」と定義されています。

では、ブランディングの定義の「ブランド」を「自分」に置き換えてみましょう。「自分に対する共感や信頼など、第三者にとっての価値を高めていく、生きるための計画のひとつ」それが自己ブランディングです。

企業にとって、ブランディングはなくてはならない戦略で、ほとんどの企業が設定しています。コスパの良い家具が欲しい時、ほとんどの人が「ニトリ」を思い浮かべるように、AppleもTOYOTAもStarbucks Coffeeも、名前を聞いたりロゴを見たりすると多くの人に共通のイメージが浮かぶことでしょう。簡単に言えば、「○○と言えば●●」というイメージをカスタマーに抱かせるのがブランディングです。

ですが、それを個人が設定する必要性に疑問を持つかもしれません。個人が設定するのはどうしてでしょう。

なんのために設定するのか?

働き方改革が進み、仕事への取り組み方が多様化する現代、信用が経済の中で大きな役割を果たしています。会社の組織の一員であっても、個としてのブランディングを持つ人が増えているのは当然の流れと言えます。例えば社内でも「SNSについてやたら詳しいのは〇〇さん」「〇〇くんは利き酒師になったらしいから、日本酒のおいしい店なら彼に聞くといいよ」とか、仕事に関係あるなしで「●●なら〇〇さん」と言われる人がいますよね。

また、副業が認められはじめたこと、起業が推進されていることを背景にブランディングという言葉そのものも身近に感じられるようになりました。今後さらに変化するであろう働き方や社会の変化の中、ブランディングの必要性が高まっているのです。

会社内でのキャリアアップ、転職、独立や起業、セカンドステージ形成など、人生80年、人生100年と生きていく中で、自己ブランディングは自分自身の信用や価値を高める人生設計の戦略です。自分はどんな人生を歩みたいのか。どんなことで世の中に貢献するのか。自分に一本の軸を通すために、自己ブランディングを考えてみましょう。

強みから自己ブランディングする方法

得意なことや持ち合わせた才能があれば、それだけでブランディングになりますが、特段そのような強みを持っていない場合、「1万時間の法則」を用いて強みを知ることをおすすめします。意外と知らない自分自身のこと。まずは「1万時間の法則」を元に、ブランディングとなる強みを見つけてみましょう。

1万時間の法則

出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4062153920

1万時間の法則を知っていますか? 1万時間の法則は、イギリスの哲学者であるマルコム・グラドウェルが提唱した、「特定の分野で世界的な一流になりたいのであれば、それには1万時間の練習や実践が必要だ」という法則です。この法則を元に、自分は何のスペシャリストであるか、ということを考えてみましょう。

ここで気をつけて欲しいのは、これから何かに1万時間をかけよう、というわけではなく、これまでの人生の中で1万時間を費やした分野や事柄を元に強みを見つけてみる、ということです。

1万時間費やしたことがある事柄を探してみよう

1万時間といわれても、パッと時間のボリュームがわかりません。24時間寝ないとしたら1年と51日。それは現実的ではないので、1日8時間を費やしているとするならば、3年半程度、1日1時間を費やしているとすれば、27年程度続けていることと考えるとイメージしやすいかもしれません。何か浮かびましたか? 厳密に1万時間かけている必要はありませんが、それくらいの経験を積んでいるものをざっくりと考えてみましょう。

1万時間を費やしただけでは、そのスペシャリストとは呼べません。ですが、1万時間かけたということは、少なからず経験が反映されている事柄に間違いはありません。何気ない事柄でも、強みとして捉えてみましょう。

理想ばかりを追いかけてはブランディングが成り立たない

自己ブランディングを「自分がどんな風にみられたいか」を軸に考えてしまうと、出来上がるのは自分の理想像のブランディングです。それでは自分のありのままの姿とかけ離れた自己ブランディングになってしまう恐れがあります。理想だけでスキルや経験が伴わないと信頼は得られませんし、そのギャップのせいで価値はむしろ下がってしまいます

そうならないためにも、1万時間の法則のように、経験が反映された強みからのブランディングは信頼されやすい有効な手段なのです。

1万時間を費やした事柄に価値を見出すとしたら? 

では、わかりやすく具体例を出してみましょう。〇〇の部分には自分の職業や立場を入れてみると、よりイメージしやすいかと思います。

  1. 「本を読むたびに登場人物の気持ちに浸っていた」という1万時間を過ごした人の強みは「人の気持ちがわかる」こと。「気持ちに寄り添う〇〇」というブランディングになります。
  2. 「外国に住み現地に根ざした生活」という1万時間を過ごした人の強みは「現地のタブーまで知り尽くしている」こと。「ネイティブしか知らない外国での過ごし方を知っている〇〇」というブランディングになります。
  3. 「祖父母と同居家庭で育った」という人の強みは、多世代同居の経験です。それすら核家族化が進む現代では「多世代の集団生活のなかで育った」というブランディングになり得てしまうのです。

このように、1万時間の経験は強みとなり、その強みをいくつか組み合わせることで、自分だけの価値を示す自己ブランディングにつながるのです。

弱みをブランディングする方法

強みだけではなく、「弱み」も魅力の一つです。

弱みが自己ブランディングになり得るのか

弱みなんて本当は隠したいもの。表に出すには躊躇するかもしれません。でも弱みはある種ネタにしやすく、共感を得やすいため実は自己ブランディングにつなげやすいのです。

強みと弱みは表裏一体

自分の良いところはなかなか見つけられないという人も、苦手なこと(弱み)なら挙げられるというケースが少なくありません。ちょっと落ち込むかもしれませんが、弱みを挙げられるだけ挙げてみましょう。

そうしたら、弱みをひっくり返してみます。そうすると強みになっていませんか? 飽きっぽさは好奇心旺盛な長所へ、なかなか一歩が踏み出せない臆病さは慎重な長所へ、繰り返すダイエットすら経験値の多さに、このような強みと弱みの裏表をうまく利用して、弱みをもブランディングしてみましょう。

弱みが強みになった実例

駅から車で30分以上。バスのアクセスも決して良くはない山の奥に古民家カフェがあります。アクセスの悪さはカフェにとって不利な環境であることは否めません。ですが、都会にはない古民家をリノベーションした古民家でしか出せない雰囲気や、カフェの周辺の自然環境は山の奥だからこそ。さらに、30分以上の道中も、だんだんと山が深くなることでショートトリップ気分を味わうことができるという付加価値になります。交通の便が悪いという弱みを希少価値としてブランディングした一例です。

個人のブランディングも同様に、弱みを強みに変えるブランディングが可能です。

お客さんと話すことが苦手な美容師がお店をオープンする際に「おとなしい美容師の美容院」というキャッチコピーをつけて宣伝したところ、会話が苦手な人、必要としない人だけが集まるようになりました。逆に美容師との会話を楽しみたい人が来ないため、自分以外の席が会話に盛り上がり、疎外感を味わうこともないとリピート率の高い美容院となっています。この例も、しゃべることが苦手という、一見美容師には辛い弱みを強みに変え、ブランディングした結果です。

弱みをブランディングする時も、必要以上に弱みの強調は避けることです。自己ブランディングにより得たいものは、同情ではなく共感なのです。複数の強みや弱みを組み合わせることで、自分の価値となる自己ブランディングを見つけたら、次のステップに進みます。

ブランディングを設定したら

先ほどの美容師の例のように、キャッチコピーを作るなど、親しみやすさを生む工夫をすることも大切です。

キャッチコピーをつける

自己ブランディングにおけるキャッチコピーはいわゆる肩書きです。自分の意識の中、SNS上や名刺など、必要に応じて公開すると効果を表すことができます。

ストーリーを添える

キャッチコピーで重要なのは、それを行っている背景や理由をストーリーとして語れるようにすること。ストーリーに共感し人の心を動かすことで、価値が生まれ、自己ブランディングが成立しやすくなります。

会社のお母さんの例

最後に、私の大好きな先輩で「会社のお母さん」と呼ばれていた人を紹介します。子育て期間を経て、10数年ぶりに社会に復帰した彼女と、独身でバリバリ仕事をしてきた同年代の女性、役職にも任される仕事にも大きな差があります。でも、彼女は1万時間を費やした「お母さん」としての生活を武器に、彼女の弱みであった、社会へのブランクが大きすぎたことを克服してセルフブランディングし、会社になくてはならない存在になったのです。

彼女は社内でも唯一の外出しない事務員であり、みんなの仕事のサポート役です。外回りに出る社員には「いってらっしゃい」「おかえり」の声かけをし、元気のない社員がいれば寄り添って話を聞いています。来客からも人気があり、近くに来た時には彼女に会いに寄る人もいるほど。

会社のお母さんには誰もが心を開いて相談でき、「大丈夫」の一言は何よりも心強い精神安定剤となります。社員からの信頼も厚く、社内にはなくてはならない価値をもたらしています。

そんな彼女のブランディングストーリーは、「私の人生で、重要な役職につくことはできなかったけれど、みんなにいってらっしゃいとおかえりの声かけができるのは会社から出ない私だけ。心配事や不安を打ち明けられた時に、無責任に大丈夫だよと声をかけてあげられるのも私だけ。」

「会社のお母さん」のストーリーに社員はまんまと心を掴まれ、社内でも親孝行されているのは言うまでもありません。彼女自身も「会社のお母さん」という内なる肩書きを持って復職したので、その立場に満足し、その価値を認識しています。

彼女のように、蓄積したものから成る自己ブランディングや軸となるストーリーを持っていると、周りの人たちがそれに共感し価値を見出します。それによって自己ブランディングが成立するのです。

今日からできるファーストアクション

企業や商品でなくても、クリエイターやアーティストでなくても、自己ブランディングにより信頼や価値を高めることができます。

まずはあなたの周りのブランディング成功例を見つけてみましょう。テレビの中の人、人気You Tuber、担当美容師、おしゃれカフェのオーナー、誰でもいいのです。「この人のブランディングはこういう点だ」と第三者の視点で分析してみます。コツをつかめたら自分の番。

自分をブランディングできると、もっと自分や自分の人生を大切にでき、歩む道や見える景色が違ってくるかもしれません。

強みがなくても大丈夫!ありのままの自分を活かすブランディング術
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