状態目標・結果目標・行動目標の3つの違いは? 目標の立て方と具体例を紹介

普段、ひとことに「目標」といっているものは、状態目標、結果目標、行動目標の3つに分けられることを知っていますか? この3つの使い分けができると、やるべきことに迷わない、ゴールが明確になるなどのメリットがあります。

また、状態目標、結果目標、行動目標の違いや、目標を立てる時のコツを知ると、やみくもな目標設定をすることがなくなり、より実現可能な目標を設定できるようになるはずです。詳しく解説します。

目標には「状態目標」「結果目標」「行動目標」の3つがある

目標には、状態目標、結果目標、行動目標の3つがあります。目標達成には、この3つを欠かすことができません。どれも「目標」であることに変わりないのですが、それぞれ視点が異なります。

状態目標

理想とする将来を状態目標といいます。モチベーションにつながるような、ワクワクする目標がいいでしょう。

【状態目標の例】

  • ウエディングドレスを美しく着こなす
  • 世界を飛び回る仕事をする
  • 半年先まで予約が取れない美容師になる

結果目標

達成したいゴールや得たい成果を、具体的かつ明確に示した目標が結果目標です。広く理想を掲げる状態目標に対し、結果目標は具体的なゴール地点を示します。

【結果目標の例】

  • ウエスト53cmのマーメイドラインのドレスを着る
  • 1年後のTOEICのテストで700点以上を取る
  • カラーリング技術をSNSで発信し、フォロワー10万人を達成する

行動目標

具体的な行動が伴う目標が行動目標です。いつまでに・何を・どれくらい行動するかを、細かく組み込みます。

混同しやすいのですが、「ゴール」となる結果目標に対し、行動目標は「ゴールに向かうためにすべきこと」を設定します。

【行動目標の例】

  • 結婚式まで毎日30分のヨガをする
  • TOEIC対策のワークブックを毎日5ページ解く
  • 1年間でカラーモデル100人の画像をSNSにアップする

目標が達成できない原因

手を尽くしたものの、目標が達成できないこともあるでしょう。目標が達成できないのはなぜでしょう? それには理由があります。

結果目標しかあげていない

前章で解説した3つの目標が、目標達成のカギを握ります。

目指すべき目標が曖昧だと、達成する具体的な方法が掴めませんが、「状態目標」「結果目標」「行動目標」が揃うと、目標までのプロセスが具体性を持ちます。それによって、ゴールまでの道のりや達成方法が明確になるのです。

行動目標の指標が高すぎる

高すぎる行動目標は負荷が高いばかりか、なかなか成果に結び付かず達成感を得にくいため、モチベーションの低下を招きがちです。

非現実的な数値目標や既存のメンバーのスキルでは達成困難な目標など、理想が先行するような行動目標では、目標達成は難しいといえるでしょう。

目標の書き方のコツ

目標を立てる時には、状態目標、結果目標、行動目標、それぞれの性質に合わせましょう。書き方のコツを解説します。

状態目標の書き方のコツ

状態目標は、理想とするイメージを描くように設定しましょう。数値に捉われる必要はありません。

目標達成までの道のりで困難があっても、状態目標を思い浮かべればモチベーションを上げられるような目標を書きます。

結果目標の書き方のコツ

結果目標を設定する時には「SMARTの法則」が有効です。

SMARTの法則とは、以下の頭文字を取った有名な目標設定のフレームワークです。

S Specific(具体的である) 目標が具体的で明確である
M Measurable(計測できる) 達成度合いを定量的に測れる目標設定にする
A Achievable(達成できる) 達成可能な目標にする
R Realistic (現実的である) 達成が現実的である
T Time-bound (期限が明確である) 達成の期限が明確である

これらの点を意識すると、具体的で実現可能な結果目標を立てられます。

▼SMARTの法則 関連記事
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行動目標の書き方のコツ

いきなり大きな目標を掲げないことが、行動目標の書く時のコツです。行動目標を小さく分解して、毎日のタスクに落とし込めるようにしましょう。

小さな行動目標を日々着実に達成することで、目標に向かって進んでいるという達成感を得ることにもつながります。

注意すべきは、細かすぎる行動目標です。毎日時間刻みで目標を定めてしまうと、イレギュラーやトラブルが起きた際に総崩れになり、目標を見直す手間がかかります。モチベーションの低下にもつながるでしょう。

目標管理も重要

目標は、立てて終わりではありません。達成に向けての目標管理も重要です。目標管理では、以下の2つを意識するといいでしょう。

目標達成率の見える化

目標達成率を見える化することで、作業への向き合い方が変わり、作業効率アップにつながります。結果目標に向かって歩みを進めている様子が目で見てわかるので、モチベーションも維持できるでしょう。

目標達成率を見える化するためには、エクセル等で作成した表やタスク管理ツールに目標を書き出す方法がおすすめです。

定期的なフィードバック

目標達成率の進捗状況やゴールイメージを再確認するために、定期的なフィードバックを行います。

計画通りに目標を達成していれば、順調に達成できた要因やさらに良い手段はないかを検討します。逆に、計画通りに目標が達成できていない場合、適切な目標の再設定やうまくいかなかった要因を検証しましょう。

【職種別】参考にしたい「状態目標」「結果目標」「行動目標」

目標は仕事の内容によって全く異なるものになるでしょう。目標を設定できない職種はありません。営業職・技術職・事務職、それぞれ異なる目標設定の例をみてみましょう。

営業職の目標例

営業職は、特に目標を設定しやすい職種です。売上やアポイントメントの件数、契約数など、数値で業績を表しやすいことから、目標が立てやすいといえるでしょう。

実現可能な数値を結果目標に掲げ、それを達成するまでの具体的なプロセスを行動目標に落とし込みます

しかし、ただ単に電話の回数を増やしたり商談の機会を多く持ったりするだけでは、結果目標の達成は困難です。PDCAを回し、行動目標を見直す習慣を持つことが重要です。

【営業職の目標例】
状態目標:自社のプロダクトを業界一のシェアにする
結果目標:上半期の売上、前年比20%アップ
行動目標:既存顧客のニーズヒアリング100件・毎週営業ロープレを行い改善点を洗い出す・新規顧客を毎週5件増やす

技術職(エンジニアやデザイナー)の目標例

エンジニアやデザイナーなどの技術職は、営業職のように数値を用いた目標設定は困難です。しかし、できる限り具体的に数値を用いた方が達成感を得やすいので、意識的に数値に落とし込むようにしましょう。

また、進むべきキャリアを考えて、ブレない目標設定も必要です。

【技術職の目標例】
状態目標:3年以内に「UX改善といえば…」で名前が1番にあがるデザイナーになる
結果目標:毎週サイトの改善を行い、数値の変化を記録する
行動目標:デザインの勉強を1日1時間行う・担当案件を今より3件増やす

事務職の目標例

事務職も技術職同様に、目標を数値化しにくい職種です。可能な限り数値化した設定をすべきですが、どうしても数値に落とし込めない場合、できるだけ具体性のある目標にします。

目標の方向は、作業の効率化やスムーズな進捗管理、課題の解消などにつながる行動目標を立てるとよいでしょう。

状態目標:1年以内に顧客情報管理を新人にも任せられる作業にする
結果目標:全ての作業にマニュアルとフローチャートを作成する
行動目標:作業を細分化する・リスクを洗い出す・説明動画を撮る

【立場別】参考にしたい「状態目標」「結果目標」「行動目標」

次に、立場によって異なる目標についてお話しします。

新入社員の目標例

目標設定に不慣れな新入社員の場合、上司や指導係がフォローしながら、目標設定をすることをおすすめします。

新入社員の目標は、達成することだけでなく、行動習慣をつけることや主体性を持って動くという目的も持ち合わせています。

また、進捗状況をわかりやすくするために、具体的かつ定量的な振り返りのできるような目標設定がポイントです。

状態目標:1年後までに成約を10件獲得
結果目標:3か月以内にフィラー(無意味なつなぎ言葉)のないセールストークができるようにする
行動目標:毎週ロープレの時間を作る・よくある質問一覧を作る

マネージャーの目標例

マネージャーの場合、目標が達成できるような組織づくりを目的とした目標設定が必要です。メンバーの育成を促すような目標を設定するといいでしょう。

状態目標:チームの業績20%アップ
結果目標:チームメンバーの目標達成率90%を常に維持する
行動目標:進捗報告のミーティングを毎月行う・フォームを作り5分で日報を提出できるようにする

まとめ

目標設定の奥深さが伝わったでしょうか? TeamHackersの記事の中でも、目標設定の重要性について、各所で言及してきました。

目標の達成率が低いと、モチベーションが低下し、目標が達成できない負のループに陥ることもあるでしょう。

しかし、目標の設定さえしっかり行えば、目標達成率は上がるといえます。状態目標・結果目標・行動目標の3つを使い分け、的確な目標設定を行いましょう。

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