仕事は優先順位で決まる!?効率的に仕事を進めるための4つの方法

時間内で仕事が終わる人と、残業や仕事の持ち帰りをしないと終わらない人の差には、優先順位の付け方が大きく影響しています。それは分かっているものの、どうしてもうまくいかないのはなぜでしょうか。

今回は、働き方を変えたいと思っているのなら絶対にマスターしたい「優先順位の付け方」について、迷った時の考え方や陥りやすい失敗、具体的な実践の方法まで紹介しています。

これをおさえておけば、優先順位付けに悩むことはなくなるはずです。

仕事の優先順位に迷わないための3つのポイント

仕事の優先順位を付ける時、第一に締め切りや納期が頭をよぎります。もしくは、先に頼まれたものから順に着手するという方法が思い浮かぶかもしれません。

ですが、そのような単純な方法だけで、的確な優先順位が付けられるとは限りません。

がむしゃらに仕事をしていると、優先順位を考えることなく1日が過ぎていきます。また作業する順番を間違えていると、作業効率は悪くなります。

もし、優先順位を意識するだけで仕事の効率が上がるなら、絶対にマスターしたい仕事の優先順位の付け方。

まずはその優先順位付けに迷った時に考えて欲しい、3つのポイントをご説明します。

1.試す:まずは5分だけやってみる

日々仕事をするなかで「思っていたよりも時間がかかってしまった」という経験を誰しもがしていることでしょう。

どれくらい時間がかかるかを見越して優先順位を付けるなんて無理に決まっている! と、優先順位付けが苦手な人は言います。

そんな時は「まず5分だけやってみる」ことをおすすめします。この5分の着手が「見込みと実際の作業ボリュームの間で起こる差異」をなくすために必要なポイントなのです。

優先順位を付ける時、作業ボリュームを目分量で計っていると、大きなズレが生じるリスクが発生します。

ところが、5分だけでも目を通してみることで、想定以上に資料集めが必要だったり、逆にさっと終わらせることのできる簡単な作業だったりといった見通しを立てやすくなります。

「蓋を開けたらびっくり」を避けるための5分、お試しください。

2.相談する:上司や同僚の意見を聞く

悩む前に上司や同僚に相談をすることで、より効率よく仕事を進めるための優先順位の立て方がわかることがあります。

また、人に相談をすることで、実は急ぎではない仕事や不要な仕事が明確になり、優先順位を付けやすくなるというケースも少なくありません。

このように第三者の目から見ることで、仕事の優先順位を整理出来ることもあるので、仕事の優先順位付けに迷ったとき、人に「相談」するのは非常に有効です。もし可能であれば、相談をする時は、抱えている仕事の総量、かかるであろう時間の見積もりなど、全体像を明示した上で相談しましょう。具体的な解決策が得られる可能性が上がります。

3.軸を決める:仕事の優先順位をつける前に、行動指針を明確にする

仕事の優先順位を立てるための基準となる「行動指針」をどこに置くかをしっかり決めていると、優先順位を付ける時に迷いがなくなります。

例えば、週ごと日ごとといった短期的な優先順位付けをする際は、短期的な行動指針が有効。

具体的な例を挙げるとすれば、「金曜の午後は半休にしたいから今週はとにかく持ち越しの仕事をなくす」という行動指針を立てたなら、金曜の午後に緊急の連絡が入ることがないように、自分以外の誰かと共有している仕事を優先することになります。

「業務の仕組みを見直す」という行動指針があるとすれば、他の仕事を差し置いて業務の振り返りや見直しを優先し、以降の効率アップに徹します。

このように行動指針を明確にすれば、仕事の優先順位をつける際の迷いが生じづらくなります。

逆に、行動指針が決まっていないと、仕事の取捨選択や優先順位付けをする時にブレが生じる可能性があるので、仕事の優先順位をつける前には必ず行動指針を明確にしておきましょう。

これはダメ!仕事の優先順位づけでやりがちな失敗4つと解決策

仕事の優先順位を迷いなく立てられるようになったら、次は、なるべく優先順位付けを誤らないようにしたいところ。それができれば、タスクの優先順位の見直しによる時間ロスを防ぎ、より効率的に仕事を進められます。

そこで、仕事の優先順位付けでやりがちな失敗4つとその解決策について把握していきましょう。

失敗1.自分のキャパシティの計算違い

仕事の優先順位を立てるうえで、もっとも陥りやすいのが「思ったより時間がかかってしまい、時間通りに終わらなかった」という失敗。

これをなくすためには、何より「優先順位づけ」を日々実践することが第一です。

タスク1つにかかる時間、求められる正確さ、完成度や質の高さなど、優先順位を決めるためには様々な視点での見極めが必要となります。

優先順位付けを続けていると、何が効果的であり、効率がよいかがわかってくるので、日常的に優先順位を見直し、軌道修正をする習慣を付けるようにするとよいでしょう。

失敗2. 優先順位のパンク

責任感の強い人や完璧主義に人こそ失敗しやすいのが、「全てを自分でやろうとした結果、抱え込みすぎてしまう」という点。

優先順位の低い仕事や自分でなくてもできる仕事は思い切って「断る」、もしくは「他の誰かを頼る」ことを選択肢に持ちましょう。全ての仕事を確実に終わらせるには、自分の時間を使って実行するか、人に任せるかのどちらかしかありません。

優先順位を付ける時には、「やる」という選択肢以外に、「やらない」という選択肢もあるのです。

芋づる式に増えていく仕事は、優先順位を混乱させる元であり、判断を誤る原因にもなりかねます。完璧主義はほどほどに!

失敗3. タイミングのミスジャッジ

タイミングを考慮せずに優先順位を付けてしまうと仕事の効率を上げるはずが、逆に下がってしまう結果になることも。

「タイミングはパフォーマンスの20%を握る」ともいわれるように、時間や曜日の特性を生かした優先順位付けをする必要があります。

例えば、集中力が低下している時間に頭を使う仕事をすると、効率が下がります。

昼食後の眠い時間に単調な事務作業をして全く捗らなかった経験はありませんか? 

もし朝型の人であれば、集中しやすい朝一に作業をしていたら効率が上がったはずです。

やる気と集中力には限りがあり、一定ではありません。1日に使える時間も有限です。

「どのタイミングにどの仕事をするとパフォーマンスの高い優先順位付けができるか」という時間や曜日の特性を掴むためには、1日、1週間、1ヶ月と振り返ってみることをおすすめします。

失敗4. 優先順位を決めたはずが、他の仕事が目について集中できない

「次から次へと新しい仕事が目につき、優先順位通り仕事ができない」という失敗は昨今のビジネスマンによくある話。

優先順位が高い仕事こそ、終わるまでは他の仕事に手を出さない、出さずにいられるような環境、つまり最も優先すべき仕事だけが視界に入る環境を作る必要があります。

例えば、最優先の仕事をしている時にチャットツールやメールの通知が絶え間なく入っていると、集中して仕事を続けることは難しいでしょう。目についた通知に次々と対応していては、優先順位を付けた意味を見失います。

通知を切ることと同様に、業務に関係のないタブは開かない、もしくはスピードダイヤルの活用も、優先すべき仕事に集中できる環境を作り出します。

メールやチャットなどのツールが仕事の効率をあげたことは確かですが、集中することが難しい環境になったことは否めません。

そのため、ベストな仕事環境を意図的に作り出す必要があるのです。

優先順位をつけて効率的に仕事をするための4つのテクニック

では最後に、優先順位をつけて効率的に仕事をするための具体的なテクニックを4つご紹介します。

1.優先順位は重要性と緊急性で考える

優先順位を立てる際は、まず、重要性と緊急性の2軸で考えていきましょう。

この方法は、「時間管理のマトリックス」「緊急度と重要度のマトリックス」「アイゼンハワーマトリックス」などと呼ばれており、もっとも知名度の高い優先順位の立て方です。

ここでいう「重要性」とは、その仕事が「どのくらい成果や結果、報酬に影響を及ぼすか」、「緊急性」は、「どのくらい早く対処すべき仕事か」をさしています。

噛み砕いていうなれば、「重要性」が高く「緊急性」も高いものに優先度を高く付け、先に着手していくという方法です。具体的な優先順位の決め方についてはこちらの記事で紹介しています。ぜひ、ご覧になってみてください。

【仕事の優先順位、どう決めればいいの? と悩んでしまう人たちへ】https://teamhackers.io/how-to-prioritize-tasks/

2.アイビー・リー・メソッドで実践する

次は、100年も前から提唱されている「アイビー・リー・メソッド」を用いて、仕事を進める方法です。

「アイビー・リー・メソッド」では、まず、前日の仕事終わりに「やるべき仕事」を6つだけ決めます。そして、その6つの仕事を、先ほど紹介した「重要性と緊急性」をもとに優先順位付けします。

翌日、その優先順位に沿って仕事に取り掛かります。仕事が終わったら、また翌日に向けて6つのやるべき仕事を決めるというサイクルです。

この方法をおすすめする理由は、優先順位を決めるための労力を最低限に抑えられること。

仕事のボリュームが多ければ多いほど、優先順位を付けるのは困難で、それだけに時間を要してしまうかもしれません。

この方法を使えば、たったの6ステップで簡単に仕事の優先順位が立てられます。

また前日に優先順位を決めておくことで、翌日の仕事の着手が早くなるというメリットもあります。

アイビー・リー・メソッドを上手く活用するコツは、「ひとつの仕事が終わるまで次の仕事に着手しない」こと。このポイントに気をつけて、ぜひ試してみてください。

3.優先順位付けが苦手な人のためのGTD

GTDは、優先順位づけが苦手な人のための仕事効率化のテクニックです。実は、GTDでは、そもそも優先順位付けを行ないません。具体的に見ていきましょう。

GTDとは、Getting Things Doneの略です。GTDを行なう場合は、まず全ての仕事を把握する必要があるため、全てのタスクをリスト化します。その後、リストに並んだタスクを「すぐ完了できる仕事」、「やらなくてもいい仕事」、「誰かに頼む仕事」の3つに分類します。

「すぐ完了できる仕事」はその場で着手し完了。「やらなくてもいい仕事」を不要なタスクとして手離したり、誰かに頼んだりすることで、手元には「じっくり取り組む仕事」だけが残ります。

あとはリストに残った「じっくり取り組む仕事」に着手するのみ。リストの定期的見直しや分類、整頓を繰り返すことで、常に最新の「やるべきこと」がわかるリストを持っていられるということになります。

GTDの考え方や方法を理解するためには、「GTD (Getting Things Done)とは?仕事に優先順位をつけない、斬新なタスク管理術をご紹介!」がおすすめです。

GTDが自分にあっていて、仕事の効率をあげる場合は継続して行い、GTDを続ける中で優先順位の必要性を感じたり、自分のキャパシティが掴めたりした時には、優先順位付けにも挑戦してみるといいかもしれません。

4.スパルタ式優先順位

最後に少しユニークな優先順位の方法を紹介します。崖っぷちにいる時や、敢えて過酷な環境に自分をおきたい時にお試しください。

やり方はとてもシンプルです。

まず仕事の優先順位を、「緊急」「通常」「手が空き次第」の3つにカテゴリーに分けます。

次に進め方ですが、「緊急」からやると「手が空き次第」のカテゴリーはいつまでも終わりません。

そこで、状況に応じて「手が空き次第」→「通常」→「緊急」、もしくは「緊急」→「手が空き次第」→「通常」の順に優先順位を付けることで、自分を逃げ場のない環境におき、結果全て終わらせることができるという、なんともスパルタな方法です。

ただし、「緊急」が終わっていないことで信用を失いかねないため、自分の限界には細心の注意が必要です。あくまで「獅子の子落とし」のような、究極の優先順位付けの方法ですが、火事場のバカ力が期待できるかもしれません。

まとめ

「時間だけは神様が平等に与えて下さった。これをいかに有効に使うかはその人の才覚であって、うまく利用した人がこの世の中の成功者なんだ。」という、HONDAの創業者である本田宗一郎氏の有名な言葉があるように、時間の使い方で仕事の効率が変わり、私たちの生き方が変わります。

限りある時間を有効に使うには、優先順位付けが非常に重要であり、優先順位付けが習慣になると、忙しい時も慌てずに仕事ができるようになります。

「自分がもう1人欲しい」「1日が48時間あったら」といっても、それは無理な話。

優先順位付けは「自分はひとりきり」「1日は24時間」でも、高いコストパフォーマンスを打ち出す突破口になるかもしれません。

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