2017 11月

チームの理想は何人? それぞれどういう役割があるのかを確認しよう

理想的なチーム人数について考えることは、組織論の世界でも活発に行われてきた研究です。果たして、最適人数は存在するのでしょうか? また、チームに必要な役割とは何でしょう?

チームは最大でも10名前後

「スパン・オブ・コントロール(Span of Control)」という組織原則では、理想的なチーム人数は10名前後であるといわれています。スパン・オブ・コントロールは、組織において上長が統制する範囲には限界があり、その限界を超えると組織の統制がとれなくなると論じる理論です。アマゾン創業者でCEOのジェフ・ベゾス氏が、最適なチームの規模は、食事がピザ2枚で足りる人数であるという「2枚のピザ理論」を提唱していることからも、10名前後はチームの適性値であるといえるでしょう。

チームの人数がそれ以上になってしまうと、リーダーがメンバーを管理することのコストも向上して、ディレクションという重要な職務にかけられる時間が制約されてしまう弊害もあります。また、メンバー同士でも、コミュニケーションの希薄化によって、チームワークに影響が出てしまい、業績低下に繋がるシナリオも考えられます。

それでは、もしチームが10名前後よりも多くなってしまった場合は、どうすれば良いでしょうか? ここでは、2つの対策について述べます。

チームを2分割する

これは最も手っ取り早いやり方です。チームを2つに分割して、それぞれにリーダーを置くことで、チーム人数の適正化をはかります。ただ状況によっては、その規模のチーム改革ができない場合も想定できます。

サブリーダーを置く

チームを2分割することが現実的に難しい場合、チーム内にサブリーダーを置いて、管理をリーダーと分担することで対応する方法もあります。チームの中にもう一つチームが生まれるような感覚ですね。これは、実行するハードルが低いため、状況に応じて柔軟に取り入れることができるでしょう。

以上、2つの対策も考慮しつつ、リーダーはチーム人数が10名前後になるように調整していきましょう。それが結果的にチームのパフォーマンスを向上させます。

人数を左右する要因

前の章では、チームの人数は10名前後が適性値であると述べました。しかし、現実的には、チーム人数の正しさは絶対的なものではなく相対的なものであるといえます。つまり、状況や文脈に応じて、最適なチーム人数は変化するということです。ここでは、チーム人数に影響を与えるファクターについて紹介します。次の表をご覧ください。

チーム人数 多い 少ない
業務内容 全員同じ業務 一人ひとり異なる業務
業務レベル 低い 高い
権限移譲 できる できない
業務管理手法 効率的 非効率的
教育 重要 重要でない
ITシステム 整っている 整っていない

それぞれの項目について解説します。

業務内容
メンバーの業務が全員同じかあるいはそれぞれ異なるかによって、リーダーの管理コストは左右されます。全員同じであれば、共通のフォーマットで一元管理できます。一方、それぞれ異なる業務をメンバーが行っている場合は、一人ひとりの作業にそれぞれ注意していなくてはなりません。

業務レベル
業務レベルが低ければ、リーダーの指示もざっくりしたもので良いですが、業務レベルが高ければ、ある程度具体的に指示を出して、経過を観察していかなくてはなりません。

権限移譲
メンバーに権限移譲することができれば、リーダーの負担も軽くなります。しかし、それが難しければ、リーダーの管理コストは上がります。

業務管理手法
業務管理手法が効率的であれば、リーダーの管理コストは軽減されます。非効率であれば当然、その逆です。

教育
チームメンバーを教育することが重要であれば、リーダーの役割は大きくなります。一方、教育に重きをおいていなければリーダーの負担も軽くなります。

ITシステム
ITシステムが整っていれば、効率的にメンバーを管理することができるため、管理コストは低いです。一方、整っていなければ、管理コストは上がります。

ここまで、チーム人数を左右する要因について、具体的に説明しました。チームの人数を決める時には、状況に応じて、対応するのもいいかもしれません。

スパン・オブ・コントロールの拡大

スパン・オブ・コントロールを拡大させる、つまり管理するチームメンバーの数を増やしながらもきちんと管理の手がいき届くようにするためには、どのようにすればよいでしょうか? ここでは2つの対策について考えます。

マネジメントを工夫する

チームメンバーを管理するために、マネジメント手法はとても大きな意味を持ちます。よって、効率的なマネジメント手法をチーム管理に導入することができれば、スパン・オブ・コントロールを拡大させることができるでしょう。当然、効率的なマネジメント手法を採用しても、それが実践されなくては意味がないので、マネジメント手法を実際に生かすリーダーのマネジメント能力の向上も同時に求められます。

高度な情報システムを使いこなす

昨今、チームを管理することを目的とした情報システムは有象無象に存在して、そのレベルもどんどん高度化しています。それらのシステムを導入することは、イニシャルコストがかかりますが、中長期的にみてリーダーの管理コストを低減させるので、適切な情報システムを導入することができれば、スパン・オブ・コントロールを拡大させることが可能です。ただこれもマネジメント手法と同様に、そのシステムを運用するスキルをリーダーが身につけてなければ不要の長物となってしまうので、学習するコストも計算に入れる必要があります。

チーム内の役割とは

最適なチーム人数を構成することも、非常に重要なトピックですが、それと同時に、チーム内における役割分担についても考えることで、より強いチームを作ることができるでしょう。ここでは、チーム内に求められる7つの役割について順番に説明したいと思います。

① 困難を突破する役割
チームを前進させるエンジンとなる役割です。ビジョンを決めて、メンバーを鼓舞して、困難を乗り越えていく役割、すなわち「リーダー」です。

② 作戦を考える役割
戦略を理論的に考えて、チームの進み方や障害となる問題について作戦や手順を考えるブレーンです。

③ 継続を促す役割
諦めずに粘り強く実行する役割です。どんな状況であってもコツコツと前進する姿をメンバーに見せることで、困難に直面してもチームが目標に向かって進むことができます。

④ 人の話を汲み取る役割
共感する役割です。チーム内はもちろんのこと、チームに関わるステークホルダーとも共感して、その気持ちの代弁者となり、その意見によって、チームに影響を与えることができます。

⑤ 仲間をつくる役割
とことん付き合う役割です。どんな状況であっても、チームメンバー全員のことを自分より優先して、傾聴して、人と人とを結びつけます。コミュニケーションの柱となる存在です。

⑥ アイディアを出す役割
独自の発想力で、既存のやり方に囚われない解決作を生み出します。共通の目的に向かう途中では、さまざまな問題に直面しますが、それらを解決するために、たくさんのアイディアを提示して、チームに希望をもたらします。

⑦ リスクに備える役割
「このままではいけない」と誰よりも早く気づいて、警告を発します。また、恐れていることが起きないように、早い段階で打ち手をとることで、チームを危機から救います。

以上、チーム内に求められる7つの役割について、紹介しました。あなたは、どの役割が向いているでしょうか? そう考えてみるのも楽しいかもしれません。

「チームの理想は何人? それぞれどういう役割があるのかを確認しよう」についてのまとめ

本稿では、理想的なチーム人数は10名程度であるという一般論を述べ、さらにチーム人数は相対的なものであること、スパン・オブ・コントロールを拡大させる方法について示しました。最後には、チーム内における7つの役割について解説しています。あなたのチームビルディングに参考にしてみてください。

プロジェクト管理&進捗管理の歴史と変遷を改めて知る

多くのビジネスパーソンの悩みの種でもある、プロジェクトの進捗管理。プロジェクト管理(マネジメント)についてのハウトゥー本がたくさん出版されていたり、社内で研修が行われる会社もあったりと、実際のプロジェクトマネージャーに限らず、多くのビジネスパーソンが気にしていることかと思います。また、近年たくさんのツールが開発・利用されている状態です。
そもそもプロジェクトの進捗管理とは、どのような経緯をたどり、今現在どのようになされているのでしょうか。今回はプロジェクトの進捗管理について、様々な角度から見ていきましょう。

プロジェクト管理の歴史

現在は体系的にまとめられ、運用されている場合も多い「プロジェクト管理」ですが、そもそも、「プロジェクト管理」というのはいつからはじまったのでしょう。

Microsoftによると、「現在行われているような形でのプロジェクト管理が始められたのは、わずか数十年前のことです。1960 年代初めから、企業や他の組織では、プロジェクトを中心に作業を編成することに利点を見出し始めました。」とのことで、ごくごく最近の概念のようです。

プロジェクト管理発祥の地であるアメリカで、プロジェクト管理という概念が生まれたきっかけは、大規模に人を動員する事業が発生したことでした。それは、1800年代後半から始まった大陸横断鉄道の敷設です。何百人単位ではなく何千人単位での作業員の管理や、膨大な資材の管理、そして刻一刻と変化する状況の管理が必要になったことから、これらの効率的な管理方法が模索されるようになりました。

しかし、この頃の「効率的」というのは、どうやってより作業員にたくさん労働をさせるか、という考え方だったため、1人ひとりの作業員により長時間、より厳しい労働を課す、という方向に考えられていたようです。まるでブラック企業です。

1900年代初頭に入り、徐々にプロジェクト管理の必要性が気づかれつつありました。プロジェクト管理の元と言える「科学的管理法」を提唱し始めたFrederick Taylor氏は、資材の移動や組み立てなど、労働を各部分に分解、分析し、作業に科学的な理由を与え、「効率的に作業する」という現代にいたる概念を残しました。そのため、彼の墓石には「科学的管理の父」と刻まれており、後述するHenry Gantt(以下ガント)氏などの実質的な師と言われています。

プロジェクト管理におけるツールの変遷と考え方の変化

では、このようにして生まれたプロジェクト管理のツールと考え方は、その後どのような変遷をたどってきたのでしょうか。

昔からよく使われるプロジェクトの進捗管理の手法であるガントチャートは、ガント氏により研究・開発されたもので、第一次世界大戦中に海軍で行われていた造船作業に使われていました。ガントチャートは約100年、ほぼ形を変えずに愛され続けたことから、ガント氏の研究がいかに完成されたものだったかというのがわかります。

また、20世紀中頃、第二次世界大戦中には、軍事的な面だけでなく、様々な面で人手が不足するようになり、多くの業界で業務の効率化が叫ばれるようになりました。それと同時に、複数の物事を同時進行させる、という事象が急激に増加したため、複雑なネットワーク図であるPERT図や、クリティカルパス法が取り入れられるようになりました。

それでも、何よりの変化はプロジェクト管理の際に使用するツールの進化でしょう。かつてはプロジェクト管理のためのツールには紙とペンを使うしかありませんでしたが、現在はもちろんパソコンがあります。パソコンによってプロジェクト管理は大幅に容易になったため、「プロジェクト管理」という概念が普及し始めたのもパソコンの普及と同時期になっているようです。

現代におけるプロジェクト管理&進捗管理のあり方

時代が進むに従い、ビジネスはどんどん巨大化し、複雑化してきました。Richard Johnson氏、Fremont Kast氏、James Rosenzweig氏の共著『The Theory and Management of Systems』では、ビジネスを人体組織にたとえ、それぞれ骨や筋肉、神経などその働きにより役割が異なり、かつ、全身がうまく機能しなければ回っていかないことを述べています。

また、現代のプロジェクト管理や進捗管理の方法と傾向としては、細かいタスクを積み上げて見積もりを立てていく「ボトムアップ プランニング」と、大きなタスクから分解し細かいタスクに切り分けていく「トップダウン プランニングおよびレビュー」のどちらかで管理される場合が多くなっているようです。

現代のプロジェクト管理

ここまで、プロジェクト管理や進捗管理方法の歴史的経緯をまとめました。
ただ試行錯誤し、研究しながら限られたツールや方法でプロジェクト管理や進捗管理を行っていた昔とは違い、現在では数多くの知識体系やツールがあります。

では、あなたがプロジェクト管理や進捗管理を効率的に行おうと思った際、実際にはどのような手段を取りますか? ハウトゥー本などで、ノウハウを学んで実践しようと考えるでしょうか。それとも、便利そうなツールを複数探し、試用・比較したうえで導入するでしょうか。

ノウハウを学ぼうとした際、プロジェクト管理について体系的にまとめられており、一番有名なのはプロジェクトマネジメント協会(PMI)発行のPMBOK(Project Management Body of Knowledge)になるかと思います。しかし、PMBOKの理論は、大人数向けの理論が中心となっているため、数人〜十数人のプロジェクトの場合、使える部分と使えない部分が出てくるかと思います。自分のプロジェクトに応用できる、と考えられる部分をしっかりと見極め、実行することが大切です。

また、ツールを利用してプロジェクトの進捗管理を行う場合、先にも書きましたがツールごとに向き不向きがあります。また、インターフェースの好みもあるでしょう。パッと見が好みだから、と使い始めると、実は海外産ツールで、ヘルプが日本語対応していなかった、という場合もあるかもしれません。有料か無料かもツールごとに異なっています。自分のプロジェクトが重視する部分は何なのか、しっかり洗い出してからツール選びを始める必要があるでしょう。

ノウハウを学んでプロジェクト管理をするにせよ、ツールを利用するにせよ、大切なのは「現状に合っているかどうか」です。自身のプロジェクトがどのような性質のものなのかしっかりと分析して見極め、直近で必要そうなノウハウをまず勉強したり、現状の人数や状態に適したツールを導入したり、ということが最も大切なのではないでしょうか。

「プロジェクト管理&進捗管理の歴史と変遷」についてのまとめ

時代ごとのビジネスに求められる要求を満たすことで発展してきたプロジェクト管理や進捗管理ですが、現代も進化を続けています。インターネットの発展により、ビジネスの形態も大きく変わり、より小さい組織でも大きなプロジェクトが動くようになりましたし、同じ事務所で働くわけではなくリモートで仕事をする人も増えつつあります。また、全ての仕事を社内でするわけではなく、パートナー企業に委託する、という業務形態も増えてきました。

ビジネスの業態や働き方が変化には、対応するようにプロジェクト管理や進捗管理の方法の変化が求められます。そのために必要と思われる知識体系やツール、アプリなどは日々研究・開発され、膨大な数となっています。現代では、自身のビジネスに何が必要なのか、しっかりと見極めたうえで、最も適切なプロジェクト管理および進捗管理をすることが求められているのではないでしょうか。

そもそも一人前に仕事ができるってどういうこと?

仕事において「一人前」になるとは、どういうことを指すのでしょうか? 現状、明確な定義は存在しないように思えます。いくつか具体例を提示することで、そのイメージを明確にしましょう。

いま働いている会社で3年以上やって一人前

社会人として「一人前」と認められるために、「3年間、同じ会社で働いたかどうか?」をみられることは多いようです。「3年間」という数字は、概ね一つのことをやり抜いたと認められる指標になってきました。例えば、高校の部活でも、引退まで3年間練習を続けたら、よく頑張った。逆に、途中で辞めてしまえば、根性なし。そのようにみられる風潮が社会全体に存在しています。

では、どうして3年間仕事を続ければ一人前と言われるのでしょうか? それは、「業務内容を覚えて、会社にとって黒字を出せる」社員になる一つの目安として考えられているからです。もちろん、個人差はあると思いますが、これほど「3年間、同じ会社で働くことが大事」ということが浸透している事実は、その妥当性を証明しているようにも思えます。

それでは、3年間、同じ会社で働くには、どのようなことに気をつけるべきでしょうか? 仕事を続けるコツを5つ紹介します。

自分に合う仕事をする

会社選びや部署を決める時に、自分の適性をよく考えて選ぶことが仕事を続ける上で非常に重要になります。もし、仕事をしばらく続けてから、「自分には向いてない……」と感じるようであれば、会社をすぐに辞めるのではなく、まず、現状を改善する術が、会社内にあるかどうか模索することも大事です。

他人と比較しない

他人と比較すると、「同僚が簡単に行なっていることが、自分にはできない……」と劣等感を感じてしまいがちです。そのように考えることはやめて、「他人と比較しても疲れるだけ」という意識で、マイペースに仕事をすることが大切です。仕事には、向き不向きがあるので、他人のことを過度に気にしないようにしましょう。

一人で抱え込まない

職場での悩みを一人で抱えこんでいませんか? 悩みがあるなら、上司や同僚あるいは家族や友人などにそれを相談してみましょう。一人で悩んでいても、つらくなってしまうだけです。他の人に相談してアドバイスをもらうことで、その悩みは解消されるかもしれません。他人を頼ることを覚えましょう。

小さな目標を決める

日々の仕事を遂行していく中で、小さな目標を設定することは大事です。例えば、ランニングをしていても、「最終ゴールまでまだまだ……」と考えるのではなく「まずは、いま見えている高いビルを目指そう」と考えて、それが終われば次の目標、というふうに小さなステップを積み重ねていけば、意外と長い距離を走ることができるものです。仕事でも、1週間単位でいいので、小さな目標を決めてみてはいかがでしょうか。

職場の人とほどよい距離感で働く

仕事を続けるにあたって、人間関係はとても大きな要素となります。無理に人と関わらなくてはいけないと考えるのではなく、自分にとって心地よい距離感で、人と接するようにしましょう。人間関係に悩みを抱えてしたとしても、それは時間が解決してくれることもあります。マイペースに仕事をしましょう。

以上、仕事を3年間同じ会社で続けるためのコツを紹介しました。すぐに実践できることばかりなので、ぜひ試してみて、一人前と世間に認められるように頑張っていきましょう。

全体の仕事を一通りできるようになって一人前

「全体の仕事を一通りできるようになれば一人前」という考え方もあります。


例えば、ウォーターフォール型のソフトウェア開発について考えてみましょう。ウォーターフォール型のソフトウェア開発には、「要件定義」、「設計」、「開発」、「テスト」、「運用」という5つのステップがあります。入社した当初は、「開発」や「テスト」という、言わば下流工程の経験しかなかったとしても、次第に経験を重ねるにつれて、上流工程である「要件定義」や「設計」に携わる機会も増えていきます。このように、一つの工程だけではなく全体の流れを一通り経験して、それぞれに対してきちんと成果を出すことができる人材になることができれば、一人前であるということができます。

全体の仕事を一通りできるようになるためには、現在行なっている業務以外の仕事であっても、積極的に関わっていく態度や姿勢が必要になります。いわゆる「コンフォートゾーン」を出る心構えが重要です。当然、最初は全然仕事ができなくても、ある程度経験を積めば、会社に貢献できる人材になっていくはずです。その挑戦を繰り返し行なうことで、どんな仕事であっても、一通りできるようになるでしょう。

自分で問題解決できるようになって一人前

一人前とは、「問題解決に関する手順や方法を一通り理解している人材」ということもできます。

担当した業務を自律的に遂行しながら、担当業務に関する問題が発生した時には、それを自らの手で解決できるようになる必要があります。

手順としては、顕在化した問題点を分析してボトルネックを見つけ、それがどのような状態に改善されなくてはいけないかを明確にして、そのギャップを埋めるための解決案をまとめあげて、実行するというプロセスになります。既知の問題であれば、従来のやり方で解決できることもあるでしょう。また、未知の問題であっても、自分あるいはチームで、論理的に問題点を整理して、打ち手を考えることができることができれば、一人前に仕事ができるとみなされるでしょう。そうなるためには、普段から問題が発生した時に「なぜこの問題が生じたか」について、深く思考する癖をつける必要があります。また、分析手法や解決手法についても、勉強するかOJTで覚えていくと良いでしょう。

自分で責任を負えるようになろう

最後に、「自分で責任を負える」ことの重要性について考えたいと思います。

仮に、一人前に仕事ができるようになっても、それが上司の庇護下つまり責任は上司に預けるという状況である場合、一人前になれたとはいえないでしょう。要するに、一人前になるとは、「自分で責任を負えるようになる」こと。そのためには、上司から与えられた仕事を遂行するという受動的な姿勢ではなく、日々の業務で発生した問題に対する改善点や解決策などを積極的に提案して、実行していく姿勢が求められます。その時は、結果に対しては、自分で責任を負うという当事者意識を持っていなくてはなりません。

「責任を負う」という意識は、マネージャー層には必須ですが、ただのメンバーであってもそのような意識を持って仕事を行なっていけば、必ず評価され、結果的に出世をしていき、役職的にも能力的にも、完全に一人前の人材になることができます。普段から、「責任を負う」意識を持って、業務にとりかかってみてはいかがでしょうか。

「そもそも一人前に仕事ができるってどういうこと?」についてのまとめ

本稿では、一人前に仕事ができることの定義を提示して、最終的には「自分で責任を負える」ようになることが、もっとも重要だと締めくくりました。

また、一人前になるためには、どうしたらいいのか? ということに関しても、それぞれ詳細に述べました。「一人前」という言葉はもともと曖昧なものですが、そのイメージを具体化できたでしょうか。

プロジェクト管理に役立つ! WBSの使い方とツール

みなさん、WBSを作って(使って)いますか? また、作ったWBSを活用できていますか? システム開発のプロジェクトに携わる人たちの間では、WBSについて「WBSを作って管理した方がいい」「WBSを作る暇があれば開発した方がいい」と賛否両論です。 そこで、今回はWBSを作ることでプロジェクトを本当に管理できるのか考えたうえで、WBSを作るときに便利なツールをご紹介します。

WBSの考え方〜WBSってどんなものですか?

システム開発をしている人にはおなじみのWBS(Work Breakdown Structure)は、その名のとおりWork:作業を、Breakdown:分解した、Structure:構成図です。

プロジェクト全体の作業を洗い出し、どんな作業があるのか、その作業にどのくらい時間(工数)がかかるのか、作業は誰が担当するのか、がリストアップされているものです。 システム開発では、このWBSを使ってプロジェクトが管理され、進捗確認にもよく使われています。

WBSの問題点とこれまでの歴史

WBSの作成は、プロジェクト全体の作業を洗い出し、5日以下のタスクに分解するところから始まります。システム開発の作業は膨大にあるので、このタスクの洗い出しに時間がかかります。そのため、「WBSを作る時間があれば1行でもプログラムを書きたい」というエンジニアが出てくるのは当然のことです。

また、WBSの作成にはExcelが使われることがよくあります。Excelは誰もが使い慣れたソフトウェアであり、計算式やマクロを組み込んで簡単にカスタマイズできるため、WBSの作成にも広く用いられているのです。ところが、Excelを使うことでWBSそのものが膨大になり、ファイルサイズが大きくて「ファイルを開くのに時間がかかる」、「少し操作して保存するのにも時間がかかる」といった不満もよく聞かれます。

さらに、Excelファイルで作られたWBSを更新することがメンバーの負担になる、という場合も多いです。結果として、PM(プロジェクトマネージャー)が進捗確認するのにも負担になり、顧客への進捗報告のためだけに毎週1回WBSを更新している、ということもよく聞かれます。これでは何のためにWBSを作っているのかわかりません。

WBSの導入事例

WBSは作業の洗い出しから始まります。ただ、作業の洗い出しといってもどこまで細かく洗い出すかは人それぞれです。その上、作業のヌケ、モレも出てきます。

そこで、「成果物(作るもの)」を軸に構造化を考えていきます。

スコープを洗い出す

スコープを洗い出すためにはマインドマップを使うといいでしょう。ただし、絵を描く必要はありません。必要な成果物を洗い出すために、マインドマップを使うのです。この時に洗い出す成果物はドキュメント(資料や設計書)だけでなく、機能ベースに考えると書きやすくなります。

例えば、
ユーザー登録画面
 - 基本情報入力画面 - 画面設計書
 - 詳細情報入力画面 - 画面設計書

といった具合です。

こうしておくとユーザー登録画面は2つの画面があり、それぞれに画面設計書を作る必要がある、ということがわかります。

依存関係を意識して並べる

どの作業にも「これが終わらないと始められない」「これが決まらないと始められない」という依存関係があります。これを意識してタスクを並べます。

まずは工数と日付、担当者を置いてみる

まず、工数と日付を置いてみます。最初は、○○はいつまでに欲しい! とお客様から希望が出されている、といったことは、いったん無視します。まず工数と日付を置いてみましょう。

このときに合わせて担当者も入れておきます。なぜかというと、タスクによっては作業できる人が限られていることがあるからです。作業できる人が限られると、ボトルネックになる可能性が出てくるため、担当者も合わせて考えるといいでしょう。複数の担当者がいる場合は、主担当と副担当と分けて書いておきます。主担当が誰かを明確にしないと、誰もやってない、という状態に陥ることがあるからです。

バッファを考える

プロジェクトが遅れる理由に、「各自がバッファを持って作業する」ことが挙げられます。そこで、バッファをおもてに出します。おそらく進捗状況を週次で確認して報告することが多いと思われるので、週単位で0.5人日程度持っておきます。

プロジェクトは必ず「想定外」の出来事が起こります。作業だったり、想定していた実装方法がうまくいかずに調査が必要だったり、エラーが起こったり。そういったものをこの「バッファ」に取っていた時間を充てるようにします。

その代わりに各タスクの工数にはバッファは含まないようにします。こうすることで、「早めにできそうだけど、予定まで時間があるからゆっくりやろう」「早めにできたから、ちょっとおまけの機能もつけよう」といった無駄な作業が減ります。

クリティカルパスを意識して、スケジュールを調整する

いったん日付を置いたWBSを見てクリティカルパスを確認します。そうすると、マイルストーンで想定した日がずれる、納期に間に合わない、ということがわかるかも知れません。

ここで可能であれば、お客様とスケジュールを調整してみます。なぜスケジュール調整の必要があるのか、開発者の問題なのか、決めるべきことが決まっていないことが問題なのか、調整の理由をお客様と共有します。

進捗の把握は「成果物」で把握する

WBSの進捗をパーセンテージで報告するときに「50/50(着手したら50%、完了時に100%とする)」や「0/100(完了時にのみ100%とする)」など進捗度合を報告する数字はいろいろルールがあります。

ただし、これらのルールだと実際の進捗と乖離(かいり)することがありますので、実際にどこまでできているのか、で報告をしてもらうといいでしょう。

独りよがりで作らない

WBSを作るPM(プロジェクトマネージャー)やリーダーといった人たちは、もちろんそれなりの経験があります。そのため、「自分が作ったものは正しいだろう!」「前と同じようなシステムだから、今度も同じような工数でできるはずだ!」といった思い込みが出てくることがあります。

そんな独りよがりなWBSにならないように、「三人寄れば文殊の知恵」で複数の人でWBSを作りましょう。そうすれば他の人が気づいてくれるところもあり、精度も高くなるでしょう。

テンプレートやツールの比較

Excel Apps

Excelで使うWBSのテンプレートです。進捗を表すイナズマ線も描くことができます。色なども自分で変更できますが、シートの作りに慣れる必要があります。マニュアルがあるため、よく読んで使用する必要があります。
https://exl-apps.jimdo.com/ガントチャート-free/

Brabio!

最大5名まで無料のソフトウェアです。製品ページでも「初心者専用」とうたっているので、直感的にも使いやすいツールでしょう。ガントチャートも作成できます。
https://brabio.jp/

Edrwa 視覚化作図ソフト

WBSも作業分解図や構成図、マインドマップも描けるソフトです。それぞれテンプレートが用意されています。無料体験もできるようですが、基本的に有償のツールです。製造元は香港の会社のようで、ホームページの日本語が少し不自然な訳になっている部分もあります。
https://www.edrawsoft.com/jp/workbreakdownstructuresoftware.php

Excel、フリーソフト、有償ソフトとご紹介しましたが、それぞれに一長一短があります。カスタマイズしやすいほうが良いのか、ガントチャートなどさまざまな機能があったほうがいいのか、など、何に重きを置くかで選ぶといいでしょう。

ちなみに、Excelテンプレートは、フリーのものを使うとマクロ部分にロックがかかっていることが多いため、カスタマイズが難しく、テンプレートに合わせないといけなくなるので注意が必要です。

もちろん、Microsoft ProjectやTrello(トレロ)といったプロジェクト管理ソフトもあります。どこまで管理をしたいかを考えて、適切なものを選びましょう。

「プロジェクト管理に役立つ! WBSの使い方とツール」についてのまとめ

全体がぼんやりとしかわからないまま開発を進めてしまうと、今どこまで進んでいるのか、進捗状況はどうなっているのかがわかりにくくなってしまいます。また、作業が早い特定の人に作業が集中しがちになります。

そのため、WBSを使って誰が何をするのか、どの程度進んでいるのかを把握することが大切です。新しいプロジェクトになるたびに、WBSを1から作り直す必要はありません。前に使っていたものから必要なタスクを残し、不要なタスクを消していけばいいのです。WBS管理は特定の人しかできない作業ではないですし、もちろん力仕事ではありません。手を抜けるところは抜いて、ツールの力を借り、気楽に取り組んでいきましょう。

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プロジェクトマネジメントの手法とは? 代表的な手法と事例を解説

プロジェクトを成功に導くためには、適切なプロジェクトマネジメントが欠かせません。しかし、プロジェクトマネジメントと一口に言っても、そこにはさまざまな手法が存在することをご存知でしょうか。プロジェクトマネジメントの手法は、プロジェクトマネージャーではなくとも、その手法や考え方は日々のタスク運用に取り入れたいものばかりです。ここでは、基礎的なプロジェクトマネジメント手法の種類について、初心者にも分かりやすくご紹介します。

プロジェクトマネジメント手法の変遷について

プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを達成するために予算やスケジュール、人員リソースなどを管理することを指します。それを実行するのがプロジェクトマネージャー(PM)の役割であり、計画書の作成やメンバーのスキル把握、進捗確認などその業務は多岐に渡っています。そのため豊富な経験や高度なスキルが必要とされ、プロフェッショナルのプロジェクトマネージャーになるための資格や試験もあります。

もともとプロジェクトという言葉は、国家的なレベルの大規模な活動を指すことが多かったようです。品質やコスト、納期などの管理は単純にプロジェクトに付随する要素と捉えられ、独立したものではありませんでした。その後、冷戦時代のアメリカ国防省が、軍事プロジェクトのスピードアップを目指してプロジェクトマネジメントの手法を開発したことにより、現在のようなプロジェクトマネジメントの概念が確立したと言われています。

代表的な手法と、そのメリット・デメリット

プロジェクトマネジメントの手法には多くの種類がありますが、ここでは代表的な3つの手法についてご紹介します。

CCPM

CCPMは「クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント(Critical Chain Project Management)」の略で、比較的大型のプロジェクトにおいて、確実にスケジュールの達成を目指す管理手法です。

プロジェクトの各タスクのスケジュールや予算を最低限に抑え、その分で生じた余裕をプロジェクトそのもののバッファに充てておきます。それぞれのタスクにバッファを設けてしまうと、どうしてもバッファを含んだ計画で作業をしてしまい、全体のスケジュールが間延びしてしまいます。CCPMで管理するとそういったことを防ぐとともに、結果としてスケジュールを短縮することにもつながります。また、もし作業が遅れてしまっても、最終的なバッファを消費することで調整できるというメリットがあります。

しかし、そのためにはバッファを持たせられるだけのスケジュール作成が必要となり、どの程度のバッファを設定するかにもマネージャーの力量が問われることになります。

ウォーターフォール

その名の通り、水が上から下に流れるように作業の工程を順番に進行していくという手法です。例えば、要件定義から設計、開発、テスト、運用……というようにあらかじめ時系列順に工程を設定し、それを一段階ずつ進めていきます。システム開発などの分野では古くから使用されてきた考え方です。

比較的長期間にわたるプロジェクトにおいては全体の進行状況の把握がしやすいのがメリットですが、途中で方針が変わった時に変更や後戻りしにくいというデメリットもあります。

アジャイル

アジャイルとは「すばやい」という意味で、「イテレーション」と呼ばれる1〜4週間単位の短い期間でプロジェクトを区切って管理するという手法です。イテレーションごとに達成目標を明らかにして作業分担や計画を設定し、そのイテレーションを繰り返すことでプロジェクト全体を進めていきます。

途中での仕様変更をすることを前提としており、要望や方針の変化にも柔軟に対応しやすいというメリットがありますが、全体的な進捗管理が難しいというデメリットもあります。そのため、全体のスケジュールを意識することが重要であり、比較的短期間のプロジェクトにおすすめです。

成功している最新の事例紹介

プロジェクトマネジメント手法の適切に活用することで、プロジェクトを成功に導いている企業は多数あります。実際にどのようにプロジェクトマネジメントに取り組んでいたのか、具体的な事例について見ていきましょう。

あるソフトウェア開発会社の事例

プロジェクト進行が各メンバー任せになっていたところ、納期ギリギリに遅れが発覚。それを機にプロジェクト管理にCCPMを導入しました。それによりメンバーそれぞれのリソース状況やマルチタスクを把握できるようになりました。誰にリソースの負荷がかかっているのか、プロジェクトの遅れ具合が明確になったことで、他メンバーへの調整などの対策が打ちやすくなりました。

あるアプリケーション開発会社の事例

市場のニーズに合わせて必要な機能や仕様がつねに変化していくようなインターネットサービス会社は、アジャイルを採用した開発スタイルとの親和性が高いと言えます。

ある小規模のアプリケーション開発会社ではチームメンバーの人数も少なく、少人数で短い作業工程を繰り返すアジャイル手法により開発を進めていきました。それによってチーム内でコンセプトの確認やクオリティのチェックを頻繁に行うことができ、プロジェクトの開発もスムーズに行なえたということです。

このような小さいオフィスでは、意識しなくても普段からアジャイルの手法を取り入れたプロジェクトマネジメントをしているかもしれません。

「プロジェクトマネジメントの手法とは? 代表的な手法と事例を解説」についてのまとめ

プロジェクトマネジメントの手法はあくまでプロジェクトを完成に導くための方法の一つであり、そこに正解はありません。

プロジェクト達成にとって何が最適かを見極めることが重要であり、プロジェクトの種類や規模、メンバーのスキル、使用するツールなどによっても変わってきます。

PDCAが仕事の基本、うまくPDCAを回すコツ

プロジェクト達成の近道はPDCAを回すことと心得ましょう。プロジェクトにはトラブルは付きものです。しかし、うまくPDCAを回すことができれば、トラブルによる被害を最小限に抑えることができます。

PDCAは、まず計画づくりから始めよう。


PDCAについて聞いたことがあるという人も多いと思いますが、ここで改めて基礎事項を確認してみましょう。

PDCAとは、 PLAN(計画) → DO(実行) → CHECK(検証) → ACTION(改善) というサイクルを回すことで、課題の解決や状況の改善を図るビジネスフレームワークの一種です。それぞれのアルファベットの頭文字をとってPDCAと呼ばれています。

一見シンプルに思えるフレームワークですが、実践してみるとなかなか難しいものです。あなたは、どのフェーズがもっとも難しいと考えますか? 恐らく、「CHECK」と答えるのではないでしょうか。計画を立ててそれを実行することは多くの方がすでに行なっていると思いますが、それらの活動を振り返る時間を十分に設けているという方は少のないではありませんか?

そのため、「CHECK」に注力していけば、PDCAは上手くいくだろうと考えてしまいがちです。確かに、「CHECK」がなければPDCAは機能しないので、これは重要なフェーズと言えます。しかし、それだけに注力しても、PDCAサイクルをうまく回すことはできません。というのも、「CHECK」が上手くいかないときは、「PLAN」の段階で躓いているということが非常に多いのです。つまり、「PLAN」の時点で曖昧な計画しか立てていないと、「CHECK」をしたくても精度が粗くなり、「ACTION」につながっていかないという事態に陥ってしまいます。

「PLAN」のゴールは、明確で測定可能なものでなくてはなりません。そうでないと、洗い出す課題や取るべき方向性を見失ってしまうので気を付けましょう。ここまで述べたように、「PLAN」こそがもっとも重要なフェーズであり、PDCAの成否を決めるといっても過言ではないでしょう。「PLAN」の段階で目標を数値化した綿密な計画を立てることができれば、その後のフェーズにスムーズに取り掛かることができるのです。

「役割分担」ができているか?

「PLAN」で目標や課題に対する戦略が策定されたら、それらを複数のアクションに分解して、さらに実行可能な単位であるタスクに落とし込む必要があります。目安として、40時間以内に完了できる作業をタスクとしましょう。そして、それぞれのタスクに対して担当者を割り振り、責任を持たせます。

役割分担をする時に気をつけるべきことは、人材の配置が適材適所で行なわれているのかということです。「仕事なのだから、どんな仕事でもきちんと完了させろ」と言う方は簡単ですが、人間にはやはり一長一短があります。もし、メンバーが苦手としている仕事を機械的に割り振ってしまえば、部下のモチベーションを低下させるだけではなく、生産性も上がらず、チーム全体としてマイナスの影響を受けることになります。そのため、役割分担はメンバーの個性を十分に活かせるような形で行なうことが理想的です。個性を尊重するためには、リーダーがメンバーと常日頃から良好なコミュニケーション関係を築いていることも求められます。

また、役割分担は「DO」フェーズにのみ必要なわけではありません。「CHECK」や「ACTION」フェーズでも、リーダーは部下に積極的に責任を委譲して、マネジメントする必要があります。PDCAサイクルの全体で、特定の業務を一貫して担わせることにより、部下の専門性も高まります。さらに、結果に対してコミットメントさせる姿勢も養うことができます。これは、単純に仕事が上手くいくというメリットだけではなく、部下を成長させる効果も見込めるため、中長期的にみて費用対効果が高いやり方だといえます。

5W2Hで考えて、進めていくこと

PDCAを推進していくためには、「5W2H」をハッキリさせておく必要があります。「5W2H」とは、情報をヌケ・モレなく論理的に分類してまとめる方法のことです。概要を一覧にまとめました。

それぞれの意味については、以下の表を参照してください。

  • WHEN(いつ) 時間や期限のことです。計画を時間軸の上におきます。
  • WHERE(どこで) 広義の場所を指します(オフライン・オンライン)。
  • WHO(誰が) 「誰が?」「誰と?」を明確にします。
  • WHAT(何を) 仕事の内容のことです。
  • WHY(なぜ) 目的や理由を明らかにします。
  • HOW(どうやって) 方法や手段を指します。
  • HOW MUCH(どのくらい) 費用やコストを意識します。

5W2Hで考えることで、目標や課題に対して、具体性・網羅性を持たせることができます。これは、PDCAのどのサイクルにおいても重要になります。特に、5W2Hはコミュニケーション伝達(情報のやり取り)を効率的に行うフレームワークですので、PDCAのいずれかで躓いてしまって、それを上司に相談したり、会議で問題共有をしたりする際にとても役に立ちます。5W2Hを習得するためには、通常の業務やちょっとしたやり取りでも、その考え方を取り入れてみることが肝心です。PDCAを効率よく回すために、5W2Hは不可欠な存在といえます。

チーム全員で取り組むことができているか

チーム内での役割分担については既に説明しました。ここでは、PDCAにチームが一丸となって取り組むためにはどうすればいいか? について考察します。

そもそも、PDCAに関する誤解の一つとして、PDCAサイクルは単一であると考えている方も多いようです。しかし実際は、PDCAサイクルは一つのプロジェクトでも複数回っている状態が正しいのです。そして、各PDCAサイクルは階層構造を持ち、より上位なPDCAや下位のPDCAが存在します

具体的には、プロジェクト全体の目的や課題は、上位のPDCAサイクルで対応します。一方、タスクレベルの問題では、階層構造の下の方にある小さなPDCAを回すことが求められます。チームメンバーは主に後者のPDCAサイクルを回すことが、日常的な業務となるでしょう。しかし、PDCAをチーム全体として推進するためには、チームメンバーも上位のPDCAサイクルを念頭においておかなければなりません。なぜならそれを理解していないと、自分が今行なっている小さなPDCAが大きな文脈の中でどの立ち位置にあるのかを把握することができないからです。

これでは、チーム全体がPDCAサイクルに取り組めているとは言えません。この問題に対処するためには、チームリーダーがメンバーに対して、タスク単位の視点のみではなく、より上位の視点を持たせるために、正しいマネジメントを行う必要があります。例えば、メンバーが課題を相談してきた時に、「この課題が解決することで、どうプロジェクトにとってプラスになりますか?」や「あなたがリーダーなら、どのようにこの課題に取り組みますか?」など、視点を引っ張り上げるようなコミュニケーションをとることなどが考えられます。

メンバーは、自分の仕事がプロジェクトでどのように重要かといった視点を意識することで、日々のモチベーションも上がりますし、生産性も上がるでしょう。これは、プロジェクトにとって大きなプラスになります。結論としては、リーダーはメンバーの意識に対して注意を向けて、もし問題があると感じたら、それを改善するアクションをとることが求められます。そのことで、それぞれのPDCAサイクルが正しく回るようになるでしょう。

「PDCAが仕事の基本、うまくPDCAを回すコツ」についてのまとめ

PDCAサイクルを回すことは、どの仕事においても重要です。本稿ではまず、PDCAの要である「PLAN(計画)」の重要性について述べました。PDCAの成否は「PLAN(計画)」次第ともいえます。それから、チーム内でPDCAサイクルを推進していくために必要な役割分担やマネジメント方法についても言及しました。そして、著名なフレームワークである5W2Hについて説明。PDCAに生かすためには? という視点から、解説しました。「いまさら、PDCA?」と思う方もいるかもしれませんが、PDCAはシンプルで強力なフレームワークですので、学ぶ価値は十分にあります。ぜひ、本稿の内容を参考にしてみてください。

最強のチームビルディングのための秘訣とひとつの注意点とは?

あなたはチームビルディングの重要性を感じるときがありますか? 仕事で大きな成功を収めたいと思っているのならば、仕事を一人で行なうのではなく、すぐれたチームを作って進めましょう。一人の力で仕事を成し遂げるよりも、より大きな力を発揮して大きな結果を得ることができます。あるいは、すでにチームメンバーとして動いているが、チームビルディングの難しさに手を焼いていませんか? チームメンバーのひとりひとりは、よいチームを作り、向上したいと願っているのに、なかなかうまくいかない……そんなときに役に立つチームビルディングの秘訣について、アメリカのライフハック記事5tips For Better Team Buildingを参考にご紹介していきます。

チームにはいろいろな種類や目的があります。一般的な仕事のほか、バンド、スポーツチームでも、目標と熱量を共有して成功をつかむために、人はチームをつくります。よりよいチーム作りは、すばらしい結果や、人生における大きな喜びをもたらしてくれるものです。

自分よりも優秀な人物、尊敬できる人物をメンバーにいれよう

もしあなたがチームを作る立場にあるならば、チームメンバーには、自分よりも能力が優れていると思う人を誘いましょう。

あなたがチームの成果を評価される立場の場合、ひとつ気をつけなければならないことがあります。チームのなかで、自分を一番仕事ができる人物にして、他のチームメンバーには、自分よりも能力が低く、仕事を頼みやすい人や仕事を引き受けてくれそうな人を選び、評価をすべて自分のものにしようとするのはやめましょう。そのような行動をしている限りでは、仕事の成果は予想できる程度のものになるでしょう。そして、リスクもあることを忘れないでください。

もし、あなたが尊敬できないと感じている人物をチームに入れてしまうと、その態度は隠さなくても、おのずと現れてしまうときがあります。それは、仕事の進行に妨げがでる可能性もあるでしょう。自分よりも力量がないと感じる人をメンバーに誘ったりすべきではありません。よいチームを作りたいと思っているならば、尊敬できる人物を選び、仕事のひとつひとつから学びを得られるようにしましょう。

そうすれば、チームでの仕事に学びを感じ、最大限の成長を感じられるようになれる可能性が高まります。自分よりも能力がある人たちや、自分にはない能力を持っている人たちに囲まれて仕事をしましょう。そして、目標を常にアップデートし、お互いにスキル向上ができているか確認してください。きっとチームに所属していることに誇りを感じ、毎日の仕事に充実感を覚えられるようになることでしょう。

リーダーを一人にしぼらない

これまでの会社にみられるような、伝統的な管理体系は、チームを作る上では意味をなさない場合があります。

小規模なチームでは、創造性が発展への重要なポイントです。チームが小さいことのメリットは、少人数のためフットワークが軽く、様々な行動を試すことができることです。もしそのチームに管理を行うだけのメンバーを作ってしまうと、メンバーの行動についていけなかったり、フォローがうまく行かなかったりする可能性があります。小規模のチームを構築する場合、お互いがリーダーのように行動し、フォローアップし合えるような関係をつくりましょう。お互いが自分の行動に責任をとれるようにすれば、同時にメンバー同士の自発的アクションを生み出し、成長しあえることができるでしょう。

質のよいブレインストーミングを定期的に行おう


あなたは、チームでよくブレインストーミングを行っていますか?

「ブレスト」と呼ばれ、ビジネスにおいて定着しているブレインストーミングですが、原則を理解できているでしょうか。この「脳の嵐」の意味をもつ言葉の生みの親は、1960年代にアメリカの広告代理店にて経営幹部を務めた、アレックス・オズボーンです。広告代理店のような職種では、一般論や原則からはずれた斬新なアイディアが必要なときがたくさんあるので、この言葉ができたであろうことも容易に想像できますね。

皆が当たり前のように行なっているブレーンストーミング。つい忘れがちな4原則をここに紹介します。

  1. 質より量を重んじる。
  2. 突飛な案を排除しない。
  3. 他人の案を「けっして」否定しない。
  4. 他人のアイデアに乗り、発展させる。

参考 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20140725/408963/

ブレインストーミングは、目標や目的を明確にしながら、お互いの考えも理解できる大事な機会です。もしチームが通常バーチャルで活動しており、なかなか直接ブレーンストーミングの機会を持てないのならば、実際に膝をつき、ブレーンストーミングを行える貴重な機会を逃さないようにしてください。できるだけその機会を定期的にもうけるか、あるいは集まることがかなわくても、チャット形式で使用できるアプリケーションなどを駆使して、ブレーンストーミングを行ない、アイデアや方向性、目的をすりあわせましょう。

直接でも、バーチャルでも、ブレーンストーミングを予定にいれておきましょう。そうすればその日までに、メンバーどうし課題をおさえておき、クリエイティブな解決方法をブレーンストーミングで話し合うことができます。

チームに本当のことを指摘できる人を加えよう

状況を正しく見極める判断力と、誠実さを兼ね備えている人材がいれば、その人物は重要なチームメンバーになりえます。

言いづらいこと、マイナスの意見など、問題点を指摘されたときに、それを受け止めることができたならば、そのチームは前進できるのです。あなたも、本物のチームを作り、そのチームで最高の仕事をしたいと考えているならば、まずその一歩として、誠実さをもってあなたの意見を表現するように心がけてください。

例えば、バラエティ番組において、昔は大変面白かったが、今は新鮮さもなく、内輪うけの笑いを提供し続けているコメディアン。いまや売れっ子で大物となったコメディアンの周囲には、イエスマンしかいない……残酷にも、気づけば時代に取り残されてしまうことは明らかです。コメディアンは、その笑いが本当に面白いのかを指摘してくれる人材をチームに入れなくてはなりません。あなたがコメディアンでなくても、チームビルディングの要ともいえる、誠実な人材をチームに入れる判断ができるのがあなただとしたら、あなたはどう行動しますか?

そして幸いにも誠実な人材が集まったときに、自分の意見に反対されたり、鋭い指摘をされて気分を害してしまっても、それはチームとして重要なことであることを忘れないでください。メンバーが、あなたとは違った意見を持っていることは、成功への貴重な道筋へとなり得るのです。あなたがチームを構築するときは、貴重な意見をメンバーひとりひとりが表現しやすくなるように、言いやすい雰囲気をつくるよう心がけましょう。

チームメンバーを家族のように扱おう

チームを作る上で最も大事なことは何でしょうか。それは、自分の家族のようにチームメンバーを大事に扱うことです。

優れたチームを作るためには、信頼関係が欠かせません。信頼を得るためにも、チームメンバーを大切に扱いましょう。信頼関係が育っていれば、決断が必要なときにも、アドバイスをしあえるので、自信を持って決断をすすめることができるはずです。
そして家族同様のチームで働くことの喜びを感じられるようになれば、単なる仕事だと思っていたことも、大きな価値や幸せをもたらしてくれることでしょう。

「最強のチームビルディングのための秘訣」についてのまとめ

チームメンバーを家族的に扱い、チームの雰囲気を良くし、チームの居心地を良くする、そういった上記のアドバイスは非常に大事なことです。しかし同時に忘れてはならないのが、チームの居心地を良くすることをチームの目的にしてはならないということです。チームで飲みにいったりなどし、コミュニケーションがうまくいき、雰囲気が良くなることはすばらしいですが、仲良しチームで群れているだけで、結果や成果を残せないようであれば、本末転倒です。

あくまでも、チームビルディングとは、タスクを解決し協力しあいながら新しい価値を創造し、メンバーひとりひとりが成長し合えるためのものであることをいつも頭に入れておいて下さい。

すばらしいチームを作り、そこで満足のいく結果を成し遂げましょう。その経験は、仕事上だけでなく、人生においても大事な経験となります。あなたがすでにチームに属しており、自分に足りない指針を見つけたならば、この記事をぜひ参考にしてみてください。

「理想」(目標)を明確にするところから、仕事の質向上が図れるのだという真実

マネジメントの先達でもあるドラッカーも、高い目標設定と自己管理の重要性を繰り返し説いていました。理想(目標)と現実のギャップを埋めるために、正しい目標管理の方法を学んでいきましょう。

目標を掲げる意味を問い直す

目標を立てることは大事。一見、当たり前のことのように感じます。ただ、そこで一歩立ち止まって考えてみてください。「なぜ目標を立てることが大事なのか?」と。あなたはこの質問に即答できますか? きっと、頭を抱えてしまう人も多いのではないでしょうか。ここではまず、目標を立てる前に、「そもそも目標を立てる理由は?」という問いに答えたいと思います。その理由は、大きく分けて3つあります。順番に説明していきます。

結果を残すことができる

仕事で結果を残すためには、高い目標設定が不可欠です。それは、なぜでしょうか? 話をマラソンに例えて考えてみましょう。あなたは、「何も考えず、ただ漫然と走っているランナー」と「〇〇時間以内にゴールするためには、どうするべきか、常に考えているランナー」どちらが良い結果を残すことができると思いますか? 勿論、後者ですよね。このことからも、明確な目標を掲げて、それを達成するために今何をすべきかを把握している人は、強いといえます。

モチーベーションアップにつながる

目標という大きな方向性があると、「そこに向かって頑張るぞ!」という風に、モチベーションを上げることができます。もし目標がなければ、「なぜ、こんなことをしなくちゃいけないのかわからない……」と、やりがいを感じにくくなってしまいます。目標を立てることは、精神的にも大きなプラスになることを知っておきましょう。

時間の使い方が上手くなる


目標を立てると、時間を有効利用することができるようになります。なぜなら、「目標を達成する」という明確な軸があるおかげで、やるべきこととやらなくてもいいことを分けることができ、やるべきことは「いつ、どのくらいの時間で」完了させる必要があるかということが明確になるからです。これによって、余計な作業をすることもなく、メリハリをつけて、仕事をすることができます。

以上、目標を立てる意味について解説してきました。納得できましたでしょうか。ここで忘れてはいけないことは、「適切な目標を立てる」ということです。確かに、大きな夢を描くことは大切なことです。なぜなら、すぐに達成できてしまうことを目標にしても、大きな成長は得られないからです。しかし、その夢つまり目標が自分の現在のレベルとまったく適合していなければ? それは、ただの絵に描いた餅になってしまいます。そこで、次の章では、適切な目標の立て方について説明します。

SMARTな目標がイイわけ

目標を立てて、それに向かって努力をしても、なかなか目標を達成できないということはよくあることです。それは、努力が足りなかったからでしょうか? そうとも限りません。そもそも、目標の立て方から間違っていたというケースも多いです。

目標を立てることは、簡単そうにみえて、実際にやってみるとなかなか難しいものです。目標が大きすぎたり、目標が漠然としすぎていたり……。ここでは、目標を立てるコツを説明したいと思います。それは、「SMART(スマート)の法則」というフレームワークを利用することです。SMARTとは、目標を立てる時に重要な5つの要素の英語の頭文字をとったものです。それぞれの要素は、以下の通りです。

  • Specific = 具体的な
  • Measurable = 計測可能な
  • Achievable = 達成可能な
  • Realistic = 現実的な
  • Time-bound = 時間制約がある

目標に必要な要素は「SMARTの法則」にすべて詰まっています。このフレームワークに則った上で、目標を立てれば誰でも、適切な目標を定めることができます。特に重要なことはといえば、具体的な数字を意識することです。数値目標があれば、自分の達成具合を計量的に測ることができます。それは、日々のやりがいにもつながるでしょう。「SMARTの法則」を試したことがない方は、積極的に活用してみてください。

成功体験を積み重ねよう

「SMARTの法則」を利用して、正しい目標を設定することができたら、次にするべきことは、目標を分解することです。

目標は細分化されることで、より具体的に期限を設けることができます。そして、とても大事なことは、小さな成功体験を積み重ねることです。最初は、簡単な目標であっても、達成を繰り返すと、自己効力感が高まってきます。自己効力感とは、自分に対する信頼感や有能感、「自分ならできる」と感じることです。また、気が乗らなくても、とにかく、始めてみることも重要です。すると、自然とやる気が出て、どんどん仕事が捗ることがあります。この現象は、「作業興奮」と呼ばれています。つまり、細分化された日々の目標を次々と達成していけば、勢いもついて、全体目標の達成に大きく貢献するということです。

ただ、常にモチベーションを高く保てるかというと、そうでもありません。日によっては、どうしても気が乗らない時や集中できない時も、あるでしょう。そういったことを含め、目標を掲げてレベルアップを続けるには、どうすればよいのでしょうか? 次の章で説明します。

レベルアップを続けるために

自分で決めた目標を達成していくと、どんどん成長することができます。自分が成長していると実感できることは、何にも勝るモチベーションとなります。ただ、何事においてもそうですが、継続性は重要です。気分によって、大きくムラがあったり、やる気がなくなってしまったりすることは、人間であれば、あって当然のことでしょう。ここでは、目標達成を継続的に行うための工夫を紹介したいと思います。それは、2つあります。

KPIを設定する

KPIとはKey Performance Indicatorの略称で、重要業績評価指標と訳されます。日本語訳をみると、複雑そうな印象を受けますが、ざっくり言ってしまえば、最終的な目標に達するための「中間目標」です。当然、KPIは定量的に測れるものでなくてはなりません。KPIを立てることで、小さいけれど明確な目標を常に意識することができます。さらに、KPIを達成できなかった時も、短いサイクルで検証を行うことが可能です。目標を管理する時には、踏まえておきたい要素の一つです。

目標を宣言する

目標を宣言すること、つまり、目標を人に言うことは、継続的な努力を続ける時に、重要になります。宣言してしまったことは、達成しないと面目が立たないため、自ずと目標達成に一生懸命になります。そして、周りの人から助言をもらうことや応援してもらえることも、継続的に活動する上で、非常に励みになります。ぜひ、目標を宣言して、有言実行してみてください。

目標に向けて努力するための参考になりましたでしょうか? 「継続は力なり」です。ぜひ、レベルアップを続けるために、紹介した2つの工夫を実践してみてください。きっと、結果は変わってくると思いますよ。

「「理想」(目標)を明確にするところから、仕事の質向上が図れるのだという真実」についてのまとめ

本稿では、まず「そもそも目標を立てる意味とは? 」という疑問に対する答えを明確にしました。

そして、具体的な目標の立て方について、「SMARTの法則」というフレームワークを利用する方法を紹介しました。また、小さな成功体験を積み重ねることの重要性や継続的に努力を続けるための考え方・工夫を解説しました。目標管理に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

複数のプロジェクトを効率的に管理する方法と、マルチタスクへの向き合い方

同時進行する複数のプロジェクトを管理しようとすると、伝達ミスが起きたり、頭の中で今考えている内容と別のプロジェクトの内容がごちゃ混ぜになるなど、慣れるまでは苦労が絶えません。また、どうしてもマルチタスクとなってしまうため、効率が落ちてしまう傾向があります。そのような状況を打破するために、今回は「複数のプロジェクトの効率的な進めかた」「マルチタスクの解消方法」をご紹介します。

複数のプロジェクトを効率よく管理するには

複数のプロジェクトを管理する場合、常にさまざまな情報が目の前や頭の中を飛び交います。思うようにプロジェクトが進まない場合には、特にプロジェクト管理者の優先順位付けの甘さ、情報整理能力の低さ、スタッフとのコミュニケーションの荒さが納期の遅れや完成物のクオリティダウンへと繋がっているケースが多いです。

反対に、仕事ができる、複数のプロジェクトをスマートに進めることができる管理者ほど、これらの能力が高く、複数のタスクをスピーディーに同時進行で完成させています。

つまり、無駄なやり直しにとらわれず納期を伸ばすこともなく、効率よくゴールへと近づくことができるようになるためには、「優先順位付の徹底」「進行状況の管理・情報整理」「情報の共有・コミュニケーション」についての力をつける必要があります。

こうした管理能力を身につけることは、管理職になりたての方や、マルチタスクが苦手なマネージャーからしてみると大変に感じるかもしれません。ところが、実際にやるべきことや、覚えるべきことは実にシンプルです。有名企業のエリート社員も、中小企業のワンマン社長も、やっている内容はそんなに大差ありません。必要なフレームワークを落ち着いて学ぶことが、効率よく複数プロジェクトを管理することの第一歩です。

複数プロジェクトを管理する際に必要な思考

仕事が多い場合、目に入ってきた仕事を手当たり次第に処理していくと、必ずやり直しや納期の遅れ、重大なミスなどが発生します。ある程度決められた仕事の進め方を決め、その方法に細かく分解したタスクを一つひとつ当てはめながらプロジェクトの進捗具合を確認して完成に近づける。これが間違いのないやり方です。

ここでは、プロジェクト管理をする際の「基本的な考え方」を紹介していきます。これをもとに、いま抱えている仕事を細分化し進めることによって、スピーディーに良い成果を生み出すことにつながるはずです。

どのプロジェクトが最優先なのかをはっきりさせる

KPIに対して必要なタスクが洗い出されたら、それをとにかく素早くこなしていく仕事が続きます。

しかし、複数のプロジェクトを管理している場合「Aのプロジェクトのタスク書き出しが甘かった」「Bのプロジェクトでトラブルが起きた」など、予想通りに進まないことも日常茶飯事です。トラブルが起きた時に、その都度どれに対応するか決めるのは非効率ですので、あらかじめどのプロジェクトが最優先なのかを決めておきましょう。こうすることで、何かが起きた際にも問題に対して迷いなくリソースを投下できるので、遅れや生産性の低下を最小限に食い止めることができます。

一人で複数のプロジェクトを管理している場合、時間をいかに節約して決断を下すのが最重要課題となります。あらかじめトラブルを想定し、もしもの場合どういった決断をするか決めておくようにしましょう。

プロジェクトごとの進捗具合を明確に

関わるプロジェクトの数が多くなればなるほど、自分を手伝ってくれるスタッフの人数やタスクの数も多くなります。そのため進捗報告を放っておくと、どのプロジェクトのどのタスクが、一体どこまで進んでいるのかということがあっという間に見えなくなります。

これを回避するためにも、タスクごとの進捗状況は逐一共有することが必須です。オフィスであればホワイトボード、オンライン上であればGoogleスプレッドシートやChatWorkなどのサービスを使用して、自発的に進捗具合を報告し合い、ミスのないコミュニケーションをデザインしていきたいところです。

プロジェクトの管理者が進捗具合を常に把握することで、納期通りの納品が可能かどうかの逆算もスムーズに行なわれ、作業のピッチ調整も的確にできるようになります。

初めのボトルネック設定に時間をかける

管理するタスクの量が膨大になる場合、それぞれのプロジェクトを始める際の「ボトルネックの設定」に力を注ぐことが重要になります。仕事の着地点がブレている状態でスケジュールを組み上げようとすると、タスクの書き出しが甘くなり、やり直しや納期間近での工数増加に繋がります。複数のプロジェクトでこのようなことが一斉に起こるとパニックになってしまいますので、初めの段階でのボトルネック設定からタスク設定の流れはおそろかにするべきではありません。

複数のプロジェクトを管理する場合、納期に対してボトルネックを決める時間が「少し取りすぎかな?」と、感じるくらいでも良いでしょう。 その最初のツメが、納期通りに仕事が進むためには必要です。

マルチタスクへの対応も不可欠

複数プロジェクトの管理は、仕事量や必要なコミュニケーション量が多いため、どうしてもマルチタスクになりがちです。そのため、自分の持ってる体力や時間的リソースが想像以上に分散してしまうということも珍しくありません。

これを防ぐためにも、プロジェクト管理者にとってマルチタスク対策は必要不可欠になります。対策をしておけば、同じ仕事量をこなす場合でも、消費するエネルギーが段違いに変化するでしょう。

マルチタスクをシングルタスクに置き換える。

マルチタスク対策の基本は「マルチタスクをシングルタスクに置き換える」ことです。さまざまな案件の情報が目の中に飛び込んでくると、その都度優先順位を考えたり、失敗した場合の対処方を考えたり、誰に何を伝えれば良いか考えたりと、一度に多くの情報を処理することになります。この状態では脳にかかる負荷が甚大で、最初は問題なくても、すぐに生産性の低下につながってしまいます。

ですので、まずはシングルタスクに切り替えておくのが鉄則。タスクに優先順位をつけたら、一つひとつの仕事を丁寧かつ確実にこなすようシフトしましょう。シングルタスクは一見非効率に感じるかもしれませんが、余計なことを考えなくなり仕事のクオリティもアップ。1日を通して集中していられる時間が増えるため、結果的に生産性は上がるのです。

まとめてこなしておく

現在集中して進めているタスクに他のタスクが割り込むと、仕事全体のスピードが落ちて、精神も疲労します。このように意図せずにマルチタスクが発生してしまうシーンを少なくするためにも、指示出しやタスクの書き出し、進捗情報の確認は決まった時間に、一斉に、まとめて行なっておくことが重要です。

  • 時間を決め、そのタイミングでしか伝えないというルールを作る
  • アイデア出しなどは1日の最初にしか行なわないと決める

こうすると、その瞬間ごとのスタッフの集中力も上がり、後から他の仕事や質問が割り込んでくることも少なくなります。優先して取り組みたいプロジェクトがある場合などは、その他のプロジェクト/タスクが紛れ込まないようあらかじめ手を打っておきましょう。

自分でやらなくてもよい仕事を見極めて人に任せる

雑務や電話対応などの自分がやらなくてもよい仕事は、可能な限り人に任せて優先順位の高い仕事の邪魔にならないようにしましょう。特に、管理者がすべての仕事を自分の手で行ないたい完璧主義だった場合、やらなくて良い雑務まで自ら手をつけてしまい、気づかないうちに余計な仕事で目の前が覆われているということもあります。

仕事を始める前に、それは本当に自分でなければできないのかということを考えることが、マルチタスク防止につながります。

つまり、発生した雑務をいつでもだれかに任せられるよう、スタッフとのコミュニケーションは普段から密にとっておくこと。マルチタスクを避ける=味方を作っておくといっても過言ではありません。

細かいタスクも一回一回終わるごとに終了の合図を出しておく

「思い出す」という行為でも脳は疲弊するため、目の前の仕事に対する生産性が落ちることが考えられます。

予防策としてはタスクが一つ終わるごとに、終わったタスクにはチェックを入れるのが有効です。こうすることで未了、終了かが一目でわかるため、大事な仕事の最中に「やったかやってないか覚えてない」という脳内のマルチタスクを防ぐことができます。

スピードが求められるプロジェクトの場合、仕事が終わっているかどうかを確認する隙間時間さえ惜しいものです。余計な確認作業やマルチタスクにとらわれて納期が遅れないよう、終わった終わっていないの確認はその都度行なうのがベストです。

「複数のプロジェクトを効率的に管理する方法と、マルチタスクへの向き合い方」についてのまとめ

いかがでしたでしょうか。複数のプロジェクトをどう管理し、マルチタスクとどう向き合えば良いか想像できましたか?

仕事ができて会社にとって有益な人材であるほど、複数のプロジェクトを押し付けられて、その管理で1日を終えるということが多いです。だからこそミスもできないですし、責任を感じストレスとなる場面もあるでしょう。しかし、それらのプロジェクトをゴールまで導き成果を挙げることが、ビジネスパーソンの楽しみであり生きがいではないでしょうか。

複数のプロジェクトの管理をマスターできれば、さらなる評価/キャリアが待っているはずです。スマートにマルチタスクをこなせるところを会社に見せつけるチャンスだと思って、意欲的に取り組んでいきましょう。

「ムダ」「ムリ」「ムラ」から、生産性向上の取り組みを始める

課題設定をするときの最短ルートは、意識的に「ムダ」「ムリ」「ムラ」の発見をすることです。そして、それらを排除することで、プロジェクトの生産性を大幅に向上させることができます。

ムダ・ムリ・ムラを直視する


仕事を行なう上で必ず生じる「ムダ・ムリ・ムラ」。それらを直視することで、プロジェクトの抱える課題を明らかにすることができるでしょう。ここではまず、「ムダ・ムリ・ムラ」の定義について考えます。

「目的」と「手段」という視点から、「ムダ・ムリ・ムラ」を捉えるとわかりやすいでしょう。

目的 < 手段 → 「ムダ」

目的に対して、手段が大きすぎる場合を「ムダ」といいます。これは、直感的にイメージしやすいでしょう。例えば、仕事の進捗を報告する資料を作る時に、必要以上のアニメーションをつけることは、「進捗の報告」という目的に対して「必要以上のアニメーション」という手段が明らかに大きくなっているので、「ムダ」であるといえます。

目的 > 手段 → 「ムリ」

目的に対して、手段が小さい場合を「ムリ」といいます。具体例を挙げると、3人がかりで1日かかる仕事を、作業量と納期を変えることなく1人だけに任せることは、「仕事の完了」という目的に対して、「1人に任せる」という手段が、小さくなっているので、「ムリ」であるといえます。

目的 ≠ 手段 → 「ムラ」

目的と手段がイコールではない不安定な状態のことを「ムラ」といいます。言い換えると、「ムダ」と「ムリ」が頻発していて、バラツキがあることを指します。

「ムダ・ムリ・ムラ」を発見するコツ。「目的」と「手段」のギャップに注目しよう。

プロジェクトの「ムダ・ムリ・ムラ」を発見するためには、プロジェクトの「目的」が明確でなくてはなりません。目的を明らかにすること、つまり「あるべき姿(ビジョン)を描くこと」で初めて、現状(手段)との乖離(ギャップ)が生じて、問題を可視化することができるからです。このような手法を「ギャップ分析」ともいいます。

目的を決める時には、「なぜこのプロジェクトを立ち上げたのか?」という背景を考えた上で、どのような状態を達成したいのかを考えると良いでしょう。そして、目的はイメージだけではなく、必ず定量化しましょう。例えば、「売り上げを大幅に伸ばす」ではなく、「売り上げを1年後に3,000万円まで増やす」といった具合です。このように、目的を明確化したら、次にやるべきことは現状分析です。そのために最も効果的な方法は、「業務を見える化」することです。具体的には、属人化した業務をフロー図に落とし込むことやメンバーの能力をスキルマップで表現すること、などが考えられます。

さて、ここまでで、「目的」と「現状(手段)」を明らかにすることができました。それでは、双方のギャップについて考え、「ムダ・ムリ・ムラ」を洗い出しましょう。つまり、「目的≠現状(手段)」となっている箇所を探すのです。これが完了して、「ムダ・ムリ・ムラ」をリスト化することができたら、それらの問題が起こっている本質的な原因について思考してみましょう。次の章では、いわゆるボトルネックの探し方について説明します。

ボトルネックはどこにある?

「ムダ・ムリ・ムラ」をリストアップすることができたら、その中でもっともクリティカルな問題を特定しなくてはなりません。

そのためのツールとして、原因追求型のロジックツリーを利用します。原因追求型のロジックツリーを用いることで、問題の「原因」を掘り下げることができます。問題の原因は、一つだとは限りません。ロジックツリーを使うことで、問題の原因を生み出す要素を網羅的に洗い出し、特に影響が大きい、本質的な原因を突き詰めます。

それでは、具体例で考えてみましょう。「ダイエットしても体重が落ちない」という問題があったとします。それに対するロジックツリーは次の図のようになります。

ロジックツリーを作成する上で気をつけなければならないことは、2つです。

MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)であること

MECEとは、「漏れなく・ダブりなく」という意味です。つまり、網羅性を担保する必要があるということです。ロジックツリーの目的は、具体的な要素を抽出することが目的ですので、抜けや重複があるとその要件を満たせなくなってしまいます。

階層の次元を揃えること

例えば、上の図の例でいうと、第二階層(左から二番目の層)で「ジムに行けてない」という要素を挙げるといったことです。それは本来、運動不足の階層の下に存在すべきであるのに、間違った階層の要素と並べてしまうと、ロジックツリーの整合性が保てなくなってしまいます。

ロジックツリーでボトルネックを見つけるためのコツは、「なぜなぜ分析」を行なって、階層の深掘りをしていくことです。「なぜなぜ分析」とは、問題が生じた時に複数の「why」を考えることによって、その問題の根本的な原因を特定する手法です。

さて、リスト化された「ムダ・ムリ・ムラ」から、ボトルネックを見つける方法がわかりました。それでは、ボトルネックを見つけたら、それをどのように解決すればよいのでしょう。

生産性を高めるには

まずは、ボトルネックを分解することです。ボトルネックはいくつかの要素から構成されている場合が多いので、それぞれを細分化しましょう。それが完了したら、次はそれぞれの要素に対する優先順位を考えなくてはなりません。経営資源(ヒト・モノ・カネ)は限られているので、選択と集中が必要です。そして最後に、それぞれへの打ち手を考えていきます。

ここで、一旦振り返りをすると、ここに至るまでの大きな流れは、「目的」を設定して問題を逆算、ボトルネックを考えることで、「現状(手段)」を改善するというプロセスになります。つまり、「ムダ・ムリ・ムラ」が発生する要因である「目的と手段の不一致(目的 ≠ 手段)」を解消するために、もっとも効率的なやり方を提示してきました。

結局は、「目的と手段を一致させる(目的 = 手段)」ことが、プロジェクトの生産性を高めるためには必要不可欠であるということです。プロジェクトマネージャーは、その点について、意識しておかなければなりません。

「「ムダ」「ムリ」「ムラ」から、生産性向上の取り組みを始める」についてのまとめ

本稿では、プロジェクトの「ムダ・ムリ・ムラ」の発見が、どのように生産性向上に寄与するのかについて論じました。

「ムダ・ムリ・ムラ」は、「目的」と「手段」の関係性から考えると、理解がしやすいです。最終的に、「目的 = 手段」となる状態を生み出すことが、プロジェクトの成否にとって、非常に重要だということを、ご理解いただけたのではないでしょうか。記事内で、いくつか紹介したビジネスフレームワークも、ぜひ実践に役立てていただければ幸いです。