ビジネスで成功するには「文章力」が必要です。しかし、小説家でもライターでもないのに、どうして文章力が必要なのかと首を傾げる人も多いでしょう。確かに、英語力や技術力とは異なり、文章力がビジネスに重要だという意見は、あまり聞かないかもしれません。ですが、ビジネスには思っているよりも文章を書く機会がたくさんあります。本記事では、ビジネスマン向けに文章力の必要性と文章力を磨く方法を解説します。
なぜビジネスに文章力が必要なのか?
ビジネスに文章力が必要な理由は、「文章」が人から人へと共有され、一人一人に意図を説明することが難しいため、「誰にとっても文章の内容が明確であること」が求められるからです。これを実現するには、高い文章力が必要です。
近年、企画書や提案書、日常のメールは当然ながら、オウンドメディアやソーシャルメディアをマーケティングに活用することも増えています。結果として、ビジネスマンが文章力を試される機会が増加しています。したがって、ビジネスマンが「文章力」を鍛えることは、スキルアップとしてとても大切です。
ビジネスで文章を作るときには「5W2H」を意識しよう
「文章力」を鍛えることが大事だということはわかったが、具体的にどうやって文章力を高めればいいのか、わからない人も多いでしょう。これまで、ライターとして数百本に及ぶ記事を執筆してきた筆者のアドバイスとしては、「5W2h」を意識して文章を作るように心がけることが大事です。ひとつずつ確認していきます。
Why:文章を作成する「目的」を明確にする
1つ目の「Why(なぜ)」では、文章を作成する「目的」を明確にします。
例を挙げます。
- 企画書・提案書 → 新しく企画・提案を通すため
- メール文 → 関係者間の認識に齟齬がないことを確認するため
- SNS投稿 → 自社の製品に親しみを持ってもらうため
このようにざっくりとした目的を設定するだけでも、文章を書く際の「言葉の選び方」や「伝え方」は変わってきますので、必ず意識するようにしましょう。
Who:「誰」に向けた文章かを考える
2つ目の「Who(誰)」では、「その文章を誰に伝えたいか」を考えます。例えば、プレゼン資料を作るときに、打ち合わせに参加するメンバーの立場や認識を事前に予測・調査して、具体的な「顔」が思い浮かぶようにします。この一手間を加えることによって、対象となる相手が理解しやすい文章を書くことを意識するため、文章の効力が高まります。
Where:どのような「状況」で必要な文章かを知る
3つ目の「Where(どこ)」では、その文章が必要になる「状況」をイメージします。顧客に対する「謝罪文」をイメージするとわかりやすいでしょう。この場合、書き手は読み手に対して弱い立場にいることが想像できるので、いつも以上に丁寧な言い回しが必要だとわかります。
When:文章が「いつ」必要かを把握する
4つ目の「When(いつ)」では、文章を用意する期限を必ず確認します。文筆業に携わる人間は、納期を把握するのは当然のことです。しかし、忙しいビジネスの世界にいると、期限が曖昧になることも多々あります。文章にどれだけの力を入れるかは、期限から逆算して決めることになるので、期限のことを忘れないようにしましょう。
What:文章の「構成」をきちんと練る
5つ目の「What(何)」とは、文章の構成(アウトライン)をきちんと考えることを指しています。後ほど詳しく書きますが、文章を書く前に構成を考えるだけで、作業効率がぐんと上がることが度々あります。(文章構成のポイントは、のちほど紹介。)
How:文章を書くための「方法」を理解する
6つ目の「How(どのように)」では、文章を書くために知っておくべき方法を押さえましょう。例えば、ここで活用している「5W2H」のようなフレームワークを活用することも手段のひとつです。他には、「MECE(ミーシー)」というモレなく・ダブリなくを意味するフレームワークも有名です。興味のある方は、詳しく調べてみることをオススメします。
How much:文章の「長さ(量)」を決める
7つ目の「How much(どのくらい)」では、文章の「長さ(量)」を決めます。書き始める前に、文章の長さを考えていないと、必要以上に長くなったり短くなったりしてしまう可能性があります。どちらの場合も、手直しの必要性が生じてしまいますので、あらかじめ確認するようにしましょう。
ビジネスに必要な文章力を磨く3つの習慣
前章では、ビジネスに必要な文章を作るときの「意識(マインド)」に焦点を当てて解説をしました。どれも「伝わる文章」を書くために欠かせないことです。一方、本章では、ビジネスマンが「文章力」を向上させるために必要な「行動(アクション)」に注目をして、身につけるべき3つの習慣を紹介します。
①日頃から文章を読む機会を増やす
1つ目の習慣は、日常的に文章を読む機会を増やすことです。一般的に、本をたくさん読む人は、いい文章を書くといいます。したがって、忙しさの合間に可能な限り本を読みましょう。必ずしも書籍である必要はありませんが、書籍は言葉のプロである編集者の手を経て世に出ているので、文章の質が保証されています。可能であれば、書籍を読む習慣をつけることが好ましいです。
②全体の構成を考えてから文章を書く
2つ目の習慣は、文章の構成を考慮した上で、文章を書くことです。これは、メール文やSNS投稿のように短い文章であっても同じです。とはいえ、文章の一つ一つの要素を洗い出す必要はありません。ポイントとなる部分を箇条書きにしてから、文章の作成に入るだけでも、全体像が明確になり、的を得た文章を書くことができます。
③書いた文章を他人に見てもらう
3つ目の習慣は、自分の書いた文章を他人に見てもらうことです。自分の文章の良し悪しを自分で判断することは難しいです。そのため、客観的な視点でフィードバックをもらうとよいでしょう。ビジネスにおいては、上司に頼むことが最も自然だと思います。上司に頼むことが難しい場合は、家族や友人・知人などに頼むことも効果的です。
まとめ:ビジネスには文章力が必須
本記事では、
- ビジネスに文章力が必要な理由
- 文章を作成するときに意識すべきこと
- 文章力を鍛える3つの習慣
について、論じました。
ビジネスマンのスキルアップというと、英語力やコミュニケーション力などを思い浮かべる方が多いと思います。しかし本記事で考察したように、ビジネスマンには「文章力」が求められる場面が多くあります。ここで書かれた内容を意識・実践していけば、日々のビジネスにきっと生かせるでしょう。ぜひ、参考にしてください。