アファメーションは「なりたい自分」を引き寄せる一種の自己暗示の手法です。
- 自分に自信がない
- 不安な気持ちを抱えがち
- いまいち力が発揮できていないと感じる
などの悩みを持っている人には特におすすめです。
本稿ではアファメーションについての解説ややり方、例文を紹介します。
アファメーションとは
アファメーションとは、言葉を用いて自分自身に肯定的な思い込みをさせ、目標を達成する手法のことを言い、科学的根拠も認められています。
「断定」や「肯定」という意味を持つ「affirmation」に由来し、日本で古くから伝わってきた「言霊」にも通ずるものがあります。
アファメーションの宣言となる言葉を繰り返すことで、潜在意識へ願望の刷り込みを行います。すると潜在意識は塗り替えられて、自分の思考や行動パターンが変わり、願望の実現が近づくのです。
プロスポーツ選手も実践
アファメーションはプロのスポーツ選手が実践し、成功を収めていることでも注目を集めています。
例えば、元サッカー日本代表である本田圭佑選手の小学校の卒業文集に書いた「将来の自分」には、下記のようなアファメーションが書かれていました。
・サッカー選手になる
・Wカップで有名になる
・セリエAに入団する
・背番号10番をもらい活躍する
幼少期からアファメーションを取り入れていたことにより、本田選手はこれらを現実のものとしたのです。
アファメーションを行うメリット・効果
アファメーションには、数々のメリットや効果があると言われています。とても簡単なのに、ここまでのメリットを享受できると知ると、きっと驚くことでしょう。
ポジティブ思考が身に付く
アファメーションを行うことで、ポジティブな思考が身に付くのは大きなメリットと言えるでしょう。これまで自分にはできないと思って諦めていたことにも、積極的にチャレンジできるようになるはずです。
また、目標に向かう途中には、自信を失ってしまったりモチベーションが下がったりすることもあるでしょう。そんな時にも、アファメーションを行うことでポジティブな気持ちを取り戻し、維持できます。
自信がつく
アファメーションによって成功体験を積み重ねることで、自分の能力を肯定できたり、周りから評価されたりする機会が増え、自信をつけることができます。自信が持てると安定して成果を出せるようになるでしょう。
また、成功した自信から落ち着いた行動や適切な判断ができるようになり、益々の成果があげられるはずです。
理想や目標達成に必要な要素を収集できるようになる
アファメーションが習慣になると、理想や目標達成に必要な情報やアクションを収集できるようになり、実際の行動に移しやすくなります。
アファメーションを行うと、宣言した自分に近づくにはどうすればいいかを脳が常に探している状態になります。すると、これまで見逃していたような要素だったとしても、必要であればアンテナに引っかかるようになるでしょう。
能力を最大限に引き出せる
仕事・プライベート問わず、私たちはさまざまな外的要因の元、活動をしています。そんななかネガティブな出来事があると気持ちも落ち込んでしまい、パフォーマンスや集中力、判断力が低下してしまうでしょう。
しかしアファメーションによってポジティブな精神状態への切り替えができると、気持ちが安定し、落ち着いた精神状態で仕事に取り組めるようになります。
どんな時もポジティブに切り替える習慣が身に付けば、外的要因に左右されず、自身の能力を最大限に引き出せるでしょう。
周囲に好影響を与える
アファメーションがもたらすポジティブな思考や安定した精神状態は、周囲の人に良い影響を与えます。変化に気づいたメンバーもアファメーションと取り入れるようになると、ポジティブな人が増える好循環が生まれます。
また、ポジティブで感情が安定している人とは仕事しやすいため、周囲の人が味方につき、信用されるリーダーになれるでしょう。
アファメーションのやり方
ここからは、アファメーションのやり方を具体的に解説します。ツールや大々的な学習は不要です。まずは1つのアファメーションからはじめてみましょう。
肯定文で宣言する言葉を決める
まずは宣言する言葉を決めて書き出します。この時重要なのが、肯定文を用いることです。
私たちにとっては肯定文でも否定文でも意味は変わりませんが、脳にとっては大きな違いです。
例えば「プレゼンをスムーズに進行している」であれば良いのですが「プレゼン時に噛まない」と宣言すると、否定文を理解できない脳は「噛む」ことをイメージしてしまうのです。
紙に書き出したアファメーションテキストを読み上げる
紙に書き出した宣言を、声に出して読み上げます。感情を込めて、自分に言い聞かせるようにするとより効果的と言われています。
また、読み上げることもポイントとなります。小さな声でポソっとつぶやくよりも、大きな声で自信を持って読み上げたほうが、意識の変化が起きやすくなります。
そうは言っても、外や会社ではやりにくいと思うので、部屋のドアや冷蔵庫などに貼っておき、目についた時に声に出すなどの習慣をつけることをおすすめします。
毎日繰り返す
前述したように、習慣をつけることが何より大切です。アファメーションは一夜にしてならず。毎日繰り返すようにしましょう。毎日の繰り返しによって徐々にセルフイメージが塗り替えられて、色濃くなっていきます。
手帳の目につくところに書いておく、スマホの待ち受け画面にするなども有効です。
アファメーションのコツと注意点
やり方を理解したところで、細かなコツや注意点をお話ししましょう。コツは全部で5つです。とても重要なことなので、しっかり覚えておきましょう。
主語は「私」
アファメーションの内容には、第三者が関わることも多いでしょう。しかし他人を変えることはできません。そのため、アファメーションの主語は必ず「私」にしましょう。
例えば「部長が私の査定をAにする」というアファメーションでは主語は「部長」になっています。「私はAの査定をとる」と言い換えて、アファメーションを行いましょう。
特にプロジェクトマネージャーなどのリーダーを任されると、他人をいかにマネジメントするかに悩み、他人を主語にしたアファメーションを考えがちです。自分を軸にしたアファメーションになるよう、視点を変えて検討しましょう。
テキストはシンプルにする
アファメーションの宣言を作る時には、できるだけシンプルな内容にします。あれこれ詰め込んだ長い宣言では、言い間違えをしたり途中で意味がわからなくなったりする恐れがあります。
脳がイメージできなければ意味がありません。「営業成績トップをとる」という簡潔なアファメーションで十分なのです。
また、繰り返しが求められるアファメーションは、ふとした時に口に出すことが大切です。どんな時でも間違えずに唱えられる、シンプルな宣言を作る必要があるのです。
口に出した時にしっくりくる言葉を選ぶ
アファメーションの宣言を作る時は、口に出した時にしっくりくる言葉を選びましょう。世の中にはさまざまな言葉や言い回しがあります。唱えていると気分があがったり、ワクワクしたりするような言葉を探してください。
また、あれこれ考えすぎて、アファメーションの宣言を複雑にしてしまう人もいるでしょう。詰め込みすぎたり、叶わなかった時の保険をかけたりすると、だんだんとアファメーションが複雑になっていくのです。
一度作った宣言でも合わないと感じた時や飽きた時は、その都度書き換えると良いでしょう。
「肯定形・現在形」の言葉にする
前章で肯定文を用いることを説明しましたが、加えて、アファメーションでは実現している前提で宣言を作ります。
「営業成績トップをとりたい」は願望でしかありません。このような表現では「まだ願いが叶っていない」という未達成のイメージを潜在意識に刷り込むことになってしまいます。
「達成する」「現在それをやっている」という、肯定形かつ現在進行形で宣言を作りましょう。
しかし複雑なアファメーションを脳は理解できません。シンプルで覚えやすいことはもちろん、本質を捉えた言葉にすることが大切なのです。
アファメーションの例文
アファメーションをより具体的にイメージするために、いくつかの例文を用意しました。慣れるまでは例文を自分の置かれている立場や環境に置き換えて、宣言を作るといいでしょう。
【恋愛】で使えるアファメーションの例文
- 私は、最高のパートナーに出会い幸せに暮らしています。
- 私は、愛されるのにふさわしい存在です。
- 私には、魅力があって異性にモテています。
- 私は、恋人からプロポーズをされて幸せです。
- 私は、大切な人を愛し愛されています。
- 私は、○○さんと一緒に楽しく暮らしています。
- 私は、愛する人から大事にされています。
【仕事】で使えるアファメーションの例文
- 私は、自分の持っている力を思う存分発揮しています。
- 私は、チームビルディングに成功しています。
- 私は、充分な社会的評価を得ており、それに恥じない人間です。
- 私は、効率的に仕事ができています。
- 私は、リーダーシップを発揮してチームを成功に導いています。
- 私は、クライアントからの信頼を得ています。
- 私は、どんな困難な状況でも革新的なアイディアを出しています。
- 私のプレゼンテーション能力は、社内で1番です。
アファメーションカードの作り方・使い方
最後に、アファメーションを習慣にするために有効なアイテム「アファメーションカード」を紹介します。
アファメーションカードの作り方
「アファメーションカード」とは、書いて字のごとくアファメーションの宣言を書いたカードです。1枚のカードに1つアファメーションを書きましょう。
カードの裏にはモチベーションが上がるような画像やイラストを貼ると良いでしょう。アファメーションの宣言と関連するものや、見ていてポジティブになれるものがおすすめです。
絵葉書やメッセージカードを使って作るのも一案です。
アファメーションカードの使い方
空き時間には、アファメーションカードをこまめに見るようにしましょう。休憩時間や朝起きた時、夜寝る前は、カードの中から1枚選んで声に出して読むと効果的です。時間がある時には、全てのカードを読み上げても構いません。
また、特に意識したい内容が書かれたカードは、手帳や財布など頻繁に目にするところに入れておくといいでしょう。
アファメーションカードはアファメーションを行うトリガーになるアイテムです。気分が上がるものになるよう、心を込めて作りましょう。
まとめ
高い目標や困難な目標を設定すると、達成までのプロセスの中で不安やネガティブな気持ちを抱えてしまうことがあります。それは誰しも起こりうること。いかに乗り越えるかが達成のカギを握ります。
不安やネガティブな感情を払拭するためにも、アファメーションを行い自分をコントロールしましょう。