プロジェクトチームとは?構成や作成の方法・コツなどを徹底解説

商品開発や課題解決、営業促進など、目的ごとに結成されることの多いプロジェクトチームですが、メンバーの構成やチームの作り方に悩むことも多いでしょう。

プロジェクトチームがうまく機能しなければ、プロジェクトの成功は勝ち取れません。
今回はプロジェクトチームの構成やチームの作成方法、成功させるコツなどを紹介します。

プロジェクトマネージャー必見の内容です。

プロジェクトチームとは?

はじめにプロジェクトチームとはどのようなものかを整理しておきましょう。

プロジェクトチームは課題解決などのプロジェクトを達成するために結成される組織です。プロジェクトメンバーは、プロジェクトに適した人材を部署を問わず集められることが多くあります。そのため、永続的に続く組織ではなく、プロジェクトが完了すると解散することがほとんどです。

タスクフォースとプロジェクトチームとの違い

プロジェクトチームと似ている用語で、タスクフォースがあります。

タスクフォースはもともと軍事用語で、軍隊で特定の任務遂行のために組織されたチームを指していました。
ビジネスシーンにおいては、特定の課題に対して解決のために集められたチームを指します。

プロジェクトチームとの違いは、タスクフォースの方が緊急度が高く、組織される期間が短いことです。

プロジェクトチームの構成

プロジェクトチームの構成は、チームやプロジェクトの内容や規模により一様ではありません。ここでは代表的な構成について、その役割をみていきましょう。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトの進行管理をする責任者です。

プロジェクトが円滑に進むように、全体の調整や管理・監督を行い、プロジェクトを成功へと導く重要な役割です。

<主な業務>
・プロジェクトメンバーの選定・タスクの割り振り
・プロジェクト目標を明確にし、プロジェクト計画の策定
・予算やスケジュールなど、リソースの管理
・プロジェクト内でのコミュニケーションの調整・管理
・ステークホルダやクライアント、社内上層部と調整

プロジェクトチームメンバー

チームに必要な専門知識やスキルを持つメンバーで、社員のみで構成される場合もあれば、業務委託、関係企業からのメンバーも含めて構成される場合もあります。

メンバーそれぞれに与えられた役割があり、相互で連携を取りながら役割を果たしていきます。

社外からの参加メンバーや、社内でも異なる部署より集まったメンバーが多いので、円滑に進めるためにはコミュニケーションが重要となります。

<主な業務>
・プロジェクト全体の目標やスケジュールを把握
・優先度を考慮し、担当タスクの遂行
・課題や問題点について報告やフィードバックを行う
・他のメンバーとの協力が必要な場合は対応する

プロジェクトスポンサー

プロジェクトマネージャーを任命する立場の組織や人物です。プロジェクト全体をサポートし、プロジェクトの成功に責任を持ちます。また、プロジェクトのリソースを支援します。

プロジェクトマネージャーの上に位置し、多くの場合、複数のプロジェクトを管轄します。

<主な業務>
・プロジェクト立ち上げ時の資金調達、リソースの確保
・プロジェクトマネージャーを任命、メンターとして役割
・プロジェクトの成功基準を定め、クライアントやステークホルダーの了承を得る
・プロジェクトの進捗状況や成果を上層部へ報告

その他の役割

プロジェクトの構成の代表的なものは上記の「プロジェクトマネージャー」「プロジェクトメンバー」「プロジェクトスポンサー」の3つになりますが、その他、プロジェクトの内容や規模によっては、以下のような役割を編成する場合があります。

プロジェクトチームリーダー

規模の大きいプロジェクトなど、プロジェクトマネージャーだけでは監督が難しい場合、プロジェクト内のチームごとに配置し、メンバーとプロジェクトマネージャーをつなぐ役割を担います。

ビジネスアナリスト

目標の定め方や効果的な運営方法など、プロジェクトをビジネスの視点から価値をもたらすようにサポートします。

プロジェクト運営委員会

プロジェクトを上の視点から見守る役割。経営の上層部やシニアマネージャーなどが担うことが多いです。

主題専門家(SME)

プロジェクトの専門分野に関する知識のある専門家で、プロジェクトに対して、専門的な知見からアドバイスや提案を行います

企業にプロジェクトチームが必要な理由

企業では主に組織で業務が進行している中、なぜ、あえてプロジェクトチームを形成するのでしょうか。企業にプロジェクトチームが必要な理由を3つ解説します。

組織のサイロ化の解消

規定の組織で仕事を進めていると、組織内の慣例やシステムで進行することが多いでしょう。それぞれの部署に都合の良い方法を取り入れていて、一見スムーズに進行しているようですが、他部署からのシステムと合わず連携ができない「サイロ化」に陥っている場合があります。

プロジェクトチームでは組織を横断してメンバーが決定され、コラボレーションによりプロジェクトを進めていきます。お互いを尊重し、コミュニケーションを取りながらフローやシステムを決定していくため、サイロ化の解消につながります。

作業効率の向上

プロジェクトチームではプロジェクトの目標達成のため、タスクの洗い出しやスケジュール作成が行われます。メンバーは目標達成のために集められ、プロジェクトマネージャーのも

と、プロジェクトのゴールやスケジュール、必要なタスクなどを共有します。

タスクを洗い出しを行うことで重複作業が削減され、リソースを最大限活用できるように時間やコストを管理するため、作業効率が向上します。

生産性の向上

チームメンバーがプロジェクトのゴールやスケジュールを共有することは、プロジェクトの全体像を共有することにつながります。チームメンバーがプロジェクトの全体像を把握しメンバーそれぞれの役割を理解すると、横のつながりが生まれ、目標に向かって結束することができます。

その結果、おのずと生産性も向上するでしょう。

成果を出すプロジェクトチーム作りの方法

企業にとってプロジェクトチームは、特定の課題や目的を達成するために重要な組織です。プロジェクトチームを効果的に機能させると、大きな成果が得られます。

ここでは、より大きな成果を出すための、プロジェクトチーム作りの手法を紹介します。

プロジェクト計画を明確化する

プロジェクトを成功させるためには、まずはプロジェクトの計画を明確化することが重要です。
プロジェクトの目標・目的・スケジュール・リソース・求める成果・タスクなどについて、プロジェクトをスタートさせる時点で明確化しておきましょう。

明確化する際は、チームメンバーとコミュニケーションを取りながら行うことも重要です。メンバーの意見を取り入れることで、メンバー自身が当事者意識を持てるだけでなく、チームワークや足並みが揃います。

プロジェクトチームの体制図・組織図を作る

プロジェクト計画を明確にしたら、どのような体制で進めていくのかを可視化するために、プロジェクトチームの体制図を作成します。

また、チームメンバーは異なる部署から集められていることがほとんどです。
それぞれのメンバーがどのような立場なのか、指示系統を明確にするために、組織図も作成します。

各チームメンバーの役割と責任と期待していることを共有する

チームメンバーの役割を明確にしておくことは、メンバー自身が自分の役割を認識するためにも、また、メンバー同士がお互いの役割を認識するためにも重要です。メンバーの役割を共有することで、相互のコミュニケーションが円滑に進むようにもなります。

同時に、作成した体制図や組織図にしたがって、メンバーそれぞれの責任や対応範囲、期待していることも明確にします。メンバー同士がそれぞれの役割と責任を理解することで、いつまでに何をすべきかを正確に把握し、チームの結束も高まるでしょう。

プロジェクトチームで成果を上げるコツ・ポイント

目的を持って組織されるプロジェクトチームには、成果に対する期待も大きいでしょう。
最後に、プロジェクトチームを効果的に機能させて、成果をあげるための5つのポイントを解説します。

プロジェクトの目的や目標に合わせたメンバー構成にする

プロジェクトチームで成果を上げるための第一歩は、メンバーの人選です。
プロジェクトの目的や目標達成のために必要なスキルや人数などを的確に把握し、メンバー構成を決定しましょう。

コミュニケーションを密に取る

プロジェクトチームでは異なる部署より人選されるため、面識がないメンバーと一緒に業務を行う場合も少なくありません。そのため、チームで目標を達成させるためには、綿密なコミュニケーションが重要です。

定期的なミーティングの機会を設定し情報交換を行ったり、コミュニケーションツールを活用して気軽にコミュニケーションが取れる環境を用意したりするなど、コミュニケーションが密に取れるように工夫が必要です。

経営陣からのサポートを実施する

経営陣からのサポートは、プロジェクトの成果に大きく影響を及ぼします。

通常業務をこなしながらプロジェクトに参加するメンバーが、プロジェクトの業務に注力しやすいように関係部署に依頼をしたり、リソース面で融通を効かせたり、経営陣からのサポートを実施しましょう。

適切な評価・フィードバックを行う

プロジェクト期間中、チームメンバーに対して評価やフィードバックを行うことは、メンバーのモチベーション維持や向上につながります。

プロジェクトでの頑張りや成果に対して適切な評価があると、チームに対する思いや貢献度にも影響し、良い成果に結びつきます。一方、改善点や問題点などのフィードバックはメンバーの成長を助長します。

適切に評価やフィードバックを行いましょう。

振り返りと改善を行う

プロジェクトは、スタート時の計画どおりに進行することはほとんどないと言えるでしょう。定期的に進行状況や成果物に対して振り返りを実施し、改善しながら進行することが大切です。週次や月次など、定期的に振り返りの機会を設けると良いでしょう。

また、問題の発生や改善が必要な場合には、速やかに対応できる体制作りも重要です。
コミュニケーションを密にして報告しやすい雰囲気作りや、指示系統を明確にすることなどを心がけましょう。

まとめ 

目的を持って構成されたプロジェクトチームは、運用次第で企業に大きな成果をもたらします。

組織を横断して集められたメンバーの強みを活かし、それぞれが最高のパフォーマンスを発揮できると、プロジェクトは大きな成果を遂げるでしょう。

本稿の、プロジェクトチームの作成方法や成果を上げるコツを参考にしていただき、あなたのプロジェクトを成功に導きましょう。

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