「ポジティブな性格」「ポジティブな考え」「ポジティブシンキング」など、「ポジティブ」という言葉は日常的に使われていますが、ではその意味は?と問われたら答えられるでしょうか。
今回はポジティブの本来の意味や、ポジティブとはどういう状態を指すのか、またポジティブな思考の身に付け方などを紹介します。先行きが見通せない、予測不能な現代を生き抜くために、ぜひ身に付けたい思考です。
ポジティブとは?
まずは、ポジティブの意味を理解しましょう。
ポジティブとは英語で「positive」と表記し、「希望や自身に満ちている」「積極的な」「肯定的」「前向き」などの意味があり、ポジティブの反対語はネガティブになります。
つまり、ポジティブとは、積極的で前向きに何事も肯定的に捉えられる姿勢を意味し、そのような状態を「ポジティブな考え」や「ポジティブな生き方」などと表現されるのです。
たとえ大きな失敗をしてしまい気落ちしても、ポジティブな考え方でいると、次の行動に踏み出せたり、もう一度チャレンジできたりします。ポジティブな思考は、新たな可能性を広げる原動力となるでしょう。
ポジティブ思考になることのメリット
ポジティブ思考は、さまざまな面でプラスに転じます。では具体的にポジティブ思考になると、どのようなメリットがあるのかみてみましょう。
失敗を恐れず前向きになる
日々の業務や生活の中で何か失敗をすると、落ち込んだり焦りが生じたりしてしまうものですが、ポジティブ思考でいると「次に失敗しないためにはどうしたらいいか」「この失敗から何が学べるか」などと考えることができます。
反省すべきところは反省し、しかし必要以上に落ち込まずに前向きに捉えられるので、失敗を恐れずに次に進むことができます。
積極的になる・行動力が増す
ネガティブな思考で不安や焦りの感情を抱えていると、行動を控えてしまいがちです。これらの感情を一旦脇に置いて、ポジティブ思考でいると、物事に積極的に取り組めるようになるでしょう。
常に積極的に物事にトライしていると、行動力が増していき、スキルアップやキャリアップなどにも繋がります。自身が向上していることを自覚できるようになり、仕事の楽しさや人生の充実感を味わえるようになれます。
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免疫力がアップし健康になる
不安や怒り、ストレスなどのネガティブ感情は、心拍数や血圧に影響を与えたり頭痛やめまいなどの症状を引き起こしたります。自律神経のバランスが崩れ、免疫力の低下を招きかねません。
一方で、物事を前向きに捉え、笑いや楽観的な感情で過ごすポジティブ思考は、気持ちが上向き、ネガティブな感情で乱れた心拍数や血圧、自律神経のバランスを元に戻す効果があります。免疫力もアップするので、健康的な毎日となるでしょう。
ポジティブ思考を持つ人の特徴
メリットの大きいポジティブ思考ですが、ポジティブ思考を持つ人には、いくつかの特徴があります。ここでは3つの特徴を紹介します。
行動力が高い
ポジティブ思考の人は、失敗を恐れずに行動に移すことができるので、自然と行動力が高くなります。何事にも前向きにチャレンジし、たとえ失敗したとしてもその原因を考え、次のチャレンジに繋げます。
「失敗は成功のもと」「失敗から学ぶ」などと言うように、失敗を前向きに捉え、行動を続けていくのです。
周囲と良好な人間関係を築いている
ポジティブ思考な人は自己肯定感が高く、自分に対して自信を持っている人が多い傾向にあります。そのため、周囲の人に劣等感や嫌悪感を抱くことなく、相手の能力や個性を認めて付き合うことができます。周囲に感謝をして謙虚に振る舞う姿勢に、相手から好感を得られ、良好な人間関係を築いています。
また、人にはミラーニューロンという、他人の気持ちや行動を理解しようとする神経細胞があります。ミラーニューロンにより、ポジティブ思考の人の前向きな感情や行動は、周囲の人に影響を与え、前向きな気持ちにしていくと考えられています。
このようにポジティブ思考の人の周りには、考え方や行動に共感した人が集まってきます。そこで仲間意識が生まれ、共同体としても良好な人間関係を築くことができるのです。
モチベーションが高い
モチベーションには、給料アップやご褒美などの外的な動機と、自分からやりたいと思ったり楽しみたいと思ったりする内的な動機が左右すると言われています。
外的な動機だけでは高いモチベーションを維持することはなかなか難しいですが、ポジティブ思考の人は、主体的な行動や前向きな考えを持っているため、内的な動機が働きやすい傾向にあります。
そのためモチベーションが高い状態を、維持することができます。
ポジティブ思考の身に付け方
ポジティブ思考になりたいと思っても、どうしてもネガティブ思考に落ち入りやすい人も多いでしょう。ここからは、すぐにでも実践できる、ポジティブ思考の身に付け方を7つ紹介します。
口癖を変える
日頃、「無理」「できない」「大変」などの言葉を発していないでしょうか。
これらはネガティブ思考になりやすい言葉です。口癖として使っていないか意識してみましょう。
たとえば、すぐに「無理」と発してしまう人は、ちょっとの負担でもそう感じてしまっているかもしれません。「無理」と発する前に、どれくらいの負担や難しさなのかを冷静に考えてみましょう。ほんの少しの頑張りがあればできることを、「無理」と思ってるだけかもしれません。
口癖を変えることで、前向きなポジティブ思考が身に付いていくでしょう。
気分が良いと感じる習慣を把握する
少しのことで落ち込んだり、気持ちが沈んだりしてしまう人は、気分が良いと感じる習慣を付けると良いでしょう。毎日一つ幸せなことを見つけたり、好きな音楽を聞いたり、お気に入りのスイーツを食べたりなど、どのような時に自分の気持ちが前向きになれるかを把握します。
ネガティブな感情が押し寄せてきたら、これらの気分が良いと感じる習慣を実行することで、気持ちを落ち着かせることができるでしょう。
気になっていた新しい趣味などにチャレンジしてみるのも、気分を上げるきっかけになるかもしれません。
原因より改善策を考える
失敗をした時、その原因を考えるのも大事ですが、「あの時こうすれば」「もっとこうするべきだった」などと、過去の行為を反省ばかりしているとネガティブな感情になりがちです。
ポジティブ思考を身に付けるためには、原因をしっかりと把握したうえで、どうしたら次は上手くいくか、改善策を考えることにシフトしましょう。
失敗を生かして次のチャレンジをすることで、明るい未来が訪れます。
具体的かつ達成可能な目標を立てる
具体的でかつ達成が可能な目標を立てて実行していくと、達成感が得られやすく、継続することでポジティブ思考が身に付いていきます。
目標を設定するには、「SMARTの法則」のフレームワークを用いると良いでしょう。
以下の5つの項目に従って目標を設定します。
・Specific =具体的な
・Measurable=計測可能な
・Achievable=達成可能な
・Relevant=経営目標に関連した
・Time-bound=時間制約がある
「SMARTの法則」について詳しくは、【SMARTの法則とは?目標設定の方法を具体例付きで紹介】をご覧ください。
具体的かつ達成可能な目標を立てると、自分が目指す姿が見えてきます。目標達成により目指す姿に近づく実感を味わうことができるため、自己肯定感が高まり、ポジティブ思考が身に付いていくでしょう。
自己効力感を高める
自己効力感とは、目標を達成するための能力を、自身が持っていると認識できる感覚です。
前章の具体的かつ達成可能な目標を立てて、それを達成することを繰り返していくと、自分の目標を達成できる能力を自覚し、自己効力感を養うことができます。
自己効力感を高めると自分に自信が持てるようになり、何事にも前向きに取り組めるようになるでしょう。さらなるステップに挑戦したり、物事の決断力や行動力がアップしたりします。
周囲へ感謝する
ポジティブ思考を身に付けるには、周囲への感謝を忘れてはなりません。周囲に感謝を伝えられる心情は、現在の自分に満足をしているから沸き起こるものです。
良い人間関係が構築できていることや今の環境が恵まれていることを実感できているからこそ、周囲へ感謝を伝えられるのです。些少なことにでも感謝の種を見つけることは、ポジティブ思考を身に付けるうえで、とても大切な行為と言えるでしょう。
運動を習慣にする
ジョギングやウォーキングなど、日々の生活の中に運動習慣を取り入れることは、健康維持や免疫力アップなどの効果を期待できます。積極的に身体を動かして汗をかくと、充足感が得られ、幸福度も増すと言われています。
規則的な生活を心がけ、健康的に毎日を過ごすことで前向きになり、ポジティブ思考が身に付くでしょう。
まとめ
ポジティブ思考は、ビジネスのみならず、人生を良い方向へ向かわせる思考です。
日常の中で、不安を感じたり落ち込んだりネガティブ思考になることもあるかもしれませんが、ポジティブ思考を身に付けて、前向きな思考に変化させていきましょう。
ポジティブ思考が身に付くと、行動力が高まり、人生を好転できるでしょう。