「もう辞めます!」
と喉まで出かかったことはありませんか。例えば日頃の人間関係、仕事内容への不満、上司から理不尽なことで責められる、プライベートと仕事の両立に限界を感じたなど様々な理由でガマンの糸がプツッと切れてしまうこともあるかもしれません。
しかし勢いで会社を辞めてしまうと、後で「こんなはずじゃなかったのに・・・」と後悔してしまう可能性があります。会社を辞めることも転職をすることも、今や多くの人にとって当たり前の時代です。だからこそ辞めるという決断には、慎重にならなければいけません。
- 本当に辞めてもいいの?
- 辞めるときはどうやって辞めるの?
- 辞めた後はどうするの?
少しだけ立ち止まって考える時間をとってみましょう。そうすれば辞めた後により良い再スタートが切れます。
衝動的に会社を辞める3つのデメリット
会社で働いていると誰しも多かれ少なかれ不満はあるものです。入った会社がブラック企業だったり、人間関係が悪かったり、待遇面で不満だったり、やりたい仕事ができなかったり人それぞれ悩みはありますよね。
でも何も考えずに勢いで会社を辞めてしまうと後が大変です。
給与がなくなる
退職すると会社から給与が振りこまれなくなります。しばらく収入がなくても生活できるだけの貯金があれがいいのですが、ない場合、日々の生活だけではなく心にも余裕がなくなってしまいます。
辞めてからどうするのか? 辞める宣言をしたときに、そこまで考えていますか?
- 転職活動をする
- フリーランスになる
- 起業する
- 学校に通う
- しばらく充電期間を取る
様々な選択肢がありますが、しばらく安定した収入を得られないかもしれません。転職活動が長引いてしまったり、起業やフリーランスの仕事が軌道に乗るまでに時間がかかることもあります。
会社を辞めても失業手当がでるんじゃないの? と思う人もいるかもしれませんが、必ずもらえる訳ではありません。
失業手当がもらえる人は
- 雇用保険に加入していた
- 雇用保険に加入していた期間が、退職前の2年間で12ヶ月以上あること
- 失業状態であること(働く意思や能力があるにも関わらず、就職できない状態のこと)
これらの条件に当てはまっていないといけません。会社を辞めた後の生活費をどうするのかは、退職前に考えておきましょう。
転職で不利になることがある
無計画に辞めてしまうと、転職でネガティブな評価を受けてしまう可能性があります。例えば転職活動では前職を辞めた理由も聞かれるでしょう。
そこで衝動的に辞めてしまったことを素直に話したら、また採用しても同じように辞めてしまうのでは? と面接で思われてしまう可能性もあります。
正直に話さなかった場合でも、同じ業界で転職する場合、どのように辞めたか噂が広まる可能性もあります。
また辞めた後も前職の会社とは事務的なやり取りもあります。例えば転職する際に前職の退職時証明書の発行をお願いする場合、無責任な辞め方になってしまったら、重責処分と書かれてしまう可能性もあります。なるべく円満退社の形をとって段取りを踏んで辞めほうが得策です。
会社の人たちにも迷惑がかかる
いきなり辞めると、一緒に仕事をしていた周りの人たちに迷惑をかけることもあります。例えばプロジェクトの途中でいきなり抜けてしまったり、十分な引き継ぎをせずに辞めたりすると、残された人たちがあなたのあいた穴を埋めなければいけません。
社内の人の中には、あなたを気にかけてくれた人もいるはずです。これまで仕事を通してお世話になった人たちに恩を仇で返してしまうことにもなりかねません。会社を辞めた後も個人的に関係を続けていくのであればなおさら、一緒に働いている人たちへの配慮が必要です。
会社を衝動的に辞める前に
会社を辞めるにしても、段階を踏むことで問題が解決することもあります。
どうして辞めたいのかを言葉にしてみよう
どうして会社を辞めたいのかを言葉にして整理してみるとよいでしょう。実際に言葉にしてみることで、何が問題なのかが明確になることもあります。例えば
- 待遇が不満なのか?
- 人間関係が不満なのか?
- 他にやりたいことがあるのか?会社にいると実現できないことなのか?
など自分自身の気持ちに向き合ってみましょう。
利害関係のない人に相談しよう
退社の意思表明をする前に、利害関係のない人に相談するとよいでしょう。例えば直属の上司だと、上司の都合であなたにアドバイスをするのが普通です。同僚に相談しても辞めたいという噂はすぐに広まってしまうこともあります。転職エージェントなら営業成績のために転職を推奨してくるかもしれません。
別の会社の友だちなどでも構いませんが、自分が転職したい、関わりたいと思っている業界の人に意見を求めると退職後のビジョンも明確になるのでおすすめです。
最低限のマナーを守って辞める
どんな状況だったにせよ、辞めるときは最低限のマナーを守りましょう。前職の会社とは、辞めた後もしばらく事務的な手続きで、連絡をとる必要があるかもしれません。しかも転職先が同じ業界ならば会社を辞めた後も関わる可能性があります。
- 辞める2週間前には辞意を表明する(就業規則で退職する1ヶ月前には辞意を伝えるなどの決まりがあれば就業規則通りに)
- 引き継ぎをしっかり行う
- できればキリのよいところで辞める
もちろん昨今、問題になっている会社からの強引な引き止め、脅しにあうなど在職強要をされる場合は労働基準監督署に相談しましょう。
上司と話し合う
まずは上司と話し合いをしましょう。もしかしたら、話し合いをすることで、抱えていた問題が解決する可能性もあります。辞めたい理由が待遇面や業務内容の場合、話し合いを通して改善されるかもしれません。
辞めることになったとしても、上司もあなたの退職に対して心づもりができます。なんの前触れもなくいきなり辞めると言われるたら、上司の心証を悪くする可能性があります。
辞めると決めたら、順を追って辞める
会社を辞めるなら順を追って辞めましょう。いきなり辞めてしまうと残された人が、あなたが担当していた仕事の埋め合わせをしなければいけなかったり、無責任な辞め方だと思われてしまうかもしれません。
例えば引き継ぎをする、退職時の挨拶をするなど順を追って辞めることが退職後のあなたの評判を守ることにもなります。
辞めた後の計画を具体的に立てる
会社にいるのが嫌だという理由だけで何も考えずに辞めてしまうと、退職後に途方に暮れてしまうかもしれません。退社後の計画を会社にいる間に立てておくと、辞めた後の生活もスムーズに進みます。
ただ会社が忙しかったり、辞めた後のことまで考える余裕がないこともあるかもしれません。そんなときは、しばらく休んで自分を見つめ直す期間だと決めてしまうのもアリだと思います。 例えば
- 辞めてからすぐに転職活動をする
- 学校に通う
- 1か月はのんびりしてみる
- 旅行に行って気分転換する
- 会いたかった人に会う
など退職後にどう過ごすかを決めておけば、心に余裕も生まれるのではないでしょうか。
本当に辛かったら休職してから考えてもよい
会社に通うこと自体つらくて一刻も早く職場から離れたいという状況なら、辞める前に休職願いを出すのも手です。いきなり辞めてしまうよりも、落ち着いて考える時間もできます。特に心や体のバランスを崩しているなら医師に相談してみましょう。診断書を書いてもらえる可能性があります。必ずしも休職願が受理されるとは限りませんが、衝動的に辞めてしまう前に一度、会社に相談してみることでじっくり考える時間ができるかもしれません。
まとめ
会社を辞めたり転職したりすることが当たり前の時代になってきました。しかし衝動的な会社の辞め方をしまうと3つのデメリットがあります。
- 会社を無計画に辞めてしまうと収入減で生活と心に余裕がなくなる
- 転職で不利になる可能性がある
- 同じ会社で働いている人に迷惑になる
勢いにまかせて辞めてしまうと、あなたにとっても会社にとっても後味の悪い結果になってしまいます。辞める前に上司に相談する、引き継ぎをする、在職期間の責任を果たすなどマナーを守れば退職したとしても後悔なく新生活を迎えられるはずです。
立つ鳥跡を濁さずということわざにもあるとおり、美しい引き際にしましょう。