あなたは本当の意味で「チーム」を運営できていますか?グループから組織を変革するコツ!

日本のGDP順位、人口で割ると、がくっと下がるワケ

日本の景気低迷や、成長力の低下などが問題になって久しく、この状態が常であると認識してしまっている人々がどれだけ多いでしょうか。ほかにも少子高齢化、日本の借金ともいわれる政府の総債務残高の大きさ、どれも大きな問題で、解決が難しいことばかり。そのような報道にすっかり慣れっこになってしまっている方も多いことでしょう。


そんななか、国内総生産(GDP)に目を移してみれば、データが更新された直近の2016年のデータによると、日本のGDPは世界第3位とあります。この人口1億2千万人前後(http://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.htmより)の日本のGDPが、世界第3位とは健闘していると考える方もいるかもしれません。しかし一人あたりのGDPを比べると順位は格段に下がって、22位になることはご存知でしょうか。(http://www.globalnote.jp/post-1339.htmlより)
東京に企業などが集中しているために数値の都市偏重もあるでしょうが、日本人の働き方の効率の悪さがこの順位変動によく出ていると思います。

効率の悪さの原因は、職場での働き方にも問題があるといえます。上司が常駐する職場では、上司が帰宅するまで部下が帰りづらく、だらだらと残業してしまうなど、本来であれば必要ないであろう、察しが原因のこともあることでしょう。毎日顔をつきあわせてオフィスにいれば、結果がでていなくとも勤務時間が長いことで努力していると見なされると考え、なかなか家路につかない場合もあります。実際に、長時間労働・滅私奉公的な働き方が望ましいとされてきた文化のある企業もあったでしょうが、最近の一連の報道で、長時間労働を強いる企業はブラック企業ともいわれ、敬遠されるようになりました。この流れはよいことでもあるといえます。

イギリス人は平日でも夕方5時からホームパーティ!


私ライター個人の体験ですが、フルタイムで勤務中、会社から1ヶ月有給休暇をとりイギリスに短期留学した際、小学生の子供2人を育てているシングルマザーの家にホームステイしました。彼女や彼女の友達たちの時間の使い方に感銘をうけたものです。

彼女たちは、週に何度も子供たちを遊ばせながら、親同士でディナーを兼ねたホームパーティをしていましたが、それは夕方5時から始まるのです。彼女たちは夕方からリラックスタイムを楽しむために、勤務先に近い住まいを持ち、かなり朝早い時間から通勤して効率性を上げているようでした。また、5時にもう帰宅していてもよいという世間の風潮、そのために仕事中の徹底的な効率化などももちろんなされているからこそ実現できるものでしょう。

5時といえば、私にとっては、オフィスのコーヒーをくみに行って、もうひとふんばりしようかというような時間でしたので、夕方には仕事を終えてすでに家に集まっている彼女たちの姿に、かなりの衝撃を受けました。当時、フルタイムで勤務していた私は、残業が美徳と思っている昭和的社員で、業務が立て込んでいなくても、平均夜9時〜10時までオフィスにいることが当たり前。もちろん当時の部下も同じような働き方でした。

対照的に、海外勤務経験が長く、お子さんがいらした私の会社の代表は、本当はもっと早く帰りたかったかもしれません。私たちの仕事ぶりを心配してなかなか帰れなかったのかもしれず、そして私や、これまでの社員の、普通この時間まで働くものだ、という勝手な思い込みで自分やまわりを追いこんでいたかもしれません。
みなさんも、思い込みや、前例を捨てられず、習性のように仕事時間を長くしていることはないでしょうか。

日本式美的思い込みと決別しよう!

このような思い込みや、非効率な働き方をやめ、生産性を高めるためにはどうすべきでしょうか。日本人はとかく、自分のまわりに異質な存在がいると排除したがったり、マウンティングして自己判断し、見下して安心したりしがちです。しかしこのままでは、効率のよい働き方や、少子高齢化社会のなか、仕事をして生き残っていくために必要なイノベーションは望めないでしょう。もっとよりよい働き方について考えていきたいと思います。

日本では周りをみて、空気をよみコミュニケーションをとることがよしとされるときがあります。しかしそのようなコミュニケーションは、自分とかけ離れた背景や、生い立ち、環境が違う人とは機能しないでしょう。たとえば、人種のるつぼといわれるアメリカでは、宗教や肌の色が違う人たち同士で、日本的な黙っていても通じるようなコミュニケーションができるとは到底思えません。最近外国の方も増えたとはいえ、基本、同一人種の日本では、ついお互いを思いやり、察する文化を求めてしまうところがあり、それができないひとを仲間はずれにしたり、KYなどといってみたりします。

同時に、周囲と同一性を重んじる文化もありながら、他人を排除し、自分だけが評価されたいと願う個人主義的な人が大変多い状況がいま、日本の根底には存在しています。長い間景気低迷が続き、誰もが自信を失っている雰囲気がぬぐえず、皆が自分だけの評価を求めがちです。例えば企業において、ある業務や問題を解決のためのチームをつくっても、チームの功績が自分の評価につながると理解できず、メンバーに非協力的になったり、事なかれ的な態度でやり過ごしたりするのです。このようなチームは、チームというより、単なるグループと言えるでしょう。

チームとグループの違いとは?


新聞やメディアでも活躍されている齋藤 ウィリアム 浩幸氏 は、著書 『ザ・チーム〜日本の一番大きな問題を解く』にて、日本にはチームが存在しないと言明しています。

齋藤氏は、チームとは、それぞれ得意分野のあるプロたちが、利害関係をこえて、お互いを尊重しつつ、協力しあい、問題を解決していく為になくてはならないものだと主張しています。日系二世の齋藤氏は高校、大学でディベート力をつけ、リーダーシップの取り方や、一人一人の特長をとらえた役割あてなどの問題解決能力を高め、アメリカで起業家として成功し、その経験を生かして日本企業や政府関係者たちと仕事をしているそうですが、節々で、日本の真のチーム不在、チームを動かすリーダーシップや目的意識の欠如に気づかされたことや、チームと称して人員が集まっても、実際にはグループとしての働きしかなさず、機能しないことが多いことを体験したと著書で表しています。

確かに、私たちがチーム、と聞いて思い浮かぶのはプロ野球やサッカーチームなどのエンターテイメントな事例が多いです。そしてチーム自体が評価されるという実績についてはあまり聞いたことがないありさまです。強いて言えば、オリンピック選手がメダルを取るため集結して協力しあったメンバーを、チーム◯◯などと称した報道を見たとき意識する程度でしょうか。そのくらい、チームという概念をもって仕事を成し遂げるという土壌が日本には欠けています。チームで働くということの概念を定着させて仕事の意義やモチベーションなどをチームメンバーで理解し、クリアにして業務をすすめれば、効率性や、透明性、目的意識が強固にできることは明らかです。

私個人の体験において言えば、外資系消費材メーカーで、セールス業務をしながら、部のマネジメントも担当していましたが、平行して、展示会のリーダーも担当していました。その際は展示会遂行メンバーを選び、チームを作っていました。部を超えて展示会を成功させるという共通ミッションを明確にし、ゴール設定などすりあわせて十分な成果を得ることができました。自分としては、部のマネジメントよりも、チームで仕事を行うほうが、ゴールが明らかで、その分評価も高くされたと自負がありました。

部のマネジメントは、部下のマネジメントを通じて自分も評価されるはずですが、いつからか自分の昇進や評価ばかり気になるようになってしまい、少しでも問題や反発が出るだけで、部のチームのリーダーとして動くことにネガティブになってしまったのです。これは自分ながら戸惑う体験でした。プライドの高さや仕事量から、評価されたい気持ちが大きくなり、業務の足を引っ張った苦い経験です。これは、日本人がひとりひとりは優秀だったり、まじめだったりして能力があるのに、評価を気にして、発言をしなかったり、やり過ごしたりする典型的な、非協力的な、よくある態度でもあるでしょう。

そのような態度にいつの間に陥ったり、悪い方向にはまって煮詰まるようなことは誰でも一度はあるのではないでしょうか。しかしこんな態度はチームのいちメンバーではなく、単なるグループメンバーに成り下がってしまう元凶です。いまこそ、チームで働くことを理解し、その力を使ってミッションを解決し、評価や実績をあげていきましょう。

チーム力を有効にする!

チーム力を有効にして働くためには、ゴールや目的をはっきりし、その目標にむかってメンバーを尊重しながら、チームのひとりひとりが協力することが大事です。自分の力を出し惜しみしたり、人を選んで協力しないなどといったことがあってはなりません。それぞれが力を出し合うために、よくコミュニケーションをとり、理想や問題を詳しく話しあって、モチベーションを高めていくことも大事でしょう。

またチーム人員を選ぶ際に、同じような人ばかりを選ぶのではなく、多様性のある人選をすべきです。複雑で問題が多い難しい業務こそ、さまざまなものの見方が必要です。例えば、女性向けの商品開発案件で、同じような年齢の男性達でアイディアを出し合っても、革新的な商品は生まれづらいでしょう。女性や、人種、年齢、職業など、多様な環境から人選を行い、それぞれの意見を聞けば、斬新なアイディアが得られる可能性が高まります。

その場合にはどのような相手でもコミュニケーションをとり、理解し合う柔軟性も必要です。自分とあまりにもちがう環境だからといって、その人と距離をとったりしていれば、問題はいつまでたっても解決できません。

現在増えてきているフリーランスの方々について言えば、一般的には一人でフリーオフィスや事務所で仕事をする場合が多いでしょうが、フリーの方こそ、関わっている案件のひとつひとつに、チームの一員としての働きが必要でもあると言えます。現在、テレワークの浸透や、オンラインでのコミュニケーションのように、直接メンバーと会わずとも、コンタクトをとれるツールの発達はめざましいものがあります。そのようなツールは、いつでもゴールや共通認識などをチームメンバーにシェアできます。自分の工夫次第で、共通のタスクやゴールを明確にし、シェアしやすいために、革新的なチーム作りや、プライベートを充実させられるような仕事時間の設定などがすすめやすいとも言えます。いまこそチーム力を鍛え、無駄を排除したり、モチベーションを高めていき、新しい日本の働き方を構築していきましょう。

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