みなさんは「タスク管理」が得意ですか?おそらく自信をもって「得意!」と言える人は少ないと思います。ちなみに筆者はもともと「タスク管理」が苦手でした。細かくいろいろ管理するのは面倒くさいなと。
しかし、フリーランスになって自分の仕事の生産性が収入に直結するようになったとき、もっと効率よく仕事ができる方法を模索しました。その結果「タスク管理」をきちんとやることが生産性の向上に大きく関係すると気づきます。
本記事では、筆者がさまざまな試行錯誤を経て学んだタスク管理の「本質」をお伝えします。
そもそも「タスク管理」とは?
まず「タスク」とは、小さい単位の仕事(作業)のことです。また、タスクをより細かく分けると「サブタスク」になります。
例えば「次の会議でプレゼンをする」というタスクがあったとき。
- リサーチをする
- プレゼン資料を作成する
- 上司にアドバイスをもらう
- 資料をブラッシュアップする
- 人数分の資料をコピーする
上の1~5がサブタスクになります(あくまでざっくりとです)。
ただ「タスク」の定義は、一意に決まっていません。自分にとってわかりやすいように解釈していいでしょう。
次に「タスク管理」について考えましょう。タスク管理とは「それぞれのタスクを効率的に完了する手段」です。ここで大事なことは、タスク管理は「手段」であって「目的」ではないということです。
タスク管理の基本は「5W2H」です。
- When(いつ)⇒「期限」
- Why(なぜ)⇒「理由」
- Who(誰が)⇒「主体」
- Where(どこで)⇒「場所」
- what(何を)⇒「内容」
- How(どのように)⇒「方法」
- How Much(どのくらい)⇒「時間」
「5W2H」を考えることで、抜け落ちなくタスク管理をすることができます。
「タスク管理」が苦手になる3つの原因
「タスク管理」に対して苦手意識をなくすために「タスク管理が苦手な原因」を突きとめましょう。
筆者の経験を振り返ってそれらの「原因」を洗い出してみたところ、根本的な原因が三つあることがわかりました。
原因①「初動が遅い」
みなさんは、こんなことありませんか?
朝、会社に着いてメールをチェックしたら、Inboxにメールが山積み。一つひとつ内容を確認・返信する。やろうと思っていたタスクは気が乗らず午後に後回し………。
これは一つの例ですが、予定のタスクにすぐに取りかからない、つまり「初動が遅い」ことはタスク管理にとって大きな弊害です。さらにタスクが後ろにずれていくと、どんどん焦りや不安も増していき、作業効率にも悪い影響が出ます。
タスク管理を上手くこなすためには「初動が遅い」という原因を解決する必要があります。
原因②「タスクの粒度が大きい」
「タスクの粒度が大きい」ことも、タスク管理の効率を下げる大きな原因の一つです。
例えば「新しい企画を出す」というタスクがあったとします。これだと大ざっぱすぎて、タスク管理に重要な「How Much(時間)」や「When(期限)」の見積もりができませんよね?
そのためタスク管理をするときは「タスクの粒度」を意識しましょう。
原因③「複数のツールを利用」
タスク管理が苦手な人あるあるの一つに、「たくさんの『タスク管理ツール』を併用している」ことが挙げられます。
確かに、世の中には優れた「タスク管理ツール」がたくさん存在していて、これらをとにかく使い倒せば上手にタスク管理ができるのではないか、と考えることも納得できます。しかし、ツールが多すぎるとむしろツールの持ち味を活かしきれないということが起きてしまいます。
例えば、二つのタスク管理ツールを併用してるとき、両方にタスクを登録することは二度手間です。他にも、ファイルの紐付けをするときに情報が散ってしまい、管理しにくくなります。また同じタスクのリマインダーが二度来てしまうなど、さまざまな問題が生じます。
「タスク管理」の苦手意識を払拭するには?
これまで「タスク管理」が苦手な原因だけ述べてきて「じゃあどうすればいいの?」という話をしてきませんでした。ここでようやくそれらの原因を解決する3つの方法を解説します。
解決策①:「儀式」を決め、小さく始める(ベイビーステップ)
原因①の「初動が遅い」に対する解決策を述べます。
まず前提として、予定のタスクにすぐに取りかかれないことは、誰にでもよくあることですのでご安心ください。その上で、タスクを後回しにしないためには二つのコツがあります。
一つ目は、タスクに取りかかる「儀式」を決めることです。
例えば(筆者の場合)、
- コーヒーをいれてPCの横に置く
- 腹式呼吸を5~10回する
- 音を遮断するイヤーマフをつける
ことをタスクを始める前の儀式として習慣化しています。毎日繰り返し同じ儀式を繰り返すことで、無意識にタスクを始めるモードに頭が切り替わります。自分なりの儀式を決めてみてはいかがでしょうか。
二つ目は、小さく始める(ベイビーステップ)ことです。気が乗らなくても、コードを1行書いてみる。眠くても、資料を1ページ読んでみる。疲れてても、1件テレアポする。このように、たった少しの弾みが大きな勢いとなって雪だるま式にタスクに集中できるというのは、よくあることです。ぜひ、意識してみてください。
解決策②:粒度が大きいタスクを分解する(チャンクダウン)
粒度が大きいタスクは分解しましょう(チャンクダウン)。どこまで細かくすればいいかはケースバイケースです。ただ、When(期限)とHow Much(時間)が決められる単位まで落とし込むことが目安です。タスクを分解したら、順番を適切に入れ替えて、後は作業あるのみです。
解決策③:自分に合ったタスク管理ツールを一本に絞る
筆者の意見を述べると「タスク管理ツール」は一つに絞った方がいいと思います。多くても2つか3つ、それ以上は手を出さないことが賢明です。タスク管理ツールの選び方については、以下の記事が参考になるでしょう。
まとめ:タスク管理は「目的」ではなく「手段」
冒頭でも述べましたが、タスク管理は「目的」ではなく「手段」にすぎません。みなさんの目的は「仕事で成果を出す」ことです。タスク管理にこだわりすぎることは本質的ではありません。このことを忘れないようにしましょう。