仕事を始めたばかりのころは、目の前にある仕事を片っ端から片づけるというやり方で作業を行なうことがあるかもしれません。
これは、仕事に熱意をもって取り組んできた人であれば誰しもが通ってきた道です。しかし、次第に仕事が増えてくると、このような方法では、すべての仕事を決められた時間内に完了することはできなくなります。やるべきタスクが増えてどれから手を付けていいかわからなくなっている状態で作業をしていると、無意識のうちに、ほかの仕事や残っているタスクのことを考えてしまうのが人間です。
いずれ、仕事にミスが生じるようになり、非効率的な方法で仕事をすることが当たり前になってしまいます。
本記事では、このような状況になることを避けるために、改めてタスク管理の方法についてご紹介したいと思います。
タスクとは、生活の中で「やるべきこと」の総称です。頭の中だけでタスクを整理しようとすると、必ずといって良いほどミスが生じてきます。作業の効率を上げながら、ミスなく仕事をするためにも、正しいタスク管理の方法について知ることが大切です。
タスク管理とは、あなたが、いま処理するべきたった1つの作業を明らかにすること
みなさんは、タスク管理とはどのようなものかご存知でしょうか?
よくある間違いとして、タスク管理を「できるだけ多くの仕事を完了させるためのテクニック」だと勘違いしている人がいます。
では何が正解かというと、「いま、するべき作業を一つ明確にする」ことがタスク管理です。
日々仕事をしていると、メールの返信からはじまり、さまざまなタスクを抱えていると思いますが、それらのタスクを頭の中で整理して片づけるのではなく、いまやるべき一つの作業に集中することで作業効率を大幅に上げることができます。
「これだけやればいい」という状態になると、他のことを考える必要がなくなるので、仕事の生産性がグンと向上します。
「Doingリスト」を使ってタスク管理をする方法
先ほど説明したようなタスク管理の方法を実現するためのもっとも簡単な方法は「Doingリスト」を使うことです。「Doingリスト」を使ったタスク管理の方法は、筆者自身も実践してその効果を認めています。
※Doingリストについては、プレジデントOnlineの「よいToDoリスト”を作る3つのポイント」という記事で紹介されています。
Doingリストの作り方
①まず、1枚の紙を用意します。
②紙の中心に、左右を分ける縦線を1本引きます。
たったこれだけでDoingリストは完成です。
一般的にタスク管理のテクニックとしては、ToDoリストが良く知られています。ToDoリストはタスクを書き出して整理するという点では優れていますが、実際に作業を進めている場合はDoingリストのほうがより優秀だといえます。ToDoリストに書き出しているタスクは、すぐに終わるタスクもあれば、いくつかの工程を経て完了するタスクもあります。一方、Doingリストに列挙するのは「いまやっているタスク」のみです。つまり、比較的かんたんな作業を次々に実行していく仕組みになっているので、どんどんと作業スピードが上がります。
縦に引いた線の左側には、5~10分くらいで実行可能な、これから実行するタスクを列挙します。同時にToDoリストも併用し、リストの中から、今しているタスク、次にするタスクという流れで、タスクを抽出する形でDoingリスト作っていくのが理想的です。
Doingリストを作ったら、あとは上から順に実行していくだけです。作業の途中で別のタスクが割り込んできたら、右側の空いているスペースにメモとして残しておいて、再度、左側のタスクを進める作業に戻ります。このような流れで、左側のリストの最後のタスクまですべて実行したら、途中で割り込んできた右側のタスクを含めて、新しいDoingリストを作ります。
この作業を繰り返すことで、スピード感をもってタスクを片付けていく仕組みがDoingリストです。
Doingリストで守る2つのルール
Doingリストを使うときは、以下の2つのルールを絶対に守ってください。1.順番を変えずに、必ず上から順にタスクを実行していきましょう。同時に2つのことをしたり、作業を1つ飛ばしたりしてはいけません。
2.作業の途中で、電話やメールなどが来て、タスクが割り込んできた場合は、そのタスクにとりかかるのではなく、リストの右側に、割り込んできたタスクを記入しておきましょう。
割り込んできたタスクが、2~3分くらいで終わりそうな場合、ついつい「これだけやっておこう」となりがちですが、絶対に決められたルールを守ってください。
「これだけやっておこう」という気持ちこそが作業を非効率的にしている原因です。人間の集中力は思っているほど続きません。むしろ、些細なことでプツンと集中は切れてしまいます。
「いまやっている作業」から離れ、集中力が切れると、頭の中で別のタスクのことを考えてしまい無意識のうちに気を取られてしまいます。この状態になるとあらかじめ決めた計画通りにゴールまで辿りつくことができなくなってしまいます。
Doingリストは、ゴール(すべてのタスクの完了)まで一直線に走るための指針なのです。
タスクをスケジュール化する
タスク管理を行なう上で重要なことは「「タスクをこなす順番を考える時間を作らない」ということです。
必要最低限の時間でタスクを行う順番を決めるためには、朝一番に「その日にやるべきタスク」を書き出し、スケジュールに組み込むという方法があります。
1日のスケジュールにタスクが組み込まれていれば、あとは順にこなしていくだけです。この方法を使うことで無駄な隙間時間が省かれ、作業を脱線せずに、スムーズに仕事をこなしていくことができます。
なぜ、あなたのタスク管理はいつも失敗するのか
いざタスク管理をしようと思ったけど、どうしても上手くタスク管理を行なうことができないという人もいるかと思います。
あなたのタスク管理がうまくいかないのには必ず何かしらの原因があります。タスク管理が苦手な人に当てはまる代表的な2つの原因についてご紹介します。タスク管理が苦手な人は、以下の事例に自分が当てはまっていないかもう一度確認してみてください。
原因1 仕事をマルチタスクで行なっている
仕事をしていると、複数のタスクを同時行わなければならない状況に陥ることがあります。これがいわゆるマルチタスクの状態です。マルチタスクは、うまくいっているときは、複数のタスクを一気に完了させることができるので、モチベーションにもつながるのですが、一度ペースが崩れると非効率な仕事になってしまいます。
先ほど紹介したDoingリストは、マルチタスクを禁止して、あらかじめ決めた流れに沿って一気にタスクを片付けていく方法です。
マルチタスクで複数の作業を同時に進めていくと、効率が良いように見えますが、実は大きな無駄が生じています。作業から作業へ移るときに、その都度、頭のスイッチをを切り替える必要があります。これでは、せっかく作った作業ペースを崩してしまうことになりかねません。作業スピードが落ちるということは、非効率的な仕事になっているということです。
本サイトでも、マルチタスクを行なう方法について、いくつかの記事で紹介していますが、効果的なケースもある一方で、マルチタスクを行なうことで逆に作業ペースが落ちてしまうリスクがあるということも知っておいてください。
原因2 ルールを守らない
先ほど紹介したDoingリストをはじめ、世の中には様々なタスク管理の方法があります。そしてこれらのタスク管理の方法は、その仕組みを信用して、ルールに沿って繰り返し作業を行うことで習慣化され、作業の効率化を図ることができます。
そのため作業ペースを崩さないということがとても大切です。たとえば、「今日はDoingリストでタスク管理をして、、明日はToDoリストで、、、」というように、異なるタスク管理の方法を併用したり、「今はDoingリストを作るけれど、余裕があるときはDoingリストを作らない」というように、気分でタスク管理を行なうといったことは避けましょう。
ルール違反を繰り返すと、なかなか習慣化されず、効果的なタスク管理を行うことはできません。
余裕があるときこそ、頭の中に浮かんだ考えを書き出し、Doingリストを作成する習慣を作ってみましょう。この積み重ねが、あなたの作業効率を何倍にも高めてくれます。
作業効率を高める方法は、以下の記事でも紹介しています。1日200人以上の人に読まれている良記事です。なにかヒントが見つかるかもしれませんね。
まとめ タスク管理の方法はとてもシンプル
いかがでしたでしょうか?
本記事では、タスク管理の方法についてまとめてみました。
タスク管理の本来の目的は、「できるだけ多くの作業を完了させること」ではありません。タスク管理をすることで、作業を見える化し、ミスをなくし、効率化を図るためにタスク管理があるのです。
ここで紹介した事例は、あくまで一例です。本記事をきっかけに、いくつかタスク管理の方法を試し、自分にあったタスク管理の方法を見つけてみてください。
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