「ミレニアル世代」とは、1980年代から2000年代初頭に生まれた人たちのことです。彼らは、デジタルネイティブと呼ばれ、インターネットとともに成長してきました。
現在、彼らを筆頭にSNSが普及しています。SNSは私たちに、プラスになることもあれば、マイナスになることもあります。この記事では、SNS断捨離と呼ばれるムーブメントを紹介します。
SNS(Social Networking Service)とは?
SNS(Social Networking Service)は、ユーザー同士のコミュニケーションを可能にするWEBサービスの一種です。日本で有名なものは、
- LINE
などです。この記事を読まれている皆さんでしたら、どんなサービスか知っているはずです。SNSは、世界中に無数にあり、広く普及していて、私たちの生活にとけこんでいます。
SNSの普及に伴う恩恵と厄災とは?
ここからはSNSの普及に伴って、我々の社会が受けるメリットとデメリットについてみていきましょう。
SNSがもたらした恩恵
私の考えでは、SNSが社会にもたらした最も大きな変化は、個人の発信が社会に広く伝わり、影響力を持つようになったことだと考えています。
例えば、Twitterの発言の一つが二カ国における代表の会合を実現することもあります。SNSは、政府や企業などにおいて、無視することができない流れであることは明確です。
SNSがもたらした厄災
SNSがもたらしたプラスの変化を述べました。次は、SNSがもたらしたマイナスな変化についての考えです。現在、もっぱら議論されているマイナス面を、2つご紹介します。
1. SNS疲れ
1つ目は、「SNS疲れ」です。文字通り、SNSにおけるコミュニケーションのしんどさが楽しさを上回ることを示しています。
一例をあげると、Twitterの「リツイート(RT)数」やFacebookの「いいね数」が常に気になり、スマホをチェックばかりして疲弊してしまうといったことが挙げられます。
また、他人のキラキラ充実した生活の投稿と自分の実生活を比較してしまうことに嫌気がさしていたり、フェイクニュースなど沢山の情報に踊らされることに疲弊しているという方もいらっしゃるでしょう。
2. インスタ映え
2つ目は、「インスタ映え」です。この言葉は、ユーキャン新語・流行語大賞を受賞するほど話題になっています。
インスタ映えは、SNSのひとつであるInstagramに投稿する写真や動画が、どのくらい見映え良くうつるかを意味します。
現在は、Instagramに限らず他のSNSでも「インスタ映え」という言葉が使われるようになっています。
問題点は、イベントやそのもの自体への興味ではなく、インスタ映えをするコンテンツを作成するために、おしゃれなカフェにいったり、音楽フェスに参加する人がどんどん増えている点です。この意見に関しては賛否両論はあるかと思いますが、SNSに人間の行動がコントロールされてしまっているという観点からマイナスの評価としました。
SNSを断捨離したらどうか?
前の章では、SNSによって受ける恩恵と厄災を紹介しました。恩恵が厄災を上回るなら問題ないのですが、厄災が恩恵を上回るのなら、対策を考える必要があるでしょう。
対策の一つとして注目を集めているのは、「SNS断捨離」と呼ばれる行為です。
断捨離はもともと『新・片付け術「断捨離」』(やましたひでこ、2009)で紹介された方法です。
「断」「捨」「離」のそれぞれが、重要な意味を持ち、結果的にモノへの執着をなくそうとする考え方です。
断捨離は、もともと「片付け」を対象にしていました。
しかし、世間から注目を浴びると同時に、あらゆるモノにその考え方が使用されるようになります。「SNS断捨離」もその一つです。
SNS断捨離の論点
SNS断捨離について、ここでは、2つの論点を解説します。
SNS断捨離で自分を解放する
SNS断捨離をすると、対人関係における自分を不利益から解放することができます。ここでは、SNS断捨離の3つのメリットを取り上げます。
1. 現実のコミュニケーションに集中できる
SNSでは、ユーザー同士のコミュニケーションがオンライン上で活発に行われています。遠く離れた友人・知人と気軽に意思疎通できることはとても便利です。しかし、オンラインのコミュニケーションにのめり込みすぎると、目の前の相手との交流が希薄になることもあります。例えば、友人と一緒に2人でランチを食べている時に、一方がずっとスマホでSNSの投稿をしていたら、悲しい気持ちになるはず。SNS断捨離は、あなたの周りの人との本来の関わりを取り戻す手段になるでしょう。
2. 本当に大切な縁を見極めるチャンスになる
SNS断捨離は、良縁を見極める絶好のチャンスです。みなさんのFacebookの友達を見てください。必ず「これ、誰だっけ?」という人が存在するはずです。
SNSでは、簡単に交友関係を築くことができるので、どんどん追加していくとあらゆる情報の洪水に飲まれることになります。
そのような状況を改善するために、SNS断捨離は有効です。そうすることで、本当に自分が大切にしたい縁を見つめ直して、関係性をより強固にすることができるでしょう。
3. まわりの目を気にせず自由にふるまえる
SNSは、「インスタ映え」を筆頭に他人からの目線を強く意識します。すると、まわりの目によく映ることに囚われがちな人は、自分の好きなように振る舞うことが難しくなります。
SNS断捨離をすれば、そのような状況から脱することができるかもしれません。
衝動的にアカウント削除をすると詰む
この記事を読んで、まさに自分は「SNS疲れ」や「インスタ映え」に悩んでいると感じて、SNSのアカウントを今すぐ削除したい気分になった方!
しかし、お気をつけください。それをすると、詰みます。ここからは、SNS断捨離を経験した筆者の体験談をしたいと思います。
筆者は、大学1年生(2009年)にFacebookを始めました。国際系の団体に所属していたため、外国人と関わる機会が多く、彼らとつながりを持つためです。
大学の友人なども含め、友達の数は800人ほどになりました。
しかしある日、突然Facebookアカウントを削除したい衝動にかられました。
友達からの「誕生日おめでとう」コメントに返事を書くことに飽き飽きとしたからです。まさに典型的なSNS疲れでしょう。そして筆者は、Facebookのアカウントを削除しました。
アカウントを削除してからとくに禁断症状も出ず、穏やかに過ごしていましたが、しばらくしてから海外で出会った友人ともう一度話したいと思うことが増えてきました。
しかし、もはや彼らと連絡をとる手段はありません。その時、自分は大切な縁も台無しにしてしまったことに気づきました。
SNSの断捨離は計画的に
前の章で書いたようにSNSの断捨離は、衝動的にではなく計画的に行いましょう。最後は、SNS断捨離をしたい人のために踏まえるべきポイントを紹介します。
友人・知人と連絡先を交換する
まず大切なことは、今後も付き合っていきたい友人・知人と別のツールでの連絡先を交換することです。これを契機に友人・知人との関わり方についても一考すると人間関係が整理されて、効果的です。
SNS断捨離は段階的にやろう
SNS断捨離は、一度にすべてのSNSのアカウントを削除をするのではなく、段階があります。まずは、SNSを利用する時間を少しづつ減らして、現実のコミュニケーションに余った時間を割きます。
無意識にSNSを開いてしまうという方には、iPhoneの「スクリーンタイム」という機能がオススメです。この機能では、各アプリの使用可能時間をあらかじめ設定することができるので、SNSの使い過ぎを防ぐことができます。
次に、アプリケーションやブックマークを消して、ブラウザの検索からしかSNSを開くことができないようにします。ここまで来たら後は、アカウントを最も不要なものから順番に削除していきます。
過去の投稿をネット上から削除する
最後に一つだけ、注意があります。SNS断捨離をする時に自分の過去の投稿をSNSから削除することです。
SNSにいわゆる黒歴史を残してアカウントを削除すると、それらは永遠に水に流すことができません。SNSによって削除の仕方は異なりますので、それぞれ手順に従ってくださいね。
まとめ
SNS断捨離について議論をしてきました。基本的な言説を軸に多方面から現象を捉え、体験談も交えながら述べています。
SNS断捨離の良し悪しはみなさんの置かれた状況に応じて変わるでしょう。本文中にある恩恵と厄災を参考に、考えていただけますと幸いです。