リモートワークの攻略法?誤解を生まないコミュニケーションとは

「〜してください。」「〜してください! 」「〜してください^^」

この3つ、あなたはどう受け取りますか? 命令されている? 指示されている? 頼まれている? このような受け取り方の違いから生まれるズレは、直接顔を合わせて伝えていれば生まれないものばかりです。 

このようなリモートで生まれてしまうコミュニケーションの誤解は、リモートワーカーにとって大きな課題です。実際に寄せられたリアルな声を元に、リモートワークにおいて誤解や不信感を生まないコミュニケーションについて考えてみました。リモートのやりとりに一喜一憂してしまう人は、一緒に振り返ってみませんか?

リモートワークの急加速状況

最近ではテレビで耳にしない日はないほど、リモートワークという働き方は市民権を得ています。ここ数年の間でリモートワークが加速した要因を挙げてみました。

東日本大震災

東日本大震災の影響で出勤が困難になったことをきっかけに、都内の一部企業がリモートワークという働き方を取り入れ始めました。この時期にリモートワークを導入した企業は、今ではリモートワークの先駆けとなり、率先してリモートワークを推進する活動をしています。

2020東京オリンピックに向けて

東京でオリンピックが開催されることになり、問題視されたのがオリンピック開催期間の交通の混乱です。それを避けるべく、国をあげてリモートワークを推奨するようになりました。

新型コロナウイルスによる自粛

新型コロナウイルスの流行により、日本でも非常事態宣言が出されました。感染拡大を避けるべく、リモートワークを余儀なくされた人も多いのではないでしょうか。

試用期間もなく始まった突然のリモートワークでしたが、多くの人が出勤がなく場所を選ばない働き方に新鮮さを感じ、リモートワークの可能性を見出していました。ところが、だんだんとリモートワークに疲弊し始めているという話を耳にするようになったのです。一体どのようなことに疲弊し、不便を感じているのでしょうか。

やってみて分かったリモートワークの課題

リモートワークの課題といえば、当初セキュリティや管理システムが問題視されていたものの、システム的な問題は次第に解決され、今ではコミュニケーションの難しさが課題視されるようになりました。コミュニケーションにおける課題はどのように乗り越えたらいいのでしょう。

感情の共感ができない

「失敗をフォローしてもらって申し訳ない気持ちと感謝の気持ち、どちらも伝え切れずにもどかしい! 」

感情を文面のみで伝えるということは、一朝一夕でできることではありません。そうはいっても、巧みな文章をわざわざ考えるほど暇でもありません。でも、感謝と謝罪は仕事をするにあたり不足なく伝えたい感情であることは間違いありません。これらをしっかり伝えることは、リモートワークのコミュニケーションで最も大切だといわれています。

感謝の気持ちを伝えるチャットは、絵文字やリアクションボタンを駆使し、盛大に伝えます。また、謝罪の気持ちも最大限の感情が伝わるよう、丁寧な言葉を選びが必要です。

また、自分がいわれる側に立った時には、まわりの人がどのような言い回しをしているかに注目してみるといいでしょう。気持ちの伝わる言い方があれば、自分のボキャブラリーに追加します。

さらに、感謝や謝罪をチャットで伝えて終わりにはせず、直近のオンライン会議などで伝えるタイミングがあれば、その時に再度伝えるとより気持ちが伝わります。オンライン会議の画面上では感情が伝わりにくいので、ジェスチャーを踏まえた感情表現を意識しましょう。

「目標を達成! ハイタッチしたい気分だけど、手を合わせる相手がいない。」

リモートワークで孤独を感じるのはこの瞬間かもしれません。ですが、嬉しい気持ちを一人ぼっちで噛み締めてはもったいない! 達成の報告のようなポジティブな報告はどんどん共有していいのです。もちろん自分のことだけでなく、取引先からいただいたお褒めの言葉やお客様の喜びの声なども積極的にシェアするようにします。

そこで忘れてはならないのが、嬉しい報告にしっかりと反応することです。せっかくの報告も、スルーされてしまうとますます孤独を感じてしまいます。喜び合うことで連帯感が生まれるというプラスの効果もあり、仕事の成果につながるでしょう。

自然なコミュニケーションが不足

「リモートワークの1日、ふと気づけば一言も声を発していない! 」
「これとこれ、どっちがいい? 敢えてチャットで聞くほどではない相談に困る。」
「休憩時間にしていたプライベートな相談ができない。」

たわいもないおしゃべりは一緒に働く人同士の距離を縮めます。リモートワークが進むことで、休憩時間などに生まれるちょっとしたコミュニケーションが不足しがち。それによって、仕事がワンマンになってしまうことが心配されます。ワンマンで進めてしまい誰も内容を把握できていないと、いざという時にサポートに入ることができません。

また、人間関係が築けていないと頼り頼られることができないため、業務における連携をとることが難しくなります。逆に余計なコミュニケーションが減り、時間が有効に使えるようになったという人もいますが、考えが偏りがちになったり外から入る情報量が減ったりするなどの弊害も生まれます。リモートワークは、コミュニケーションが減り他者を見て学ぶチャンスが格段に少なくなるのです。

コミュニケーション不足を防ぐべく社員間のコミュニケーションを促すためには、オンライン会議のような人が集まる機会に、アイスブレイクを取り入れることをおすすめします。アイスブレイクとは、不特定多数が集まる場などで緊張をほぐし、打ち解けるきっかけをつくるための手法やそのための時間を指す言葉です。アイスブレイクを挟むことで、場の雰囲気が和らぎ、発言しやすい空気が作られます。そのため、会議が効率的に進むことに加え、社員同士のコミュニケーションが生まれるきっかけとなるのです。

また盛り上がった会議の後などには、少しの雑談を挟むことも時には必要です。加えて、それらの時間で生まれたコミュニケーションをリセットしないよう、雑談のできるチャットツールなどを整備することで、社員同士が堂々と仕事外の交流を持つことができるのです。

労いやフォローがうまくできない

「上司が褒めてくれたのに持ち上げられているように感じてしまい、素直に喜べない。」

大きめのリアクションが必要といえども、過剰になるとコミュニケーションに歪みが生じます。受け取り方は人それぞれなのですが、まずは受け取る側は素直に喜んでしまいましょう。口には出しにくいことも、文章にすると途端に饒舌になり、自然と文章が過剰になってしまうものなのです。

面と向かって話ができるのなら表情や仕草から相手の意図を図ることができますが、リモートワークでは声や文章だけの少ない情報から感情を汲み取るスキルが必要となります。今回のように、発した人の意図と受け取った人の意図がすれ違ってしまう時がありますが、そんな時は自分の解釈のみで自己解決せず、意図の確認をするといいでしょう。

「落ち込んでいる同僚の慰め方がわからない。普段なら何か差し入れをするのに・・・。」

上に立つ人はメンバーへの配慮が必要です。失敗をした人へのフォローは、オフィスであれば難しいことではありません。ところがリモートワークでは、チャットや通話のみでそれらを行わなければなりません。稼働状況やチャットの文章に気を配り、必要に応じて電話やオンライン会議ツールを使い話を聞ける体制を作っておきましょう。気にかけてもらえる安心感は、孤独になりがちなリモートワークではとても心強いものなのです。

ヘルプが出しにくい

「誰かに頼みたいことがあっても、余力のある人が見つけられない。」

「手伝おうか? といっても、大丈夫です! といわれる。職場なら良いタイミングで自発的に手助けできるのに、リモートだと手が出せず、ギリギリで泣きを見る。」

リモートワークでは、困っていても誰も察してくれません。たとえ空気を読めといわれても、同じ空気を吸っていないので、困っている時は自らアクションを起こさねばなりません。そうしないと残念ながら、順調に進んでいると判断されてしまいます。

仕事では必要に応じて助けを求めるべき時があります。そのような局面でヘルプを出しやすくするためにも、ステイタス表示の徹底や進捗管理ツールなどで稼働状況がわかるようにしておくことが有効です。

ヘルプを出すことに躊躇する必要はありませんが、相談したいこと、お願いしたいことは、背景なども踏まえ、わかりやすい文章で伝えることを心がけます。何を助けて欲しいかが明確でわかりやすいヘルプと、何をしていいのかわからないヘルプ、頼まれる側の負担は段違い。前者のヘルプであれば負担も少ないので、快く引き受けてくれるでしょう。ヘルプを出すにもマナーがあるのです。

オンラインでの思いやり

「見てくれたかな? どう思ったかな? 相手の反応が見えないとモヤモヤする。」

「既読がついたらわかるだろうと思っていたけれど、相手はリアクションを求めていた。」

表情の見えないやりとりである以上、チャット上の文章を見た相手がどう思うかを考えずにはいられない時があります。また、それを読んだのか、まだ読んでいないのかで業務の進行を左右するようなケースもあるため、やりとりに不安を持たせてはなりません。

何より、急いでいるであろう内容の場合は、なるべく早い返事を心がけます。相槌をうったり返事をしたりするのと同じように、チャットのレスポンスはリモートで仕事をする人同士の信頼関係を構築します。「既読がつくからいいか」と思ってしまうかもしれませんが、了承していてもそれは伝わらないので、リアクションスタンプを活用しましょう。これは連絡の見落とし防止にもなります。

最小限でのやりとりを心がける

「つい会話の癖で質問を小出しにしてしまう。自分にとっても時間のロスだけど相手にとってもそれは同じ。」

「説明下手がとにかくネック。」

リモートでのコミュニケーションには、タイムラグが発生するというデメリットがあります。そのためリモートワークではやりとりをスマートにする必要があります。伝えたいことは予めまとめ、読み返して理解しやすいかを考えます。何を伝えたいのか、その背景や経緯、自分はどのような対応をとるのか、そのほかにどのような選択肢があるのか、など、一度まとめてから伝えるようにしましょう。コミュニケーションにおけるストレスを最小限に抑えるためには、質問力がマストといえます。

また、質問・回答共に文章で伝えると時間を要する説明も、映像で伝えると簡単に理解ができることがあります。そのためには録画できるツールも活用しましょう。

ネガティブなことを伝えるときの配慮

チャットでのやりとりは口頭で伝えるよりも冷たい印象を受けてしまいます。通常のやりとりであれば絵文字や記号で調整ができますが、ネガティブな指摘になるとそうはいきません。

「自分のミスの報告がチャット上にずっと残っているのを見るたびに憂鬱になる。」

「そんなに怒っていないのに、後輩を萎縮させてしまった。」

ネガティブな指摘をする時こそ、言葉選びは慎重になります。また、多くのメンバーの目に触れるグループチャット上での指摘は、本人以外の目にも触れてしまうので避けたいところ。チャット上に履歴が残るため、見るたびに嫌な気分になる心配もあります。

ネガティブな指摘をリモートで伝える場合は、多数の目に触れやすいグループチャット上を避け、当人同士のチャットや通話で伝えるように配慮します。そしてリモートワークでは、ネガティブな指摘をした後のアフターフォローがしにくいため、勢いに任せて伝えるべきではありません。適切な温度感で伝えられるよう、ネガティブな指摘こそ一呼吸おいてからがベターです。

まとめ

コミュニケーションスキルはリモートワークに必要なスキルと言えます。リモートワークの浸透と共にそのメリットが注目され、さも自由で充実した働き方と思われていますが、対面以上に言葉選びや仕事の進め方に工夫が求められ、課題も多いということがわかりました。

リモートのやりとりで生まれてしまった誤解や不信感は、簡単には拭うことができません。そんなすれ違いをなくすためにも、コミュニケーションスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。その後の仕事がグッとスムーズになり、成果をあげられるはずです。

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