大規模プロジェクトを成功させるために、プロジェクトにPMOを設置することのメリット

大きなプロジェクトを成功させるために。
当たり前のことですが、プロジェクトを進める際、それを遂行するメンバーは複数の人員で構成されます。特に大きなプロジェクトに関しては、複数の企業から様々な立場の人が参加し、プロジェクトの成功というゴールを目指します。
プロジェクトをまとめて成功させるために、メンバーをまとめる責任者としてプロジェクトマネージャー(以下、PJマネージャー)を任命します。そして、そのPJマネージャーを支える役割として、PMO(Project Management Office)が重要な役割を果たします。今回はPMOの意味や重要性について取り上げたいと思います。

事例紹介:ある大企業のOA機器管理・運用サポートプロジェクト

全国的に支社・支店を構えているある大企業の話です。
この企業では、コーポレート部門、製造部門、営業部門など、それぞれの部門単位で各々使いやすいと考えるOA機器を選定し、好きなタイミングで個々の要望にあった機器を導入していました。

ある時、外部のコンサルティング会社にこれらの状況を伝えて相談したところ「この方法ではOA導入や維持のコストがかかりすぎています。この方法を続けていたらいずれ会社は破綻してしまいます」と告げられました。
このことを問題視した本社の経営戦略部は、各部門のOA機器の調達から回収までの全体コストを下げ、管理・運用サポートを一元化するための標準化プロジェクトを立ち上げました。

経過、あるいは原因:大規模プロジェクトゆえの問題点

PJマネージャーとして任命されたのは、入社5年目の社員でした。
期待の新鋭ということで抜擢されたPJリーダー経験者です。PJマネージャーは初となるので、バックアップ体制として上司がサブについていました。この抜擢は、大規模なプロジェクトで経験を積み、大きく飛躍してほしいという期待を含んだ選任となっていました。

全体コストを下げるためには、先にも書いた通り今まで部門単位で進めていたOA機器のリプレースを会社全体で行うことが必要になります。
しかし、大企業の各部門すべてのリプレース、そしてそれらの管理・運用ともなると、本社の主管部署から各部門の担当者へ事情説明をするだけでも一苦労です。また、各部門担当者は今まで自分たちの希望通りの機種を調達し、自分たちのタイミングで更新をかけているという、手間はあってもより便利に自分たちで動くことができる状態でした。それが標準化となると、自由にならない部分も出てくると考えられるため、プロジェクトに対してすぐには良い反応を得ることはできませんでした。説明すればするほど、方々から苦情や意見などのツッコミが入ります。

このような状態で、上司のサポートがあるとはいえ、経験のまだ浅いPJマネージャーだけでは、各部門担当者に納得のいく説明ができず、日々疲弊しきっていました。

また、進めていくうちに、そもそもプロジェクトの規模が大きすぎてマネージャーひとりではとても管理しきれないということがわかってきました。そこで、この問題を解決するために、プロジェクトマネジメントを行うチームを結成し、PMO(プロジェクト・マネージメント・オフィス)という事務局を設置しました。

知識化する:タスク単位でマネージャーを選出

全体進捗会議と各分科会の開催

日本PMO協会によると、PMOとは「組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システム」のことです。(参考:https://www.npmo.org/pmo%E3%81%A8%E3%81%AF/)PMO協会によると、PMOの導入はあらゆる産業・業種。業態にメリットがあるとのことですが、特に今回のような大規模プロジェクトに対して大きなメリットがあるといえるでしょう。なぜなら、今回のような大規模プロジェクトでは自社の各部門担当者との調整、新しい機器の調達フローの策定や各種ベンダーとの調整等々、把握しておくべき事項やするべき事項は多岐にわたっています。また、関係するメンバーも多いことから全ての会議についてPJマネージャーひとりが主催・招待し、管理していくことは大変困難な状況です。

そこで、このプロジェクトのPMOはタスク単位で関係者を割り振り、タスクごとに1名のリーダーを選出しました。そのリーダーが主体となり、それぞれ分科会を開催。それぞれのタスクが同時進行しながら、それぞれの分科会の中で協議するというスタイルをとりました。作業進捗・課題・決定事項をタスクごとののリーダーがPMO主催の全体進捗会議の中で相談・報告するような体制を構築しました。

社会性と広がり:このプロジェクトでPMOが果たした役割

分科会の開催をタスクごとのリーダーに任せたことで、PJマネージャーはタスクの細部まで把握する必要がなくなり、全体的な作業管理やタスクをまたがるような課題、深刻な問題解決に注力できるようになりました。

また、全体進捗会議をPMOが開催することで、マネージャー1人ではとても対応しきれなかったスケジュール管理や課題管理、リスク管理、仕様変更管理、品質管理、構成管理といった一連の管理業務を網羅的に把握し、業務として取り組むことができました。

他にも、今回のプロジェクトでは「標準化」について各部門へ理解してもらうのが困難という、大きな懸念事項がありました。そのため、プロジェクト開始前の事前説明や検討事項も多く、そもそもプロジェクト始動までなかなかたどり着けない状態となっていました。
しかし、PMOが設置された後は各部門への説明をPMOメンバーがそれぞれの専門分野の立場から説明・交渉することで理解を得ることができ、プロジェクトのスムーズな運営に大きな役割を果たしたといえます。

またプロジェクト管理ツールを使うことにより、さらに効率化を図ることが出来ます。

プロジェクトにPMOを設置するメリット

PMOはプロジェクトの運営だけにとどまりません。大規模なプロジェクトになればなるほど、プロジェクトの品質管理基準を統一し、標準化を進めるにあたって大切な存在となります。今回PMOがPJマネージャーとともに全体的なプロジェクトの可視化・コミュニケーションの促進・最終意思決定等の役割を担ったことで、プロジェクトを円滑に進めることができました。

プロジェクトの規模にもよりますが、プロジェクトを円滑に進めるにあたり、PMOは必要不可欠な組織といっても過言ではありません。ぜひ、プロジェクト運営の際にはPMOの設置を検討してはいかがでしょうか。

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