小学校の頃を思い出してみてください。班をつくって活動していなかったでしょうか。例えば1班、2班、3班、と分かれて理科の実験をしてみたり、掃除当番をしたり、給食の配膳をしていたのではないでしょうか。
小学生にあがった子どもがいらっしゃる保護者の方の中には、小学校での出来事を子どもから聞くことも機会もあるでしょう。そんな時に班の子が意地悪する、全然お話を聞いてくれない、遊んでばかりいるなど子どもの不満を聞くこともあるかもしれません。小学校の学級は大人社会の縮図でもあります。
本記事では小学校の教室の中で班活動が機能しなくなる時はどんな時かを考えうまく機能させるためのコツをご紹介します。小学校の教室で起きていることは社会の縮図です。社会の縮図から大人のチームワークも学びましょう。\
どんな時に班はバラバラになるのか
班がバラバラになる時はどんな時でしょうか。それぞれの子どもが全然、言われたことをしないで遊んでばかりいたり関係がないことをしたり、つまらない顔をしていたりするとバラバラになるのは時間の問題です。
大声で「ちゃんとして!」と言えばちゃんとするのでしょうか。その場では一瞬、静かになるでしょう。しかし大声で叫んでもうるさいだけです。そのうち、またガヤガヤしはじめます。
「静かにしてください!」と大声で先生が叫んでも子どもは正直なので、すぐにガヤガヤとうるさくなるでしょう。
1人ひとりで勉強をしているときは静かになるのに班活動になると急に教室が騒がしくなる理由の多くは
「やることが明確になっていないから」
です。漠然とした指示で班で理科の実験をしてください!と言われても班の中に都合よく賢いリーダーがいて役割を与えて指示するとは限りません。それにリーダーでもないのにリーダーのような振る舞いをしたら子ども同士の人間関係の中で「偉そうにするな!」という子どもも現れ喧嘩になってしまうこともあります。
班を機能させるには役割をそれぞれ与える
班をうまく機能させるコツは個々に役割を具体的に与えることです。例えば理科のアルコールランプを用いた「水のすがたとゆくえ」という実験なら、
- 太郎君はノートで実験結果を記録する人
- 花子ちゃんはアルコールランプの用意と火の管理
- 正彦君は実験結果を黒板の前で発表する人
- 祐子ちゃんは温度計で水の温度の上昇を確認する人
といった具合にそれぞれに役割を与えて責任を持たせることで、それぞれやることが明確になり活動に取り組みます。
具体的な指示や役割を与えずに「よきにはからえ」といっても子どもだからこそ大人のようによきにはからってくれません。
チームワークを機能させるためには個々に明確な責任と役割を与えることです。そうすれば自分の役割がわかり、それぞれ生き生きします。
役割を与えるのが不安だなと心配になる子どももいるかもしれません。しかし教育の過程で失敗を恐れて機会も与えず成長の機会を与えないことは、指導を放棄していることと同じです。
チームワークと共同作業は必ずしも同じではない
チームワークと共同作業は必ずしも同じではありません。例えばサッカーでは、それぞれフォワードやミッドフィルダー、ボランチ、ディフェンシブハーフ、サイドバック、センターバック、ゴールキーパーが、それぞれの得意分野でそれぞれの役割を果たします。
プレイヤー11人全員がフォワードで前線にあがって同じことをしていたら、相手チームのカウンターアタックで失点を重ね1回線で敗退することでしょう。
サッカーでも、それぞれのポジションを決め各々の役割を果たすことではじめて連携やチームワークが生まれていきます。チームワークを機能させるためには、まず役割を明確にすることが大切です。
全員が同じ作業を共同でこなすことがチームワークとはいえません。それぞれが得意分野を持ち寄って役割や責任を果たして連携していくことで1人では生み出せない価値を生みだせるのです。
役割のローテーションも飽きさせない工夫
体育の時間にはサッカーの時間もあります。大体、小学校でサッカーのチームを子ども同士でつくってもらうと運動神経の良い子がフォワードになって、あまり運動神経がよくない子がディフェンダーになるのではないでしょうか。たまにサッカークラブに入っている子どもがディフェンダーの名手で鉄壁の守備を固めるということもなくはないですが例外でしょう。
チーム内で運動神経があまり良くない子をずっとディフェンダー、運動神経が良い子をずっとフォワードに固定していると中には飽きてしまう子どももでてきます。
適度に役割をローテションしたりシャッフルしてみることでチーム内の、それぞれの役割の苦労や大変さが分かりますし気分転換にもなります。
教師はスーパーバイザー(上司)?
子どもが自主的に役割を各々決めてそれぞれ責任を持って活動することが必ずできるとは限りません。例えばサッカーの時間なら、ずっとフォワードをしたい子どもがポジションを譲らないこともあるでしょう。また理科の実験でもアルコールランプで火の管理をするのが不安だと感じている子どももいるでしょう。中には役割を与えられても遊んでばかりいる子どももいるかもしれません。
教師の役割は全体を俯瞰して問題解決に奔走するスーパーバイザーです。フォワードのポジション以外やらない児童に別のポジションの魅力を教えたり、アルコールランプの火をつけるのに自信がなさそうな児童のそばに寄り添ってあげたり、遊んでばかりいる子どもに役割をまっとうすることの大切さを教えるのが教師の役割です。
ただ上から偉そうに怒鳴ってみたり「よきにはからえ」などという趣旨の具体的な指示もなく子どもに責任を丸投げするようなことをしてはいけません。
上から偉そうにしているだけでは教師の役割を果たしているとはいえません。
大人のチームはどんな時にバラバラになるのか
大人のチームがバラバラになる時はどんな時でしょうか。それぞれの大人が全然、言われたことをしないで仕事と関係がないことをしたり、モチベーションのなさそうな顔をしていたりするとバラバラになるのは時間の問題です。
大声で「仕事しろ!」と言えばちゃんとするのでしょうか。その場では一瞬、仕事をしているふりをするでしょう。しかし大声で叫んでもうるさいだけです。そのうち、またダラダラしはじめます。
「仕事しろ!」と大声で上司が叫んでも大人はずるいので、すぐにダラダラと仕事をしているふりをするでしょう。
1人1人で仕事をしているときは静かになるのにチームを組んで仕事となると急に生産性が落ちるのは
「やることが明確になっていないから」
です。漠然とした指示でチームで成果を出してください!と言われてもチームの中に都合よく賢いリーダーがいて役割を与えて指示するとは限りません。それにリーダーでもないのにリーダーのような振る舞いをしたら大人同士の人間関係の中で「偉そうにするな!」という大人も現れ喧嘩になってしまうこともあります。
大人のチームを機能させるには役割と責任を明確にする
チームをうまく機能させるコツは個々に役割を具体的に与えることです。例えばWEBメディアを運営する仕事でしたら
- 太郎さんはカメラマンでWEBメディアにあった写真を撮影する
- 花子さんは現場で取材をしてネタを集める
- 正彦さんはライターとしてテーマに沿った記事を書く
- 祐子さんは校正・校閲
といった具合にそれぞれに役割を与えて責任を持たせることで、それぞれやることが明確になり活動に取り組みます。
具体的な指示や役割を与えずに「よきにはからえ」といっても大人だからこそ子どものように素直に言うことを聞いてくれません。
チームワークを機能させるためには個々に明確な責任と役割を与えることです。そうすれば自分の役割がわかり、それぞれ生き生きします。
役割を与えるのが不安だなと心配になる新人もいるかもしれません。しかし仕事の過程で失敗を恐れて機会も与えず成長の機会を与えないことは上司・マネージャーの役割を放棄していることと同じです。
大人のチームワークと共同作業は必ずしも同じではない
チームワークと共同作業は必ずしも同じではありません。例えばWEBメディア運営では、それぞれ編集やカメラマン、インタビュアー、ライター、校正・校閲、デザイナー、プログラマーが、それぞれの得意分野でそれぞれの役割を果たします。
それぞれのプロが全員でカメラマンになり現場で写真を撮っていたら競合メディアよりも良いメディアはつくれないでしょう。
メディア運営でも、それぞれの役割を決め各々の責任を果たすことではじめて連携やチームワークが生まれていきます。チームワークを機能させるためには、まず役割を明確にすることが大切です。
全員が同じ作業を共同でこなすことがチームワークとはいえません。それぞれが得意分野を持ち寄って役割や責任を果たして連携していくことで1人では生み出せない価値を生みだせるのです。
大人もジョブローテーションで役割を回していく
大人の仕事にはオフィスワークもあります。大体、職場で大人同士でつくってもらうと表計算の得意な人が売上管理になって、話上手な方が電話営業をするのではないでしょうか。
たまにプログラミングの達人がチームに入って仕事のほとんどを自動化してしまうことは稀なのではないでしょうか。
チーム内で表計算が得意な方をずっと売上管理、話上手な方をずっと電話営業に固定していると中には飽きてしまう大人も出てきます。
適度に役割をローテションしたりシャッフルしてみることでチーム内の、それぞれの役割の苦労や大変さが分かりますし気分転換にもなります。
もちろん専門性が高すぎて、それぞれが代替が効かないこともあるかもしれません。しかし適度に役割を変えてみることでお互いの立場や気持ちが理解できるようになります。
スーパーバイザー(上司)は先生?
大人が自主的に役割を各々、決めてそれぞれ責任を持って活動することが必ずできるとは限りません。例えばメディア運営の仕事なら、ずっと取材をしたい大人がポジションを譲らないこともあるでしょう。またオフィスワークでもエクセルで売上管理をするのが不安だと感じている大人もいるでしょう。中には役割を与えられてもサボってばかりいる大人もいるかもしれません。
スーパーバイザーの役割は全体を俯瞰して問題解決に奔走する先生です。取材以外をやらないスタッフに別のポジションの魅力を教えたり、エクセルの操作に自信がなさそうなスタッフのそばに寄り添って使い方のコツを教えたり、サボってばかりいる大人に役割をまっとうすることの大切さを教えるのがスーパーバイザーの役割です。
ただ上から偉そうに怒鳴ってみたり「よきにはからえ」などという趣旨の具体的な指示もなく現場に責任を丸投げするようなことをしてはいけません。
上から偉そうにしているだけではスーパーバイザーの役割を果たしているとはいえません。
小学校の学級は大人社会の縮図?
最初から最後まで、この記事を読んでくださった方はお気づきかもしれませんが前半の記事の見出しの中と後半の記事の見出しの中の文章の構成が対になっています。前半が小学校の班を上手に運営するコツ。後半は大人の職場のチームを運営するコツです。それぞれの見出しの中の文章を見比べていただくと中身が似ていることが分かると思います。
子どもの教室の班活動
- どんな時に班はバラバラになるのか
- 班を機能させるには役割をそれぞれ与える
- チームワークと共同作業は必ずしも同じではない
- 役割のローテーションも飽きさせない工夫
- 教師はスーパーバイザー(上司)
大人のオフィスのチームワーク
- 大人のチームはどんな時にバラバラになるのか
- 大人のチームを機能させるには役割と責任を明確にする
- 大人のチームワークと共同作業は必ずしも同じではない
- 大人もジョブローテーションで役割を回していく
- スーパーバイザー(上司)は先生?
冒頭に「小学校の教室で起きていることは社会の縮図」と言いました。縮図なので、子どもの教室の班活動の運営も大人のオフィスのチームワークの運営も似ていて当然なのです。大人も子どもも発達段階の違いこそあれ人間であることに変わりはありません。
子どもの班活動運営のコツは大人のチームマネジメントにも応用できるのです。
小学校の班活動に学ぶ初めてのチームワークのまとめ
小学校の教室は社会の縮図でもあります。小学校の学級の中の班活動の運営をコツは大人のチームマネジメントにも応用が可能です。どちらも大切なことは各々を尊重し役割と責任を与えること
です。そして全体をカバーしてとりまとめるのが先生とスーパーバイザー(上司)の役割です。
組織の構成によってはスーパーバイザーはマネージャーに変えても意味は同じです。