アフターコロナの世の中に取り残されないためのリモートワーク入門


在宅勤務や地方移住、ワーケーションなど、フレキシブルな働き方を求める人は仕事を探す時にリモートワークの可否を条件とするそうです。また、最近では新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークの需要が急加速しています。コロナウイルスが終息した後、働き方の常識は大きく変わっているかもしれません。

リモートワークができる環境、もしくはリモートワークの会社と取引のできる環境を整えておかなければ、アフターコロナの世の中に対応できずに取り残されてしまうでしょう。それほどリモートワークは身近な存在になっているのです。

今回は、リモートワークという言葉を最近知ったばかりの人でもわかる入門編として、リモートワークに必要な7つの土台となるシステムを紹介します。

リモートワークが必要な理由とは?

ここまで強くリモートワークの必要性をお話しするのには理由があります。まずはそこから考えてみましょう。

短期的に必要とされる理由

なんと言っても、緊急にリモートワークの導入を求められたのが、新型コロナウイルス感染症の流行です。感染拡大を食い止めるべく、日本政府は出勤者が最低7割減になることを要請しています。そのため、自社がリモートワークを取り入れていなくとも、取引のある会社がリモートワークを導入していたら、その働き方に慣れていないと不便を感じることも多々あるでしょう。

長期的に必要とされる理由

導入したきっかけが昨今の非常事態であったとしても、リモートワークが新型コロナウイルスと共に消滅するとは考えにくいでしょう。新型コロナウイルスの流行による自粛期間中も着々とブラッシュアップされ、働き方の一つとして浸透すると考える方が自然です。

また、長期的にリモートワークが導入されることで、能力は十分にありながらも働くことのできない子育てや介護のある人材や、通勤に不安のある高齢者や障碍者を採用するチャンスを得ることとなるのです。さらには、オフィスの維持費や通勤にかかる交通費の削減につながるケースも多く、通勤費が減ることによる社会保険料の負担減も期待できます。

リモートワークを始めるために必要な7つのシステム

ではリモートワークの導入が少しでも楽になるように、リモートワークになくてはならない7つのシステムをまとめてみました。

ネット接続環境と機器を準備する

リモートワークにはパソコンなどのIT機器とインターネット接続環境が必要です。

まずIT機器ですが、作業ができる程度のスペックを持ち合わせていないと効率が落ちてしまいます。元々オフィスで使っているパソコンを社外に持ち出すことができればいいのですが、それが難しい場合は別のものを用意する必要があります。できれば、社内で使っているものと同じレベルのパソコンを用意するとスムーズに業務ができるでしょう。オンライン会議をすることを想定すると、会議をしながら資料を開くことができないと使い勝手が悪いので、メモリーは最低8GB欲しいところ。CPUはcore i5あれば問題ないと言われています。

インターネット接続環境はとても重要です。資料のアップロードやダウンロードをする機会が多くあるため、接続環境が安定していないとリモートワークは難しいでしょう。実際に回線スピードを測ったことはありますか? 環境を整えるためにも、仕事場とする部屋の回線スピードを一度測ってみましょう。その際には以下のサイトがおすすめです。

SPEEDTEST  https://www.speedtest.net/

上下とも10Mbpsあれば、回線スピードにイライラすることなくサクサク仕事が進むでしょう。環境によってはインターネット回線の契約状況の見直しやモバイルルーターの導入も検討してみましょう。

セキュリティを強化する

何より重要なデータがたくさん詰まったパソコンなどのIT機器には、十分なセキュリティ対策を講じておかねばなりません。重要なデータのやりとりや保管が発生する以上、これは絶対であり、自社の信用にも関わります。最低でも以下の3つは導入必須と考えていいでしょう。

1.ユーザーログイン設定

想定されやすいパスワードを避けるのは当然ながら、生態顔認証も設定しておくと安心です。想定されにくいパスワードは自分さえも忘れてしまう心配があります。セキュリティのためといえど、こまめにパスワードの変更が必要な場合は尚更です。だからと言って、手帳などにメモをするのも不安が残りますので、生態顔認証はおすすめの機能です。

2.アンチウイルスソフトの導入

ウイルス対策ソフトをインストールします。これは一度インストールしたら終わりではなく、常にバージョンを最新にしておくことが必須です。

3.ハードディスクの暗号化

ログイン時にパスワードをかけたからといって安心できないのがパソコン内部。よりセキュリティを強化するためにも、ハードディスク暗号化ソフトを導入します。パソコンに二重に鍵がかかるようなイメージです。これはパソコンのハードディスクにデータを書き込むときに暗号化され、読み込むときに復元されるので、ユーザーに大きな負担や手間はありません。

これに加えて、機密文書や個人情報のやりとりをする場合は、全てのデータ通信を暗号化できるVPN(Virtual Private Network)の導入を考えましょう。VPNはインターネット上に仮想の専用線を作ります。その専用線上で機密文書や個人情報をやり取りすることで、データの盗難や改ざんなどのオンライン上の脅威から重要な情報を守ることができます。

また、テレワーク用のセキュリティポリシーの制定もお忘れなく。

リモートワークに関するルール設定

リモートワークのルールは明確に定めておきます。

・時間は問わず仕事をしていいのか、就業時間は固定されるのか

・時間外労働の許可制度

・勤務場所に対する制限の有無

・通信費などのリモートワークにかかる費用負担

・業務の進捗状況を報告する頻度

など、リモートワークの就業規則を整えてみましょう。

また、給料を支払う必要があるため、その評価制度もルール化しておく必要があります。でも、実働として考えて、既定の時間分きっちりと仕事をしているのかを証明するのは困難です。そのため、まずは社員を信じること、そして時間のみでなく成果報告による評価制度を取り入れるといいでしょう。

従来の時間で評価するシステムは見直し、個々の効率や成果を重視した評価制度を構築する必要があると言えます。それには最終地点の結果だけでなく、途中経過にある小さな成果も同様に評価することがポイントになります。

勤怠管理の仕組みを整える

ルールを定めたら、それを個々が申告するシステムが必要です。まずはその一つ、勤怠管理にフォーカスを当ててみましょう。

何時から何時まで、どのような環境で仕事をしているかを共有することは、仕事をしていることの報告のほか、社員間のやりとりをしやすくする意図があります。また、勤怠管理の報告を受け、管理者や人事担当は社員の状況を把握することができます。

この報告は電話やメールでの報告はおすすめしません。電話やメールでの報告は、導入は簡単ではありますが、報告する方も受ける方も手間がかかります。特に受ける方は、各社員の報告を一覧にするだけでも労力が必要になってしまいます。そのため、導入時に操作を覚える必要はあれど、クラウド型の人事管理システムを導入することをおすすめします。クラウド型の人事管理システムであれば、社員の入力したデータが自動的に集計されるため、勤怠管理にかかる労力も最小限に抑えることができるのです。

勤怠管理において重要なのは疑わないことです。極端に言えば監視カメラやパソコンのONとOFFを管理できるルーツのような、勤務状況の報告に嘘がつけないシステムを作るよりも、いかに信頼関係を構築するかに尽力した方が、リモートワークはうまくいくでしょう。

業務管理と連絡システムの導入

申告するためのシステムとしてもう一つ必要となるのが、業務における進捗管理とその連絡システムです。今どんな業務があって、誰が関わっていて、どのくらい進んでいるのかを可視化するのです。

こちらも勤怠管理と同様に電話やメールでは手間がかかるため、クラウド型の管理システムが必要です。業務管理の徹底は作業効率にも関わりますので、システム化は必須です。また、社員が使いやすいよう定期的なブラッシュアップをし、段階的に試していく必要があるでしょう。

業務管理をクラウド上で行うメリットは、人の手を煩わすことなく、全体の進捗を把握できることです。噛み砕いて言うなれば、「あれどうなってる? 」というやりとりをすることなく、どの業務が今どんな状況にあるかを確認できるため、大変便利なシステムです。

このような申告するためのツールはスマホからの入力ができるとさらに便利です。業務に対する相談や報告が次々とやりとりされるツールなので、こまめに確認できる環境が必要なのです。

オンライン会議の導入

オンライン会議の導入はリモートワークの柱です。離れていても会議や打ち合わせ、セミナーができます。定期的な出社を義務付け、会議やセミナーなどを行う会社もありますが、遠隔で会議ができるシステムも導入しておきましょう。一定の議題に対してのディスカッションやブレストはレスポンスの速さが必要なため、一つ前に紹介した連絡システムではうまくいきません。そのためのオンライン会議システムなのです。

会議や打ち合わせの他に、週の始めや1日の始め、もしくは終わりに朝礼や夕礼のような短いミーティングを設定することも有効です。オフィスワークでは億劫な朝礼も、オンラインで短時間に行われると不思議とポジティブに参加ができるもの。みんなの顔を見られることや業務のオンオフにメリハリがつくというメリットもあります。

書類の共有

これまで紙で管理していた資料のデジタル化も必要です。その作業が実は一番地道で手間がかかるかもしれませんが、紙での管理は徹底的に切り替えていきましょう。資料がないと業務に支障をきたすことも多くありますので、必要な人がいつでも取り出せるよう、クラウドファイルとして共有しておきます。共有することで、特定の誰かのパソコンにしか入っていないという非効率な作業環境から抜け出すことができます。

また、クラウドに残しおくことで、書類紛失のリスクも回避することができますし、万一手を加えてしまっても復元可能であり、編集履歴の確認ができるため安心して扱うことができます。

リモートワークとオフィスワークの差をなくす

ここまでに紹介した7つのシステムはリモートワークに特化したシステムではないことにお気づきになったでしょうか? 特に、勤怠管理や業務管理、オンライン会議システムや書類の共有は、オフィスワークにおける作業効率をアップさせるためにもおすすめのシステムです。

リモートワークをスムーズに行うことの一番のカギはオフィスワークとの差を極力少なくすることです。これらのシステムで業務状況を共有していれば、どこにいても変わらずに仕事ができると思いませんか? 勝手が違うことで生まれる不便さを解消することで、リモートワークは一段と身近な働き方になるのです。

まとめ

短期的にリモートワークを始めた人も一度振り返って欲しい、リモートワーク入門についてまとめてみました。当たり前のようにリモートワークをしている会社も、実はたくさんのトライ&エラーを重ねています。

昨今の災害や新型コロナウイルスの流行でわかったことは、リモートワークという選択肢を持っておくことが有事への対応力強化につながるということです。アフターコロナも、リモートワークが必要とされる出来事が再度起こりうるということを念頭に、ワンタッチでリモートワークに切り替えのできる環境を整えておきましょう。

今更遅いということは決してありません。今すぐ取り入れたい人も、アフターコロナに備えたい人も、まずはシステムの面から整えてみてはいかがでしょう。

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