FacebookやInstagramの流行により、一時影に隠れていたTwitterが近頃なんだかにぎわっている!?そんな情報を耳にし、しばらく眠っていたアカウントを開いてみました。久しぶりに見たTwitterのTL(タイムライン)は確かに賑やかで、ビジネスにも活用できるのだということを再確認したのです。
なぜ今Twitterなのか
2019年の国内月間アクティブユーザー数を調べると、LINEに続き第2位、4,500万人もの人がTwitterを使っていることがわかりました。Twitterの機能向上を背景に、これからさらにユーザーは増えると考えられています。最大140文字でツイートすることの手軽さや拡散力の強さから、その人気が再燃しているのではないでしょうか。
参考 https://blog.comnico.jp/we-love-social/sns-users#.Xci17H-qpFI.twitter
Twitterの特徴
Twitterをすでに使いこなしている人には周知の事実ですが、Twitterの特徴について簡単にまとめてみました。
1. 投稿しやすい
Twitterの投稿は最大140文字のため、思ったことを思ったまま、気軽に投稿することができます。Instagramは先だって画像がなければ投稿できないため手間がかかり、Facebookにおいては、しっかり書いた文章を投稿する人が多いことから、数行で後から見たら何の意味もないような投稿は差し控えがちです。そんな中、今思ったこと、やっていることなどを深く考えずにつぶやけ数秒で投稿できるのがTwitterなのです。
2. 匿名性が高く繋がりやすい
Facebookに比べ匿名性の高いTwitterは、フォローしやすい点が特徴的です。見知った人に友達リクエストを送ることで相互フォローとなるFacebookとは異なり、ちょっと気になる人、有益な情報を呟いている人、どんな人でもフォローでき、フォローされることにも抵抗がありません。Facebookの場合、本名を出していることも多く、知らない人からの友達リクエストは承認されにくいでしょう。このことから、知人もそうでない人も、多くの人と繋がりを持ちやすく、リプ(コメント)がしやすいと言えます。
またTewitterでは、日頃の思いをぼやくアカウント、アイドルの追っかけ仲間とのコミュニケーション用アカウント、専門分野の知識をアウトプットするアカウントなど、複数のアカウントを所有することも可能です。複数の使い分けにより、アカウントの目的がより明確になり、一層繋がりやすくなります。
3. 拡散力に優れる
Twitterの機能の中で、RT(リツイート)という便利な機能があります。これは自分以外の誰かの投稿を自分のTLに引用し投稿する機能のことで、Twitterの拡散力の要でもあります。FacebookやInstagramにも同様の機能は備わっているものの、ボタンひとつでRTできるTwitterほど定着していないといえます。Twitterは匿名性も高いことから遠慮なくRTができることや、有名人やキャラクターのアカウントのような、ユーザーに拡散されやすいツイートが多いことから、SNSのなかでもトップの拡散力を持つといわれています。
それゆえに、いいことも悪いことも、これは! という投稿があるとリツイートされ、瞬く間に広まります。これが炎上や「バズる」を引き起こすのです。そしてこの拡散力の強さが、自分の投稿をたくさんの人に見てもらいたいというユーザーを惹きつけるのでしょう。
1次ブームと現在の比較
Twitterの日本版がスタートしたのは2008年の4月のこと。当時SNSと言えば、mixiが主流だったことを記憶しています。招待制、友達リクエスト制だったmixiに比べ、何と気軽なツールだろうというのが最初の印象です。
現在と大きく異なる点はスマホがなかったこと。ユーザーの多くはパソコンやガラゲーを使い、ツイートを投稿していました。当時のTwitterの発言BOXにもあったように「今なにしてる」に始まり、「今どうしてる」をつぶやくツールでした。「○○なう」が使われ出したのもその頃です。リアルタイムな情報収集ツールとして、日本では使用されていました。また、ビジネスとして使用する人も少なく、有名人のツイートを見られること、リプライ(コメント)ができることに喜びを感じたり、知人との掛け合いを楽しんだりと、情報交換のためのツールでした。
その後、「google検索する」を意味する「ググる」からTwitterをはじめとするSNSのハッシュタグから検索する「タグる」時代へと変わっています。スマートフォンの登場により発信が容易になったこと、「インスタ映え」の追求、動画投稿もできるようになったことから、Twitterの使い方も変化しました。
これまでの情報収集の意味合いを残しつつも、承認欲求は高まりを見せ、表現の場へと変わっていったのです。たくさんリツイートされ、「バズる」という現象も現在のtwitterの特徴です。そんな中、特定の会社から委託され、モノやコトをお勧めすることで収入を得るインフルエンサーが出現しはじめました。SNSが多くの人にビジネスとして使われはじめたのも、比較的最近のことです。では、ビジネスとしてTwitterがどのように使われているのかにフォーカスを当ててみましょう。
Twitterはこんなふうにビジネスで利用されている
Twitterは、個人がただ文章を投稿したり、他人の投稿を閲覧したりするだけではなく、企業による商品のPR・広告や人材の採用などビジネスにおける利用も拡大しています。
Twitterで採用をする
人手不足が顕著な近年、人材の採用に苦労する企業も少なくありません。そんな中、Twitterを利用し採用をしている企業があるといいます。「Twitter採用」で「タグって」みてください。
本来、人を採用するために求人広告を出す予算を割き、面接をする時間を作り、お断りをする場合は労力がかかります。そして採用した人を教育するためには、人手を充てがわねばなりません。そのくせ、短期間で辞められてしまうと、ここまでにかけた時間やコスト、労力が無駄になってしまいます。
まず、Twitterは無料ツールなのでコストがかかりません。Twitterで募集をかけるにあたり、募集ツイートや説明会の告知にはじまり、会社の理念や社内設備、行事の様子などを伝え、より選んでもらえるよう、企業としてPRができます。従来の求人募集よりもカジュアルに企業のリアルな情報を伝えることができるので、求職者からも身近に感じてもらえ、社内の雰囲気にマッチした応募があるのだといいます。
企業の人事を担当する人なら、日頃のツイートで会社のブランドや社内のPRすべきポイントを発信するといいでしょう。可能であれば、会社についての質問を受け付けられる体制を整えておくと、より求職者にとって応募のしやすい企業となります。
Twitterでスカウトされる
ベンチャーやスタートアップ企業は、DM(ダイレクトメール)から直接声を掛けるケースも少なくありません。求職者は声をかけてもらえるよう、Twitterのプロフィールや投稿を整えておく必要があります。
まず、興味のある会社のアカウントやその会社のトップ、採用担当のアカウントがあればフォローしておき、発信される様々な情報を常にキャッチアップしておくと良いでしょう。
また、企業や会社のトップをはじめとする名の知れたアカウントには、沢山のフォロワーがいます。いいねの量も一桁ではありませんので、見つけてもらうためには自分が求職中であるアピールをせねばなりません。そのためにはアカウント名に「求職中」である旨を入れておくと、より目につきやすいアカウントとなるでしょう。
そしてタイムラインには自分のひととなりや経歴、仕事へのポリシーが伝わるようなツイートをします。特に重要な、見て欲しいことは「固定ツイート」といって、タイムラインの一番上に表示する機能を活用し、自己アピールをします。
これはエンジニアやデザイナーなどの専門職に限った話のように見えますが、営業職も事務職も、世の中で求められる職種全てにおいて有効と言えます。自分が何者なのかをしっかりプロフィールやアカウント名に記しておきましょう。アカウント名は実際にTwitterを使っている人を見るととても参考になります。
例えば、「●名前●求職中・営業出身のスーパー事務職」とあると、この人は休職中で営業の仕事を理解している事務員なんだということがわかります。「●名前●ラグビー部元主将@就活中」とあれば、ラグビー部を率いたワンチーム精神のある学生だということがわかります。スカウトされたい気持ちが少しでもあれば、自分の売りを伝えられるアカウント名を考えてみましょう。
商品のPRやファン作り
ユーザーはTwitterのタグを検索して情報収集をしています。ということは、売りたいモノやコトがある場合、その商品に関連するツイートをして、商品への理解を深めたり興味を持ってもらったりする必要があります。
RTキャンペーンなどは、多くの人に商品情報のツイートを拡散してもらうための仕組みです。そのほかに、最近ではモノやコトにストーリーをつけて、より商品に興味を持ってもらう仕組みが有効です。CM撮影秘話、商品開発裏話、ボツになった商品名など、ファンになってもらえるような情報をツイートします。
おもしろい実例としては岩下食品の社長、岩下和了さんのアカウント。「#岩下の新生姜」とハッシュダグをつけて投稿してみてください。なんと数日中に岩下さん自らリツイートしてくれるだけでなく、大切なお客様リストに追加してくれるのです。なんだかファンになってしまいませんか? スーパーで岩下の新生姜が売っていたら手にとってしまうでしょう。
これは、ユーザーが岩下の新生姜についてのツイートをしてくれ、ファンになってもらえるという商品のPRのひとつではないでしょうか。
中の人が企業を身近にする
企業公式のアカウントを運用している人を「中の人」といいます。一見、堅そうな大企業でも親しみの持てる「中の人」は、個性を発揮し、ニッチな投稿をすることで話題に上がりやすく、気付いたらファンになっているなんてことも。
SHARP株式会社のアカウントや株式会社タニタの中の人は有名です。また、公式アカウント同士の掛け合いにも注目され、ピザハットとイエローハット8月10日のイベント談義や元関ジャニ∞の錦戸亮さんの公式マークがどうしたらもらえるか談義は注目を集めていました。中の人を筆頭に、商品や企業とお客様の距離を縮めるのです。
自分が商品の場合
採用は求めていない、個人で活躍する専門職のアカウントにおいても、プラットフォームとしてのビジネス利用が多く見られます。Twitterのタイムラインを自らのホームページのように作り上げるのです。
アカウント名は前述のように、自分が何者か端的にわかるようにしておきましょう。プロフィールには自分の紹介、そしてツイートは日々のブログのような構成です。例えば、セミナーを受注したいなら、講座の開催報告をあげる、参加者の感想があがっていたらリツートする、次回の開催告知をする、そして自分が日頃どんなセミナーをしているのか、ユーザーのためになることをツイートするのです。
注意すべきは宣伝一色にならないこと。自分に興味を持ってもらわなければ意味がないのです。機械的な投稿だけではなく、人間味のわかるお茶目な投稿も盛り込んでいくと、実際とTwitter上のブランクのない自分を理解してもらえるのではないでしょうか。
実際に、事務職として働くなか、転職を考えてTwitterを利用していたところ、新人研修をしてくれないか? というオファーがあったという女性の例があります。彼女が日々どんなツイートをしていたかというと、事務職の心得でした。「仕事何してるの?」「えっと・・・事務?」というやり取りをなくし、事務職を人気の専門職に! というモットーで取り組み、事務職のノウハウをツイートしていたのです。そのツイートは「なるほど!」と思うことばかりで、ついには事務職を育てるエキスパートになったといいます。このようなまさかの話が実はゴロゴロ落ちています。彼女の例は、コンスタントにつぶやくこと、知識を共有すること、そして自分のアカウントを見て欲しい人を明確にしたツイートをすることを徹底していた結果です。
繋がりを見つけるマッチングアプリ的役割
ビジネスにおいて人との繋がりは必要不可欠です。繋がりを構築するために、人はビジネス交流会に参加し、名刺交換をしたり、紹介をしてもらったりと手を尽くすわけですが、Twitter上では検索ひとつで繋がりたい人を見つけることができます。もちろんフォローは自由です。フォローしたらまずはリプライ(コメント)から。興味を持ってもらえたらこっちのもの。DMやリプライ、ふぁぼ(いいね)のやり取りで距離を縮めます。それをきっかけにお仕事のおつきあいにつながる例は、SNSでは少なくありません。
さらに、気になる人のツイートをチェックしていると、思わぬ企画に巡り合うことも。例えば、フォロワー限定オフィス見学会や時間限定の質問RTタイム、ゲリラ的にツイートされるプレゼント企画など、見逃せないチャンスがいっぱいです。
まとめ
今の時代にSNSをビジネスで活用するのは特別なことではありません。逆にSNSを上手に活用した企業やブランドが、勝てる時代だと言っても過言ではありません。Twitterの拡散力やブランディング、ファンサービスなどをどうビジネスに生かせるか?
SNSは生き物のように変わっていきます。ビジネス的使い方を極めるのは、今からでも遅くはありません。ただし、ハマりすぎて「ツイ廃」にならないように、くれぐれもご注意くださいね。