Googleスプレッドシートはタスク管理の入門から応用まで、広く活用できるツールです。「タスク管理におすすめのツールは? 」と聞くと、「まずはGoogleスプレッドシートからはじめてみては? 」と答える人も少なくありません。
なぜGoogleスプレッドシートがタスク管理におすすめなのでしょう。この記事では、Googleスプレッドシートで行うタスク管理のメリットや方法についてまとめてみました。
Googleスプレッドシートを活用したタスク管理について
数多くのタスク管理ツールがある中で、汎用性や自由度の高さから広く愛用されているのが、Googleスプレッドシートです。
Googleスプレッドシートがさまざまなビジネスシーンで愛用され続けているのには理由があります。詳しく解説します。
Googleスプレッドシートとは
Googleスプレッドシートは、Google社のオンライン表計算ソフトのことです。表計算や自動入力、フィルタリングなど、タスク管理に便利な機能を備えています。
見た目はMicrosoft社のExcelによく似ていて、同じような機能を備えていますが、Excelのようにソフトウェアをインストールする必要はありません。
インターネット環境さえあれば、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンからのアクセスができ、クラウド上で複数名による共有や閲覧、編集ができます。
また、ガントチャートやToDoリストなどのテンプレートがあり、様々な形態でタスク管理ができる自由さを持ち合わせています。
その手軽さゆえ、Googleスプレッドシートは近年、多くのビジネスシーンで活用されるようになりました。
タスク管理とは
タスク管理とは、プロジェクトを納期通り決められたクオリティで完了させるために、必要な作業を細分化し、優先順位をつけて管理することを指します。
タスク管理の目的は、対応済みのタスクや未着手のタスクの可視化やタスク完了までに必要な時間などを把握することで、業務やプロジェクト全体を俯瞰的にみることです。
俯瞰してみることによって、タスクの対応漏れをなくし、作業効率の向上や成果物のクオリティ向上が期待できます。
Googleスプレッドシートでタスク管理を行うメリット
では、数あるタスク管理ツールの中で、Googleスプレッドシートを選ぶメリットは、どのような点にあるのでしょう。
ここでは5つのメリットを挙げてみました。
無料で試すことができる
導入コストが無料であることは大きなメリットです。使用する期間や共有する人数に制限はありません。
インターネットにアクセスできる環境にいれば、思い立った時すぐに試すことができます。
チームメンバー同士でタスクを共有しながら管理できる
チームメンバー間でのツールの共有管理は、Excelではできない機能です。
クラウド上に保存されるGoogleスプレッドシートは、複数名で同時に閲覧や編集ができ、インターネットにつながっていればほぼタイムラグもなく更新されます。
作業スピードが上がる
タスク管理はマルチタスクの防止につながります。タスク管理を行うとひとつずつ集中してタスクを完了させる習慣がつくため、作業スピードの向上が期待できるでしょう。
Googleスプレッドシートでの管理であれば操作がExcelに似ているので、記入に戸惑うことは少ないと予想されます。そのため、タスク管理の導入が負担となり、作業スピードを下げることもないでしょう。
タスク忘れ・タスク漏れが減る
Googleスプレッドシートを複数名で共有しタスク管理を行うことで、タスクの見落としが減ります。チームのタスクを全て見える化すれば、タスク同士の関係性や進行が把握できるため、タスクの対応漏れに気がつきやすくトラブルが回避できることもあるでしょう。
出先などすぐにパソコンが触れない環境であっても、スマートフォンやタブレットから操作ができるので、必要な時に閲覧や編集ができ、タスクの記入忘れ防止にも有効です。
タスク管理のテンプレートが豊富
タスク管理に活用できるテンプレートが豊富にあることもGoogleスプレッドシートのメリットです。公式のほか、外部のサイトでもさまざまなテンプレートが無料で提供されています。
テンプレートをそのまま使用することはもちろん、少しの手直しを加えることで、自分にぴったりのタスク管理ツールに変えることができます。
次章では、タスク管理におすすめのテンプレートを紹介します。
Googleスプレッドシートでタスク管理するためのテンプレートをご紹介
Googleスプレッドシートで、オリジナルのタスク管理シートを作成するのは非常に時間と手間がかかります。
Googleスプレッドシートの「テンプレート ギャラリー」には、タスク管理に使用できるテンプレートがあります。手軽に導入できるので、使いやすいものがあれば活用してみるのもおすすめです。
早速テンプレートを1つずつみていきましょう。
ToDo
タスク管理の中でも「ToDoリスト」は非常にシンプルなテンプレートです。
日付とタスクを入力し、完了したらチェックボックスにチェックを入れます。チェックを入れたタスクには打ち消し線が入るので、タスクのステータスが一目で分かります。
また、ToDoリストに記入したタスクのうち、どのくらいのタスクが完了しているかもシートの中に表示されます。
複雑な操作や入力ルールは不要なので、すぐにタスク管理をはじめることができます。パソコン操作が苦手な人でも導入しやすいはずです。
スケジュール
横軸に1週間の日付、縦軸に時間が書かれた表に、タスクを記入し管理できるのが「スケジュール」のテンプレートです。スケジュール管理の開始日を入力すれば、日付と曜日が自動で更新されます。また、時間軸は30分刻みになっていますが、管理しやすい時間に直すことができます。
スケジュールに紐づいたタスク管理に便利です。
ガントチャート
タスクの関係性や進捗状況を視覚的に示すのが「ガントチャート」のテンプレートです。
WBS番号を割り振ってタスクの依存関係を明確にしたり、タスクの完了率を自動で反映したりすることで、タスクの関係性や進捗が把握できます。
また、拡張機能の「Projectsheet planning」をインストールすると、Googleスプレッドシートにガントチャートのフォーマットが自動で作成されます。
ガントチャートは、複数人で行う規模の大きい業務やプロジェクトのタスク管理に適しています。
プロジェクトのタイムライン
「プロジェクトのタイムライン」のテンプレートは、ガントチャートを元にプロジェクトの進行をフェーズに分けてスケジューリングすることができます。
長期にわたるプロジェクトに適しており、必要なタスクとスケジュールの進行を管理できます。
プロジェクトのトラッキング
「プロジェクトのトラッキング」のテンプレートは、タスクの進捗のみならず、工数や費用まで詳細に管理ができます。
タスク管理にとどまらず、効率のよいプロジェクト管理に役立つテンプレートです。
Googleスプレッドシートでタスク管理をするためにおすすめの機能
Googleスプレッドシートを用いた複雑なタスク管理には、上級のスキルが必要ですが、初心者でも簡単に設定できる機能があります。
この章では、タスク管理に活用できる機能を2つ挙げてみました。Googleスプレッドシートでタスク管理を行うにあたり、このような機能を使用することで入力ミスの防止につながるでしょう。
チェックボックス
未・済、あり・なしなど、2択の質問で回答する項目には、チェックボックスを入れると便利です。ToDoリストを作成する時にも欠かせない機能といえるでしょう。
チェックボックスを入れておくと、ワンクリックでタスク管理シートへの入力が可能です。テキストの入力が不要になるため、入力の手間を少なくします。
さらに、チェックボックスを関数と連動させれば、チェックボックスで入力した情報を集計し、グラフで表すこともできます。
【チェックボックスの入力方法】
- チェックボックスを入力したいセルを選択
- 画面上のタブ一覧から、「データ」を選択
- 「データの入力規則」を選択
- 条件の項目「チェックボックス」を選択し、保存
プルダウン
チェックボックス同様に、「データの入力規制」で、シートに入力する項目を選択式にできます。シートには項目が選択できるプルダウンが表示され、適切な項目を選ぶだけで入力が完了します。
プルダウンを設定すると、テキストを入力する手間が省けるのはもちろん、入力ミスを防ぐこともできるでしょう。
済み・済、全角表記・半角表記など、人によって異なる表記にならないため、集計や管理の手間も削減できるでしょう。
【プルダウンの入力方法】
- プルダウンを入力したいセルを選択
- 画面上のタブ一覧から、「データ」を選択
- 「データの入力規則」を選択
- 条件の項目「リストを直接指定」を選択
- 選択肢の項目をカンマで区切って全て入力し、保存
タスク管理ツールを使うという選択肢も
無料で導入でき、操作がしやすいGoogleスプレッドシートですが、タスク管理専門のソフトではありません。より高度な機能や管理力を求めるのであれば、タスク管理ツールを使うという選択肢も視野に入れておくことをおすすめします。
TeamHackersの「【2021年版】タスク管理ツールおすすめ・Todo管理ツール34選を徹底比較(無料プラン有り)」では、タスク管理ツールの特徴やメリットをまとめています。導入を検討する時の参考にご覧ください。
まとめ
今回はGoogleスプレッドシートで行うタスク管理の基本となる内容をまとめていますが、便利な機能はまだまだたくさんあります。Googleスプレッドシートを使いこなすことができれば、活用の幅もひろがるでしょう。
また、タスク管理のほかにも、利用目的によってフレキシブルにシートをアレンジできるので、さまざまな管理に応用ができます。
Googleスプレッドシートの利用を考えているのであれば、さらに高度な使い方を学ぶのもおすすめです。タスク管理の効率化を目指すなら、習得して損はないはずです。
効率のよいタスク管理のために、手始めにGoogleスプレッドシートを活用してみてはいかがでしょうか。