フリーランスは、長時間の座り仕事で運動不足になりがちですよね。運動不足で太ってしまったり、首・肩・腰を痛めてしまったり・・・。こんな悩みを持つフリーランスの方は多いと思います。
しかし、デメリットはそれだけではありません。座りすぎと運動不足は、太りやすくなるだけでなく、脳を縮ませてしまったり、寿命を縮めるリスクも高めることをご存知でしょうか? 今後長く働き続けるためにも、改善しなければなりません。
そこでおすすめなのが「スタンディングデスク」と「ステッパー」です。この記事では、座りすぎと運動不足がいかに身体に悪いのか、スタンディングデスクとステッパーを導入することでどのように改善するかという点について解説します。
フリーランスは「脳力」勝負だが、運動不足で脳機能が低下する
プログラマー・デザイナー・ライターなど、フリーランスは「脳力」勝負と言えます。自らの脳で複雑なプログラムを早く構築したり、美しいデザインを創造したり、わかりやすい文章を紡いだり・・・。
こういった仕事には、高い集中力や学習力など「脳力」が求められます。では、どうすれば脳力を維持し、さらに向上させられるのでしょうか?
脳が劣化する最大の原因=運動不足
オーストラリア国立大学が、過去の脳研究に関する200の論文をまとめたレビュー論文では、「座りがちな生活スタイルや運動不足が脳を縮ませる」としています。*1
運動不足が身体や脳に悪いというのは常識的なことですが、具体的に脳を縮ませるリスクがあり、糖尿病や痴呆症といった病気へのリスクを高めると、この論文では結論づけています。
なので脳力を維持するためには、座りがちな生活スタイルを改めて、運動することが重要です。ですが、フリーランスはパソコンに向かって行うデスクワークが中心なので、運動不足になりがちですよね。
では、どれくらいの運動をすれば脳機能の低下を防げるのでしょうか?
脳の老化を防ぐには週75分の早歩き
カンザス大学は、65歳以上の参加者101人を以下の4つのグループに分けて実験を行いました。*2
- 何も運動しないグループ
- 週に75分の早歩きをするグループ
- 週に150分の早歩きをするグループ
- 週に225分の早歩きをするグループ
その結果、何も運動しないグループ以外は全て注意力と集中力が大幅にアップしています。つまり週75分=1日約10分の早歩きでも脳機能が向上するということ。もしかすると、もっと短い時間でも、脳機能は向上させられるのかもしれませんが、1日10分だけでも早歩きすれば問題なさそうです。
「たった10分なら楽勝じゃん!」と思ったかもしれません。でも、フリーランスの仕事の多くは家でできます。1日中外に出ず、パソコンの前に座りっぱなしなんてこともありますよね。このように座り仕事がメインの場合は、10分の運動では足りないようです。
座りっぱなしが死亡リスクを40%を高める
フリーランスの方は仕事中ずっと座りっぱなしの方が多いかと思います。ですが、座りっぱなしは非常に身体に悪いです。椅子に座った瞬間から足の筋肉の電気信号が妨害され、消費カロリーが下がります。*3
座りっぱなしがどれだけ身体に悪いかを解説した、図1のインフォグラフィックでは、1日6時間以上座り続けると、1日3時間以下しか座っていない人とくらべて、15年以内の死亡率が40%高くなると警告しています。
出典:SITTING IS KILLING YOUー Daily Infographic
さらに座り仕事がメインの人は「1日30分の運動をしても座りすぎの悪影響をくつがえせない」「立ち仕事に比べて心臓病にかかるリスクが2倍も高い」と警告しています。*3
「そんなこと言われても、仕事をするのに座るのは避けられない」
「納期に追われている状況で、1日30分以上運動する時間も体力もない」
こんな声が聞こえてきそうです。そこでおすすめの解決策が・・・
スタンディングデスク × ステッパーで脳機能を上げよう
おすすめなのが「スタンディングデスク × ステッパー」です。スタンディングデスクで座りっぱなしを防げる上、同時にステッパーで運動もできます。ここで私の作業環境を紹介しましょう。
私の作業環境
写真のように、スタンディングデスクとステッパーを併用しています。でもいざ自分がやると想像すると、以下のような疑問がわくのではないでしょうか?
「ステッパーを踏んでたら仕事にならないんじゃない?」
「スタンディングデスクで疲れないの?」
私も最初はこのような疑問を持っていました。この疑問にお答えしたいと思います。
ステッパーを踏み続ける必要はない
私は毎日8時間ほど、この環境で仕事をしています。ですがもちろん、8時間ステッパーを踏み続けているわけではありません。
あくまで気が向いた時や気づいたときに、ステッパーを踏んでいます。ふと作業が止まった瞬間や集中力が切れてきた時、眠くなった時に踏むことで、脳の血流を上げて脳機能を回復させるイメージです。
他にもリサーチをしている時や、音声入力をしている時など、キーボードをあまり使わない作業をする時はできるだけ踏んでいます。ステッパーを踏んでいると、さすがにタイピングや細かい作業はしづらいので。笑
1日10分の早歩きで脳機能が向上するという研究を紹介しましたが、私は1日20~40分程度、ステッパーを踏んでいます(ステッパーのメーターで何分踏んだのかわかります)。「今日は〇分ステッパーを踏もう!」と目標を立てているわけではなく、なんとなく気が向いた時に踏んでいるだけです。
ステッパーを導入してから、以下のような効果を実感しています。
- 集中力が上がり、執筆速度が高まった。1時間2000文字 → 3000文字
- 立っているので眠気を感じることが激減 → 眠気を感じてもステッパーを踏めば回復
- 疲れにくくなった。ステッパー = 有酸素運動を1日、20~40分しているため
仕事の合間にステッパーを踏んで脳の血流を増やすことで、集中力も高まる上に持続します。立っているのでそもそも眠くなりにくいですし、眠くなったらステッパーを踏めばすぐに回復します。
しかも、疲れにくくなりました。スタンディングデスクだと逆に疲れそうなものですが、なぜ疲れにくくなったのでしょうか?
スタンディングデスクで疲れないのか?
私は最初、ステッパーを使わずにスタンディングデスクのみを導入しました。この時は、座っていた頃よりも疲れやすかったです。同じ場所に立ち続けるのは辛いですよね。
しかしステッパーを導入したところ、じっとしていることがなくなり、むしろ疲れにくくなりました。じっとしていることに疲れてきたら、ステッパーを踏んで身体を動かせばいいですし、有酸素運動になるので、続ければ続けるほど体力がついてどんどん疲れにくくなります。
私は1日8時間ほどステッパーの上で作業をしていますが、立ちすぎによる疲れを感じることはほぼなくなりました(仕事そのものの頭や目の疲れはあります)。なので、疲労予防にこそスタンディングデスク × ステッパーはおすすめです。
ただ、一点だけネックなのが「かかと」です。ずっと立ちぱなしだと、多少はかかとが痛くなります。ですが座っていた時のように、肩やくびのこりに悩まされることもなくなりましたし、腰を痛めることもなくなりました。気にするのがかかとだけになったので、とても楽になりました。
導入する際はクッション性の高いシューズや、かかとに入れるクッションを買いましょう。私は、クッション性の高い靴 + さらにかかとにクッションを入れています。
まとめ:スタンディングデスク × ステッパーで生産性を高めよう!
フリーランスの方の多くはデスクワーク中心ですが、座りすぎや運動不足は脳機能を低下させる上、心臓病になるリスクを高めたり、寿命を縮めるリスクも高めます。
スタンディングデスクとステッパーを導入するだけで、座りすぎの悪影響も防げる上に、毎日数十分の有酸素運動ができます。脳機能が上がって生産性も上がりますし、有酸素運動によってより疲れにくくなるため、作業時間も増やせます。
初期コストとして、スタンディングデスクに1~3万円程度、ステッパーに5000円程度かかりますが、それ以上の価値があると私は実感しています。もし導入する際は、かかと対策も忘れずに!
<参考サイト>
*1
*2
- Dose-Response of Aerobic Exercise on Cognition: A Community-Based, Pilot Randomized Controlled Trial ー Eric D. Vidoni など
*3
- SITTING IS KILLING YOU ー Daily Infographic
- Exercise builds brain health: key roles of growth factor cascades and inflammation. - Trends Neurosci
- 運動でBDNF(脳由来成長因子)が出る ー 鈴木祐
- 有酸素運動が記憶力や学習に関わる海馬の左エリアのサイズをでかくする ー 鈴木祐