得意不得意を見極めチームの個性を活かすリーダーの仕事術

チーム内で仕事をしていると自ずとそれぞれのメンバーの得意不得意が見えてきますが、実は得意そうに見えて、本人は苦手意識を抱いている内容もあるかもしれません。期待値以上の成果を上げてくれるからといって、必ずしも得手にしているわけではない、という可能性です。こういったことに気付くためには、仕事に必要なミーティングやブレストだけではなく、メンバーの個性や特長を把握するために、どれだけのコミュニケーションが取れているか? ということが非常に重要なポイントとなります。それぞれのチームメンバーが本当に やりがいのある仕事ができる環境を整えるために、リーダーとしてどのように振る舞うことが適切なのでしょうか?

問題が起こるまでチームの体制は変えなくても良い?

たとえば、Webサイトの運用管理をしているチームがあり、新人デザイナーのAさんには、更新作業に関わる画像の補正を担当してもらい、入社2年目になる同じくデザイナーのBさんには、バナーの作成を担当してもらうという流れができている状態と仮定します。Aさんは新人なため、画像の補正作業には時間を要していましたが、できあがりには大きな問題はありません。一方Bさんはいつもソツなく、締切までにバナーを仕上げてきますし、デザイン自体もクライアントからOKが出ています。

そのため、チームリーダーは体制を変えることなど考えもしませんでしたが、ある日、更新作業の日にBさんが欠勤してしまったため、バナーデザインもAさんに任せてみようという話になりました。すると、どうでしょう。AさんはBさんの半分ほどの時間でバナー案を提出しました。しかも、今までのデザインよりもわかりやすく、見せたい要素が明確なデザインにブラッシュアップされていたのです。驚いたリーダーは後日、デザイナーの二人を呼び出し話を聞いてみることにしました。

すると、Aさんは画像補正などの細かい仕事には苦手意識を抱いているが、元々DTPを勉強していたこともあり、バナーや部材を作成することは得意だと言い、代わってBさんは今まで自分が担当してきたし仕事だから不満はなかったものの、細かいパーツのデザインには一定以上の時間を要してしまうと話しました。

その後、すべてのチームメンバーに改めてヒアリングを行なったところ、運用チーム内で大規模な配置換えが行なわれ、これまで以上にすばらしいパフォーマンスが出せるようになったのです。

以上は少し極端な例ではありますが、このように一見問題が発生していないからといって、そのままにしておいていいわけではありません。それぞれいくつもの仕事を担当してみなければ、何がもっとも得意な分野なのかということは見えてきませんし、それをリーダーが把握しなければ、効率の良い仕事環境を整えることもできません。上記の事例で不足しているのは、チーム内でのコミュニケーションに他なりません。

コミュニケーションを取るということ

会社組織では年に1回~数回程度、仕事の評価や環境を確認するための面談が設けられることがほとんどです。しかし多くの場合、それは次期の給与や待遇を決定するもので、日常の細かい業務についてまでカバーできるものではないかもしれません。企業が大きれば大きいほど、その可能性は高まります。

そのため、定期的に上長やチームリーダーがメンバーの仕事に対するパフォーマンスや姿勢に気を配る必要があります。現状の仕事にモチベーションを上げて取り組めているか、もしそうでないなら、原因はどんなことなのか。

もちろん、苦手だからやりたくない、やらなくていいというわけではありません。職種にかかわるさまざまな種類の業務に対して、一定レベル以上のクオリティを担保することは、プロとして当然のことであるといえます。ただ、そういったことを前提とした上で、どうしても苦手だったり好きになれない仕事内容があるのであれば、そこの人員配置に一考の余地があるのではないでしょうか。

本来、人がすばらしい成果を上げられるのは、やはり「得意分野」です。苦手を克服するのは大切なことですが、得意や強みを伸ばすことはよりいっそう重要であると考えます。そして、その得意を発掘するのは、他ならぬリーダーやメンバーといった仲間たちです。

意外と自分が何が得意であるか、ということには気づきにくいもの。特に新人であればあるほど、自分はうまくできているのだろうか? と不安を抱えながら仕事と向き合っていることが多くあります。その分、周囲の仲間がしっかりと働きぶりに注目し、どういった業務が得意なのか、伸びそうなのかを考えてあげる必要があります。それを知るためには、密なコミュニケーションが絶対不可欠です。

もちろん、得意分野が自他ともにわかった暁には、果たしてそれは自分にとって充実感を得られる内容なのか? というところを、しっかりと自己分析していかなければなりません。その際、先に人間関係ができていると、リーダーやメンバーにも相談しやすい環境が整っているというわけです。

人には必ず得意分野と苦手分野があります。しかし、そういった業務内容以上に働く環境の居心地によって、当然ではありますが働きやすさは格段に変化します。職場そのものに苦手意識をメンバーが持つことがないよう、リーダーは常に気を配らなくてはいけません。

「好き」と「得意」どっちを伸ばせばいい?

最後に、考えていきたいのは「得意」だけでは「好き」になれない場合。そして反対に、 「好き」だけど「苦手」な仕事がある場合。 たとえば自分はデザインをやっていきたいけれど、どうにも他のデザイナーのようなクオリティを出すことができない。けれど、試しにやってみたところHTMLの覚えが早く、美しいコーディングができるようになった……というような状況です。

正直なところ、好きではない仕事が長続きする確率はあまり高くないといわざるを得ません。しかし、好きでも不得手なことであればプロとして仕事にすることは難しくもあります。個人的な見解にはなりますが、その「好き」と「得意」の分野が上記のようにそれほど離れていない場合は、得意分野を伸ばすべきだと考えます。表面的に見ると、この分野は好きではない、と思うかもしれませんが、極めれば極めるほど奥が深いものだからです。

仕事として携わっていくうちに、その分野の面白さに気が付き、スキルアップしていくかもしれません。またやりたい仕事と地続きの内容であれば、得意分野を伸ばすことによって、やりたかった業務内容も以前よりも得意になっていく可能性すらあります。コーディングを覚えていくうちに、デザインに必要な要素がわかってくるから、前よりも良いデザインがで きるようになった……というような話は、Web業界では非常に良く聞く話です。

だからこそ嫌いだからやらない、ではなく、将来に繋がるかもしれないからまずは強みを伸ばしてみよう、という発想を手に入れてほしいと思います。それでもどうしても仕事が苦痛だと感じる場合は、チームメンバーやリーダーに相談してみましょう。それまでの仕事を具に見てくれていれば、きっと力になってくれるはずです。

まとめ

会社で仕事を振られた時、これは自分には厳しいと感じることは誰しもあること。まずは臆せずに取り組んでみてください。
チャレンジすることで見えてくることは多くあるのです。 そして、チームリーダーはそれぞれのメンバーが従事する業務の成果や姿勢を観察し、必要に応じて声がけをしていく必要があります。コミュニケーションを怠らないことは、チームパフォーマンス向上に大きく寄与し、所属するメンバー一人ひとりのモチベーションを上げることに繋がります。

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