語学力を強みにお金を稼ぐために必要なことはなに?

普段外国語を勉強していると、よく仕事暦の長いおじさんたちに「言葉だけできてもねぇ・・・」と言われ、「英語もロクに話せないあんたに言われたかないよ・・・!」とイラっとした経験はありませんか?

私は現在英語と中国語を外国語として操り、台湾で現地企業のマネージャーとして働いています。英語はビジネスレベル程度で、英語で書かれたウェブサイトなどは読むことができますし、仕事の場でもスムーズに商談を進めることが可能です。中国語に関しては、台湾人と見分けがつかないくらいに高いと自負しています。

語学ができると、確かに社会生活上でできることが増えます。世界中のより多くの人と話ができるので友人が増えますし、日本にはない世界の情報をいち早く手に入れることもできると思います。

そして仕事上でも日本の外に出てグローバルに活躍ができるので、結論として語学を取得することで自身をアップデートすることが可能です。

それでも、私は常々「語学を強みにお金を稼ぐのは難しい」と思っています。

英語ができるから英語でお金を稼ぐ、中国語ができるから中国語でお金を稼ぐ、というのは実はおじさんの言うように、とても狭き門です。

では、時間とお金をかけて勉強した「外国語」を強みにお金を稼ぐにはどうしたらよいのでしょうか?

語学を強みにお金を稼ぐのが難しい理由

食べていくには専門性が大事

言葉を勉強してきた私からしても、「語学」ほど多岐にわたる難しい勉強はないのではないかと思います。日常会話程度ならば、半年くらい海外に身を置くことですぐに話せるようになります。しかし、お金や時間をかけて半年で日常会話程度に外国語が話せるようになっても、その語学を強みにお金は稼げません。

なぜなら、誰も「自分のかわりに日常会話をしてくれる人」を探してはいないからです。そのため、語学に限りませんが、食べていくには「専門性」がとても大切になります。

XX業界専門の翻訳士、通訳士」として実績があれば、語学力をお金に変えることも十分可能ですが、業界専門の知識や業務経験というファンデーションが必要になります。

母国語でわからないことは外国語でもわからない

語学を強みにお金を稼ぐ上で、業界専門の知識や業務経験というファンデーションが必要だとお話しました。理由は、「母国語でわからないことは外国語でもさっぱりわからない」からです。

普段仕事をしているときでも、自分が働いている業界のことはいやというほどわかるのに、業種の違う友人の話はさっぱりわからない、なんて経験はありません。

たとえば、小売業で働いている人が学生時代の友人と食事に行き、ブロックチェーンの話をされたら、興味のある人でなければ「何のこと?」と思いますよね。そのため、どれだけ外国語が堪能だとしてもわからないことはあるのです。

一般的にころころと業種を変えることがないのと同じように、「外国語を強みにお金を稼ぐ」としても何らかにフォーカスして働く必要があるのです。仕事として働く以上、企業からオファーをもらい、働くことになりますので、実務内容を理解していないと話にならないのです。

一般的に企業は語学ができる社員を囲む

上記でお話したように語学を強みにお金を稼ぐには、「業界専門の知識や業務経験というファンデーションが必要」になります。企業としては、自分たちが育ててきた社員が外国語を話せるようになれば、日本外の業務も任せられるため一石二鳥です。

この社員は社内のルール、会社の大まかな経営状況、業界知識、顧客対応も任せられる上、+プラスアルファで外国語ができるのですから、ただ「外国語ができる」人材は確実に負けます。

大手商社は新卒で優秀な社員を採用し、2~3年ほど実務経験をさせた後各国に駐在させ現地の言葉や文化、ビジネスを学ばせます。また、中小企業でも実務経験+語学が堪能な人材は大変必要とされているため、会社員として業界知識というファンデーションがある上で語学できる人は強いのです。

語学力を強みにお金を稼ぐにはどうしたらよいのか?

会社員として生きるなら+アルファが必要

「外国語ができるだけでは、語学ができる会社員に確実に負ける」と書きました。

それでは、語学を強みにお金を稼ぐにはどうしたらよいのでしょうか? もし会社員として生きていくならば、業界知識やビジネス実務が必須です。

語学力を忘れないように外国人友達との交流を絶やさない、外国語での映画や本を継続的に読む、などの努力をしつつ、活躍したい業界で経験を積むことが大切です。

これから語学を強みに会社員としてお金を稼ぐために、どんな仕事があるのか、どのようなことができるのかをまとめてみます。

商社・製造系

学生時代に留学経験がある人が目指す道として多いのが「商社」やグローバルに活躍する「製造業」です。これらの職種はダイレクトに海外と関わり、実務でも外国語を使っていく仕事なので留学経験のある学生からもよく知られています。

実は「商社」というのは日本からアジアに根付く特殊な業界です。財力をもとに日本と海外の企業を繋ぎ、営業、せどり、貿易、物流業務などを行います。海外では商社のようなものづくりに直接関与しないのに高額のマージンを取る「エージェント」は嫌われており、メーカー同士でのやりとりが多いです。しかし、主に

  • 日本のメーカーに語学力がないこと
  • 海外企業との金銭やり取りに生じるリスクを回避したいこと
  • 手持ちの現金が少ないこと
  • 海外の商流を理解していないこと

などを理由に商社を通して海外と商売をすることが多いのです。

個人的には、今後商社の製造業における規模は比較的容易に参入できる業界から、縮小していくのではないかと思います。今後商社が縮小した場合、特定の業種にフォーカスした小さな貿易会社がたくさん出てくるでしょう。

ある特定の業務だけでなく、ビジネスの流れを理解していれば、今度独立することも可能でしょう。

IT・Web・メディア系

IT・Web・メディア系では、業界での経験をしっかりと積み、知識があれば、外国語ができることが非常に役に立つと思います。

エンジニアの場合は、語学ができなくともプログラミング言語ができれば仕事ができるため、語学力はあまり重視されていません。

しかし、コードをひたすら打つような機械に置き換えられるような仕事は今後伸びていくとは思えません。仕事は空から降ってくるわけではありませんから、顧客から仕事をもらえるコミュニケーション能力、人を感動させられるような話や文章力が大切になります。

日本語で「人から共感を得る」「人を感動させる」話や文章を練るのが大切なように、普段日本語で行なっていることが外国語でも行なえるレベルになれば、日本人以外の更に多くの人にサービスを提供できることになるため「外国語を強みにお金を稼ぐ」ことができると思います。

小売・飲食・サービス系

小売や飲食などのサービス業は、顧客が外国人であれば外国語をダイレクトに使って活躍できます。日本で働く場合、年々増加するインバウンド需要の要員として、日本人としての接客知識を持ちながら、外国語で外国人へサービスをする能力があれば重宝されると思います。

販売スタッフとして外国語が堪能ならば、個人の売り上げも日本人だけを相手にしているスタッフよりも上がるでしょうし、売り上げが上がれば当然、実績となり、店長やエリアマネージャーとして出世することがあると思います。

エリアや本社マネージャーとして活躍できれば、新店舗出店の企画などにも参加ができ、海外支店の立ち上げに参加することもあるかもしれません。自分の仕事に誇りを持ちながら、業務の一貫として外国語を流暢に使えれば、「外国語を強みにお金を稼ぐ」ことができると思います。

専門性を極めて通訳・翻訳として経験を積む道もあり

外国語教師

会社員以外の道として、「外国語ができること」をダイレクトに使ってお金を稼ぐ道のひとつに「外国語教師」があります。日本国内には、英語や中国語など外国語を学びたい!と思っている人が非常に多いので、外国語のスキルを持っていれば「外国語教師」として働き、キャリアを積むことも可能です。

有名なユーチューバーのバイリンガールのチカさんは、会社員の傍らユーチューブで英語学習、外国の文化を紹介するチャンネルを開設し、現在は130万人以上の登録者数がいます。英語がネイティブなのはもちろん、ひとりでこなしている動画編集のスキルが高く、常に新しいことにチャレンジする姿勢が大好きで私もファンのひとりです。

登録者数745万人のHIKAKINの年収が8億円程度とされていますから、「外国語を強みにお金を稼ぐ」が可能なのだと思わせてくれるインフルエンサーです。
(彼女の場合は、外国語ができるだけでなく、非難を恐れず自分をさらけ出し発信し、動画編集、広告、マーケティング技術なども勉強されているので「語学だけ」ではないのですが)

通訳・翻訳

「語学を仕事にする」と聞いてすぐに思いつくのが「通訳・翻訳」ですよね。

これまでもお話してきたように、通訳や翻訳のお仕事でも「専門性」が一番大事だと思います。企業側はお金を支払って人を外から雇う場合、プロフェッショナルを求めています。

「何でもできます!」という翻訳者よりも、「私は日本のマンガを英語にすることを中心に翻訳業務を行なっています」と言われたほうが出版社は仕事を与えたいと思いますし、

私は製薬会社の法務で、特許の申請をメインに翻訳業務を行なっていました」と言われたほうが、製薬会社も仕事を投げやすいのではないのでしょうか。

さらにこの専門知識は、ハードルが高いほど単価も高いのですが、今後は「人の心を動かす翻訳」のほうが単価が上がってくるのではないかと思います。

AIが発達し、事務的な意味がわかる文章が機械で簡単に訳せる時代になったとき(いまでもグーグルで大体わかるようになっていますが、まだ完璧ではないですよね)人にしかできないのは「人の心を動かす文章を書く」ことになってくると思います。

まとめ

今回は「外国語を強みにお金を稼ぐには?」というタイトルで、外国語だけできてもお金が稼げないこと、外国語を強みにお金を稼ぐためにできる具体的なことを書きました。

冒頭で「おじさんたちに、言葉だけできてもねぇ・・・と言われてカチンときた」というエピソードをお話しましたが、おじさんたちの言葉はある意味では正解で、また不正解でもあります。

「言葉だけできても意味がない」というのは本当です。しかし、できない人よりもできる人のほうが、専門知識を身につけてさえいれば、同じ条件の人よりも稼げます。外国語を学んだあと、「外国語を強みにお金を稼げるか」は自分次第なのです。

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