在宅ワークは家を拠点に仕事をする働き方です。子育てと両立するために在宅ワークを選んだママもいることでしょう。ですが、成長するにつれて限界を感じることもしばしば。そんな時は保育園の必要性をひしひしと感じます。仕事をしたい気持ちと子どもに寄り添いたい気持ち、どちらも大切にしたいママの想いです。そんな中いざ保育園に入れようと思っても、近年入難しいといわれている保育園入園は在宅ワークママでも叶うのでしょうか?
保育園に入るには
保育園不足の報道が続き、保育園入園は難しいものと感じてしまいます。ですが、待機児童の少ない地域や保育園が十分にある地域では容易に入園ができます。自治体の専門部署で相談してみると案外簡単に入園できることもあるので、難しく考える必要はありません。
今回は待機児童が多く、入園が簡単ではない地域の「保活」について、在宅ワークママの目線で考えてみたいと思います。
認可保育園と認可外保育園(無認可保育園)の違いって?
認可保育園は、園の広さや保育士の人数、給食設備などの国が定めた認可基準をクリアし、国からの認可を得た保育園のことをいいます。公立の保育園もあれば私立の保育園もあり、入園の手続きは市区町村の自治体が担当しています。基本的に園のある市区町村在住の子どもが優先して入園できます。近年たくさんの待機児童を抱えているのも認可保育園です。
それに対し、認可外保育園は何らかの理由で国の認可が下りていない保育園のことです。認可外や無認可という言葉にネガティブなイメージを持つかもしれませんが、認可がないからといって保育の質が悪いということではありません。入園の手続きは各園で行っており、入園の条件や揃える書類の量も少ないので在宅ワークママからするとハードルは低いでしょう。
認可保育園に入園するには?
ここからはさらに絞って、認可保育園に入園したい在宅ワークママの保活のお話をします。
まず原則として自分の住んでいる市区町村の認可保育園以外は難しいと思ってください。保育園の申し込み定員を超えた場合は入園選考があります。待機児童の多い地域では、選考は必至なのでそれに向けて必要な書類を用意せねばなりません。
会社勤めではない在宅ワーカーの場合、書類の全てを自分で作成します。まず税務署に開業届けを出して個人事業主となり、在宅ワークをしているという証明として就労証明を用意します。さらに在宅ワークの場合、家にいるなら子どもの保育も可能と見なされてしまうことが多いため、仕事の内容を証明する書類が必要となります。仕事の実績や作業をしたスケジュール、報酬金額の証明書や振り込まれた通帳のコピーなど色々な手段がありますが、どの程度の書類が必要かは地域によって異なるため、担当者に相談すると良いでしょう。
これまでは、外に出て働く人に比べると入園の優先順位が低かった在宅ワークですが、働き方改革の影響もあり在宅ワーカーもフルタイム勤務の会社員と同じとみなす自治体も増えているそうなので、書類の準備は大変ですが提出してみるとすんなり入園できるかもしれません。
書類を提出しても入園できるとは限らず待機児童になってしまうこともありますが、その場合入園できる認可外保育園があれば仮に入園をし、一定期間預けて仕事をした実績を作れば優先順位が上がるという自治体もあります。いかに保育が必要かの証明のようなものですが、認可保育園の順番が来たら慣れた保育園や先生、お友達とお別れをすることになるので、子どもにとって負担にならないか配慮が必要です。
認可外保育園に入園するには?
こだわりの教育方針や夜間保育など特徴的な園風を持つ保育園は認可外保育園に多い傾向があります。また認可外保育園は少人数制が多いことから、アットホームな雰囲気を好むママは認可外保育園を選ぶことがあります。決して認可保育園に入れなかったから認可外保育園に行くわけではありません。
入園したい園が認可外保育園の場合、申し込みは直接園にします。入園するにあたり、提出する書類は認可保育園よりも少なく基準などもないので空きがあればそのまま入園できることも。もしも待機になったとしても、申し込んだ順に声がかかります。待機児童の数が多くても、認可外保育園の場合は併願や認可保育園の空き待ちがいるので待機人数の割にすんなり入園できることがあります。順番待ちが多い場合でもとりあえず並んでみましょう。
ちなみにこれから在宅ワークを始めるという場合は無職や休職中と同じ扱いになります。優先順位が低いため、待機児童が多い地域での認可保育園入園は困難です。その場合も認可外保育園に預けて実績を作ってから申請をしてはいかがでしょうか?
待機児童になってしまったらどうする?
保育園に入園できなかったとしても、隙間時間をうまく利用できるのが在宅ワークの良いところです。入園できなかったことに落ち込まずに自分だけの働き方を考えてみましょう。仕事と育児のちょうど良いバランスが取れるかもしれません。
一時保育の利用
一時保育とは、保育園などが未就園の子どもを一時的に預かる制度です。地域によって異なりますが、リフレッシュや通院など仕事以外の利用も認められているので、保活のようなややこしい書類は不要です。費用や予約方法、事前面談や慣らし保育の有無は園によって違うので近くの園をリサーチしてみましょう。人気の園は月頭に翌月分の予約が埋まってしまうことがあるので、数カ所の保育園で一時保育を利用できるようにしておくと便利です。
保育の特色も様々なので子どもに合う園を選び、保育園に預ける目的を「託児」ではなく「娯楽」に変えて子どもにとっても楽しい保育園になると嬉しいですね。家から多少距離があっても保育園近くのカフェなどで仕事ができ、往復時間を気にしなくても良いのは在宅ワーカーの特権です!
一時保育をうまく使い、毎週月曜日は仕事に打ち込む日!と決めたり、仕事が詰まっている時だけ不定期に利用したりと仕事に合わせて決めることもできます。
幼稚園の活用
保活がうまくいかなかったら、幼稚園入園を考えても良いかもしれません。園によっては4年保育といって、年少を2回繰り返す通園が可能です。4年保育の入園タイミングは園によって取り決めがありますが、満3歳になる月やその翌月から入園できることが多いようです。
幼稚園の保育時間は8時から14時前後なので、その間は仕事、降園後は子どもと過ごすと決めて在宅ワークに取り組むのもメリハリが出て良い働き方になるかもしれません。
最近はこども園が増えたこともあり、ほとんどの園で延長保育が可能です。14時の降園では早いようなら延長保育を利用すると夕方まで預けることができます。同様に夏休みや春休みにも預かり制度がある園が多いので、在宅ワークのペースや子育ての方針に合わせて、保育園入園のための待機はせずに幼稚園へ入園してしまうとスッキリするかもしれません。
保育時間内でできるような仕事量に調節できるのも在宅ワークならではなので、時間とのバランスをとりながら小学校入学までの数年を幼稚園で過ごしてみてはいかがでしょうか?
ファミリーサポート(行政の助け合い制度)や民間のベビーシッターサービス
自治体が管理する助け合いの仕組みであるファミリーサポートや民間のベビーシッターサービスは一時保育や幼稚園よりも日程や時間の融通がききます。長時間の保育や夜間保育、休日などイレギュラーで保育が必要な時には助けられる存在です。資格や補償、費用などは事前に調べておきましょう。
ファミリーサポートやベビーシッターの良いところは自宅での保育を頼める点です。自分は移動せずに済み子どもにとっても慣れた環境での保育ができるので、預けられることに慣れていないうちは安心な手段です。リビングなどで保育をし自分は別室で在宅ワークに励むスタイルはいかがでしょう?仕事の休憩やお昼ご飯は子どもと一緒にいられるので、仕事の合間の癒しになるかもしれません。
在宅ママの保活体験談
在宅ワークママの保活に一定のマニュアルはありません。地域や働き方によって十人十色の保活ストーリーがあるように、自分の保活のストーリーが出来上がるはずです。最後に本当にあった保活体験談を紹介します。当事者は大変な保活ですが、後から思い返すと育児と仕事に奔走した子育て期の思い出になるのでは?
実例1 諦めていた保育園にぽろっと入園できた在宅ワークママの場合
安定した仕事がない在宅ワークママにとって、フルタイムで仕事をしているという証明の提出は1つの関門です。待機をしてもどうしても点数が低くなってしまいがちです。自治体の担当窓口で「これだと難しいかもね」といわれてしまい、諦めるというのはよく聞く話です。
そうやって入園を諦めたものの気持ちばかりが焦ってしまい仕事にも育児にも集中できないまま、3歳まで過ごしたそう。そんな中で幼稚園探しを始めたところ保育園の定員数が増えていることを知り、無事保育園に入園することができたのです。
保育園は年少クラスになると受け入れられる人数が増します。1~2歳児は子ども6人程度に対し保育士1名が必要でしたが、3歳児にもなると保育士1人で20名程の受け入れが可能になるからです。それを知っていたらもっと気楽に待っていられたのにと、今では思うそう。
もしも待機になってしまっても、気楽に構えていることが大切です。子どもはママの焦りを敏感に感じ取ります。そんな中で在宅ワークに取り組んでもグズグズしたり甘えたりと、なかなか仕事は捗らないといえるでしょう。このケースのように子どもの成長に合わせて再度申請をしてみると状況は変わっているかもしれません。
実例2 保育園に入れたらかわいそう!といわれた在宅ワークママの場合
入園の申請時には、「家で仕事をしているイコール子どもの世話ができる」と見なされることがよくあります。在宅ワークは家でちょろっとできる仕事と思われやすく、それは行政の担当者に限ったことではないというケースです。
出産前から続けている在宅ワークに復帰するために、ママが保育園に入れる手続きを進めていたところ、家族は大反対!「家にいるのだから子育てと両立できる。保育園ではなく幼稚園に入る年齢まで待って、入園すべき」といわれ悩んでいました。
でも幼稚園と保育園の選択はまた別の話。なんだかんだいって幼稚園や保育園の行事や保護者会活動に参加するのはママが主です。自分の家庭でもそうなることが予想されるなら、家族の意見には耳を傾けているように振る舞い、最終的な決断は自分でした方が後悔がありません。行事や保護者会が負担に感じるか、そのお付き合いがかえってリフレッシュや在宅ワークをする上での糧になるか、人それぞれ違います。
たくさんの幼稚園や保育園に見学に行けるよう時間を工面できるのも在宅ワークの特権なので納得いくまで見学をして、仕事との両立も含めて先生に相談してみるのも良いかもしれませんね。
このケースのママは、結局幼稚園に決めたのですが、保護者会で在宅ワークのスキルを発揮し親子ともども楽しい幼稚園生活を送ったそう。幼稚園でできたママ友とは子どもを預け合う仲になり、小学校に上がってからも困った時に頼れるママ友になった嬉しいケースです。
まとめ
遅かれ早かれ、書類さえ揃えば在宅ワークでも保育園への入園は可能です。でも、保活保活!というメディアに流されて、ついついやらねばならない気分になっていませんか? 子どもの好む保育スタイルと自分が目指す仕事スタイル、どちらを優先するかで悩むママもいるかもしれません。どちらを選んだからといって、育児に対して無責任なわけではないし、仕事に取り組めないわけではありません。どんな保育方法を選んでも柔軟に合わせることができるのが在宅ワークの良いところ!在宅ワークでも保育園に入ることができるし、幼稚園も選択できる。そして保育園に入れなくても働くカタチを見つけることができます。働き方の多様化が進む現代、保育の方法もいくつかある中から家族にあった方法を選んでみてはいかがでしょうか?