海外(台湾)で働いているからこそ感じる4つのメリット
(写真:台湾台北の中心部101周辺の夜景)
ビジネスレベルの語学を操れるようになる
現地で仕事をし、生活をしていれば、当たり前ですがその地の「語学」が堪能になります。どれだけ学生時代に「語学」の勉強をしていても、仕事で外国語が当たり前に使えるようになるまでには時間が掛かります。この点、「海外就職」を経験している人材であれば、日本での転職時などに「語学」を強みとした「即戦力」として採用される可能性が高く、メリットになります。
私の場合は、周りに日本語を話せるスタッフが1人もいなかったことから、中国語力が4年間で格段に伸びました。今では、相手がどれだけ日本で長く生活してきた中国人でも、私に対しては「中国語」を使って会話をすることが多くなりました。
そのため、どこへ行っても「中国語がものすごく上手な人」と認識され、主に日本のお客さんなどから頼りにされるようになりました。
「異文化」の働き方に触れることができる
海外での仕事を経験することで、「日本での常識」ではなく「その国での働き方」や「仕事の仕方」など異文化での働き方に触れることが出来ます。
例えば、中国の取引先である〇〇さんからいつまで経ってもメールが来ない時、wechatで電話をすれば一発で繋がります。旧暦で決められている行事ごとに挨拶の連絡を送ると、とても喜ばれ、相手を助けると、向こうも同じ数だけ助けてくれます。相手のメンツを潰さないように行動することも大切です。
このような商習慣は、その国で働いてみないと得られない経験です。「その国に関わる仕事をする」場合、日本に戻ってからもこれらの経験や知識は多いに役に立ち、重宝されることでしょう。
日本で出会えなかった変わった日本人の人脈ができる
「海外」にいる日本人は、良い意味で「普通ではない」人も多いです。なぜなら、「普通の人」はわざわざ心地の良い日本を出て活動しようと思いませんから。
- 「国際結婚」して移住している人
- 「フリーランス」として、会社に所属することなく自分の力で生きている人
- 「海外で起業し、目標に向かい邁進している人」
- 「海外の企業で働いている人」
いろんな人がいると思いますが、日本で働いていたら出会えなかった人たちかもしれません。様々な思いや志を抱えて、外国で誰かと知り合い、話をするというのはとても貴重な経験です。
生活する国の選択肢が増え、生きやすくなる
海外就職を経験し、「外貨を稼ぐ」ことができれば、住む国の選択肢が広がり、世界中のどこでも生きていくことが出来ます。(もっとも現在はリモートワークで日本円を稼ぎ、外貨に替え、世界中に住むこともできますが)
海外で仕事をし、収入を得て、そこが「日本よりも過ごしやすい」と感じたら、簡単に移住することが出来ます。
海外で働くことのデメリット
メリットを4つあげたところで、次は「デメリット」について真面目にお話をしていきたいと思います。
外国人はその国の労働法にさえ守ってもらえない可能性がある
日本人として、日本で働いてさえすれば、会社員は皆「日本の労働法」に守られています。しかし、日本の本社採用の駐在員を除いて海外で働く場合は、その国の労働法に従う必要があります。また、日本企業が外国人に対してそうであるのと同じように、
外国人が外国で働く場合、「その国の労働法」にさえも、守ってもらえない可能性が高いです。
例えば私は現在、台湾の企業で働いていますが外国人が台湾で「退職金」をもらう場合、「台湾人と結婚しており、居留証を取得後、台湾で働いていること」が条件となっています。そのため、私は5年勤めていても「退職金」をもらう「法的な権利」がありません。
例えば同性愛者で、パートナーとは長く付き合っているけれど法的に結婚が出来ない、でも台湾の会社から支給される居留証で長年働いている人は、税金を納めていても、「退職金をもらえない」ことになります。
何かしら理由があり、「籍を入れたくない」外国人も「退職金」をもらうことが出来ません。
厚生年金がもらえない
その他、社会保障協定の締結されていない国で会社員として働いている場合、どれだけ税金を納めていても、「日本の国民年金」を別で納めない限り、年金を受給することが出来ません。
社会保障協定が既に締結されている国は
ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルク、フィリピンの17か国のみです。
その他、イタリア、スロバギア、中国では現在発行準備中となっています。
(中国の社会保障協定については注目していますが、既に2016年から2年発行準備中の状態です。)
「台湾で働く」と決めた時、この社会保障制度についても何度か調べました。当時は、台湾では給与が安く、所得税や厚生年金の支払い額も少ないから、社会保障協定で「日本でも年金を支払った事と同等」にしてしまっては、釣り合いが取れないのだろうな、と考えていましたが
よく見ると一人当たりGDPが台湾よりも明らかに低い「ブラジル」や「インド」「フィリピン」とも協定が結ばれています。現在は、「中国」と既に社会保障協定を締結し「発行準備中」のため、今後も台湾と日本間で社会保障協定が発行されることはないだろうと考えています。
「年金なんて、今20代の自分たちが65才を過ぎる頃には崩壊しているんだし、アテにする必要なんてない」と思う方もいるかもしれません。しかし、今現在「国民年金」はどんな長期投資よりもリターンの大きな「長期投資」となっています。
また、いざという時に自分を守ってくれる「国」があるとすれば、日本人にとって、それは他でもない「日本」でしかありません。会社員として働く国が、社会保障協定外の国である場合、毎月の国民年金は、自身で負担すると決め、生活費などやりくりをしたほうが良いでしょう。
参照:主要各国の年金制度
https://www.nenkin.go.jp/service/kaigaikyoju/shaho-kyotei/kyotei-gaiyou/20131220-01.html
まとめ
以上、海外で働くことのメリットを4つ、デメリットを2つ、紹介してみました。いかがでしたでしょうか?他にも
- 「距離が遠いので頻繁に家族に会うことが出来ない」
- 「友人に会えない」
- 「慣れない生活で苦労する」
など、海外で働くことのデメリットはあるかと思いますが、それらは「海外に住む」上で必ずつきまとうもの。基本的に日本の会社に比べて休みは取りやすいので、航空券さえ買えればすぐに家族や友人には会いにいけるし、生活はすぐに慣れると思っています。
「労働法」や「年金問題」は、解決することのできない「リアルなデメリット」となります。ただ、このデメリットも数年であればほとんどリスクは無いので、海外就職中に、「数年後どうしたいのか」を明確にできれば、安心できるのではないかと思います。