【2018年問題】今年、私たちの働き方を変えていく4つのトレンド

2017年度も残すところわずかとなってきました。昨年は働き方改革の一環として、政府主導でプレミアム・フライデーの制度が導入されるなど、私たちの働き方について意識する機会が多かったように思います。今回は、いろいろな観点から2018年に私たちが目にすることが予想される職場のトレンドをご紹介します。

法改正による2018年問題

2018年は過去に改正された2つの法律の効果が具体的に表面化する年であり、それに対して雇用主と雇用者の双方が対応を迫られることが予期されています。そして、この事態を指して「2018年問題」という言葉が使われています。

まず、今年は2013年に改正された労働契約法の影響が実際に出始める最初の年です。この改正により、2013年4月1日以降に、有期契約労働者(いわゆる「パート社員」や「契約社員」)が同一の雇用主の下で5年間継続して働き続けた場合、5年後から契約者が申請をすれば無期雇用契約へ転換することが可能になりました。その5年後にあたるのが2018年4月1日であり、雇用主はそのために対応を迫られることになります。

雇用主にとって有期契約労働者の存在は、景気などの変動に合わせた労働力を確保する上での「調整弁」として重宝されています。そのため、彼らが無期契約労働者に転換することを好ましく思わない雇用主によって、期限である2018年までに有期契約労働者が解雇、あるいは雇止めされてしまうという問題が指摘されており、事実、期限が迫ってくる中でそのようなケースが報告されてきています。

さらに、2015年に改正された労働者派遣法では、同一の組織で継続して働くことのできる期間が、原則として最長3年と規定されました。施行された2015年10月1日以降に契約をした派遣労働者が3年目を迎えることになるのも2018年です。これらの変更によって混乱が起きないように、事前にしっかりと情報収集をし、社内で対応の手順を明確に決定しておくことが大切になります。

リモートワークからオフィスワークへの回帰

特に2010年以降、働き方を多様にするためにリモートワークの制度を導入する企業が、欧米を中心として増え始めてきました。日本ではベンチャー企業のような小規模で先進的な組織をはじめ、日産自動車やリクルートホールディングスなど、大企業でも業界を問わずにこの制度を導入する企業が増えてきました。

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多くの企業にとって、この制度は初めての取組みであったため、ある種の実験としての性格を持っていました。そしてリモートワークを導入してからある程度の時が経ち、その効果を計測する段階に至った今、制度を限定化、あるいは廃止する企業が出始めています。

リモートワークの導入が早かった米国では、昨年、IBMが制度の廃止に踏み切るなど、「バック・トゥ・オフィス」の流れが表面化してきています。チームでの一体感やクリエイティビティ、セレンディピティといった側面での対面コミュニケーションの重要性が再確認されたということです。

昨年に建設が完了し、社員の入居が進められているAppleの新社屋、Apple Park。50億ドルを費やしたと言われるこのオフィスは、従業員同士の交流の活性化が意図された設計になっています。他にも、著名建築家のビャルケ・インゲルスらによって設計されたGoogleの新社屋も同様のアプローチでデザインされています。クリエイティビティやイノベーションがますます求められるようになる中で、伝統的なオフィスワークの再評価の流れが加速していくかもしれません。

ピープル・アナリティクス

ブルームバーグによると、2017年4月の有効求人倍率は1.48倍であり、これはバブル期を上回る高水準だそうです。これは求職者にとっては朗報ですが、企業にとっては優秀な人材を以前のようには確保することが難しくなってきているということを意味します。そこで、AIなどの最新技術を取り込んだ「HRテック」を人事業務に導入して、優秀な人材の採用・育成を促進していくという流れがあります。

注目されているHRテックの1つに「ピープル・アナリティクス」と呼ばれる技術があります。これは業績評価や仕事についてのアンケート、あるいは計測装置から得られたビッグデータを分析し、従業員に関する多角的なデータを得ることによって、仕事中の満足を向上させたり、優秀な人材を引き留めたりするための最適な施策を実現させるというものです。米国発のCulture Ampや株式会社リンクアンドモチベーションによるモチベーションクラウドが同様のサービスを提供しています。

人材不足の中で優秀な人材を引き付けるためには、仕事に対するエンゲージメントを高めることができる職場環境や制度を従業員に対して提供することが大切です。ピープル・アナリティクスを用いて抽出した従業員の本音は、それを実現するために必要となる貴重なデータとなります。そのため、この技術はますます普及していくことが予想されます。

人間と人工知能の協働

ピープル・アナリティクスをはじめとする多くのHRテックには人工知能の技術が搭載されています。2018年にあなたの仕事が人工知能に奪われてしまうことはおそらくありませんが、それでも、人工知能はビジネスの現場にますます広まっていくことが予想されます。

昨年末にはGoogleによるAIスピーカー、Google Homeが日本で発売されました。日本企業もSONYやLINEが独自のAIスピーカーを相次いでデビューさせています。これらのスピーカーには、人間と言葉を使ってコミュニケーションを行う「チャットボット」が搭載されており、話しかけることで天気予報を尋ねたり、家電の操作を行ったりすることができます。ビジネスの世界でも、カスタマーサービスをチャットボットに代行させたり、イントラネットに導入して情報検索を素早く行えるようにするといった応用が始まっています。

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チェスの試合でもっとも強いプレイヤーは人間でも人工知能でもなく、人工知能の力を借りた人間だそうです。競争的なビジネスの世界でも人工知能と人間の協働によって事業を加速させていくのを見る機会が増えていくでしょう。

「【2018年問題】今年、私たちの働き方を変えていく4つのトレンド」についてのまとめ

2018年の職場のトレンドとして、「2018年問題」「オフィスワークへの回帰」「ピープル・アナリティクス」「人工知能との協働」の4つを紹介しました。問題を引き起こすかもしれないものがある一方で、私たちの働き方の改善を期待させてくれるものもありました。いずれの場合にも、変化に対してオープンな心で接していくことが大切です。

事例に学ぶ

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言います。ビジネスについても同じことが言えるでしょう。
他の企業の戦略や取り組みを分析し、そこから抽出した要素を組織に取り入れてみることで、あなたのビジネスを成功に導く鍵が見つかるかもしれません。

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