7つのキーワードで振り返る2017年の職場のトレンド

2016年の年の瀬は、広告代理店最王手の電通における若手社員の過労自殺と、それを受けた当時の社長の辞任や、有名な「鬼十則」の廃止を含む一連の社内改革についての報道でもちきりでした。今年に入ってからも違法労働や過労死についての報道が続出しており、また、「働き方改革」の一環としてプレミアム・フライデーが導入されるなど、2017年は「私たちはどのように働くべきなのか」ということを考えさせられる1年となりました。
ここで今年を象徴する7つのキーワードをもとに、グローバルな視点から2017年の職場を振り返ってみましょう。

「ミレニアル世代」

近年、職場においてミレニアル世代の存在感が増してきていると言われます。

ミレニアル世代とは、1980年代から2000年前後にかけての時期に生まれた世代で、パソコンやインターネットを使いこなし、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)への依存度が高い、いわゆるデジタルネイティブの世代です。

いつもスマホにつきっきりで、怒られるとすぐに委縮してしまう。ワークライフバランスが大切で、上司との飲み会にも行きたがらない。車は乗らないし、マイホームなんか買う必要がない……。

皆がこのような価値観でライフスタイルを送っているわけではありませんが、何となくイメージがつくのではないでしょうか。この世代はすでに職場に入ってきていますが、近年ではマネージャー職につくミレニアル世代の人数も増えてきており、ますます存在感が増してきています。

ミレニアル世代は転職に対して抵抗感がないので、今の職場が気に入らなければすぐにほかの企業に転職してしまいます。そのため、企業は優秀な若者を獲得するために、彼らの価値観に合わせて変化することが求められているのです。そして、この変化によって、よりよい職場環境が実現されていくのではないかと言われています。

「リモートワーク」

2017年現在、アメリカでは社会人の約4人に1人がリモートワークで働いたことがあるという調査があります。日本ではまだここまで普及してきているとは言えませんが、日産自動車やリクルートホールディングスなどの大企業でもリモートワークを導入している企業が増えてきています。

多様なライフスタイルを送る人々が増えてきており、また、テクノロジーの発展でオフィスの外でも従来の仕事ができるようになってきているため、より多くの人々がフレキシブルな働き方を求めるようになってきています。このトレンドは今後も世界中で続いていくと思われます。

「従業員エクスペリエンス」

日本でもVorkersのような従業員による企業のレビューサイトが普及してきました。就職や転職の際に参考にするという人も多いのではないでしょうか。企業は悪いレビューを書かれることを回避するために、自社の従業員の環境を整えていくことに奔走しています。

従来は賞与や福利厚生などを与えていれば良かったのかもしれませんが、現代の従業員はより多様な価値観を持っています。そのため、彼らを満足させるために、従来マーケティングで用いられてきた考え方や手法が人事部門にも浸透してきています。

その一つが「従業員エクスペリエンス」を向上させるというものです。まるでカスタマーリサーチをするように、自社の従業員一人ひとりの声に耳を傾けて、彼らのニーズを発見し、それを実現していくというものです。

その際に、人事の勘に頼るだけでなく、ウェアラブル端末などに取り付けられたセンサーを通じて集めたビッグデータを統計的に分析することで職場環境を分析するという「ピープル・アナリティクス」という考え方も登場してきています。このピープル・アナリティクスを行っている米国のスタートアップ企業のCulture Ampは、2017年に約2000万ドルの資金調達を果たすなど、「HRテック」の分野が急速に成長してきています。

「業績評価廃止」

ビジネスの世界でのスピード感が高まっていることや、Twitterやチャットなどでの情報の流れに接してきたことによる人々の意識の変化から、業績評価を1年に1度しか行わないという従来の慣行は「遅すぎる」のではないかという意識が高まってきています。

それに応えるように、近年、米国では自動車メーカーのGM、ソフトウェア大手のAdobe、コンサルティングファームのAccentureなど、多様な業種で、年次の業績評価を廃止する企業が現れてきました。

日本ではまだこのようなトレンドは見られていませんが、今後、日本でも米国でのトレンドを追随して業績評価を廃止する企業が出てくるかもしれません。

「プロジェクトマネージャー」

近年、プロジェクトマネージャーに対する需要が増えてきていると言われています(毎年150万人のペースで増えてきているという調査結果もあるようです)。そして2017年、プロジェクトマネジメントは現在最も「ホット」なスキルの1つとして数えられています。

この背景にあるのは、潜在的なプロジェクトマネージャーの供給不足です。プロジェクトマネージャーには、リーダーシップだけでなく、技術的な知識や交渉技術などの専門的かつ総合的なスキルが求められるため、常に人材不足になっています。それだけでなく、近年、ビジネスが複雑化・グローバル化したことで、航空業界やヘルスケア業界など、従来は必要とされてこなかった業過でも優秀なプロジェクトマネージャーが求められるようになってきおり、需要過多となっているのです。

「人工知能」

人工知能はここ数年ずっと話題のバズワードでしたが、2017年になってそれを実際に身近に感じるということが増えてきました。昨年末にGoogleが翻訳にディープラーニングの技術を導入し、翻訳の精度を飛躍的に向上させ、インパクトを与えたことも記憶に新しいです。さらに、AmazonやGoogleが今年の秋から日本市場にも「AIスピーカー」を投入してきており、日常生活での人工知能のプレゼンスは今後も加速していきそうです。

人工知能によって利便性がもたらされる一方で、従来は人間がやっていた仕事が人工知能に奪われてしまうかもしれないという問題も指摘されてきました。今年の10月にはみずほフィナンシャルグループが今後10年間で1万9000人の人員を削減することを発表しました。低金利などによる収益が低下したことから、業務のオートメーション化を進めていくことが理由だと考えられています。

実際に人間と人工知能が仕事を奪い合う段階には来ていないとはいえ、日々の業務や職選びの機会などで、いずれ必ず来る「その日」を意識して意思決定を行っているビジネスパーソンが増えてきています。

「ブロックチェーン」

人工知能と比べると地味で話題性に欠けるかもしれませんが、ブロックチェーンこそ2017年を代表するキーワードだったのではないかと思います。

2017年にはビットコインの価格が10倍以上値上がりし、ついに11月には1BTCが100万円の大台を超えました。ブロックチェーンは、このビットコインの背後にある暗号技術であり、それが秘めるディスラプティブな可能性から多くの注目を集めています。

ビットコインが従来の「電子マネー」と決定的に異なっている点は、それを発行し、管理する「中央権力」が必要ないことです。この特徴によりビットコインは低価格で国際送金できるなどの利便性を享受しているのですが、これを可能にしているのが、このブロックチェーンという画期的な技術なのです。

何らかの中央権力の存在によって成り立っている制度・サービスは通貨のほかにもたくさんあります(例えば、音楽などの知的財産の管理)。ブロックチェーンはそのような多くの分野での活用が期待されているのです。そして、もしかすると、それらの応用が私たちの職場に対して与える影響は、人工知能よりも大きくなるかもしれないとも言われています。そのため、日本でも今年になってから多くのビジネス誌でブロックチェーンについての特集が組まれており、今後も要注目の技術といえるでしょう。

「7つのキーワードで振り返る2017年の職場のトレンド」についてのまとめ

2017年の職場を代表するキーワードとして、「ミレニアル世代」「リモートワーク」「従業員エクスペリエンス」「業績評価」「プロジェクトマネージャー」「人工知能」「ブロックチェーン」の7つをピックアップしてみました。今現在は身近には感じられないものもあったかもしれませんが、これらは必ず今後の職場に影響を与えてくでしょう。

事例に学ぶ

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言います。ビジネスについても同じことが言えるでしょう。
他の企業の戦略や取り組みを分析し、そこから抽出した要素を組織に取り入れてみることで、あなたのビジネスを成功に導く鍵が見つかるかもしれません。

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