ワークとライフのバランスを取るのはもうやめる! ワーク・ライフ・インテグレーションのすすめ

ワークライフバランスという言葉もすっかり一般的なものになりました。
IT技術の発展と浸透により、仕事をリモートワークで進めやすくなったり、どんな場所にいてもメールが届いて仕事に関わることも一般的になり、便利になった反面、つねに仕事もプライベートでもやるべきことに追われて、疲弊していませんか?
いまこそ、ワークとライフのバランスを取る事を考え直す時期が来ているのかもしれません。この記事では、ワークとライフのバランスを取ろうとして日々消耗するのではなく、ワークとライフの融合をめざそうとする「ワーク・ライフ・インテグレーション」についての可能性を紹介していきます。

デジタル技術がもたらしたもの

デジタル技術の普及は、働き方にも大きな変化をもたらしました。以前は、仕事とはオフィスで完結するものであり、オフィスにいなければ進行できないことも多々ありました。しかし、今やメールでいつでも顧客や得意先に返事や連絡が簡単に取れる時代です。仕事を終えて退社していたはずなのに、届いたメールに反応して退社後も仕事に関わってしまい休んでいるのかいないのか、わからなくなるほど、休みと仕事中の切り替えがうまくつかずに、働き過ぎてしまう傾向がある人も多いようです。
デジタル技術の発展は、私たちに便利さをもたらして、ワークとライフのコーディネイトしやすくなった反面、休息についても意識的にコントロールをしなくてはならないような時代をも作ったと言えることでしょう。

誰にでもあるバーンアウトに陥る可能性

関わろうと思えばいくらでも仕事ができる環境は、例えば創業期などにみられるように、ある一定の時期には必要かもしれません。しかし現代は人生100年とも言われる時代。長く働きやすい環境も求められています。そんななか、仕事もみっちり、プライベートもすべきことでがっちりと固めて、すべてに自己管理を問うということは、非常にリスクがあるのではないかと感じさせられます。特に真面目な人は、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥ってしまう可能性さえ否めません。仕事とプライベートをきっちりとわけて時間管理を行っていると、決めた事柄のなかで何か問題が起こったり、予定が狂う事があると、それがストレスになり、結果として仕事もプライベートも息が抜けなくなりバーンアウトしてしまうことになりかねません。

ビジネスで成功を収めているハフィントンポスト(現ハフポスト)の創業者アリアナ・ハフィントンもまた、バーンアウトに陥り、自宅で倒れ顔面骨折に見舞われるという体験を様々な媒体で語っています。
参考 URL:https://forbesjapan.com/articles/detail/22196

バーンアウトとは、一般的には、知識や技術を顧客へ与えることを仕事にしている人が、仕事で受け続けるストレスに耐えきれなくなり、結果として起こるものであると考えられてきましたが、仕事だけでなくプライベートでも責任が増えていく現代の働き手には、誰にでも起こりうることだと考えられます。
親類や友人など、まわりの人間関係がどんどん希薄になっていく傾向のある今の時代。社会における個人主義が浸透した結果、生活で問題が起きたときの対処方法を 、その筋の知識を持つ人や専門家に頼って解決していくことが一般的となりました。これから、専門家への負担がますます大きくなっていくのは明らかです。専門家達が、個人的技術、感情、すべてを使って対応していくうちに、疲弊してバーンアウトになる人が多くなっていくのではないかと考えられます。

バーンアウトしない!ワークライフインテグレーションとは?

どんなに有能な人材であっても、陥る可能性のあるバーンアウト。その発端は、仕事とプライベートを分けて管理しようという考え方の限界を表しているのではないでしょうか。そして、それを解決する働き方として、様々な企業が試みをスタートさせています。それは、欧米で広まりつつある「ワーク・ライフ・インテグレーション」(WLI)という考え方です。
この考え方は、「ワーク」と「ライフ」のバランスを取ることが難しいのであれば、ワークとライフを融合させようとするもの。仕事とプライベートを分けてコントロールしようとせずに、両方を人生の一部として統合しようとする働き方です。働きながら生活し、また生活するように働くことで、仕事とプライベートがシナジーを生み出し、生産性も、仕事の質も、また生活全体の質をも向上させられるのではないかと考えられています。実際、世界の技術の先頭を走るシリコンバレーのテック企業において、ワーク・ライフ・インテグレーションが浸透している企業も増えているようです。所変わって、ドイツに本社をおく世界的スポーツ用品メーカーであるアディタスでも、ワーク・ライフ・インテグレーションの考えのもと、社員のオフィスにいる時間の充実度を高めて生産性の向上をさせるためにも、テニスやバスケ、サッカー、ボルダリング場などのある社員専用のスポーツジムを作ったといいます。
参考 URL:https://globe.asahi.com/article/11920831

日本においても、スポーツジムでなく、保育所を事業所内につくり、仕事場と託児場所を統合して育児を担う社員の負担を減らすという事例を持っている株式会社資生堂(化粧品の製造・販売)や株式会社サマンサタバサリミテッド(バッグ・小物・ジュエリー、ゴルフウェア等を展開するブランド)などに見られるような、事業所内託児所完備の企業もまた、ワーク・ライフ。インテグレーションの考え方を取り入れていると言えるでしょう。

日本でできるワーク・ライフ・インテグレーションな働き方

施設に十分な土地や環境がある場合には、アディダス本社のように大胆な施設を展開したり、保育所を作って社員にワーク・ライフ・インテグレーションをアピールすることも比較的行いやすいですが、敷地面積が十分でない日本の東京などの都市にあるオフィスでは、大規模施設の建設や増築が難しい面も存在します。そのため、日本においてのワーク・ライフ・インテグレーションに関して考えると、施設や環境に手を加えて働き方をワーク・ライフ・インテグレーションに準じたものにする、というよりも、そもそもの働き方に手を加える方法がワーク・ライフ・インテグレーションを導入しやすいもと考えられます。

前出のアメリカ、シリコンバレーのテック企業やサンフランシスコなどでは、残業ほとんど無し、勤務時間自由、リモートワーク、有給に制限無し、などというような働き方の企業が増えてきているといいます。そして日本でも、アメリカを本社におく日本IBMは、ワーク・ライフ・インテグレーションの考えを元に、働き方の多様性についての試みを続けています。日本IBMではかねてから、日本企業内のシステムインテグレーション事業を数多く手がけてきたことから、インテグレーションについての理解と構築に長けている面もあるに違いありません。

日本IBMでは、社員の労働時間を、職種の特徴に合わせて変えることのできる制度を導入しています。コンサルタント職、研究開発職、SE職は裁量労働制を導入。営業職は事業場外みなし労働時間制を導入しています。管理部門では、フレックスタイム制を採用しています。働く時間に多様性を持たせているほかにも、働く場所の制約を削減するための、e-ワーク制度(部分的在宅勤務制度)、ホームオフィス制度(全日的在宅勤務制度)そして、サテライトオフィスを利用することが可能であり、働き場所についても多様性を持たせているのです。
参考 UR:https://work-holiday.mhlw.go.jp/detail/0206.pdf

ワーク・ライフ・インテグレーションのまとめ

ワーク・ライフ・インテグレーションで、働き方の多様性と、居場所にしばられない働き方を推進していくことができれば、子供の学校でのPTA活動に参加したり、老親の病院のつきそいをしたりするために有給休暇や半休を取る必要もなく、行きたいときに郵便局や銀行に行けますし、これまで通うのを諦めていた英会話学校や専門学校の授業を受けることなどにも挑戦できます。ワーク・ライフ・インテグレーションを取り入れた働き方が可能になれば、仕事や人生自体にも充実感や幸福感が増すという可能性も期待できます。ワークとライフのバランスに四苦八苦してやりたいことを諦めてしまう前に、ワーク・ライフ・インテグレーションを自分の職場に取り入れる可能性について考えてみてはいかがでしょうか。

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