資金援助だけじゃない、ベンチャーキャピタルの存在意義とは?

今回は、ベンチャーキャピタル(以下VC)に勤務するアラサー女子がVCは実際にどんな仕事をしているのかざっくばらんにレポートします。
VCに転職をしたい方、VCに今後投資をお願いしたいとお考えの方はぜひお読みください。

▼目次

  1. VCってそもそも何ですか?
  2. 私がなりたい理想的なベンチャーキャピタリスト
  3. 起業知識がゼロでも二人三脚でサポートする!
  4. 投資を受けたあとでも事業拡大に必要なサポートをする
  5. 経営者を孤独にさせない!一番頼りになる存在になる

1. VCってそもそも何ですか?


VCは、成長の見込みがある企業に投資をし、その企業の価値を上げるためにコンサルティングを行ないます。最終的には、M&Aもしくは上場になるときに株式を売却することで利益(キャピタル・ゲイン)を得ることを目的としています。

VCは100社に投資してそのうち1社が成功すれば元がとれると言われています。これは、たしかに嘘のような本当の話で、投資先を増やすことでリスクを分散しているという事実の一例です。

ちなみに、日本では海外と日本の両方に拠点を持つVCも現れてきており(サムライインキュベートがイスラエルやルワンダでブランチを立ち上げたという話は最近話題になっていました)、日本の企業が苦手とする分野で伸びてきている海外のベンチャーに積極的に投資する動きも出てきています。

ちなみに、日本のスタートアップが弱いと言われているのは、物理的なモノの開発やITで昨今一層重視されてきたネットセキュリティの分野です。VCはこういった日本国内で手薄になっている分野の成長株を見つけて海外にも投資をしているのが現状です。

気になる給料ですが、VCで働くベンチャー・キャピタリストと呼ばれる人たちの給料は600万円〜1200万円程度が相場なのではないかと思います。日本の新卒の平均給料が300万円を切ると言われていますので、非常に高いと言えます。しかし、多忙を極める場合も多いようです。

2.私がなりたい理想的なベンチャーキャピタリスト

最近、「スタートアップ」や「アントレプレナーシップ」という言葉をよく耳にするようになり、大学を中退して起業する20代の経営者がメディアで取り上げられるなど、若者の起業家が増えているような印象を受けます。しかし、実は一般的に日本国内で起業する人の割合は統計的には30-40代が多数派です。30-40代ではおそらく知識も貯金も蓄えて生活に即した現実的な分野で起業をする方が多いのだと思います。

「お金はないけどアイディアだけはある!」という20代にベンチャーキャピタルが投資をするということはありがちな話ですが、やはり経験の浅い若者相手だとVCがリターンをもとめて株を必要に握って経営に口出しをするケースも散見されます。私はそういったスタンスには否定的で、必要以上に経営に口出しをしたくないと考えています。もちろん、経営者がベストの意思決定をするために必要な情報は一緒になって一生懸命リサーチしたいと考えていますが、会社をコントロールするような関わり方をしていると社長と会社の成長が阻害されると考えます。

私は「的確でスピーディーな意思決定ができ、謙虚だがいざとなると猪突猛進することができる経営者を育てる」ことが理想だと考えています。

3. 起業知識がゼロでも二人三脚でサポートする!

もちろん起業知識がゼロでもサポートします! 少なくとも私が働いている会社では、起業家とVCの社員の距離は近く、何気ない日常の悩み事から経営の話までいろいろ相談に乗っています。ただ、VCに会うのって緊張しますよね。もし、知識ゼロの状態からVCにはじめて会う前にやっておきべきことを挙げるとしたら以下の点を考えててからアポイントメントを入れるといいと思います。

  • 立ち上げ予定の事業についてしっかりプレゼンできるか
  • 自分以外に一緒にフルコミットで頑張ってくれる仲間がいるか(もしくはどんな人が必要か明確か)

VCは夢を語る起業家が大好きです。とくに「世の中にないものを広めたい」と考えているVCは私も含めて多いのではないかと思います。新しいプロダクトで世の中が便利になったら嬉しいですよね。しっかりと自分の夢を語って、実現のために今どんな仲間と何をやっているのか整理して伝えましょう。

また、実際に起業の話になると以下の2点についても聞かれると思うので今自分がどの段階にいるのか客観的に把握しておくのもよいと思います。

  • 会社の資本金を準備しているか
  • 事業の立ち上げに集中するための生活費は半年分くらいは事前に貯金しているか

人脈を広げるために飲み会にでるのでお金を貯めるのが苦手…だとか、地方から出てきて家賃を払うので精一杯でなかなか起業のために貯金ができないという話はよく聞きます。しかし、同人誌を売ってお金を貯めたとか、まったくやりたいビジネスとは関係がないけど商機があると思って短期間だけ別のプロダクトを作ってお金を貯めた…など起業家界隈の人はさまざまな手段を使ってお金を貯めていて頭が柔軟だなと思います。もちろん、コツコツとアルバイトをして自己資本を貯めるのも良いと思います。

さてさて、夢も決まってお金も貯めたら、もっといろんなVCに会ってアドバイスをもらうとよいです。自分の起業したい分野に詳しいVCを捕まえることをオススメします。その人にメンターになってもらうのもいいですね。また、VCはインキュベーションプログラムを持っている場合があるので、応募してみるのもよいと思います。1人で悩んでいるよりも、いろんなケーススタディができて夢へのショートカットができるはずです。

大半のVCの場合は会社設立前の起業家に対しても、成長の見込みがあると判断してもらえた場合には以下のような点でサポートをしてくれます。(もし、直接サポートをしてもらえないとしても、必要に応じて行政書士・弁護士・会計士を紹介してもらえるはずです。)

  • 事業内容を明確化するコンサルティング
  • 会社の登記に必要な書類の準備
  • 資金を今後どのように使っていくか資本政策の計画
  • 数値目標(KPIなど)を立てるときのサポート
  • 技術的・人的に不足している部分のサポート

まずは応援したい!と思わせるようなプレゼン力、事業内容、チームを作ることが先決かなと思います。もし迷ったらいつでも相談してください!

4. 投資を受けたあとでも事業拡大に必要なサポートをする

資金を調達できたら、資金を元に社員やアルバイトを雇い、ときには大学生のインターンの力を借りながら事業を成功(もしくは拡大)させ、利益を出していくことがゴールになります。以下のような点で資金調達後につまづいているところを見かけますので、その点に注意しながら経営し、不安な点はVCに相談することをオススメします。

  • 事業内容がぶれていないか?
     -アイディアの練り直しが必要な場合は一度相談してみる。
  • 会社のメンバーのマネジメントはうまくいっているか?
     -似たような苦労を経験していた会社の経営者を紹介していただけないか、オススメの本がないか相談してみるのもGOOD。
  • 必要な人数に合わせて適したメンバーを採用できているか?
     -採用に悩んでいる場合には、よい人材がいないか紹介していただけないか相談してみる。
  • 事業が急に拡大して、バックオフィスが機能していない状況が起きていないか?
    -バックオフィスのIT化について相談したり、臨時で雇えそうな人がいないか相談する。
  • 事業を拡大のために次の資金調達を考えているか?
    -次の資金調達にむけてどのような投資家やVCをあたればよいか相談する。

上の5点は資金調達後に必ずどのスタートアップも考えなくてはならないときがくる重要なポイントです。特に事業内容のぶれは、資金調達後も案外あります。また、メディアで取り上げられたりして取引先が一気に激増して社員が足りないなんていう話もよく聞きます。「事業の拡大に組織がおいつかない」っていういわば成長痛のようなものはどの企業も経験するものですが、それに備えてどんな人をいつごろ採用するか計画を事前に立てておくことも必要ですね。

5. 経営者を孤独にさせない!一番頼りになる存在になる


最後に、VCとして働いていて思うのは、私たちは資金援助だけではなくメンタル面のサポートも大事にしているということです。例えば、事業内容もチームもよいスタートダッシュを切れていたのに、途中でチームの解散の危機になったり、まったく思うようなプロダクトが作れず停滞する時期が必ず到来します。

そんなとき、経営者が遠慮してチームに対して思いを発言できなかったり、思い切った事業の転換を余儀なくされるときに一人で悩んで孤独を感じたりすることがあるはずです。(経営者からよくこういった話を聞きます。)

こういったときには、自分の中で、1つの課題について考える時間を予め決めておき、一人で解決できない問題は、身近な存在の起業仲間や身近なVCに思い切って聞くことをオススメします。VCは最新の情報集めに抜け目がないため、何かマネジメントに役立ちそうなアイディアを貸してくれる可能性もあります。もちろん、投資を受ける関係性だけのVCもいるかもしれませんが、企業価値を上げることを目的としているVCはCEOが孤独に悩んでいるときによいアイディアを差し出してくれる一番の理解者であることも忘れないでください。


直接的に利益を生まないバックオフィスだからといい、費用を掛けないために自分でやるではなく、ツールの導入で労力を軽減し、より利益貢献につながる活動をすることが、ベンチャー企業が大きく成長するために重要。

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