エクストリームチーム「ネットフリックス」の例:休日無制限制リモートワークで多国籍企業となる

日本企業の年間休日は平均で110日~120日で、さらに有給休暇が20日以上与えられているのが常。ということは、実は有休をすべて使えば週休3日に近いワークスタイルを実現することも不可能ではありません。もちろん、そのように実行している人は現実的にはほぼいないでしょう。

国が推進する「働き方改革」の中では、休日を増やすこともテーマとして掲げられていますが、そもそも有給の消化さえままならず、ましてや個人の都合を優先して休みを管理するなどという文化が果たしてどの企業に根付いているといえるのか? 疑問の声はつきません。

ネットフリックス(Netflix)の勢いはどこから生まれたのか?

「Unlimited Vacation」と言う言葉をご存知ですか? 日数無制限の休日制度を導入する企業があります。その一例として、動画配信会社のネットフリックス(Netflix)を追いかけてみましょう。

ネットフリックスの誕生は、1997年にDVDレンタル会社として創業した時。2007年にはサービスを動画配信メディアへスイッチし、現在では世界190ヶ国で1億人以上の会員にサービスを提供しています。その成長を支えたのが、今回取り上げる休日無制限制リモートワークだというのです。

まず、企業の側の事情から考えると、

そのような勢いで成長を加速していくには、世界各国で採用する社員を就業規則で縛るのではなく、本人の自主性に任せたワークスタイルを構築していく必要があったということです。冒頭に紹介した強者サラリーマンも繁忙期には物凄い勢いで働き、支社一の売上をあげる人物でした。つまり、柔軟な休日ポリシーにしたほうが、社員は熱心に働くのであって、任せられたプロジェクトを完結したり会社目標を達成しさえすれば、その後数週間休んで命の洗濯をするくらい許容しようという考えです。

「休日無制限」は、求人情報の中でも注目度が高い待遇であり、有能な人材が集まりやすい、といまでは、多くの企業が取り入れるようにもなったのだと、米国では語られているそうです。

ネットフリックスが掲げている文化とは?

さて、そんなネットフリックスを語るには避けて通れないのが、有名なスライドです。

タイトルは、ずばり「自由と責任」。もともと、社内向けのスライドだったものが、一般公開されて自ずと社会に対しての声明のように受け取られました。当時、FacebookのCFOだったシェリル・サンドバーグは「シリコンバレーで書かれたなかでもっとも重要な文書」だと紹介しました。

その内容を少しだけ紹介しましょう。先ほど、ネットフリックスでは「休日が取り放題」であることをお話ししました。ですが、重要なのはそこではありません。なぜ、それが可能なのか? です。それを、この文書ではこう語っています。

「ルールのないルール」への従属を。就業規定は設けない、オフィスには来たいときに来ればいい、休暇も好きなときに好きなだけ取ればいい、ただし平凡ではないパフォーマンスを出せ――。

つまり、自由と責任を同時に果たせるスーパーな従業員が必要だということ。
そして、こう言うのです。

「我々が他の企業と異なるのは、並のパフォーマンスしか出せない従業員に対しては、より多くの退職金を払う用意がある(だから出て行ってくれ)としていることだ。我々はチームであって家族ではない」

この自由と責任を、あなたは選べるでしょうか。

リモートワークは実用的なのか?

現実的には先述したような、「自由と責任」を選べる人は多くないはずです。ましてや、これまでリモートワークを推進してきた企業がこの制度を廃止にしようと数年前に、以下のような取り組みを行ないました。

在宅勤務者に「オフィス勤務か辞職」を迫るIBMの、真の思惑
https://wired.jp/2017/05/26/ibm-remote-workers/

IBMには世界で38万人もの従業員が在籍しており、その4割が一部またはフルタイムのリモートワーカーでした。それが、リモートが禁止され退職を迫られたというのです。とはいえ、巨大な組織であれば非対面でのコミュニケーションによる弊害も少なくはなかったでしょうこともビジネスの現場なら想像はつきます。

そう考えると、リモートワークの導入に適しているのは、50名程度までのスモール企業で、かつ、オフィス勤務組みとリモート組に分けるのではなく、すべての社員をリモート勤務にしてしまうことがよいのでしょうか?

以前、misocaの豊吉さんがこのような投稿をされていました。

Misocaは「なにをつくるか」ということと同じぐらい「どのようにつくるか」(正しい人と、正しい方法でつくる)ということを大事にしています。そのためにはMisocaの文化にマッチし、一緒により良いチームを追求できる人と働きたいです。そのためには働く場所の優先順位はとても低いと考えています。

リモートワークのための環境やツール類はまだまだ発展途上です。工夫してきたとはいえ我々のやり方に大小様々な課題はまだあります。しかし大事なのは誰と働くかということです。課題があったとしてもMisocaの改善の文化で乗り越えて、どんどんいいものにしていきたいと思います。

ここには、リモートワークの実践者の貫禄もありますね。

彼が言うには、働く場所を限定することがいいわけではなく、リモートワークを実用的にするために必要なツールがまだまだそろっていないことが問題であると指摘しています。

リモートワークを推進するツールの活用ノウハウ

上に紹介した豊吉さんのブログでも、misocaが実際に使っているさまざまなツールを紹介されていますが、リモートワークの実践にはやはり優れたツールが不可欠です。電子メール、ビジネスチャット、ビデオ会議システムなどが主に使われます。業務の内容、チームメンバーの特性、就労体系(フルタイム、パート、フリーランス等)によっても、選ばれるツールが変わるでしょう。

業務で使われる文書やマニュアルは、すべてクラウド上の「Googleドライブ」あるいは「Dropbox」で保存・共有する。毎週の定例会議は、リモートメンバーも含め全員で行なう。その際に使われるのは、「skype」「Hang out」「zoom」などです。

肝心なのは、プロジェクトの進捗管理です。タスク管理ツールの「TeamHack(チームハック)」なら各タスクの締め切り日の設定や、進捗状況が把握できます。また、メンバーのモチベーションアップの工夫も随所に仕掛けられています。


「リモートワーク・リトリート」

「リモートワーク・リトリート」と呼ばれる市場が生まれているそうです。リトリート(Retreat)とは、日常の環境から離れた隠れ家的な場所で、新しい出会いや体験をすることを意味する言葉。社員にリトリートプログラムを提供することで、企業の新たな福利厚生としても注目されています。

リモートワーカーにとって必要な資質は、仕事のスキルが高いことだけではなく、集団オフィスから離れた環境でも“孤独”や“疎外感”に苛まれることなく、新たな人脈を増やしていけることも重要。企業では、リトリートプログラムに社員を参加させてみることで、リモートワーカーとしての資質を確かめることができるというものです。

ワークスタイルが変化するのはもはや避けられません。通勤型のオフィスから、リモートへと変化していくことは、テクノロジーの進化に伴う必然でもあります。働き方が変われば、そこから新しい発想やアイデアが生まれ、ヒット商品を生み出す成長企業も登場してきます。

まとめ

自由に働く手段として、場所と時間の縛りから開放されたワークスタイルでも、常に仕事の結果は求められます。自分にとって、活躍できるような働き方はどちらであるのか、この機会に一度考えてみるのもいいかもしれません。

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