事例紹介
2018.09.05

Googleのチームビルディングを味わい尽くすには上等なスプーンが必要だ

Google社が展開している「Google re:Work(リワーク)」をご存知でしょうか? Google社をはじめとするさまざまな企業や組織の働き方の先進事例やアイデア、研究を集めたウェブサイトです。

さまざまな事例が紹介されているre:Workの中でも、Googleのプロジェクトマネジメントに関する情報は、たっぷりとフルコースで紹介されています。
上等なフルコースを正しく、おいしく味わうためには、食事のマナーが欠かせません。マナーを知らないことで、誤った理解をしてしまうことがあるでしょう。

大手企業であるGoogle社は、優秀なエンジニアを採用していることで知られ、多くのエンジニアにとっては憧れの存在です。
しかし、選り抜きの組織であるがゆえに、Google社のエンジニアにとって常識と思われるようなことはre:Workには全く書かれていないか、当然のことのようにさらっと書かれています。

re:Workの文章を読み解く際には、常に理解を深めるためのポイントを「フルコースを食べるためのマナー」として傍らに携え、自身の身の丈を測りながら慎重に読み進めることが必要です。

今回はそのポイントの一例をご紹介します。

▼目次

  1. マネジメントが重視されるのはGoogleでも同じ
  2. 「心理的安全性」には正しい理解を
  3. 「相互信頼」できる相手は「一緒にいておもしろい人」ではない
  4. 「誠実さ」は相互信頼のために欠かせない要素
  5. 「非難すべきでない」シチュエーションとは
  6. まとめ

1.マネジメントが重視されるのはGoogleでも同じ


Google社はエンジニアを中心としたフラットな組織であるというイメージを抱いている人は多いでしょう。確かに、かつてGoogle社はすべてのマネージャーを廃止して、管理職のいないフラットな組織を築いていたこともありました。

しかし、結果としてこの実験は失敗に終わり、2008年に行った調査では「マネージャーは重要な存在である」ことがGoogle社内で証明されているのです。

この結果を受け、Google社の方針は「マネージャーをなくすこと」から「優れたマネージャーを育成すること」に変わりました。

現在のGoogle社は「マネジメント開発プログラム」を設定し、部下の指導から意思決定などさまざまな視点からマネージャーのサポートを行っています。

2.「心理的安全性」には正しい理解を

Googleのリサーチチームは大量のデータ項目を収集し、チームの効果性に影響を与える因子を特定しようと試みました。その結果、「チームのメンバーが誰か」よりも「チームがどのように協力しあっているのか」が重要であることを突き止めています。

リサーチチームは、チームの効果性に影響を与える因子の最も重要なものとして「心理的安全性サイコロジカル・セーフティー)」を挙げました。ここでいう心理的安全性とは、対人関係においてリスクのある行動をしても、このチームであれば安全であるというメンバー共有の考えのことです。

組織で働いていると、大胆な行動を思い付いたとしても、「こんなことをしたら怒られるのではないか」「何バカなこと言っているんだと怒られるのではないか」と考えてしまいがちです。例え思いついた行動が、無能・無知、ネガティブ、邪魔なものだったとしても、このチームならばバカにされることがなく、思い切った行動を取れると信じられる余地こそが心理的安全性といえます。

ここで確認しておきたいのは、心理的安全性とはあくまで発言そのものが拒否されたり、発言によって、昇進やプロジェクトの割り当てに関する決定に影響が及んだりすることがないという確信なのです。決して、寛大さを持つ必要性を説いているわけではありません。

課題を指摘し合うことができる挑戦意欲溢れる環境づくりの一環として「心理的安全性」が求められているのだと理解しましょう。

3.「相互信頼」できる相手は「一緒にいておもしろい人」ではない


Googleではチームに効果性を与える因子として「心理的安全性」の次に「相互信頼」を挙げています。相互信頼が高いチームであれば、期日内にクオリティの高い仕事を仕上げられるようです。

ここでいう「相互信頼」とは仕事におけるメンバーの弱みを理解した上で、担当作業の達成に不確実さがあったとしても、きっと時間内にクオリティの高い仕事を完成させるだろうと期待できる状態のことです。「一緒にいておもしろい」「遊んでいて楽しい」というような生ぬるい関係では決してありません。

チームメンバーが「他のメンバーが仕事を高いクオリティで時間内に仕上げてくれる」「一度引き受けた仕事は最後までやりきってくれる」と感じられる状態こそが相互信頼とre:Workでは呼んでいます。

相互信頼を築くためには「結果重視」をモットーに、計画を明確にして結果を出し、その成果をチームに対してオープンにする必要があります。この流れが信頼関係の芽生えにつながるでしょう。

4.「誠実さ」は相互信頼のために欠かせない要素

re:Workでは原文の「conscientiousness」を「誠実」と訳していますが、この単語には「入念」や「勤勉」というニュアンスも含まれています。

Google社では「誠実」という言葉を、仕事における相互信頼の意義を強調するものとして使用しています。

例えば、システム開発プロジェクトの企画が持ち上がったとしましょう。最初の週次定例会の場で「まずはプロジェクトメンバー全体の理想像を描いてドキュメント化する」という方向で合意したにも関わらず、次の定例会で担当者は理想像ではなく、スモールスタートな企画を作ってきました。

これは、当初の定例会で決まった方針とは全く違うことをドキュメント担当者が独断で行ったといえます。担当者の勤勉が不足しているために、両者の間には相互信頼が成り立っておらず、結果的に誠実さに欠ける行為を行っているのです。担当者は期待されていることをもう一度理解して、求められる成果を発揮するために、順序立てて取り組む必要があります。

コミュニケーションは、担当者が全体の理想像のたたき台を定例会に持っていくことで始まり、それによってチームが次のステップに進むことができるのです。次のステップでは、スモールスタートな企画の検討が始まることもあるでしょう。

5.「非難すべきでない」シチュエーションとは

ミスをしたメンバーに対して「非難」は決して行ってはならないというわけではありません。しかし、好ましくない非難の仕方はあります。例えば、画期的なアイデアや挑戦によって発生してしまったミスをみんなの前で非難したり、メンバーが気に入らないからといって、入替えを画策したりする行為です。

このような行動に走ると、心理的安全性を獲得できません。非難するべき場面ではこれらの点に注意しながら、メンバーに対して毅然とした態度で立ち向かう必要があります。

6.まとめ

Google re:Workには、素晴らしいチームを構築するための因子について触れられていて、マネジメントなどの方法論も整理されています。

今でこそ、さまざまな組織からマネジメントのお手本にされているGoogle社ですが、決して初めからうまくいっていたわけではなく、マネージャー廃止計画から何度も失敗と成功を繰り返しています。

re:Workを学ぶことは、Googleのマネジメントの歴史を知ることといえるでしょう。Googleが試行錯誤して作り上げたチームマネジメントは、極上のフルコースといえるでしょう。この記事を読むことで得られた上等なスプーンで、フルコースを堪能していただければ幸いです。

参照サイト
Google re:WorkHP: https://rework.withgoogle.com/jp/
Gigazine HP: https://gigazine.net/news/20161021-understand-team-effectiveness/
Google re:Work ガイド: https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/introduction/

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