良いフィードバックで振り返るためのヒント

メンバーに効くフィードバックができていますか? フィードバックするさいには、する側も受ける側もそれが「価値のあるもの」というようにポジティブに捉えていれば進行しやすいですし、仕事の充実度にも影響してくるでしょう。ここで、チームの活性化に欠かせないフィードバックを有効に働かせるポイントをご紹介します。

意図した行動を促すにはフォローは必須

第一に、フィードバックは相手のためになるということを伝えましょう。そして、フィードバックがきちんと伝わったかどうかを確認するために、相手のその後のアクションがどう変化したのかをバロメーターにして判断を行いましょう。たった一度のフィードバックでは、変化が見られないことも多いもの。「気にかけていますよ!」のサインを送ることも必要かもしれないですね。

お互いの行動を具体的にする

曖昧さはフィードバックの効果を著しく低下させます。フィードバックの内容が具体的であればあるほど、聞き手がアクションに移すハードルを下げることができます。何をどうするのかを最小単位で設定できるように促すこともコツのひとつです。

ここでフィードバックした側から、何か困難やストレスを避けることにつながるサポートができないか聞き出すようにすると一体感が生まれます。

「やりにくい点や心配なことはない?」
「どの部分が楽になるともっとスムーズになりそう?」
「○○は調べたらすぐ報告するね!」

などなど……。

行動をフォローする手段

一度伝えただけで叶えられるフィードバックは、期待に反して少ないかもしれません。
そのため、フィードバックをした側としての、そのあとのフォローが欠かせません。

何度も繰り返し伝えることで、スキル向上につなげるサポートをすることができます。放っておけばスタート地点のまま何も動かない時間が過ぎてしまう可能性は高まるばかりです。メールでのリマインド、次のミーティングの議題にすることを伝えておけば、その日までにフィードバックしたことから注力する意識を引き出せるでしょう。

それではフィードバックを確実な行動へつなげていくには、どのようなポイントを押さえていけば良いのでしょうか。

フィードバックから確実な行動を促す3つの要素

手は尽くしているはずなのに思うように伝わっていないというのは多くのマネージャーが経験しているでしょう。ここで、不足しているかもしれない3つの要素をご紹介します。いつものフィードバックの振り返りに役立ててください。

そもそもフィードバックの意義を相手は知っているか

フィードバックは、人やものごとを良くしていくために行なうものです。その時点での良し悪しを判断・評価して、それらを伝えることはフィードバック本来の目的ではありません。この認識をお互いが精神的なレベルで深く理解しておくことが大切です。

ポジティブな目的を理解していると、自然に過去の行動よりも、重要となる未来の行動に意識が向きます。フィードバックは確かに過去の「何か」に対して行なうものですが、過去のことがらにフィード(feed)して栄養を与えることで未来をより良くしていくものだということを共有しましょう。

フィードバックは、ときにリスクを伴うものです。フィードバックをする側だけが、どれだけ「良い方向に」と考慮しても、受け取る側がその前提を理解していなければ、とてもネガティブな受け取り方となる可能性があるのです。例えば、攻撃的な批判や否定、または強制と捉えられてしまうと、反感や落ち込みという意図しない反応が反ってくることもあります。これらの可能性を懸念しているマネージャーは多く、その反応を避けるためにあえてフィードバックを控えてしまうケースもあるようです。これではフィードバックの本来の目的である良い未来からは遠ざかってしまうでしょう。

また、フィードバックは上層から下層に対して行なうものという認識が根付いている場合も多いようです。しかし本来のフィードバックは役職の上下に関係なく行うものです。特に個々のメンバーからマネージャーへのフィードバックを行うということは認識度が低いことが多いので、下層からのフィードバックの意義の共有はその組織の変革に大きく役立つものとなるでしょう。

フィードバックをする側と受ける側が上記の点を理解し合っているだけでも、さまざまな心配ごとやリスク、思うように伝わらない回数を減らすことができるでしょう。

フィードバックの事前準備は整っているか

良いフィードバックは即席で生み出すことはできません。思い付きのフィードバックのほとんどは有効でないといわれます。メンバーの成長や業務の質の向上など、未来の良い状態につなげるフィードバックを与えるには準備が必要です。そのフィードバックの自分なりの意図(到達地点)を明確にするために自問自答してみましょう。

  • フィードバックの中の「いつ」と「何」は?
  • 今回だけのことか、繰り返されていることか?
  • 何故それが重要なのか?
  • 周囲への影響はどのようなもの?
  • その対処のために相手は何を変える必要があるか?

意図を明確にしておくことでフィードバックを伝える側として目的や意図の認識を強化します。せっかくのフィードバックを伝えたあとで、相手から聞かれる質問にタジタジになってしまっては本末転倒です。深掘りされる質問に対しても適切に対応することで受け手の納得度を高められるのです。

肯定的、否定的、どちらの受け取り方だったとしても、何らかの反応を示したり疑問を持つことが想定されます。そういったことに備えるシミュレーションを行なっておくのが有効です。いくつかの事例を集めたり、パターンを見極めたり、理想的な具体的な変化がどんなものかを挙げたりなどの準備があると役立つはずです。

例えば、

  • 「具体的にはどの部分ですか?」に対する回答
  • 「なぜ、○○を変える必要があるんですか?」に対する回答
  • 腑に落ちない、もしくは萎縮といった表情などでの反応に対しての対処

積極的に受け止めているメンバーの気持ちを後押しすることもできます。例えば、

  • 先週と今週、ココとココと同じところで躓いているような気がするけど、やりにくいことはないかな。
  • 資料の○○の説明は、図が良くできてるし、スライド1枚でも伝わるんじゃないかな。やってみない?

否定的な反応があったとしても、その時点の反応に惑わされることなく、到達したい意図に向かって肯定的に受け止めてもらえるようにサポートすることができます。つまり、伝えたいことをしっかり伝える自分を保つことにつながるのです。

相手の状況を理解するための対話をしたか

相手のために入念な準備をして伝えることを決めていたとしても、フィードバックは対話で始めることが鉄則です。考えたフィードバックをそのまま相手に投げてしまっては対話とは言えません。

自分の準備したフィードバックを差し出す前に、受け手がどんな状況にあるのかを聞き出しましょう。
最近の業務についてどう感じていて、どんな改善が必要だと思っているのかなどに耳を傾けるようにします。

また、なぜ○○?という質問は、攻撃的に受け取られることがあり、抵抗感や闘争心などを招く可能性を秘めるといわれます。また、「なぜ」の答えは過去にフォーカスさせてしまうという意味でも避けたい部分です。

  • 「今週はどんな感じだった?」
  • 「計画はどんな感じですか?」
  • 「今の仕事量をどのように感じてる?」
  • 「今、一番注力していることは何?」
  • 「他には?」

「できてる?」「問題ない?」ではなく、「はい」や「いいえ」では答えられないオープンクエスチョンが有効です。

  • 「一番難しい点はどこ?」
  • 「時間が掛かっているのはどの部分?」

相手の状況や心理によく耳を傾けることで、盲点となっている部分も明らかになってきます。例えばマネージャーは、自分に見えているチーム内の状況は、実はほんの一部だったということに気付かされるでしょう。

このような会話の中から、新たに重要な事項が判明するということもあると思います。そうした場合は、あらかじめ考えていたフィードバックの内容を変更してでもそれを伝えるようにしましょう。

フィードバックの前の、このような対話の価値は計り知れません。
よく聞くことで、本当の論点を探り出すことができます。フィードバックすべきと思っていることがらについての懸念や不満ではなく、相手に共感する気持ちが湧くでしょう。一方で聞かれる側は、信頼感と尊敬の念が深まります。

そして何より、お互いに完全に一致した課題認識が可能になるのです。

「伝わらない! を解決するフィードバックの振り返り事項」まとめ

フィードバックについての認識を共有し、適切な準備を行なえば安易なフィードバックによる失敗やすれ違いを防ぐことができます。相手の状況をよく理解した上で、課題を一緒に(もしくは受け手自身で)設定し、確実な行動を促すフォローを重ねれば、期待される結果がずれてしまう確率は低くなります。フィードバックを確実に伝えるためのエッセンス、ぜひ実践してみてください。

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