日本で女性が管理職になるコツとは?

高度経済成長の時代、女性は学校を卒業して一定の期間働いてから、家庭に入るのが一般的でした。その後、時代の変化とともに働く女性たちの数は増え続けています。
実際、総務省が発表した2017年の就業構造基本調査によると、25~39歳の女性のうち、働く人の割合が75.7%となり、過去最高を更新したとありました。そして15~64歳の女性の有業率(仕事をしている人の割合)も68.5%となり、12年の前回調査から5.4ポイント上昇して、最高となったそうです。このうち、働き盛りと考えられる25~39歳は12年と比較し5.9ポイント高まったそうです。
参考URL: 働く女性の割合最高 2017/7/14 日経新聞

政府も、少子高齢化による人材不足の懸念から、女性の活躍を促進して日本の国力を維持しようと様々な施策を行っています。一方で、働く女性がこのように増えているにもかかわらず、管理職に就く女性の割合が低いことが明らかになっています。
ここでは、女性が管理職に就くことについて考えていきます。

世界的にみても日本女性の管理職の割合は少なすぎる

厚生労働省調査に公表による平成 28 年度の管理職に占める女性の 割合(女性管理職割合)をみると、課長相当職以上(役員を含む)では 12.1 %、係長相当職以上(役員を含む)では 12.9 %、 部長相当職では 6.5 %、課長相当職では8.9 %、係長相当職では 14.7 %でした。平成 21 年度から比較して、どの役職もおおむね上昇傾向とありました。
参考URL: ビジネス・レーバー・トレンド「ちょっと気になるデータ:管理職に占める女性の割合」

このように、日本女性の管理職の割合は、少しずつあがってきてはいますが、諸外国などと比べるとその低さ、女性管理職の少なさは歴然としています。数値で見てみると、国際労働機関(ILO)が2015年に公表したこれまでの20年間における女性の管理職経験において、最も高い割合を示した国はジャマイカで59,3%。続いてコロンビア 、セントルチア、フィリピン、パナマ、 ベラルーシと続き、日本は諸外国のなかで96位、 割合は 11.1%というものでした。そして注目すべきなのは、日本よりも女性の管理職経験割合の低い国は、女性の家庭での役割を伝統的にとらえていたり、また宗教的に女性への規律が厳しい中東等が占めており、日本規模の先進国である国は少ない傾向があります。
参考URL: Women in Business and Management – Gaining Momentum – Abridged Version of the Global Report

宗教的な戒律なども少なく、自由に仕事ができる環境であるにもかかわらず、高い責任を持って仕事を行う管理職の役割を、日本女性がはたしていない状況は、深刻な問題ではないでしょうか?

日本女性は管理職に就きたくない?

世界的に見ても、高い教育水準を保つ日本人は優秀であるとされ、仕事能力も決して低くはありません。農耕民族であった日本人の根底にある協調性やルーティンをいとわない姿勢を盾に、ビジネスにおいても世界に存在感を示し続けてきました。
一方女性だけにフォーカスしてみると、女性の進学率は上昇しているものの、高学歴女性の就業率が低いという状況があります。

日本では、なぜ高学歴女性の就業率が低いのでしょうか。
それは、出産・育児等でいったん離職した高学歴女性が、再就職しないためという見方が一般的です。理由を考えてみると、日本はどんなに高学歴で能力のある女性であっても、一方で子育てや介護への大きな役割負担を男性よりも多く背負わせる構造や、女性から自らその役割を負担することを選択させる周囲からの同調圧力のようなものがあること、そして妊娠、出産、介護などで女性が一時的に仕事に注力できなくなったあとに、復職するためのシステムがうまく機能していないことなど、様々な要因が重なってこの結果を引き起こしていると考えられます。

日本だけでなく、韓国や一部の先進国においては、男女の規範が果たす役割分担が伝統的に強く残っています。そのことが、女性の社会や労働への参加や意思決定を強く制限を与えてしまっているとも言えます。さらに、大企業などにみられる伝統的なリクルート活動や、年功序列的な昇進制度などがもつ構造が、女性の管理職昇進への大きな障壁を作っていることも事実でしょう。

時代の流れに乗る

一方で、これまでの伝統的な働き方や長時間労働、モラルハザードについて厳しい目を向けられる風潮が生まれてきています。そんな時代だからこそ、これまでの時代の働き方に対して、良い部分と悪い部分を見極め、是正するときが来ていると言えるのではないでしょうか。女性は、より多くの人がマネージメントを経験して、大きな責任を負い、主張にも説得力を持たせながら、社会に届けていけるようにしたいものです。

女性が管理職になりやすい分野や職業がある?

女性管理職割合が多い分野や職業というのもまた存在しています。
28 年度について前出の、課長相当職以上の女性管理職割合を産業別にみると、「医療, 福祉」で 50.6 %と最も高く、次いで「生活関連サービス業 , 娯楽業 」 21.9 % 、「 宿 泊 業,飲食サービス業」および「教育,学習支 援業」21.0 %などとなっていました。

一方で、産業によって女性管理職が少ない分野も多くあり、これは、産業によって就業している男女の割合や、働き方、雇用形態などが異なっているためと考えられます。

もし女性が就職先を選ぶとき、管理職に昇進できるか知りたいのであれば、働いている女性の数の他に、昇進しやすい業界なのかも確認することが必要でしょう。そして、小規模の企業も女性へ責任ある仕事を任せることを進んで行っています。管理職をめざす女性は、小規模の企業で研鑽を積むのもよいでしょう。

スーパーウーマンをめざさない

これまでに管理職やロールモデル的存在の女性を見た事がありますか?
例えば大物女性政治家やキャスター、様々な人がいますが、彼女たちはある意味スーパーウーマンたちなのです。品人の努力はもちろん、運や実力、周囲の協力など、常人には及ばない様々なスキルとそれを得るためへの惜しみない体制作り、そして一見にはわからない大きな犠牲があるのかもしれません。彼女たちのようにはなれないから、管理職になるのをやめよう、とかためらったりしてはなりません。今の時代で君臨する彼女たちは確かに女性の社会進出や影響力を作ることに大きな力を発揮してくれました。

しかし、これからは、等身大の女性たちが、自分たちらしい力を発揮して新しい社会を作っていく時代がやってきているのです。スーパーな働きができないと躊躇してはなりません。もっと地に足をつけた考えや働きが、これからの時代に必要なのです。

ロールモデルを探すのを止める

スーパーウーマンになるのを止めたら、ロールモデルを探すのも止めましょう。自分が理想とするロールモデル探しに躍起になるあまり、自分を見失ったり、ロールモデルにしたいと思う人を仮に見つけても、彼女の意見に流されてしまったりする恐れもあります。ロールモデルに出会えた人は本当に幸運ですが、もし現時点でいないのであれば、無理に探す必要はありません。

ロールモデルを探すよりも、まず自分の研鑽を深め、自分を律し、自分に自信を持って自分の核ををつくりましょう。自分が自分のロールモデルになれるようにするのです。そうすれば、自信を持ってビジネスでも立ち振る舞えることができます。

ヒエラルキーを忘れて、多様性を認める

どんなときも、「女性の敵は女性」と言われます。企業勤務している女性のなかでも様々なヒエラルキーがあります。派遣の女性vs本採用の女性、結婚している女性vsしていない女性。子供がいる女性vsいない女性。年齢の高い女性vs若い女性などなど、分けようと思えばいくらでも女性たちを分類できます。住まい、学閥、容姿、それらのヒエラルキーは、時に女性を鼓舞し、時に貶めます。島国の日本はみな同じ民族であるのに、様々なヒエラルキーを勝手に形成し、お互いに優位に立とうとするときがあります。

特にコミュニケーションに長けた女性は、コミュニケーション相手がどのような人かを知り、対処するためにも無遠慮に子供の有無や結婚しているかしていないかなど、プライベートなことを質問しがちです。

一方で、個人を尊重するヨーロッパや、アメリカではそのようなことをダイレクトに質問することは無礼なことであるとされています。日本においても仕事をする同僚の人間性をヒエラルキーではかることなく、仕事内容や態度など、仕事に対しての本質的な部分で見極めていけるようにしたいものです。男性も同様に、女性だからという色眼鏡をはずし、多様性を意識してこれからの時代に対応できるビジネススキルを向上させていくべきでしょう。

>>「グローバル化と女子化で日本社会を繁栄させよう」を読む

まとめ

高学歴女性が再就職していなかったり、管理職女性の割合が低すぎたりと、日本の女性環境はまだ改善の余地があります。仕事でもっと能力を発揮したい女性は、リーダーシップを取る場所を家庭だけにせず、ビジネスでも存在感をアピールしていきたいものです。幸い、今は人材難に苦しむ企業は女性の獲得に力を入れています。その流れにのり、仕事をしようとするときの弊害や問題と向き合い、周囲に遠慮せず巻き込んでいく能力と、周囲に感謝を忘れずに、もっと前向きに仕事に取り組みましょう!

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