チームメンバーの能力をもっと活かせる会議運営のコツ

あなたのチームは会議をうまく運営できていますか?
主催者がレジュメを読み上げるだけの会議や、報告だけが続く会議、決まった人しか発言しない会議やそもそも何のために開かれているのかさえわからないような会議、多くの人が経験しているのは、こんな実りのない会議ではないでしょうか。

しかし会議をうまく運営し、活用するだけで、現場がうまく回って仕事が進展するだけでなく、メンバー個々人の能力を引き出し、組織全体の生産性を高めることができるようになるのです。ここではそんな会議運営の方法を紹介します。

そもそも会議は何のために行なう?

毎月行なわれる決算会議、プロジェクトのコンセプトを決める会議、社員を教育するための人材育成会議などさまざまな会議がありますが、あらゆる会議はある目的を達成するために、個人の頭の中にあるイメージやアイデアを可視化して全体で共有し、実現できる仕組みをつくるために行なわれます。

もし会議がなかったらどうなるでしょう

Aさんが所属する小さなベンチャーは、機動力が売り。アイデアマンのCEOが次々と企画し、ビジネスチャットツールでメンバーに指示を出す、というやり方を取っていました。ところが状況が変わるたびに指示も二転三転し、Aさんたちはそれに振り回されることが繰り返されていました。そのやり方についていけなくなったメンバーが辞め、引き継ぐように指示を出されたAさんも、共有していない情報があまりに多く、たちまち行き詰ってしまいました。その間にもCEOからは新しい指示が矢のように飛んできます。会社の商品やコンセプトには共感できるものの、組織運営に疑問を感じたAさんは、今、転職を考えています…。

一見、時間の無駄に思えるような会議にも、本当は大きな役割があるのです。問題は、それがうまく運営されていないために、会議本来の役目が果たせていないことにあります。

最初に「最優先事項」を決める

スティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』の第三に「最優先事項を優先する」ということが挙げられています。コヴィー博士はこんな例を用いて説明します。

ガラスのビーカーがテーブルにあります。隣には、石の塊、砂利、砂、水の入ったコップ。石はあなたの最優先事項であり、砂利は日々の責任を表し、砂は障害、水はあなたの勤務中に現れる上記以外のあらゆるものを表します。最初に水を注ぎ、2番目に砂を、3番目に砂利を入れていったらどうなってしまうでしょうか。最優先事項である石をビーカーに入れることはできませんよね。最初に石を入れなくてはならないのです。あなたの会社やチームにとって「石」に当たるものは何でしょうか?

その「石」を決める会議、すなわち四半期の内に必ず達成したいことをチームで決定する会議を開催します。

事前準備として、個々のメンバーに「最優先事項」をリストアップしてもらいます。最優先事項とは、たとえば「顧客サービスの改善」のように曖昧なものではなく、「販売スキルアップのトレーニングプログラムを計画し、実施する」というように、具体的で成果が計測可能なものでなくてはなりません。

ホワイトボードを使って意見を可視化する

チームリーダーがファシリテーターを務め、最初に各人が用意した「最優先事項」を発表してもらいます。
ファシリテーターは参加者から出た案を、最初にチェックボックスをつけて、すべてホワイトボードに書き出します。書き出すことによって発言が可視化され、全員がそれを見ながら検討することができます。また、レジュメと異なり随時書き加えたり、変更したりで刻々と変わっていくため、発言者以外がだれることもなくなります。

ファシリテーターはオープンクエスチョンを活用しよう

事項案が挙げられるたびに、ファシリテーターはオープンクエスチョンで提案者に質問していきます。
オープンクエスチョンとは、「もう少し詳しく説明してもらえますか?」「~これは具体的にはどういうことですか?」「どんなイメージですか?」「ほかにどんなことがあるでしょうか?」といったように、相手の思考をうながすような質問のことです。

これに対してクローズドクエスチョンとは「これは何ですか」「いつ行われるのですか」このオープンクエスチョンを通して提案が具体的になっていくような質問のことです。オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの双方とも重要な質問なのですが、最優先課題を決定する場合や、企画を最初に決めていく会議のような場では、オープンクエスチョンを使って提案者の思考を深め、明確にすると同時に、参加者全員が提案のイメージを共有できるようにすることが大切です。

オープンクエスチョンを受けて、提案者の案が深まったり、具体的な方法が出たりすれば、それもすべてホワイトボードに書き加えていきます。

だいたい1人あたり3~5分をめどに全員に聞いていき、最後にリーダーが自分の案を書き、説明します。案が出そろったところで、同種の事項はまとめ、より優先されるものを中心に、全体の意見を聞きながら、チームの最優先事項として3つ(多くても5つ)を選び出してチェックボックスにチェックを入れ、それぞれの事項の担責任者を決めます。

チームの「最優先事項」が決定した後は、そこから漏れ落ちた事項案を元に、個人の「最優先事項」を決めていきます。この会議を通じて参加者全員が「チームとしての最優先事項」と個人の「最優先事項」という2種類の課題を持つことになったのです。

最後に会議を評価する

会議の終わり5分間は、必ずその日の振り返りに当ててください。
• 自分が会議で得たもの
• 自分は会議に貢献できたか
• 会議の評価(10段階、5段階、とても良かった~とても良くなかったなど、チームカラーに合わせて)
この評価を全体で共有して閉会します。

週次会議

四半期ごとの優先順位が設定されたら、進捗度合いを共有し、コミュニケーションを取るために週1度、90分間の会議を定期開催します。週次ミーティングはチームが順調に進んでいるかどうかを確認する機会でもあります。1週間チームが順調に進んでいれば、その四半期は順調に進んでいきます。その四半期が順調に進めば、その年通じて順調に進むことができるのです。

週次会議の流れ

週次会議は毎週、同じ曜日、同じ時刻、同じ形式で開催し、開始時間と閉会時間を遵守することが重要です。そうしておくことで、参加者は開始と同時に集中して会議に入り込むことができます。

事前準備としては、参加者は自分が担当している最重要課題を、進捗度合いに従って評価しておくことと、全体で共有し、解決が必要な問題があればリーダーに提出しておくことが求められます。チームリーダーはそれを受け、討議すべき問題をリスト化しておきます。

会議ではチームリーダーがファシリテーターとなって、意見を述べるのではなく、オープンクエスチョンを中心とした質問を行い、全員に話す機会が与えられるように気を配ります。

会議の流れは以下のようになります。
• オープニングトーク(5分):参加者が、それまで自分が取り組んできた仕事を、いったん俯瞰的に見ることができるように、視点を切り替えるために、この部分は欠かせません。1人約1分間で、その週起こった最高のニュースや、効果を上げた取り組み、また本日の会議に何を期待しているかを話します。
• 1週間の振り返り(5分):1週間の売上や利益などの重要な数値や、全体で共有しておく必要のある問題や情報をここで共有します。
• 最優先事項の進捗度合い(5分):担当者はそれぞれの最優先事項の進捗度合いに点数をつけ、全体で共有します。
• 最優先事項の再点検(5分):最優先事項の内容が現状にふさわしいかどうかを検討します。
• 重要な問題の討議(60分):議論すべき問題点のリストを元に、主要なものから討議していきます。そのとき大切なことは、①今この場で決断を下すか、さらに情報が得られるのを待って判断するか ②チーム全員で決定するか、リーダーが判断するか の二点をはっきりさせておくことです。

それぞれに経験や関わっている仕事に対する思いも異なるため、完全な合意が得られるとは限りません。しかし自分たちの考えや努力がどのように帰結していくのかが明らかになっていれば、誰もがこの議論は無駄にならないと安心でき、持っている力を十分に発揮できるようになります。

• 次のステップ(5分):会議の決定に基づいて、次に誰が何をするかを決定します。
• 振り返り(5分):会議の終わりに全員で、①自分が会議で得たもの ②自分が会議に貢献できたか ③会議の評価を行って、締めくくります。

メンバー間のコミュニケーションを深める会議


どんな会議でも全員が参加することと、自分の意見を言うときは、必ず根拠を示すことが大原則です。ところが会議に慣れていない人や自分の考えを言葉にまとめることが苦手な人、人前で話すこと自体が苦手な人、反対に自分ばかり話して、他人の意見を聞かない人など、会議の流れにうまく乗れない人がどうしてもいます。会議の円滑な運営のためには、彼らのトレーニングが必要です。そのために、定期的にメンバー育成のために、コミュニケーションを深める会議を開催します。メンバーの人数にもよりますが、だいたい60分をめどに行います。

聞いてくれる人がいてコミュニケーションは始まる

私たちはいつも、コミュニケーションというと、自分からいかに発信するか、ということばかりに意識が向かいがちですが、コミュニケーションというのは本来、発信した言葉を受け取る人がいて、リアクションが起こるところから始まるものです。道で大声で虚空に向かって話している人を見て、誰も「コミュニケーションを取っている」とは思いませんよね。「こんにちは」という言葉に「こんにちは」と答える人がいて、初めてコミュニケーションが成立するのです。

議論に慣れていない人との間にコミュニケーションを成立させるためには、ファシリテーターの聞く力、受け止める力が求められます。その意味で、メンバー育成のための会議は、同時にファシリテーションの力を磨く会議として、位置づけることができるのです。

オープンクエスチョン、あいづちとアイコンタクト

メンバー育成のための会議では、ファシリテーターはオープンクエスチョン、さらには相手に対して「自分は聞いていますよ」「あなたの話を受け止めていますよ」というあいづちとアイコンタクトを活用していきます。また、ほかの会議同様に、ファシリテーターは質問に徹し、自分で意見を言ったり、参加者を批判したりすることのないように気を付けます。

会議の流れ

ファシリテーターは参加者に「最近どうですか?」と問いかけるところから始めます。
「何か、あまり調子が良くないです」「というと?」
「いろいろ失敗が多くて」「もう少し詳しく教えてください」
「パワーポイントの作り方がよくわからなくて、うまくできないんです」「具体的には?」
というように、オープンクエスチョンで、参加者の感じているもやもやを明確にしていきます。

ある程度質問を重ねて問題点が具体的になったところで、「これからどうしていきたいですか?」と質問を変えます。問題が明確になっていれば、参加者自身が解決策を見つけることができます。

以上でだいたい4分、最後に1分間、ほかの参加者からの質問とアドバイスを受け付けます。
このとき気をつけなければならないのが、ほかのメンバーに対して批判はしないことを、事前に確認しておくことです。「岡目八目」という言葉もあるように、傍から見ると問題ははっきりしやすく、どうしたら良いかもわかりやすいものですが、問題は当事者しか解決できないものだということをわきまえておかなければなりません。こうすべきだ、ではなく、参考になるアドバイスを送るのだということを、全員で確認し、またファシリテーターもそうならないように、話し合いの筋道をしっかりさせておかなければなりません。

1人あたり5分をめどに、全員に聞いていきます。また、この会議にメンバーが慣れてきたら、ファシリテーターを交代しながらやっていくこともできます。そうすることでメンバー自身が、相手の言葉に耳を傾け、引き出す力を身に付けることができるようになります。

会議の最後5分間は、振り返りにあて、会議で得たこと、自分は会議に貢献できたか、会議の評価の3つを行なって、終了します。

最後に

以上、
ここではチーム全体の今後の動きを決定する〈最優先事項を決める会議〉、毎週決まった曜日・決まった時間に行なう〈週次会議〉、メンバー育成のための〈コミュニケーションを深める会議〉の3つの種類の会議と、その運営方法を紹介しました。
上記3種の会議を連動させていけば、会議本来の役割である「目的を達成するために、個人の頭の中にあるイメージやアイデアを可視化して全体で共有し、実現できる仕組みをつくる」が果たせるはずです。
実りの多い会議の開催に向けて、この記事が参考になれば幸いです。

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