マネージャーとしてチームメンバーを動かす上で重要な3つの素養

「ひとりでできること」には限りがある。1日の時間は24時間しかなく、1年は365日しかない。たくさん仕事を抱えていて忙しいから、と言って1日の時間が30時間に増やせるわけではない。時間は誰にでも平等だ。ホリエモンにも、ニートの青年にも、90才のお爺ちゃんにも、みんな同じように24時間平等にある。今日は、「他人に働いてもらうこと」について考えてみようと思う。

自分の労働対価を考えたことがあるか?

チームハッカーズの読者世代20代後半〜30代前半といえば、社会人も6年を超え、会社勤めの場合は社内の業務や利権もわかるようになり、日々責任が重くなるのを感じながらも、忙しくやりがいを持って業務を遂行していることだろうと思う。しかし仕事ができるようになればなるほど、回ってくる仕事は多くなる。会社員の場合は、仕事量に対して収入が大幅に変わることはない。フリーランスの場合は、仕事量が増えるにつれて、「ひとりで仕事をすること」の限界を感じているかもしれない。みなさんは、「ひとりで仕事を溜めて」はいないだろうか? 一度考えてみてほしい。
ひとりに与えられた時間は、どうやっても1日24時間しかない。そのうち人間的な生活を送るためには、仕事に使える時間なんてせいぜい8〜12時間くらいだ。いくら目の前の業務に慣れてきたからといって、量が増え続ける業務をいつまでも1人でこなせるわけじゃない。

「ひとり」でできる仕事のキャパシティを超えた時、必ず大なり小なり「ミス」などの支障が出てくる。忙しくて丁寧な作業ができなくなり、「ミス」はするし、仕事のクオリティが下がる。では、どうしたら良いのか。「一緒に働いてくれる人を増やす」しかない。会社員の場合は、業務をひとりだけでこなしている、なんてことはありえないと思う。必ず同じ大きな目標に向かっている「同僚」や「上司」がいるだろうし、6年目〜ともなれば、自身の「アシスタント」や「自身のチームを持っている」場合もあるだろう。しかし、知らぬ間に自分自身で「この人にはここからここまでだけをやってもらえれば良い」と、仕事内容を細分化すぎて。結局自分の首を締めている(何もかも自分でやっている)、なんてことはないだろうか。「一緒に働いてくれる人を探す」とは、「労働単価をあげるという目的のためにチームで働く」ということだ。

人に動いてもらうことで自分の時間を増やす

とはいえ、「一緒に働いてくれる人」は自分以外の「他人」であるので、当たり前だがはじめのうちは思うようにいかず、「自分でやったほうが精度も高いし、早い。教える時間が勿体ない」と思うかもしれない。だが、いつまでも自分でやっていては、今より稼げるようにはならない。1日24時間の枠を超えることはできない。誰かと一緒であれば、1日は48時間にも、72時間にも、1,000時間にもなり得るのだ。長い目で見ると、「教える時間」というのはたった数時間〜数百時間の投資である。また、ひとりが自分の考えややり方に感銘し、教育したことを身につけてくれさえすれば、その「ひとり」はまた違う「ひとり」に同じように教えてくれることだろう。

やる気を出してもらうためにはどうすればいいのか?

人は何のために働いているのか? といえば、サラリーマンの場合、ほとんどの人が「生活のため」に働いているのではないかと思う。「生活していくため」「家族を養うため」など色々とあるだろうが、イコール「お金のため」である。勤め人(サラリーマン)は、自身の労働時間を「賃金」に替えることで対価を得ている。もし、どれだけ時間をかけて作業し、「結果」を得てもそれが「賃金」に反映されないとしたら? 自分の労働対価は下がり、仕事にやる気など出るはずもないだろう。

「結果」を賃金に反映すること、が大前提であるが、それが出来ない会社なのだとしたら、上司としてできることは、業務内容をよく理解した上で無駄をなくし、労働単価を上げることだろう。そして加えて重要なのが「仕事に精神的なやりがいを感じてもらう」である。仕事で外部と関わりがある場合は、社外の人と知り合い、意見を交換したり、自分たちが作った製品やサービスを褒められた時、「やりがい」を感じることがあるかもしれない。

しかし、「チームで自分と働く人」が必ずしも毎回その「やりがいを感じる場」に参加できるとは限らない。その人は普段、影であなたを助けてくれていて、表には出てこない場合もある。そんな「チームで自分と働く人」が、やりがいを感じられない場合、自分が業務上で感じたやりがい、感動したこと、嬉しかったことを積極的に写真や言葉で必ず伝えよう。
直接見聞きすることができなくても、「自分がやっていることは人に、社会に貢献しているのだ」という意識を持ってもらうことが大事だ。

外国人に働いてもらうことの難しさは、一緒に仕事したものにしかわからない

筆者は、第1章、第2章で述べたように大学を卒業してすぐに台湾に移り住み、台湾系企業で働き始めた。台湾の場合、外国人が就労ビザを申請する場合の最低賃金は「47,941元(約16万8,000円)」と決められており、これは台湾の平均月収を超える。※台湾の平均年収が57万円元/ボーナス込で13ヶ月で割ると、4.3万元程度、参考文献:フォーカス台湾(http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201708090005.aspx

新卒で右も左もわからない20代前半のヒヨッコが、仕事も出来ないのに平均収入以上の給与を得て、入社する。台湾人のスタッフにとって、面白いはずがない。「外国人の最低賃金」まで詳しく知っているスタッフは少ないと思うが、日本の新卒平均月収は額面で20万円程度なので、それを大幅に下回ってまで働きたいと思う人がいるわけもなく、ホワイトカラー人材確保のため台湾政府が、平均収入よりも高い金額を設定する意図はよく理解できる。その辺を台湾人も「なんとなく」理解しているので、当時自分に向けられていた目は厳しかった。そんな中、懸命に業務をこなし、いつのまにか人の上に立つ「管理職」となり台湾人スタッフにもだんだんと認めてもらえるようになったのだが、それでも「外国人に思うように動いてもらう」というのは難しい。

まず、「文化が違う」ので、「働き方が違う」。前述のように、台湾へ平均月収や年収が世界レベルで見ても低い。文化や教育的には、「日本」「韓国」「香港」「シンガポール」などの先進国と変わらない程国民一人当たりのレベルが高いのに対して、これら先進国と比べると圧倒的に給与が低い。そのため、基本的に低収入のサラリーマンなどは自分の仕事に線引きをするし、労働時間は1日8時間以上働くことはない。

私の働いている会社での事例

友人「月7万元(25万円)くらいないと誰も本気で会社のためにっていう気にはならないよ。とりあえず8時間内でできることだけやって、あとは株価でも見てたほうがいいよ。」私「確かに・・・」※【海外就職】台湾で管理職に着き仕事をすることの大変さを語ってみた。(【海外就職】台湾で管理職に着き仕事をすることの大変さを語ってみた。)

マネージャーとして身につけるべきスキル


最後に、マネージャーとして身につけうべきスキルについて話をしたい。人の上に立つものとして、身につけるべきスキルは無数にあるのだが、特に大切だと思うことを3つだけ書いてこの章を終えようと思う。

1.話し上手で、自分に自信がある

人前で話す機会の多いマネージャーは、自信を持って堂々と人前で話すことができるのがマストだ。自信がなく、将来が見えないマネージャーには誰もついてこない。前述したように、台湾企業で唯一の外国人である私は、社内のどのような行事も“中国語で”話をしなければならない。母国語ですら緊張する「人前でのプレゼンテーション」を外国語でこなすなんて、と数年前は非常に自信がなくおどおどしていたと思う。しかし「数をこなす」ことで上手く話せるようになり、何より間違うことを恐れなくなった。いまでは、何か発表の場があるたびにメンバーから頼られるようになり、数年前入社時から一緒に働いている年上のメンバーには、「マネージャー」らしくなった、と誇らしげに言われるようになった。

2.人に見えないところで努力をする

人の上に立つのであれば、人一倍勉強すべきである。「なぜこの人はこんなに知識が豊富なのだろう?」と感じる時、大体は見えないところで物凄く勉強していたりする。もしメンバーから質問を受けた時、もしその場で答えられなかったらわからなかったことを調べ、自分の力にすれば良い。「人に聞くだけ」の人は自分で覚えることをしないのでなかなか成長できない。「この人は物知りだな」と思う人は、何でも知っている「天才」なのではなく、わからなかったことをきちんと復習し、自分ものにする力を持っている人だ。世の中には、「天才」などほとんど存在せず、ただ、「やる人」と「やらない人」がいるだけだ。

3.人を信じて任せる

マネージャーは、人を細かく「管理」したり「監視」するのではなく信じて任せるべきだ。「あれはダメ」「これはダメ」といちいち細かく指示していては、人にやらせる意味がないし、相手も成長しない。

「日本人と台湾人のマネジメントの違い」

どうしても仕事のやり方が違うだけに、細かいメールにまでいちいち口出しをしてしまう時期があった。些細な間違いを指摘しては、注意をしていたのだが、彼女たちの態度はさらに悪くなっていった。そこで一度「好きにやらせてみた」ところ、間違いはあったがそれを相手方が指摘し、結局事前にミスを防ぐ以上に反省し、その後の作業が丁寧になった。このことから「メンバーへは、厳しく指導するのではなく、信じて見守るべきなのだ」と学んだ。
そして万が一、自分のチームが誤ちを犯した時、文句を言わずに責任を取る。その姿を見て、メンバーはさらに気を引き締め、今後の仕事の質はさらに上がっていくのではないかと思う。

効果的なマネジメントの処方箋

組織の潜在能力を引き出してビジネスを成功に導くためには、タスクや時間、そして人に対して、適切なマネジメント(管理)を実践することが必要不可欠です。
しっかりとした方法論に則って、効果的なマネジメントを実現させましょう。

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