リモートワーク歴8年、コミュニケーションツールの歴史から次世代を考える

今でこそリモートワークという働き方は、多様な業態の一つとして一般的になってきました。しかし、それもここ数年の話。私が、リモートワーク(その当時はそのような言葉も浸透しておらず遠隔仕事と呼んでいました)をはじめた、2010年はかなり珍しい働き方で「そんな働き方できるなんていいね」と、よく周りに言われたものでした。そんな、かなり初期の頃からリモートワークで仕事を続けてきた中で、最も大きな変化を遂げたと感じるのが、ネットでのコミュニケーションツールの進化です。この記事では、そのツールの変遷をたどりながら、次世代の仕事におけるコミュニケーションのあり方を考えてみたいと思います。

電話+メールの時代

私がリモートで仕事を始めた2010年は、まだ日本国内ではSNSといえば、まだ「mixi」。Facebookは既にローンチされていたものの、日本国内のシェアは少なく、基本、電話で打ち合わせをし、メールで仕様の連絡やデータが届くという状況でした。打ち合わせが長引けば電話代もかさみますし、相手の顔が見えず、コミュニケーションというよりは、仕事上の業務連絡といった状態。業務がちょっと遅延したりすると、かなり殺伐としてしまうため、進捗や確認にはかなり気を使わなければなりませんでした。

スカイプの浸透で顔が見える&チャットでのコミュニケーションに

もともと、日本ではオンラインゲーム界隈で使われることが多かったSkypeですが、ビジネスの現場にも浸透してきたと感じたのは2011年ごろからです。ミーティングがSkypeを使ったテレビ電話になったことで、顔を見ながら複数人での打ち合わせが可能になりました。オンラインでもチームという感覚が生まれ、顔を見て話せるというのは人と人が関わる上ですごく重要なことなのだと実感したのを覚えています。

またスカイプでは通話以外にもチャット機能があり、データなどもスカイプを使って送れました。このことで、主要なメンバー内のやりとりはスカイプチャットをメインに使うようになり、メールを使用することがかなり少なくなりました。かなりリモートワークがやりやすくなった出来事です。

Facebookがビジネスチャットツール化

時期を同じくして、Facebookが急速に日本に浸透し始めました。2012年ごろには、多くの人が活用するようになり、名刺交換するついでにFacebookはやっていますか?と聞いて、友達申請を送っていたのを思い出します。SkypeユーザーよりもFacebookユーザーの方が多く、友達追加も簡単だったため、徐々にFacebookがビジネスチャットとしての機能を持ち始めました。グループチャットを作り、案件ごとにチャットを分けたり、グループページといって特定のユーザーを招待したタイムラインを作り、そこにデータをヴァージョンごとに格納するなど、いろんな工夫をしながら運用していたのを覚えています。

ChatWorkの登場

Facebookのそのような活用法を受けて、登場したのがChatWorkでした。FacebookはあくまでもプライベートなつながりをベースにしたSNS。そこに仕事が入ってくることで、プライベートと仕事が混ざることに対してストレスを感じるユーザーも多く、「ビジネス専用のSNS」という切り口のChatWorkは、そのようなユーザーの指示を受けシェアを拡大していきました。

appearinでグループミーティングが楽に

その後、リモートでのミーティングに革命を起こすツールが出てきました。appearin(アピアーイン)は、WEBブラウザ上で通話ができるツールで、URLを発行したら通話したいメンバーにシェアし、そのURLへ入ると会話ができるというもの。面倒なアカウント登録も一切不要なため「Skypeのアカウント持ってますか?ID教えてください」みたいなやりとりがなく、サクッとミーティングがはじめられます。新規のクライアントやメンバーとの打ち合わせを楽にする画期的なツールでした。その後、このサービスをモデルに多様な類似サービスが作られていくことになりました。

ラインの流行&あらゆるSNSに通話機能が搭載

2012年頃から急速に利用者を増やしたラインの影響で、電話よりもラインで通話している時間が多くなりました。初期のラインの唯一の欠点は「グループ通話ができない」ことでしたが、それも今は解消されています。また、Facebook、ChatWorkをはじめ、数多くのSNSやビジネスチャットツールが通話機能を導入し始め、この頃から、Skypeを利用することは、ほぼ無くなってきました。だいぶインフラが整ってきた時期でしょうか。

Slackが浸透しプロジェクト管理しやすくなる

その後、しばらくビジネスコミュニケーションツールの変遷は多少のアップデートを挟みながらも割と落ち着いた時期が続きましたが、Slackの登場でシェアが大きく変わり始めました。もともとエンジニア界隈で活用され始めたSlack。プロジェクトごと、かつ、議題ごとにチャットを作成でき、情報の錯綜を少なくできることや、コードを追加することで他サービスと連携するなどカスタマイズ性も高いことが受け、シェアを拡大しています。

次世代のコミュニケーションツールのキーワード

まだ10年も経たないうちに、メールと電話でのやりとりから、あらゆるツールを変遷して、今のビジネスコミュニケーションの環境が整っていきました。基本的に必要なサービスは揃い、インフラはほぼ整ったと言える状況。そんな中、現在、アメリカでは「組織4.0」という概念が浸透し始めており、次世代のコミュニケーションツールは「チームのパフォーマンスをいかに上げられるか」が鍵となってくると言われています。

組織1.0は、トップダウン式の俺のやり方を見て学べ形式の職人カタギな組織。組織2.0は、ノウハウ化し伝承していくスタイル。組織3.0は、ビジネスコミュニケーションツール等を用いてチームのエンゲージメント発生している状態。そして、組織4.0が、チームのパフォーマンスが向上されている状態であり、このパフォーマンスの向上を生み出せるツールこそが次世代のツールとなっていくと考えられます。

日本では「soeasy buddy!」という動画とAIによるビジネスナレッジSNSツールを開発している「株式会社soeasy」が、組織4.0という概念を国内ではいち早く取り入れており、1.1億円の資金調達をしたことが記憶に新しいニュースです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
ビジネスコミュニケーションは、エンゲージメントからパフォーマンスの時代へ向かっていくのは間違いないと言えるでしょう。今後も、新たなソリューションを楽しみに、ビジネスコミュニケーションの変化に注目していきたいところです。

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