これこそみんなの成長・幸福に繋がる答えかも。働き方とオフィスのありかたを海外事例に学ぶ

少子高齢化による生産年齢人口の減少、また育児や介護との両立など働き方ニーズの多様化を背景に、ここ数年、働き方改革が大きく取り上げられるようになりました。その一貫として、昨年来プレミアムフライデーあるいは時短勤務という言葉をよく耳にしました。他にもテレワークやリモートワークなど、たくさんの施策があります。
そこで今回は、financial times、CNN businessの記事から、海外で実施されている働き方改革について紹介します。

働く時間を従業員に任せる

イギリスの従業員のほとんどが休みをとるクリスマス。人手不足になることが大きな社会問題でした。そこで、イギリスにある携帯電話会社O2がとった施策は自由に働く時間を決められるというものでした。O2で行われた働き方について紹介したfinancial timesの記事をもとに紹介します。(2019/2/14、FINANCIAL TIMES掲載why flexible workers keep turning up at the officeから)

フレックスタイム制が会社全体の人手不足を解決する

カトリック教徒が多く占めるイギリスでは、従業員のほとんどがクリスマスに休みを取得し、人手不足になることがしばしばでした。そこで携帯電話会社のO2は、クリスマスであっても自由に休みを取得できる制度を導入しました。みんな休むと、より人手不足になりそうですが、そこに現れたのはイスラム教徒の人たち。イスラムの祭日は12/10〜12/13。クリスマスとは期間が違います。カトリック教徒が休みの期間にイスラム教徒が働き、イスラム教徒が休みの期間にカトリック教徒が働きました。このように、会社全体でみると人手不足になることはありませんでした。

日本でこの事例を取り入れようとすると、日本人の多くが休む新正月と中国人・ベトナム人が休む旧正月が挙げられるでしょう。新正月は中国人・ベトナム人が働き、旧正月は日本人が働くというように、休みを別々にとることが考えられます。これから外国人労働者を受け入れる方針の日本。フレックスタイム制で多様な人材に対応することが求められるでしょう。

フレックスタイム制がもたらす従業員の意識変化

従業員が自由に働く時間を決められるO2。会社全体の人員不足が解消されること以外にも、働く時間を自由にするメリットがあるそうです。それは従業員がモチベーションの維持・仕事へのやる気を促す効果です。O2の人事担当者は働く時間を自由にしたことで、従業員が自主的に動く機会が増え、会社全体として労働生産性が向上したと記事のインタビューで答えています。

平成28年に厚生労働省が出しているテレワーク活用の好事例集でも、自由に働ける環境は、人材確保や離職率の軽減だけではなく、ワークワイフバランスの実現のよって育児・介護時間の増加などの生活のゆとりをもたらし、そのゆとりが労働生産性の向上につながるということが紹介されています。

日本でのフレックスタイム制の導入事例

続いて、日本でのフレックスタイム制の導入事例を紹介します。

日産自動車

日産自動車では2015年から一日8時間勤務を意識した働き方や、時間の質の向上を目的とした「happy8」プログラムを開始するなどの働き方改革に取り組んでいます。近年では在宅勤務の拡充を進めていて、前日までに上司に申請すれば、1ヶ月上限40時間を限度に在宅勤務が可能。男性社員を含め、約4000人の従業員がすでに利用しています。

三井住友銀行

三井住友銀行では、ダイバーシティー推進を成長戦略の核として取り組んでいて、「ダイバーシティー推進委員会」を設置。働き方改革を本丸と位置付けて取り組んでいます。
2016年7月から全従業員の2/3に当たる1万8千人を対象として制度化を行なっています。制度上の制限は特に設けておらず、幅広い従業員が利用しています。
(参考資料:厚生労働省 テレワークの好事例

バイオフィリックデザインのオフィスで働く

オフィスデザインは、仕事の効率をあげる上で考えなくてはいけません。好きな席に座っていいフリーアドレスや集中スペースを設けたり、オフィスデザインは多種多様です。今回は、数あるオフィスデザインの中から「バイオフィリックデザイン」について紹介します。(2019.02.22.CNN BUSINESS掲載 biophilic desingn:why nature could be a good investmentの記事を元に)

バイオフィリックデザインのオフィスとは

バイオフィリックの語源はバイオ=「自然」、ギリシャ語のフィリック=「愛すること」の造語であり、1984年にエドワード・O・ウィルソンが提唱したものです。ウィルソンは「人は自然と関わることで幸福感をえて健康になる。それゆえ、生物的欲求から自然を必要としている。」という理論を提唱しています。このような欲求を満す答えが「バイオフィリックデザイン」。オフィスに自然を感じられる環境を、建築やインテリアで表現する取り組みのことです。色を変えて幸せな気分にさせたり、太陽の光が入りやすい窓にして落ち着いた雰囲気にしたり、職場の環境をよくしてくれます。

バイオフィリックデザインのオフィスのメリット

続いて、バイオフィリックデザインのメリットを紹介します。

幸福度

自然な環境と触れている環境で働いている人は、自然と交わらない環境で働いている人に比べて15%、幸福度が高いという結果が示されました。
アメリカのある企業で実施された調査によると、植物以外にも、窓も幸福度に大きく影響していることがわかりました。窓があり、外の景色が見れる環境で働いている人は、窓がない環境で働いている人よりも、ストレスが少なく、幸福度が高いことがわかりました、

生産性

自然と触れている環境で働いている人は、自然に触れていない環境で働いている人より、6%生産性が高いことが報告されました。幸福度が高く気分がいいと、もう少しやってみようという気持ちにつなげることができるでしょう。
バイオフィリックと生産性の相関関係は、文化で大きな違いがあります。イギリスやニュージーランド、フィリピンでは観葉植物が生産性向上に繋がったことがわかりました。一方で、インドやインドネシアでは、オフィスが緑という色が生産性向上につながりました。他にも、ドイツでは石や植物と、オーストラリアでは本物の木がオフィスにあると生産性が大きく向上しました。このように、一般化されたバイオフィリックデザインではなく、国ごとの文化・慣習をデザインに取り入れていくことが重要です。

創造性

創造性に関しては、15%も自然と触れる環境の人の方が創造力が高いことがわかりました。分析によると働く人の創造性は、周りの環境や自然を、作るものに盛り込んで拡張することが大きく影響していることが示されました。バイオフィリックデザインによって、従来のモノトーンではなく、いろんな色・自然などの外的要因が多く、創造性を刺激してくれます。

(参考資料: the global impact of biophilic design in the workplace

日本でのバイオフィリックデザイン導入事例

続いて日本でのバイオフィリックデザインをオフィスに導入した事例を紹介します。

アマゾンジャパン合同会社

目黒にあるアマゾンのオフィスには、どこのフロアにも天井や足元に植物があります。アマゾンオフィスはバイオフィリックデザイン以外にもフリーアドレス制を導入。通常の作業用デスク以外にも、カフェスペースの好きな場所で仕事をすることができます。どこのフロアにも植物があったり、カフェスペースの好きな場所でも働けることで、働く意欲やリフレッシュしやすい環境になっています。
他にも、イスラム教徒向けのお祈りするスペースがあり、宗教関係なく働きやすいです。宗教の他に男女別のシャーワールームの他にユニセックス用があったり、授乳室があったりと、どんなセクシャリティや働くお母さんであっても働きやすい環境を整えています。多様性を認め、どんな社員でも働きやすい環境を作っています。

ヤンマー株式会社

大阪にあるヤンマーの本社ビルはバイオフィリックデザインのオフィスを選ぶ「biophilic design award」という国際的な評議会で、2017年に金賞の次にあたる「honorable mention」を受賞しました。
本社ビルは「自然との共生」をコンセプトに設計。最上階は上の画像にあるようなガラスばりの年養鶏場があったり、オフィスの外壁は国内最大の緑化、水が流れるエントランススペースがあります。オフィスの中に自然の要素を入れ、働きながら自然と触れる機会が多くあります。視覚的な自然の要素だけでなく、建物中央には螺旋階段によって、自然換気をすることができ、オフィスの空気も自然と近く、リフレッシュに繋がります。

まとめ

いかがでしたか。今回は海外記事から、これからの働き方・オフィスデザインについて紹介しました。
昨年2018年に、出入国管理法が改正され、ますます外国人労働者が増えてきます。これからは多様化する人材や働き方のニーズが増えていき、働き方改革の必要性が増していきます。その働き方改革の正解の一つとして、フレックスタイム制やバイオフィリックデザインオフィスがあるかもしれません。

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