解決策はPREP+α 女性上司はなぜあなたの話を聞かないのか

「自分の話が上司に響いていない」と感じているなら、PREP法を活用してみてください。特に、上司が女性の場合であればなおさら、正しい順序に則った説明を心がけることが大切です。

女性上司があなたの話を真剣に聞いてくれないのは、「機嫌が悪かったから」ではありません。「どうせ女性は機嫌で物事を判断する」というあなたの先入観が邪魔をしているからです。

女性社長の秘書として働く私が、忙しい女性上司にしっかり話を聞いてもらうために意識していることを紹介したいと思います。

前回の記事:「女性だらけの職場で生きる術 男性リーダーが意識している3つのポイント

1.相手が男性でも女性でも、上司とのコミュニケーションにストレスはある

2019年3月、エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社が、「新年度における職場環境」についてのWebリサーチを実施しました。リサーチに協力した22~49歳の男女1,032人のうち、67%が上司とのコミュニケーションにストレスを感じていると回答しました。

この結果から、上司とのコミュニケーションにストレスを感じるのは、決して珍しいことではないということがわかります。さらに部下から見た「上司のやりづらい点」についての設問では、「言っていることが理解されない」という回答が約30%を占めました。

このように「自分の伝えたいことがうまく伝わらない」という気持ちが、ストレスの原因になっているのです。そこに上司が男性/女性だからという区別はありません。一方で、リサーチでは部下が上司に対して求めるものが、上司が男性か女性かで異なるという結果も出ています。

私たちは上司に対して、「男性/女性なんだから」というイメージで勝手な期待や誤解を抱いているのかもしれません。

今回は、女性上司とのコミュニケーションで「うまくいかない」と感じることを、「上司が女性だから」といい訳せず解決する方法を考えていきたいと思います。

2.PREP法は女性上司にこそ有効

自分の話がなかなか女性上司に伝わらないことを、世間でよくいわれるように「女性は論理的に考えるのが苦手だから」と感じているなら、その考えは一度疑ったほうがいいでしょう。

あなたの上司は社内外から評価された結果、今のポジションに就いています。論理的に物事を考えられない人がそのような評価を得ることは非常に難しいと思いませんか。

女性上司とのコミュニケーションを変えるためには、はじめに固定概念を捨て、自分自身の伝え方を見直すことが大切です。

たとえば、一般的にプレゼンの構成として有効とされるPREP法ですが、実は対面でのコミュニケーションにも活用できます。女性上司とのコミュニケーションで悩んでいるなら、PREP法に則って話をしてみてください。

あなたの話がうまく伝わるだけでなく、「女性は論理的に考えるのが苦手」という、つまらない先入観を捨てることができるはずです。

まずは、基本的な考え方についておさらいしていきましょう。

PREP法に則した説明方法

PREP法とは、相手に対して論理的に話をする方法で、それぞれの略称は下記のようになっています。

  • P = Point (結論)
  • R = Reason (理由)
  • E = Example (具体例)
  • P = Point (結論)

上記のように「 結論 → 理由 → 具体例 → 結論 」という順番で説明することで、提案内容が響きやすくなるといわれています。

なぜ結論を先に伝えるのかというと、人はなにかの説明を聞くとき、はじめの30秒程度しか集中力が続かないといわれてるからです。そのため、相手にとってメリットのある話を真っ先に伝え、興味を引きつけなくてはなりません。

そしてこの考え方は日々のコミュニケーションの中でも有効です。

想像してみてください。友人の話を聞いているときに、「で、結局どういうこと?」と感じることはありませんか。このとき、あなたは結論を話してほしいと感じているのに、相手は理由や具体例ばかりを話しているのです。

友人とのコミュニケーションなら、このようなこともその人の話し方・個性ととらえることができますが、ビジネスシーンでは違います。たとえ社内であっても、職場にいるのは仕事上の仲間であり、友人ではありません。

あなたも取引先では簡潔に話をまとめるのに、社内では無意識に相手にとってわかりにくいコミュニケーションをしているかもしれないのです。もし自分の話が上司にうまく伝わっていないと感じているなら、社内でもPREP法を意識してみましょう。

社内でPREF法を使ってコミュニケーションをとるには

方法は簡単です。上司に話かける前に、下記のように考え、それぞれを紙に書き出すだけです。書き出した紙はそのままゴミ箱に捨てても、手に持って行ってもかまいません。

考えをまとめる流れ

  1. はじめに、結論を伝える。
  2. その次に理由を話す。
  3. それから具体例を説明する。
  4. 最後にもう一度、結論を話してまとめる。

メモに書き起こす内容

  • 結論
  • 理由
  • 具体例
  • 結論

クライアントに提出するような資料は必要ありません。自分の中でしっかりと準備をすれば、きっとあなたの考えが伝わりやすくなるはずです。そして、自分の考えが女性上司に届くようになれば、仕事に邪魔な先入観をもち込まなくてすむようになります。

3.女性上司は部下からの提案を聞き飽きている

うまく自分の話をまとめられるようになったら、次は相手の立場を考えてみましょう。というのも、会社という組織の構造上、あなたにとって上司は1人ですが、上司にとって部下はあなた1人ではないのです。

つまり、あなたから見て、提案や報告がうまく伝わらないと感じている女性上司は、部下から数多くの話を聞かされ、聞き飽きているかもしれないのです。

たとえば、あなたが所属するチームが1人のリーダーのもとに、5人のメンバーがいるチームだったとします。もしあなたが上司に1日1回、何らかの報告や相談をしているとすれば、ほかの4人のメンバーも同じように上司と話をしていると予想できます。

5人の部下から毎日1件ずつ報告や相談を受ければ、その数は1週間で25件、1カ月で100件、1年間で……と、あまり考えたくない数になるのです。

このように想像すると、部下から話を聞くのは、結構大変な仕事だと思えてきませんか。「せっかくよかれと思って提案しているのに、あんな聞き方はないだろ」「なんで大事な報告なのにこんなに反応が薄いんだ」と非難する前に、まずは相手の立場を考えてみてください。

女性上司はあなたの話を聞きたくないわけではありません。ただ、1日の限られた時間で仕事をする中で、早くあなたの話が重要なのかそうでないのかを判断したいのです。そして、なかなか要点の見えてこない話の場合、本来の内容がどうであれ、重要でないものととらえるほかないのです。

こうしてみると、まず結論を述べ、これからどんな話が始まるのか伝えることは、忙しい相手に対する最低限のマナーだと思いませんか。女性上司を含め、社内の仲間にこそ、相手の時間を不用意に奪わないコミュニケーションをとることが大切なのです。

4.PREP+αで女性上司の期待を裏切る

部下から数多くの提案や相談を聞き、聞き飽きているかもしれない女性上司に、自分の話を聞いてもらうにはどうすればいいのでしょうか。私はPREPの最後のPに+αし、Point(結論)にPassion(情熱)を加えることが有効だと考えています。

ここからは少しだけ私自身の話をさせていただきます。冒頭にも述べましたが、私の仕事は女性社長の秘書です。そのため、私が社長に提案・報告をするのに加え、ほかの管理職が社長に話をする場に同席することが頻繁にあります。

横で見ていて感じるのは、社長にはお行儀のよい話は響かないということです。前述した社内でもPREP法を用いるという話ですが、社外から提案を受けることの多い人であれば、そうした正しい順序に則った聞きやすい説明すら聞き飽きているのです。

そのため、もはや最初のP(結論)しか話を聞いていないということもあります。こういった相手に話をするとき、私は最後のPに少し手を加えます。Point(結論)にPassion(情熱)をプラスするのです。

相手は話の流れから、最後にもう一度同じ話(結論)が来ることを予想しています。そこであえて、最後の部分を感情論に転換することで相手の期待を裏切り、まったく新しい話がヒットする可能性にかけるのです。

もちろん、毎回この方法をとっていては相手も慣れてしまいます。そのため、使うのはどうしても相手に聞かせたい話なのに、P→R→Eまで話して響いていないと感じられるときだけです。

だれかと話をするとき、相手の反応を見て話し方を変えるというのは、友人や家族相手には何となくできていることだと思います。上司や社長が相手となると、緊張して話が単調になってしまいがちですが、相手も同じ人間なのです。

できれば、退屈しないように話をすべきですし、興味をもてていないように見えたら、話し方を変えてみるのもひとつの方法です。

ビジネスの場面で、「男性/女性はこうだ」といういい方はあまりしたくありませんが、確かに女性は男性よりも会話を楽しみたいと考えている人が多いと思います。そして、一度つまらないと感じた話を聞かなくなってしまう人が多いとも感じます。

しかし、そもそも女性につまらない話を長々と聞かせるのはどうかと思いませんか。たとえ相手が上司であっても、です。

以前書いた記事で、女性上司とのコミュニケーションでは、本題(肉)に雑談(ねぎ)をはさむ「ねぎまスタイル」について紹介しました。相手を退屈させないというのは、女性上司とのコミュニケーションにおいて、やはり大切なポイントだといえるでしょう。

せっかく準備した丁寧でわかりやすい説明を、女性上司が退屈そうに聞くようになったら、相手の想像を裏切る方法を探してみてください。

そんなことを考えていてはいつまでたっても、コミュニケーションをとるのが大変だと感じてしまうかもしれません。ですが、いろいろな工夫を凝らすうちに、女性上司はあなたのことを「いつも一生懸命話をしてくれる部下」として認識するようになるはずです。

そうしたコミュニケーションをとることが「この人の話は聞く価値がある」という信頼関係へとつながっていくのではないでしょうか。

PREP法でも、PREP+αでも、別のやり方でもかまいません。やりずらさを感じている女性上司がいるなら、毎日少しずつ昨日とは違うコミュニケーションを試してみてください。女性上司に響くコミュニケーションにもっとも必要なのは、あなたが歩み寄る気持ちなのです。

5.まとめ

最後に、女性上司に響くコミュニケーションについておさらいです。

PREP法は女性上司にこそ有効
女性上司に話を提案・報告・相談をするときには、しっかりと準備を整えて臨みましょう。「女性は機嫌で物事を判断する」「女性は論理的に考えるのが苦手」といった先入観を捨て、自分の話し方を見直すことが大切です。

女性上司は部下からの提案を聞き飽きている
あなたにとってはひとりだけの上司ですが、上司にとって部下はあなたひとりだけではありません。複数の部下から毎日数多くの話を聞く女性上司の立場になって、自分の話し方を振り返ってみましょう。

PREP+αで女性上司の期待を裏切る
わかりやすい順序に則った説明さえも聞き飽きている女性上司に対しては、期待を裏切る方法を考えてください。相手を退屈させないように歩み寄る姿勢が、女性上司とのコミュニケーションを円滑にするのです。

参考サイト:
エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社プレスリリース
詳細資料(「新年度における職場環境に関する調査」)

新入社員「オレ、定時で帰ります。」上司より先に退社キメてみたら…

この記事を読む

イチオシ記事

最新情報をチェックしよう!
>TeamHackで、タスク管理を驚くほどラクに。

TeamHackで、タスク管理を驚くほどラクに。

TeamHackは、タスク管理とチャットが同時にできる「業務コミュニケーションのしやすさ」に特化したオンラインワークスペースです。コミュニケーションツールとタスク管理ツールを行ったり来たりして、二重に管理の手間がかかる問題をスッキリ解決します。

CTR IMG